*[長崎日記]台風の被害と唐津旅行、秋の植え付けなど

*[長崎日記]台風の被害と唐津旅行、秋の植え付けなど

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庭に自生している彼岸花

 台風9号は、9月2日の18時長崎市に最接近し済州島の東を通過、中心の気圧は950hPa。長崎県の五島空港では最大瞬間風速44.8m/sを記録した。わが家の被害は植えて4年目になる、高さ2メートルのオリーヴの樹が1本倒壊、2本が大きく傾いた。早速、植木屋さんに頼み翌日には3本とも元のように立て直してもらい、実質被害はゼロだった。

  伊勢湾台風並みとの事前報道があった台風10号は、4日18時には奄美大島南東で本年最強の勢力の920hpaを記録した。

 わが家は沖縄並みの対台風強度で建てられているとは言え、四方からまともに風を受ける丘の上にあり、おまけに雨戸がない大きな窓が4面ほどある構造。そこで、急きょ飛散防止用の養生テープひと箱(30巻入り)をamazonで注文。予定では6日の午前中に届く予定だったが、「台風のため遅延。8日の午前となる」とのメールが入った。しかし、実際にはヤマト運輸が内容物を見て「台風通過前に必要」と気を利かせてくれたようで予定どおり6日の午前中に届いた。

 窓ガラスは複層ガラスのため外側と内側の両方から養生テープを張りまくった。さらに飛来物がもっとも来そうな2面のガラスの内側には、破損に備え2メートル×1メートルのアルミロールマットも貼っておいた。停電に備え、賞味期限切れのミネラルウォーターを6本ほど凍らせておき、スマートフォンの予備バッテリーや懐中電灯用の充電式電池も用意しヘルメット、ブルーシート、レインコート、長靴なども準備。玄関のガラス戸の前には土嚢代わりに培養土の袋を積み上げておいた。

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養生テープを貼った窓

 私自身は、ガラス窓の内側に木製の引き戸がある寝室に閉じこもり、最接近時の02:00から04:00の間は起きていることにした。最接近時には、家そのものは揺れなかったが、外から凄まじい風の音が聞こえ続けた。

 わが家への最接近は7日の02:00で西70kmの位置を通過。近くの野母崎で最大風速44.2m/s、最大瞬間風速59.4m/sを記録した。しかし、中心気圧は台風9号で海水がかき回されて10号のエネルギー源が弱まっていたため945hPaほどに留まった。それでも、8年前に家を建ててから最大勢力の台風の接近となったため被害は大きかった。

 7日の正午近く、未だ吹き戻しの風が吹く中を点検すると、オリーヴの樹が3本倒壊、3本が傾いていた。さらに、裏庭の甘夏ミカンの木が2本根元から倒れていた。4メートルほどの高さに育っていた植えて8年になる5本のオリーヴの大木は無事だったが、よく見ると大きな枝を折って、隣家の太陽熱温水器が飛んできてガラスが広く飛散していた。ほかにも、庭中に、ご近所や空き家、廃屋から飛んできた屋根瓦、スレートが飛び散っていた。奇跡的に建物に飛来物が直撃した痕跡はなかったが、オリーヴや枇杷、甘夏の木などの枝が何本も吹き飛んでいたところを見ると、木々が身を犠牲にして飛来物から建物を守ってくれたようだ。

 後で聞くと、わが家の周囲の人々は、窓に板を張るなど厳重な台風対策をした上で、市内のホテルや親戚の家、近くの小学校などに避難していて、どうやら居残ったのは私だけだったようだ。

 「伊勢湾台風並み」という事前報道で昔からご近所に住んでいる方々は、1991年9月27日に中心気圧940hPaで最接近し佐世保市の南に上陸した台風第19号の被害を思い起こし、事前避難されたようだ。
 このときは、当時空き地だったわが家の土地の上を、大きな屋根や物干し台が飛び越えていったそうだ。

 私は、2011年の長崎再上映を観ていた1956年製作の日仏合作映画「忘れえぬ慕情」(原題Typhon sur Nagasaki)https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/03028/を思い出していた。岸惠子ジャン・マレーダニエル・ダリューが出演、イヴ・シャンピが監督した映画で、ジャン・マレーをめぐる二人の女性の恋の駆け引きが描かれたラブロマンスだが、後半は長崎が巨大な台風に襲われ、造船所や市街が壊滅し、岸惠子演ずる主人公乃里子が亡くなるという筋書きの映画だ。

 有り難いことに、7日の午後には、小学校の同級生3人が駆けつけてくれて、倒れた木々の立て直しや飛来物の除去を手伝ってくれた。後日の植木屋さんの養生作業もあって、倒れた木々も元通りに樹勢を回復している。

 台風の後処理が一段落した9月15日からは、3泊4日の予定で生まれ故郷の唐津へ小旅行に出かけた。いつもは「唐津くんち」見物を兼ねて11月上旬に行っていたが、今年はコロナで祭りが中止となったので早めに出かけた。滞在したのは、子供の頃から縁のあった唐津シーサイドホテルhttps://www.seaside.karatsu.saga.jp/
 最近、敷地内で温泉を掘り当て、東館が建て替えられ、スパ関連の設備https://www.seaside.karatsu.saga.jp/relaxation/が充実したリゾートホテルへと変貌していた。
 滞在中に貸し自転車を利用して唐津市内の生まれた家などを見て回ったが、先月の雲仙に続いて途中で大雨に降られリタイア。ずぶ濡れになったが、すぐに温泉につかってことなきを得た。

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シーサイドホテルのルーフトップサーマルバス

 さて、台風一過の、我が家の庭は、自生する彼岸花やコスモスが咲き始め賑やかになってきた。秋の種蒔きや植え付けも無事済ませ、ディル、イタリアンパセリ、絹さやえんどう、つるありスナップ、コリアンダー、ベビーリーフ、春菊、パセリ、レタスサラダミックス、サラダ菜、サニーレタスなどが芽を出し始めている。
 ジャガイモは、雑草対策の黒マルチを張って、メイクィーンの種芋を2つの畝に植え付けた。さらに、もうひとつの畝を準備中だ。

 コロナ禍の影響で、ステイホームが長期化し、食糧難の予兆も感じてか、家庭菜園が例年になく盛んなようで、毎年植えるデジマ種を始めとする種芋や園芸用品の一部は売り切れ状態となっている。メイクィーンの種芋も友人に頼んでわざわざ地元農協から取り寄せてもらったものだ。

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メイクィーン種芋の植え付け



 2008年以降、昨年までほぼ毎年、「ウィーン+α」の旅行に出かけていたがhttps://europedia.hatenablog.com/entries/2012/12/09、今年はコロナ禍で早々に断念した。
 5月の当欄で、「ヨーロッパ・ツアーに関しては、この秋頃から、旅行事業者やメディアなどに現地を視察してもらうファムツアー(下見招待旅行)から始まり、一般客も含めたモニターツアーがその後に続くと予想する」と書いたが、ほとんどの国から日本帰国後14日間隔離・自宅待機等になってしまうので、事実上、ヨーロッパへの観光旅行は困難な状況だ。

 トルコ、スイスなどに続きオーストリアもこの9月28日から日本人観光客も入国出来るようになったようだがhttps://www.at.emb-japan.go.jp/files/100097211.pdf、帰国後の14日間の隔離・自宅待機等が続く限り、あえて観光で訪れようという人は皆無に近いだろう。
 それに、オーストリアやフランス、スペイン、イギリスなどでは、ヴァカンス帰りの人を通じてなど新たな感染爆発の兆しがある。空気が乾燥するこれからの季節にはさらなる広がりもあり得るだろう。やはり、私の次のヨーロッパ旅行は来年の秋以降になりそうだ。


■今日のブックマーク&記事■

□青木敏郎展 ~緻密・情感・秩序・継承~ (日本橋三越本店福岡三越、名古屋栄三越
https://www.mitsukoshi.mistore.jp/nihombashi/shops/art/art/shopnews_list/shopnews0354.html

□トラベルボイス09月10日記事
「ヨーロッパの旅行業界団体、接触者追跡アプリの共通運用など欧州内の旅行規制統一を要望、観光旅行業の復活に不可欠」
https://www.travelvoice.jp/20200910-147033?tvm

□トラベルボイス09月24日記事
「ヨーロッパの観光産業の現状は? 国内線は5割まで回復、カギは「キャンセル・変更の柔軟性」や「直前予約」対応など ―「フォーカスライト欧州2020」取材レポート」
https://www.travelvoice.jp/20200924-147125?tvm

□トラベルボイス 09月27日記事
「コロナ禍で加速する旅行分野の新テクノロジー、デジタル消費行動の変化から出張需要の予測まで ―フォーカスライト・ヨーロッパ取材レポート」
https://www.travelvoice.jp/20200927-147126?tvm

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ちがいがわかる対照表 日本の漢字 中国の漢字 第2版

ちがいがわかる対照表 日本の漢字 中国の漢字 第2版

  • 作者:伊奈垣圭映
  • 発売日: 2019/10/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

*[長崎日記]つかの間の避暑と台風の季節の到来

*[長崎日記]つかの間の避暑と台風の季節の到来

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ホテルのルーフトップ・バーから撮った幸運を呼ぶという二重の虹

 8月25日から3泊4日で雲仙温泉http://www.unzen.org/でのつかの間の避暑に出かけてきた。雲仙は、標高700mの高原にあり8月の平均気温は21.7度程で、北海道の札幌と同じ涼しさとのことだ。
 もっとも、長崎市内も海洋性気候のおかげで九州内陸部で最高気温37度以上のときも、長崎市内は32~34度ということが多く、確かこの夏の猛暑日も計2日ほどだ。

 今回、滞在したのは、以前に2度ほど泊まったことがある「九州ホテル」https://kyushuhtl.co.jp/index.html、2年前に建て替えられてからは初めての滞在だ。
 建て替えにより、大浴場がなくなり、敢えて、客室数も減らし、全客室に半露天風呂が備わるようになったので、コロナ禍の時節も、心置きなく温泉を楽しむことが出来た。

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客室の半露天風呂

 創業者が西洋料理の料理人であたこともあり、昔から料理には定評がある。波佐見焼を中心とした器の美しさも料理を引き立てていた。個人的には、ワインの価格がリーズナブルで、欧米のリゾートホテルのように滞在中ボトルキープできるのが有り難い。

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長崎和牛ランプ肉の炭火焼き 赤ワインソース

 滞在中、電動アシストのレンタサイクルhttps://kataru-trip.com/tabichari.htmlでサイクリングを楽しみ、一切経の滝や宝原公園http://www.nagasaki-shizen.jp/detail-facility_info/facility-425/といった徒歩では行きにくい隠れた名所を訪れることが出来た。残念ながらサイクリングは途中で雨が降ってきたので、3時間の予定を1時間強でリタイア。ご親切なことに、3時間分の料金3千円を払っていたが、1時間分の料金千五百円にオマケしてもらえた。

 

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一切経の滝付近の小川

 「九州ホテル」や、この夏2回泊まった長崎港外の伊王島にある温泉リゾート「i+Land nagasaki」では、若いカップル客もよく見かけた。どうやらコロナのために、近場の海外旅行を国内のリゾートホテルに振り替えているようだ。この傾向はシニア層にも見られた。


 当欄の5月の記事で「ヨーロッパへの個人旅行に関しては、一般の人がコロナ以前のように自由気ままに旅するのは、ワクチンや治療薬が普及し、世界共通の予防接種証明書制度などが整備された後のことだろうから、個人的には2021年後半以降になると思う」と書いたが、コロナ・パンデミックが終息に向かったとしても、その背景にあるグローバリゼーションや気象異常、動植物種の激減、イナゴなど害虫の異常発生といったことは変わらないので、アフターコロナの旅のスタイルは大変貌するだろう。

 また、3月の記事で「一度止まった定期航空路線網は完全回復まで相当の時間がかかるに違いない。パイロットや運航関係者の再編成・慣熟訓練、航空機の徹底的なオーバーホールも必要になるはずだ。また、検疫の強化、セキュリティの厳格化、閉鎖された観光施設の再整備、人種的偏見の顕在化、新たな感染症への恐れ、可処分所得の減少などから旅行意欲自体が弱くなる可能性もある」と書いたが、国際線の運休・減便がこれだけ長く続くと再開の作業もますます複雑困難になるようだ。日経新聞の8月12日の記事「試練の航空」に長く飛ばなかった航空機の点検作業を「再起動」と呼ぶと書かれていたが、この「再起動」は機材などのハードばかりではなく、旅行サービスにまつわるソフト全般にも及ぶはずだから一筋縄ではいかないことだろう。

 8月下旬からフランスなど、夏のヴァカンス旅行が盛んなヨーロッパ諸国では移動に伴う感染の再拡大に直面しており、このままウィルスが広がりやすい空気が乾燥する季節を迎えれば、さらなる感染者の増加が危惧される。(フランスにおけるコロナの新たな感染者数は8月28日の24時間で7,379人を記録との報道があった)

 私自身は、来年秋頃のヨーロッパ個人旅行は可能だと思い、予定もしているが、「フライトはトランジットで起こりうるトラブルを避けるために乗り継ぎ便ではなくノンストップ直行便を」、「航空会社は危機管理や突発的事態の意思疎通がスムーズな日系の会社に」、「旅行の形態は旅程保証のある募集型企画旅行(海外航空券+宿泊)」、「現地での長距離移動は極力少なくする」、「食事はホテル客室内でもとれるようにキチネット付きの宿を」といった対応策を考えている。


 さて、我が家の庭は、夏の収獲が一段落し、今、収獲できているのは、キュウリやイチジク、パッションフルーツ、バジルなどのハーブ類、サニーレタスなどだ。
収獲は年末からになるが、甘夏、シークァーサー、柚子、レモンなどの果実も順調に青々と育っている。

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青々と実った甘夏ミカン



 花では、ロシアヒマワリは既に枯れており、種を取るのを待つ状態だが、去年の落とし種から下段の庭一面に広がったコスモスがそろそろ開花期を迎えている。薔薇やブーゲンビリヤも今年3度目の開花だ。


 今の主な家庭菜園作業は、秋のジャガイモなどの植え付けのため、雑草の除去や有機肥料の散布などを伴う畝作りだ。有機肥料には市販の油粕などのほか、キッチンで出る生ゴミなどからコンポストで作った栄養分豊かな土やロシアヒマワリの茎などを粉砕機で裁断した緑肥などが加わる。

 喫緊の作業としては、近づく台風9号の対策がある。山の中腹の尾根の上にあるわが家は、強風による被害を受けやすく、とくに吹き戻しによる被害がひどいので、台風の通過後も長く警戒が必要だ。
 昨年の9月22日に最接近した「台風17号https://europedia.hatenablog.com/entry/2019/09/28/130530 では、2~3年前に植え2メートル以上の高さに育っていたオリーヴの樹が4本ほど根元から倒れ、2メートルほどの花水木の樹が真ん中から折れ、レモンの大枝が30個ほどの実を付けたまま吹き飛び、ハーブのプランターが倒れ、キュウリのネットが吹き飛ばされたりと結構な被害が出た。「台風17号」は、最接近時でも気圧は975hPaだったが、今回は950hPa前後が予想されている。

 雨戸のない家屋構造のため、広い窓を襲う強風による飛来物が最も怖いが、8年前に植え、3~4メートルの高さに育ったオリーヴや2メートル半の高さのレッド・ロビンなどの木々が防風林の役目を果たしてくれることを期待している。実際、昨年の台風でも、木々が傷つきながらも健気に飛来物を受け止めてくれていた。
 テラスを囲むグレーチングという吹き抜けの格子状フェンスも風圧に弱いので、今日から留め金や開閉部分を針金などで補強する作業を始めている。

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グレーチングの扉とブーゲンビリヤ

 停電に備えて賞味期限の来ていたミネラルウォータのボトルを凍らせておいたり、予備の懐中電灯や手動充電ラジオ、スマートフォン用予備バッテリー、ローソク、ブルーシート、ロープ、ヘルメットなどを用意したりといった準備もしなければならない。

 

■今日のブックマーク&記事■

□Johnny Jet August 20記事“Use This Retired Dentist's Tip to Stay Safe While Flying”
https://www.johnnyjet.com/retired-dentist-tip-stay-safe-while-flying/ 

 

 

*[長崎日記]長い梅雨が明けた長崎

*[長崎日記]長い梅雨が明けた長崎

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ロシアヒマワリと自生するコスモス

 長い梅雨が30日に明けた。平年より11日遅い梅雨明けだという。長梅雨のおかげで雑草の成長は抑えられたが、キュウリなどの生育も遅れ、長崎でも野菜類の値上がりが目立つ。
 わが家のキュウリの収穫も例年なら1日10本前後の収穫だが、今年は4本前後だ。収穫が減った上に家庭菜園のエサに窮した小動物や鳥による被害は増えている。
 先日も、8羽ほどのカラスがキュウリ畑を襲い、器用に半分に千切った生育途中のキュウリを咥えて飛び去るのを目撃した。朝の収獲の後だったのがせめてもの救いだった。コロナ禍で町のゴミが減り、長梅雨で山や畑の木の実・果物・野菜も育ちが悪くなっているので、カラスもふだんは口にしないキュウリでも狙うしかなかったのだろう。

 毎年、フェンス沿いに200本ほどのロシアヒマワリを育てているが、今年は6月に強風の被害を受け、長梅雨で日照量が減ったせいもあり、高さがまちまちで開花時期もバラバラになって、例年のように2メートルを超える高さの並木とはならなかった。

 家庭菜園では、豊作のバジルやシャンツァイのほか、6月初めに種蒔きしたサニーレタスがなぜか虫の被害にも遭わず朝の食卓に不可欠なサラダの材料として貢献してくれている。


 1ヶ月前に、「長崎市では、未だに市民の間で新型コロナウィルス感染者が見つかっていない」と書いたが、7月に入って一気に陽性者数が29人となり、緊張感が出てきた。しかも、集団感染が市立病院であるメディカルセンターや長崎大学病院で発生し、医療体制にも逼迫感がある。

 そういう中だが、昨年まで12年連続で石垣島シュノーケリングを楽しんでいたことから、どうしてもシュノーケリングがしたくなり、6月に続いて長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/に3泊4日で出かけてきた。
 伊王島の「アイランドナガサキ」はかつてリゾート施設“スペイン村”として営業しいたことがあり、スペイン人のフラメンコチームも常駐していたことがある。その関係か伊王島の海水浴場はコスタ・デル・ソルhttps://www.islandnagasaki.jp/entertainment/costa-del-sol.htmlと呼ばれている。充実した“海の家”もあって、長崎市在住65歳以上は無料で利用できる。

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島風の湯」から遠望するコスタ・デル・ソル

 

 行ったのは、梅雨明け直前の7月27日から30日の間だが、28日は薄曇り、29、30日は快晴で、充分にシュノーケリングが楽しめた。石垣島に比べれば海水温も海の透明度も低く、魚の数も限られるが、長崎市内のわが家からも遠望できる近さの島でシュノーケリングができるのは嬉しい。
 シュノーケリングを終えた後は、ホテルの巡回ビーチバスで天然温泉の「島風の湯」に寄り、露天風呂から海を眺めながらノンビリと過ごした。

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島風の湯」の露天風呂

 ホテルの夕食もいつもどおり充実していた。長崎和牛のにぎり寿司がでてきたときには、コロナ禍さえなければ今年も石垣牛のにぎりが堪能できたのにと感慨にふけってしまった。

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長崎和牛のにぎり寿司

 今回のホテルの予約は、“ながさき癒し旅”ウェルカムキャンペーンhttps://www.nagasaki-tabinet.com/islands/article/nagasaki-cpn/iyashitabiを利用して6月29日に予約したもので、“GoToキャンペーン”を期待して予約したわけではないが、結果的に35%引きの適用が事後処理で出来るようだ。もっとも、チェックアウト時にホテル側から渡された領収書は「支払い内訳が分かる書類」の要件を満たしておらず、用意しておいた観光庁のモデル様式を提示して指摘したが、「これで良い」の一点張りで取り合ってもらえなかった。おそらく日本中の多くの宿泊施設で“要件不備”が起きているものと思われる。“GoToトラブル”の先行きが心配だ。


■今日のブックマーク&記事■

□CNN 13th July 2020記事“The people who say they're not boarding an airplane until there's a Covid-19 vaccine”
https://edition.cnn.com/travel/article/not-flying-until-covid-vaccine/index.html

□トラベルボイス07月20日記事「トラベルバブル(相互国合意の域内旅行)の実現に必要な4要素を整理した【外電】」 https://www.travelvoice.jp/20200720-146632?tvm

 

*[長崎日記]夏の家庭菜園と県内旅行

*[長崎日記]夏の家庭菜園と県内旅行

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伊王島灯台

 前回書いた「ふるさと再発見の旅 ~宿泊施設応援キャンペーン~」 https://www.nagasaki-tabinet.com/islands/article/kenmin_ouenを利用した2泊分1万円の補助を受け、6月上旬に長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/に2泊3日で出かけてきた。伊王島はわが家からも女神大橋越しに遠望できる位置にあり、陸地と橋で繋がっているため無料送迎バスで35分という近さだ。今回の目的は、海の見える天然温泉露天風呂でノンビリすることと、島内一周のサイクリング、そして海鮮料理を飲み放題のボトル・ワイン(チリ産白)で賞味することだ。飲み放題なので、お代わりは自由。若い頃は、ひとりで白1本、赤1本は平気だったが、今は哀しいかな白1本と赤グラスで2杯がやっと。飲みっぷりが良かったせいか、長崎牛のグリルに合わせて頼んだグラスの赤は、支配人の好意で本格的ブルゴーニュ・グラスになみなみと注いでくれた。中身はチリの赤だったが。

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チリワインと近海の刺身

 10年近く前に当欄「長崎に戻り、サイクリング三昧の暮らし」https://europedia.hatenablog.com/entry/20110912/p1伊王島行きを書いたときは、長崎の仮住まいのマンションから自分のロードレーサーで日帰りしたが、今回は、ホテルのレンタル・サイクル(無料)を利用。いわゆるシティサイクルなので、ロードレーサーのような軽快さはなく、丘の上の灯台までの登り坂には苦労した。帰りは、自転車で天然温泉に立ち寄り汗を流してからホテルに戻った。

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畦の岩這(波状の岩層が連なる岩場)

 2年間続いた右腕のしびれを伴う痛みがいつの間にか治っていたことと、今回のサイクリングに刺激され、しばらく遠ざかっていたロードレーサーでのサイクリングを再開してみるつもりだ。とりあえず、2台のロードレーサーを整備中だ。

 上記のキャンペーンに続いて、7月中は“ながさき癒し旅”ウェルカムキャンペーンhttps://www.nagasaki-tabinet.com/islands/article/nagasaki-cpn/iyashitabiがあり、8月中には国主導のGo To Travel(トラベル)キャンペーンも始まる予定だ。12年間続いた石垣島でのサマーヴァカンスhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2019/07/26/112641の代わりに大いに利用させてもらうつもりだ。


 なお、ヨーロッパ旅行に関しては「欧州連合(EU)が、7月1日より日本を含む十数カ国からの渡航を段階的に解除する方向で調整に入った」というニュースが昨日流れたが、EU加盟各国が独自の入国規制をかける模様で、また、日本を出た観光客が帰国する際、日本政府側が、PCR検査を受けることと、自宅などで2週間待機を求めていることなどから、観光旅行の再開は未だ当面無理だろう。

 前回書いたように、一般の人がコロナ以前のように自由気ままに個人旅行するのは、ワクチンや治療薬が普及し、世界共通の予防接種証明書制度などが整備された後のことだろうから、2021年後半以降になるのではと思う。

 ヨーロッパの音楽会の状況は、先日もNHK BSでウィーン楽友協会の2000人以上収容のホールが聴衆を100人に制限して細々と再開し始めた様子が報道されたことで分かるように例年とは様変わりだ。
 ウィーンの音楽シーンと聴衆、演奏者の悲喜こもごもはブログ“ウイーンで趣味に溺れる日々 たまにはオーストリアちっく”http://happawien.jugem.jp/ が生々しく伝えてくれている。

 ヨーロッパの夏の音楽祭は多くが縮小、もしくは中止となっているようで、秋からのレギュラーシーズンがどうなるか心配だ。音楽祭や秋からのシーズンは、クラシック音楽情報誌 「ぶらあぼ」のリンク集「海外音楽祭」https://ebravo.jp/overseafestival、「海外情報」https://ebravo.jp/overseaからも調べることが出来る。


 さて、わが家の庭は、夏に入って雑草の繁茂が激しくなってきた。4年前までは、自力で雑草の機械刈りを行っていたが、そのせいか右腕の痛みが始まった。そこで、3年前からシルバー人材センターに手伝ってもらっている。今年も、最初の雑草刈りを6月22日にお願いし、ミントなどの利用しきれないハーブなどと一緒に一挙に刈ってもらい、さっぱりとした。しかし、2週間もすれば膝の高さまで雑草が育ってしまう。9月までは、月に2回のペースでシルバーさんに手伝ってもらう予定だ。

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草刈りを終えた裏庭

 港側に面した庭には、200本ほどのロシア・ヒマワリが50センチから1メートル近い高さに育っているが、今月、3回ほど強風が吹いたため1/3ほどは傾いてしまった。

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フェンス沿いのロシアヒマワリ

 昨年の台風による海水の吹き上げで、枇杷や甘夏が被害を受けたことは既に書いたが、うかつなことに最近になってやっと気づいたのだが、3本あるジュンベリーもまったく実がつかなかった。おかげで、ジャムやコンポートを作ることができない。

 朗報は、なぜか3年ほど実を結ばなかったパッションフルーツが、新たに6つの苗を追加したことに刺激されたのか、僅かだが実をつけたものがあったことだ。新苗の開花・結実はまだ3輪ほどだが、来年は大きく育つと思うので期待したい。

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パッションフルーツ

 毎年、育てているキュウリは、昨年は、1日で10本以上収獲できて友人たちに分けても消化しきれなかったので、今年は、3つのネット張りした畝を時間差を設けて収獲できるよう工夫したつもりだった。ところが、猫と思われる掘り返しの被害で、植え直した結果、2つの畝が同時に収穫期を迎え、またもや持て余している。キュウリ料理やピクルスのレシピを研究しなければならない。残る1つの畝は、今日、種蒔きを済ませた。そのついでに先行の2つの畝を見たところ、キュウリが2本、見事に食い散らかされていた。これも猫の被害なのだろうか。

 ほかに新たに、種蒔きしたものはパプリカとシシトウ、唐辛子などだが、炎暑に向かう中、うまく育つかどうかあまり自信はない。

 レタスやルッコラ、サンチュ、ベビーリーフなどの葉ものは、暑さとともに虫の被害がひどくなり、難を逃れているのはサニーレタスやバジル、パセリ、茄子ぐらいだ。
 丘の上にあるわが家は、強風時の被害が半端ではなく、防虫ネットや温室の設置は不可能。周囲の家庭菜園や農家でも窪地でない限り設置しているところはない。

 虫にやられた葉ものの中には花を咲かせるものもあり、そこに蝶や蜂、小鳥が集まっている。近所の友人の話では、長崎の丘でも、わが家の庭のように蝶や蜂が飛び交っているのは珍しいそうで、生命の循環を助けるためにも虫食い状態の葉ものもしばらくは残しておくつもりだ。

 

■今日のブックマーク&記事■

□Forbes Japan 06/12記事「今夏の欧州旅行はやめておいた方がよい理由」 https://forbesjapan.com/articles/detail/35123 

□IATA(国際航空運送協会)Interactive Coronavirus (Covid-19) Travel Regulations Map
https://www.iatatravelcentre.com/international-travel-document-news/1580226297.htm 

□トラベルビジョン【随時更新】航空各社、運休・減便情報まとめ
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=88333 

□トラベルボイス(観光産業ニュース)「最新の世界の出入国規制を知る情報サイトを整理した、毎日更新の世界マップから在外日本大使館の現地発情報の一覧まで」のリンク集 https://www.travelvoice.jp/20200629-146494?tvm

 

土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技

土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技

  • 作者:高田宏臣
  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

*[長崎日記]わが家の庭は花盛り、旅にも出たいのだが....

*[長崎日記]わが家の庭は花盛り、旅にも出たいのだが....

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庭の立葵

 1ヶ月前に、「長崎市では、未だに市民の間で新型コロナウィルス感染者が見つかっていない」と書いたが、今日現在も、市民の間での感染者発生は報じられていない。
 港外の香焼造船所に停泊中の、623人の乗組員から148人の感染者が見つかったクルーズ船コスタ・アトランティカ号も本日正午前にフィリピンに向かって出航し、わが家からも女神大橋越しに、その姿を眺めることが出来た。

 わが家の庭は、一年で最も華やかな季節を迎えている。立葵タチアオイ)や薔薇、花水木、紫陽花、アマリリスなどが咲き誇っている。とくに、立葵は庭の10数カ所ほどから立ち上がっており、まるでクリムトの風景画のようだ。

 

 4種類ある庭の薔薇の中では、フランスで生まれた「ポール・マッカートニー」が大きく育っている。

 

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ポール・マッカートニー

 15本のオリーヴの樹も細かな花吹雪を庭に撒き散らした。4年前に植え替えた異なる種類のオリーヴも今年初めて花を咲かせたので、最初の植樹から8年目にして初めて本格的なオリーヴの実の収獲が期待出来そうだ。

 家庭菜園では、レタスなど10種類ほどの食べきれない量の葉ものやハーブ類、枇杷が収獲できている。友人たちに引き取ってもらっているが、梅雨に入れば葉ものの虫の害がひどくなって、虫が嫌うバジルなどのハーブとキュウリや茄子、芋類ぐらいしか食用にならなくなるだろう。

 先月まで美しい花を咲かせていた垂れ桃からは、400個あまりの小桃が収穫できた。料理店を営む友人に任せて、一昨年、岡山で味わって感動した名物を真似て、庭のハーブと一緒に酢漬けにしてもらうつもりだ。

 夏に期待できる花は、毎年、通りに面したフェンス沿いに植えている200本ほどのロシア・ヒマワリだ。5月8日に、種蒔きを済ませ、すでに20cmほどの高さに育っている。去年のように台風の被害に遭わなければ7月末には、2メートルの高さのヒマワリ並木が出現するはずだ。

 去年のコスモスの落とし種からは、庭一面に芽が出てきており、これも7月末から咲きそろうことになるだろう。おかげで、他の雑草を草刈り機で処理することが出来なくなり、いちいち手で引き抜かなくてはならなくなった。

 庭でのもうひとつの悩みの種は、夜間に小動物が出没して、種蒔きをしたばかりの畝やプランターを掘り返すことだ。以前に、アナグマハクビシンが出没しているらしいと書いたが、動物の習性に詳しい友人によると、野良猫の仕業である可能性が高いという。

 ソーラーランプを設置しただけでは被害が減らなかったので、電池切れで放置しておいた5台の“音波猫除け器”の電池を入れ替えて設置し直したら、一時的かも知れないが被害は収まっている。

 しばらく控えていた、わが家でのワイン会も三密を避けて、テラスで港を眺めながら行ってみた。梅雨入り前の春風を受けてのワインと地魚の宴はなかなか心地よい。

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テラスでのワイン会

 地魚と言えば、地元の野菜や果物、長崎和牛、地酒、菓子、民芸品なども含めた県産品を3割引で通信販売する「がんばらんば長崎 うまかけん!長崎プロジェクト」 https://nagasaki-campaign.jp/も始まっている。

 旅行でも、長崎県民が長崎のキャンペーン対象宿泊施設を利用する際に、一人一泊あたり5,000円を長崎県の補助で割引する「ふるさと再発見の旅 ~宿泊施設応援キャンペーン~」 https://www.nagasaki-tabinet.com/islands/article/kenmin_ouenが6月1日からスタートする。私も、これを利用して近くの温泉リゾートに出かけてみる予定だ。

 海外旅行に関しては、アジアなど近場から秋以降にツアーが再開されると期待しているが、ヨーロッパ・ツアーに関しては、この秋頃から、旅行事業者やメディアなどに現地を視察してもらうファムツアー(下見招待旅行)から始まり、一般客も含めたモニターツアーがその後に続くと予想する。

 ヨーロッパへの個人旅行に関しては、近親者訪問や調査旅行などは年内にも始まるだろうが、一般の人がコロナ以前のように自由気ままに旅するのは、ワクチンや治療薬が普及し、世界共通の予防接種証明書制度などが整備された後のことだろうから、個人的には2021年後半以降になると思う。

 私が、1973年に初めてパスポートを取得したときには、「黄熱病」などの国際予防接種証明書(通称:イエローカード、黄色い台紙に桜の印が押されたことから黄桜などとも呼ばれた)をパスポートに綴じていたことを思い出した。将来は、パスポートのICチップに追記することもできるのだろうか。あるいは、スマートフォンのアプリとして、感染者位置情報や自分の通過ルート情報などとともに所持が義務づけられるのだろうか。

 国際予防接種証明書に関しては、厚生労働省検疫所の「海外渡航に関するQ&A」 https://www.forth.go.jp/keneki/tokyo/syokai/kaigaitokouQ&A.htmが参考になるだろう。

 外務省の“海外安全ホームページhttps://www.anzen.mofa.go.jp/にも「新型コロナウィルス感染症に関する緊急情報」や「日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限」の項目が設けられている。

 2021年からEUへの渡航には欧州渡航情報認証(ETIAS)http://etias-euvisa.com/が必要となる見込みだが、この認証になんらかの“健康証明”が追加される可能性もあるだろう。EU圏への渡航に関する情報は“EU 最新ニュース”https://etias-web.com/news/が役立ちそうだ。

 海外への観光旅行が再開されるようになっても、コロナ以前とは異なる旅行スタイルが、各国から求められるようになるとともに、旅行する側が求める旅のスタイルも大きく変わることになるだろう。

 地球環境の激変とグローバル化により、今後も新たなパンデミックの発生と急速な伝播は避けがたいはずだ。このため、航空会社や宿泊施設、レストラン、エンターテイメント、市内観光、域内移動手段など、旅行の各要素が供給側からも旅行者側からも再点検され、選択の目が厳しくなるに違いない。

 個人的には、旅のスタイルや目的、費用、旅行意欲などがどのように変わっていくのかに非常に興味がある。これからも情報収集して、未来予測とまではいかないが、頭の中でシミュレーションしていきたいと思う。

 

■今日のブックマーク&記事■

□Johnny Jet “Coronavirus (COVID-19) Resource Page for Travelers”
https://www.johnnyjet.com/wuhan-coronavirus-resource-page-for-travelers/

 

*[長崎日記]コロナウィルスとステイホームガーデン

*[長崎日記]コロナウィルスとステイホームガーデン

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庭の一本桜

 長崎市では、未だに市民の間で新型コロナウィルス感染者が見つかっていないため、繁華街の人出も目立って減っていなかったが、4月25日までに港外の香焼造船所に停泊中のクルーズ船コスタ・アトランティカ号の623人の乗組員から148人の感染者が見つかり、にわかに緊張感が出てきた。

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鍋冠山から遠望するコスタ・アトランティカ

 長崎は江戸時代に、日本で唯一世界に向けた窓であったことから、コレラ天然痘、重症の風邪など本来日本にはない外国からの感染症の流行の源となり、日本中に拡がっていった歴史がある。同時に、これら感染症の予防や治療のための西洋医学の最新技術も長崎から日本中に普及していった。
 1857年には、オランダ人医師長崎医学伝習所を開設し、それがやがて長崎医科大学そして現在の長崎大学へと変遷・発展の途をたどることになった。
 ポンペが創設した日本最初の西洋式病院である「小島養生所」http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/med/iko/の遺構の一部は保存され公開されている(新型コロナウィルスのため現在は閉鎖中)。

 今回のコスタ・アトランティカ号の乗組員の新型コロナウィルス検査も、長崎大学キヤノンメディカルシステムズ社と共同開発した「蛍光LAMP法」の遺伝子検査システムhttps://www.ccpid.nagasaki-u.ac.jp/20200319-2/を使い、わずか4日間で600人以上の検体検査をやり終えた。

 地方都市としては、医療技術が高く、病院などの施設も比較的充実していると実感している。私も、東京の有名病院での人間ドックで見逃された疾患を長崎の中規模病院での人間ドックで見つけ出してもらい、その場で医師が東京の病院に電話し、すぐに保存されていた当時の画像をネットで取り寄せ、疾患が東京在住時の画像にも写っていたことを見せてくれた。

 市民の信頼も篤い長崎の医療システムだがコスタ・アトランティカ号の乗組員のうち数人が市内の2つの病院に移送されてから、市中で新たな感染者が見つかったら、収用余力がどうなるかと危惧され始めている。


 カトリック長崎大司教https://www.nagasaki.catholic.jp/からの「お知らせ」によれば、政府による「緊急事態宣言」が解除されるまで公開ミサ(会衆を伴う)の挙行は中止され、司祭は会衆なしのミサをささげている。
 わが家に近い国宝の大浦天主堂https://nagasaki-oura-church.jp/キリシタン博物館も全面閉鎖されており、ふだんは観光客で賑わう周辺もひっそりと静まりかえっている。

 それで思い出すのは、拙著「フィレンツェ旅の雑学ノート」でも多くのペ-ジを割いて紹介したタベルナコロ(Tabernacolo)https://europedia.hatenablog.com/entry/20060602/p1と呼ばれる、聖母や聖人を描いた美しいほこらで、聖龕とも訳されるものだ。 色鮮やかなフレスコや彫刻、彩色陶器などで象られた聖母子などの像が置かれており、周囲では可憐な天使たちが舞っている。

 タベルナコロがフィレンツェや周辺の街で盛んに作られるようになった理由はふたつある。ひとつは、キリスト教の異端審問だ。庶民は異端に組みしていない証として辻々にマリアの絵を掲げるようになった。もうひとつの理由は、14世紀のペスト大流行だ。 

 人々は、感染の恐れがある教会のミサを避け、聖母マリアが病を癒すという信仰もあって街角のタベルナコロで祈りを捧げるようになった。やがて、タベルナコロの前に司祭が出張してきて礼拝も行われるようになり、祭壇状の台を設け、礼拝所としての機能を持つものも現れた。

 「フィレンツェ旅の雑学ノート」と言えば、その中でふれたイタリアのシエナ出身の母方のご先祖ルーツ探しで、新たな進展がありそうだ。当欄「異国からの訪問者とわが家のご先祖との不思議なご縁」https://europedia.hatenablog.com/entry/20160515/p1で紹介したスイスの“いとこ”が、コロナウィルス禍で在宅を強いられている間に、家系図などの文書を調べ直してみると、私の曾祖父の名前が姻戚として出てきたとのことだ。微妙に年齢などの齟齬があるので確実とは言えないが、現在お互いの資料を付き合わせ、他のイタリアの遠縁などにも追加資料を求めているところだ。

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フィレンツェのタベルナコロ



 さて、わが家の家庭菜園だが、芽かきと呼ばれる間引き作業を済ませ30cm以上の高さに育ったジャガイモや間引きを怠って密集状態の二十日大根などが元気に育っている。
 ベビーリーフやサニーレタス、サンチュ、サラダ・ミックス、水菜などの葉ものやバジル、ルッコラ、イタリアン・パセリ、ミントなどのハーブも収獲期を迎え、毎日の食卓を飾っている。

 垂れ桃の実は酒に、ジュンベリーや保存中の甘夏はジャムにする予定だ。

 新たに、胡瓜を2つの畝に植え付け、ネットも張り終わった。茄子の苗も植えつけを済ませた。さらに、4つほど畝を増やして、ゴーヤや島唐辛子、インゲン、そら豆、スナップえんどう、ズッキーニなども植え付ける予定だ。ただ、暖かくなると虫の駆除が大仕事になる。先週は、ハーブ類の種蒔きをした畝に小動物が出没したようで、溝を掘ったような跡があった。植木屋さんやご近所の話では、夜間にアナグマが出没しているらしい。野生の猿や猪、鹿も近所で目撃されているので、大いにあり得る話だ。取り敢えず対策として、ソーラーランプを設置しておいた。

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二十日大根(手前)とハーブガーデン

 

 これからは、旺盛になる雑草の刈り込みや芝生刈りの作業も欠かせなくなる。

 コロナ禍のせいで、レストランなどの需要が減っているためか、輸入ワインの値下がりが始まっているようだ。わが家もネット通販でストックを増やしている。ロビンソン・クルーソーラム酒樽を難破船からせっせと運び出し、ため込んでいる姿を思い出してしまった。

 ともあれ、“食糧増産”と友人たちからの魚介類や卵などの差し入れ、3日に1回行う家での米粉パン焼きなどと相まって、いざとなれば買い物に外出しなくても2ヶ月程度なら籠城できそうだ。

 菜園や庭での仕事も増えるので、当面は、“ステイホーム”ならぬ“ステイホームガーデン”がモットーとなりそうだ。

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■今日のブックマーク&記事■

□プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES 4月22日記事
「世界の食料危機~食料不安は55カ国で1億3,500万人」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001508.000005176.html 


  isbn:490421384X:detail 

*[長崎日記]春のガーデニングとコロナウイルス

*[長崎日記]春のガーデニングコロナウイルス

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垂れ桃

 新型コロナウイルス感染症の蔓延により、世界が音を立てて変容して行っている気がする。過去も現在も中国との交流が盛んな長崎市だが、今のところ、市内での感染者は公表されていない。医療関係者の話でもコロナウイルスによると思われる肺炎は顕在化していないようだ。
 それを良いことに、2~3人の友人たちと1週間に1回ほどのペースでわが家での「ワイン会」を続けている。気が早いと思われるかも知れないが、最近の話題は、感染症終息後の世界がどのように変わるかと言うことが中心だ。もっとも、終息と言っても、一部の識者の間では、地球規模で見れば終息は1年から2年後になるのではとの意見もあるので、先の長い話ではある。

 終息後の世界では、死生観は元より、芸術、娯楽、教養、旅行、食生活など暮らしを巡る様々な事象に変化がもたらされるだろう。ブレイン・ストーミングというほどではないが、「偽物が簡単に見透かされる時代が来る」、「古典や漢文への回帰が起こる」、「歴史を真剣に学ぶようになる」、「芸術・芸能の文化が断絶する恐れがある」、「パンデミックの背景には、地球温暖化とそれに伴う生態系の変化があるに違いない」、「消費生活が見直され、元のような消費形態の急回復はない」、「EUが解体していく」と言ったことが酔いに任せて話題に上った。

 個人的には海外旅行、とりわけヨーロッパ旅行が当分の間見送られるだろうと思う。私自身は、今年秋に予定していたヨーロッパ旅行はとっくに諦め、来年に予定していたギリシャ・トルコの旅も再考しなければならないと思っている。一度止まった定期航空路線網は完全回復まで相当の時間がかかるに違いない。パイロットや運航関係者の再編成・慣熟訓練、航空機の徹底的なオーバーホールも必要になるはずだ。また、検疫の強化、セキュリティの厳格化、閉鎖された観光施設の再整備、人種的偏見の顕在化、新たな感染症への恐れ、可処分所得の減少などから旅行意欲自体が弱くなる可能性もある。

 もうひとつ恐れるのは、パンデミックが収まらないうちに、他の災害が重なることだ。地震津波、火山噴火、風水害、森林火災、原子力事故、「蝗害」などなど。社会が疲弊していれば、追い打ちを掛ける災害がもたらすダメージは甚大なはずだ。

 さらに、日本は食料自給率の低さが気になる。原油価格が暴落しているとは言え、価格に関係なく戦争やテロ、政変に起因する“油断”はあり得るだろうし、パンデミックの余波で金融危機が起これば、円滑な貿易決済を必要とする輸出入も滞るだろう。

 農林水産省のホームページhttps://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu_10.htmlを見ると長崎県は、カロリーベースでの食料自給率は50%弱だが、生産額ベースの自給率は150%近い。これは、本マグロや鱧、伊勢エビなどの高級魚を中心とした豊富な海産物や枇杷、イチゴなどの比較的高価な果実類が多く収獲できるからとのことだ。ちなみに、長崎県の海岸線は北海道より長い。北方領土を除けばの話だが。

 食料に関しては、東アフリカ・中東・パキスタンの砂漠地帯のサバクトビバッタの大量発生による「蝗害」(こうがい)のもたらす農産物被害の影響も気になる。
 清朝時代の安徽省湖北省の東隣り)の農民の生活を描いたパール・バックの小説「大地」で描かれている「イナゴ」(バッタ科)の害による大飢饉の「イナゴ」は「トノサマバッタ」や「サバクトビバッタ」であった可能性があるという。

 食料自給率向上に少しでも貢献するというわけではないが、わが家の自家菜園は、増産態勢に入った。今年の春作を止めようと思っていたジャガイモも今月初めに3つの畝に植え付け、すでに元気な芽が出てきている。ベビーリーフやサニーレタス、サンチュ、サラダ・ミックス、水菜などの葉ものやバジル、ルッコラ、イタリアン・パセリ、ミントなどのハーブも芽が出てきており、ベビーリーフはそろそろ収獲できそうだ。
 これから実を結び始め収獲が見込めるものとしては、垂れ桃やアーモンド、ジュンベリー、山椒、オリーヴなどがある。

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アーモンドの花

 すでに収獲済みで保存庫や冷蔵庫に入れてあるものは、不作年と台風による塩害で収穫量が500個ほどと3割減になった甘夏や逆に120個ほどの豊作だったレモン、30個の初収穫ができた柚子がある。いずれも、夏まではもちそうだ。

 庭を観察していて気になるのは、年々、蜜蜂や昆虫を見かける数が減っていることだ。国連環境計画UNEP日本語情報サイトの「食料を作るには虫や動物がいなくちゃ!」https://ourplanet.jp/bugs-and-beastsには、国連食糧農業機関(FAO)の調査によると、「世界のほとんどの国の食料の90%をまかなっている100種類以上の作物種のうち、70%以上が蜜蜂を経由して受粉している」と書かれている。

 わが家では、アーモンド、パッションフルーツ、桃、キュウリ、レモン、柚子、甘夏などが蜜蜂のお世話になっている。蜜蜂ばかりでなく、蛾、ハエ、スズメバチ、甲虫、チョウなどの昆虫や鳥類や哺乳類も、花が咲く植物のほとんどの繁殖プロセスに貢献しているそうだ。
 昆虫や鳥類の減少の原因は、農薬や除草剤の散布のほか、大気汚染(ミツバチの植物探知能力を損なう恐れがある)、気候変動によって変化した生育期と降雨パターン、送電線などの電源から出る電磁場など、近現代になって発生したさまざまな事象によるもののようだ。

 さて、東京では、公園などでの花見が自粛されているようだが、長崎でも桜の名所のいくつかでは自粛が呼びかけられている。長崎市内のソメイヨシノの開花は、3月24日だったが、近くにある気象台の標本木より40メートルほど高い位置にあるわが家の一本桜は2日遅れの26日に開花。あと2~3日で満開になりそうだ。桜は散り始めが一番美しいと思うので、今週末には、庭にテーブルを持ち出して、少人数の“禁断”の花見の宴を催す予定だ。

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五分咲きの桜



■今日のブックマーク&記事■

 ヨーロッパのオペラやコンサートホールの多くが新型コロナウイルスのため閉鎖となっているが、その代わりに、無料でデジタル・コンサートをインターネット配信している音楽会場や演奏団体が増えている。そのリンク集があれば便利と思っていたら下記が見つかった。視聴にはログイン登録(無料)が必要なものもある。
クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ
 コンサート無料ライヴ配信スケジュール https://ebravo.jp/archives/63048 


 ヨーロッパ在住日本人の個人287人が立ち上げている海外生活・情報ブログのリンク集。新型コロナウイルス禍の各国の暮らしぶり・奮闘記を見ることができる。
□「人気ブログランキング」ヨーロッパ(海外生活・情報) https://blog.with2.net/rank3240-0.html 

 

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その7(最終回)

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その7 最終回

「帰りのフライトについて」

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カタールの首都ドーハの高層ビル群

 「その1」でふれたように、往路のカタールの首都ドーハ空港での乗り継ぎは、定刻より23分ほど早い05:47に到着し、ウィーン行き便は07:55発と乗り継ぎには充分な2時間強の余裕があるはずだったが、到着便・出発便ともに沖止めになったことや初めて利用する空港でもあったので慌ただしい乗り継ぎとなった。

 帰りの便のドーハ空港での乗り継ぎはスケジュール上でも1時間05分しかなく、スムーズに乗り継げるか不安だった。カタール航空の案内メールに、「アル・マハ・サービス」https://www.qatarairways.com/ja-jp/hia-hamad-international-airport/al-maha-services.htmlという有料の乗り継ぎアシスタント・サービスがあったことを思い出し、ふつうは、このようなサービスに頼らない主義だったが、勘がはたらいたのか11月20日の段階でウェブ経由で申し込んでおいた。料金は300カタール・リヤル(9,177円)で、「アル・マハのスタッフがお名前のボードを持って降機口または乗降橋でお出迎え、迅速な通関と乗り継ぎの手続き、搭乗ゲートまでのサポート、優先搭乗」というサービスだ。

 ウィーン空港からの帰国便搭乗前夜の11月30日の宿泊は、空港に隣接するHotel NH Vienna Airport Conference Center https://www.nh-hotels.com/hotel/nh-vienna-airport-conference-centerを取った。翌12月1日の帰国便が22:15発だったので、Hotel NH の日曜は“free late check-out at 5:00 pm”と無料でレイトチェックアウトが利用できたからだ。

 12月1日(日曜)当日は、17:00前に荷物をホテルに預けてチェックアウトし、歩いて5分の空港ターミナルで1時間ほど、スーパーでペッコリーノ・トスカーノなどの買い物をしてホテルに戻り、荷物を引き取って空港のカタール航空カウンターで出発3時間前の19:15から始まるチェックインに余裕を持って向かった。

 無事QR0186便のチェックインを済ませ、19:30には免税手続きカウンターでリファンドを受け、ラウンジでひと休み。21:38には搭乗。と、ここまでは順調だったのだが、定刻の22:15になっても一向に飛び立つ気配がない。搭乗者に急病人が出て、その家族が降りるかどうかの交渉でもめているようだった。結局、33分ほど遅れて22:48に出発。この段階で、ドーハ空港での乗り継ぎが難しくなり、空港のホテルで1泊となることを覚悟した。

 離陸前にTasting Menuという小海老のグリルなどの軽食セットをアレルギーのあるチキン抜きで頼んでおいた。零時前後に軽食とアルザスリースリングをとって早々に就寝。朝食は、05:00(カタール時間03:00)にフルーツやヨーグルトが中心のThe Light Continentalをとる。

 ドーハ到着は定刻05:55より22分遅れの06:17(カタール時間)。ボーディング・ブリッジで私のネームボードを掲げた若い男女2名のスタッフが待ち構えていた。乗り継ぎのQR186便に「機材と搭乗ゲートの変更があるのでボーディングパスの再発行が必要ですが、急げば間に合います」とのことで、男性スタッフにパスポートとボーディングパスを預け、女性スタッフの案内でセキュリティを優先通過し、変更ゲートで待ち構えていた男性スタッフからパスポートとボーディングパスを受け取って搭乗。機材変更に伴い予約しておいた希望の席が変更になっていたが、着席して時計を見ると06:32。なんと、たった15分で乗り継ぎを済ませることができたのだ。変更もあったので、アシスタント・サービスを受けていなければ、多分、自力では乗り継げなかっただろう。飛行機は定刻に10分遅れの07:10出発。出発前にチーフパーサーが機材変更に伴い、希望の席が変更になったことを丁重にお詫びに来てくれた。

 08:22(JST14:22)に、2度目の朝食(気分的には昼食)としてミックス・ガーデンサラダと蟹とシュリンプのフライをアルゼンチンのトロンテス白ワインでいただく。銘柄こそ違うがトロンテス種の白ワインは我が家の“ハウスワイン”でもあるので、懐かしかった。

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ミックス・ガーデンサラダと蟹とシュリンプのフライ

 QR186便は、往路と同じ個室感の高い“ドア付きビジネスクラス”Qsuite https://www.qatarairways.com/ja-jp/onboard/qsuite.htmlで朝食後は熟睡することができた。目が覚めるとJST19:00(ウィーン時間11:15)。しばらくすると、寝る前に頼んでおいた夕食が運ばれてきた。ミックス・ガーデンサラダとにぎり寿司5貫、アーモンドとミルクチョコをカリフォルニアのシャルドネでいただく。

 旅立つ前に、長崎の丘の上に住む飛行機好きの友人から、「カタール航空は、夜、長崎上空を通過して騒音がうるさい」と聞いていた。まさかと思っていたら、3Dフライトマップを見ていると佐世保市付近の上空を通過していた。

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佐世保市付近を通過中の中の3Dフライトマップ

 羽田へは定刻より16分ほど早い22:14に到着。税関で別送手荷物扱いのワインがあることを申告し、必要書類を受け取り無事通関。大荷物3個をカートに載せて、コンビニで翌朝の朝食にするおにぎりと飲み物を買い、到着階の上の3階にあるThe Royal Park Hotel  https://www.the-royalpark.jp/the/tokyohaneda/にチェックインして滑走路が見える部屋に入ったのは23:12だった。

 翌朝は、09:30にホテルをチェックアウト。ホテルのある国際線ターミナルから第1旅客ターミナルへ無料送迎バスで移動。羽田12:40発のJL 609便で長崎14:40着。2個の荷物を自宅まで宅配にして、16:35帰宅。

 ウィーンの空港を出て自宅到着まで、羽田1泊があるとは言え、33時間47分の長旅だった。次回以降、カタール航空を利用するかというと、サービスと個室感のあるシートは満足だったが、長旅の疲労感は半端でなかった。イスタンブールアテネあたりまでなら良いが、ウィーンとなると躊躇する。

 ウィーンの友人が同じ日に、全日空のノンストップ便(飛行時間約11時間!)でウィーンから羽田に飛んだのだが、彼らは、“入札金額により、アップグレードが可能となるANAウェブサイト限定のサービス”ANA Bid My Price https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/bmp/ で、プレミアムエコノミーを落札して帰ったそうだ。いつか、それにもチャレンジしてみたい。

■今日のブックマーク&記事■

□JohnnyJet.com記事“What to Know Before Wearing a Face Mask on a Plane”
https://www.johnnyjet.com/what-to-know-wearing-a-face-mask-on-a-plane/ 

 

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その6

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その6

 「帰国前のショッピング」

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旧市街を行く観光馬車 Fiaker

 「その5」でふれた「ワインのまとめ買い」以外にも、いつものように本やCDのほか調味料などのオーストリアならではの食材を中心に“1年分”を買い込んだ。

本とCDは主にマリアヒルファー地区にあるHintermayer https://www.hintermayer.at/というディスカウントショップで購入した。この店のメンバーカードを持っているので、3%の割引が受けられた。今回は、オーストリア海軍に関する「Unsere Kriegsflotte 1556-1908/18 」(€ 49,90)という本と両大戦間のイラスト入り歴史地図「Der Große illustrierte Bildatlas der österreichischen Zeitgeschichte 1918-1938」(€ 9.90)が収獲だった。

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Unsere Kriegsflotte 1556-1908/18



 CDは10枚組の民族音楽セットやオペレッタや映画音楽のヒットナンバーを集めた10枚組(いずれも€ 9.90)など計28枚ほどを購入。
新譜のCDショップで「ウィーン国立歌劇場 創立150年記念BOX 22枚組」を購入しようとして、念のため日本のタワーレコードの価格を調べたら日本の方が11,211円と安かった。

 

 ウィーンからの帰国日が近づくと、デリカテッセンJulius Meinl http://www.meinlamgraben.at/page.aspxやMerkur https://www.merkurmarkt.at/marktplatz/merkur-hoher-markt/、スーパーBilla https://www.billa.at/、ナッシュマルクト市場で食材を中心としたショッピングに歩き回る。グラーシュやウィーン風ハンバーグの素、数種類のパプリカの粉、サフラン、カボチャの種から作るキュルビス・オイル、ウィーンの森の蜂蜜、野菜から作るコンソメ、果物をマスタード風味のシロップにつけたMostardaの瓶詰、ラクダのミルクを使ったチョコレートなどを買い込んだ。

 いつもは買うコーヒー豆は、今回友人からJulius Meinlの 500g入りコーヒー(粉)を3袋もお土産に頂戴したので購入を控えた。

 Julius Meinl では、ホットワイン用にシナモンや丁子、アニス、オレンジやレモンの皮などを取り合わせたホットワインの素を買うのも常だったが、最近はティーバッグ型のものしか取り扱っていないそうで、ナッシュマルクト市場のハーブ専門店で探し出した。
 Julius Meinl でハーレーダヴィッドソンのバイクを模したチョコレートを見つけ、バイク好きの友人への土産に買ってしまったが、これを持ち帰るのにひと苦労。クリスマスプレゼント用に売っている紙箱をわざわざ購入する羽目になった。

 11月は、ちょうどトリュッフを使った食材が出回る季節でもあり、トリュッフ入り蜂蜜やクリームソース、オリーヴオイル、プラスチックミルに入った乾燥トリュッフも購入。

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ナッシュマルクト市場のハーブ・ショップ

 さらに、オークションハウスDOROTHEUM http://www.dorotheum.com/の即売コーナーでは、高さ22cm・直径16cmのヘレンドの磁器の花瓶(€158)を入手。
DOROTHEUMの帰りに近くの台所用品店WMFでホースラディッシュ専用のおろし金を見つけ、野菜のピーラーやキッチン鋏などと一緒にまとめ買い。我が家で毎年多量に収獲できるホースラディッシュは、通常のおろし金では歯が立たず難儀していたのだが、このおろし金を使うと難なくおろすことができた。

 出発の前日と当日の空港ではお土産用に木箱入りのザッハートルテを2種類大小2個ずつ、計4個も買ってしまった。

 これらの大荷物を、日本に持ち帰ったのだが、カタール航空ビジネスクラスの規定では預け入れ荷物は1個当たりの3辺の和300cm以下であれば個数制限なく総重量40kgまでOK。そこで、スーツケースとソフトバッグ2つを預けた。

 チェックイン時の計量ではスーツケースが25.5kg、重い本類などを入れたソフトバッグが14kgの計39.5kgで無事通過。

 機内持ち込みの規定は2個、合計で15kg。キャリーバッグに厳重に梱包したヘレンドの花瓶やパソコン、“ハーレーダヴィッドソン”などを詰めたらそれだけで15kg。貴重品や機内で必要な身の回り品を入れた5kgほどのバックパックは、お目こぼししてもらった。

 

 例年どおり、今回のショッピングでも100円相当の購入で1マイル(3円?)のJALマイレージが貯まるクレジット・カードを主に利用したが、ヨーロッパではクレジット・カードやスマートフォンをレジのリーダーにかざして支払うコンタクトレス決済が主流になってきているようで、レジでは当然のようにカードを渡すと、先ず、かざしてみて、だめと分かると通常のカード決済端末に挿入し直すという2度手間がかかった。このかざす決済はNear Field Communication(近距離無線通信 略称NFC)と言うようで、日本でもVISA(三井住友カード)が“Visaタッチ決済”として導入しているようだ。JALカードにもこのVISA NFCに対応しているものが有るようだが、カードを作り直す手続きが面倒なようで躊躇しているところだ。

 デジタル化は、海外旅行を便利にする反面、各国独自のキャッシュレス決済や交通機関の決済アプリ、アプリ化された市内交通パスや各種入場券などがあるようで、いちいち対応するのが面倒でもある。北欧には公衆トイレが独自の決済アプリを使わなければ利用不可という国もあると聞いたこともある。空港の自動チェックインや入国審査なども含めストレスフリーのシステムを確立していってほしいものだ。
 
 今回も長くなってしまったので「帰りのフライトについて」は、次回以降にしたい。

 

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持ち帰ったおみやげの一部

 

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その5

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その5
 「クリスマス市とワインのまとめ買い」

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市庁舎前広場のクリスマス市

 ウィーンに到着した11月13日から順次市内各地でのクリスマス市https://www.wien.info/ja/shopping-wining-dining/markets/christmas-marketsが開かれていき、11月23日までに22カ所でオープンした。クリスマス用品やオーストリア各地の民芸品、農産物などの仮設店舗が並び、ソーセージなどの軽食や冬の風物詩であるホットワインが振る舞われる。
 私もコンサートの合間を縫って市庁舎やシュピッテルベルク、アム・ホーフ、フライウング、カールスプラッツ、シュテファン寺院などのクリスマス市をはしごした。

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ホットワインのスタンド



 今回、ウィーンでの最大の買い物はワインだった。2013年https://europedia.hatenablog.com/entry/20131212/p1と2015年https://europedia.hatenablog.com/entry/20150315/p1にも、昔から行きつけのワインショップVinothek St. Stephan http://www.ststephan.at/で、馴染みのある個性的なオーストリア・ワインを54本もしくは36本購入し(郵送は段ボールひと箱18本単位)Standard扱いの航空郵便で“別送”してもらっていた。

 ここ数年は、日本でも安価なオーストリア・ワインがリーズナブルな価格でネット通販で買えるようになったので、現地購入を控えていたが、やはり個性的で上質なオーストリア・ワインを日本で買うのは難しいと思い直してVinothekでの購入を再開した。それに、長崎のワイン好きな友人たちにオーストリア・ワインの美味しさを知ってもらいたいという思いもあった。

 購入するワインは、VinothekのホームページにあるPreisliste 2019から12種類3本ずつ36本のワイン選び、持参のモバイルパソコンに購入希望リストを作り、パソコンを店に持参した。日本に居る間に、リストを作りプリントアウトするか店に事前にメールしておけば良かったのだが、出発前には買うつもりがなかったのでいたしかたない。現地で、日本で市販されているオーストリア・ワインとのあまりの違いを再認識してしまったのだから。

 Preisliste を見て気づいたのだが、マスカット系の香りを感じさせるMuskat Ottonel種の葡萄を使ったワインが見当たらず、その代わりに香りが近いGelber Muskateller種のワインが増えていた。また、昔、多かったルーマニア方面が原産と言われるWelschriesling種も僅かしかなかった。もともとオーストリアが源流の樹種Sylvanerも減り、今はむしろドイツで多く栽培されているようだ。樹種にも栄枯盛衰があるようだ。

 お店でいざ購入するときには、リストアップしたものにも売り切れや取り寄せとなるワインもあり、結果的に13種類 計36本(すべて750ccの白)のワインを購入した。

 参考まで末尾に、購入したワインの一覧を掲載しておく。最後の3種のみ各2本ずつで、ほかは各3本ずつ購入。価格は約16.6%の付加価値税(消費税)抜きの免税価格だ。

 ワイン選びが終わると、レジでインヴォイスがプリントアウトされた。合計価格を見ると1,367.46 Euro(後日のクレジット・カード引き落とし円換算では168,095円 1 Euro=122.925円)。内送料は370 Euro(45,482円)。単純に36本で割ると1本当たり平均4,669円だ。

 航空郵便送料は、Standard扱い(航空機貨物スペースの空き具合で積載される優先度の低い扱い)で、段ボール箱2箱(平均1箱あたり25kg)合計で370 Euro(45,482円)だ。これも単純に36本で割ると1,263円。1本当たりのワイン平均価格は3,406円。送料を足すと上記の4,669円になる。

 以前同様、帰国時に、別送扱い(簡易税率)という個人輸入に比べ有利な税率にするためには、梱包上にUnaccompanied Baggage(別送品)と明記してもらう必要があるため、店のマネージャーに確認しておいた。

 帰国便の機内では、通常1枚で済む「携帯品・別送品申告書」を2通書き込んで、到着時に税関に提出し、1通に確認印を押してもらい、「別送品を申告された皆様へ」という書面と一緒に返してもらった。

 ワインはウィーンで11月25日に購入し、店からの発送は26日で、横浜税関から12月06日付けの「外国から到着した郵便物の税関手続きのお知らせ」という通知が長崎に翌07日に届いた。前回までと違って通知には「食品衛生法に該当すると思われるものがありますので、下記(厚生労働省東京検疫所)へお問い合わせのうえ、必要な手続きを行ってください」と追加事項があった。早速、電話連絡して、「個人で使用する目的のため手続き不要」との答えと担当官の名前等を通知に添付されたハガキに記入し、帰国時に確認印を押してもらっていた「携帯品・別送品申告書」を同封して翌12月08日に横浜税関へ返送。

 ワインは12月13日に長崎中央郵便局より配達された。その際、郵便局の人に税額4,900円と通関料400円を払って荷物を受け取る。荷物に貼られていたシールを見るとルフトハンザ航空で12月3日には日本に到着していたようだ。

 「国際郵便物課税通知書」を見ると、36本27リットルのワインの内、免税枠の3本分2.25リットルを差し引いた24.75リットルに対して、簡易税率で、1リットル当たり200円が課税され、24.75×200円の合計4,950円が税額となり、実際は10円単位切り捨てで、4,900円が課税された。

 かかった送料や税金・通関料を計算すると。1本あたり税金・通関料147円にワインの平均購入価格3,406円+1本当たり送料1,263円(計4,669円)を加えると平均単価4,816円となった。
 1本当たりのワイン本体平均価格が3,406円なので、37%ほどの送料・税金・通関料が加算されたことになる。今回買ったワインで一番安かったものは7.33Euro(901円)。送料・税金・通関料を加えると2,311円になるので、この場合は、156%もの加算となる。

 日本で売られているオーストリア・ワインの値段は、価格帯や希少性などにもよるが現地免税価格に50~120%加算された価格だ。手間はかかるが、好みのワインも選べるので、やはり個人輸入はやってみる価値があると言えるだろう。

 私が買った Vinothek St. Stephan http://www.ststephan.at/では日本からのネット注文も受けますと言っいた。日本から注文したことはないが、いつか、通関前後の時期が暑すぎない時期に試してみようと思っている。もっとも、毎年秋にはウィーンに行くつもりなので、そのときに送る方が簡易税率が適用される分、少しばかり安上がりだろう。

 なお、税額について知りたい場合は、財務省関税局のホームページの 海外旅行の手続 > 税額の計算方法 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/zeigaku.htm を参照のこと。


 次回は、旅の報告の最終回として「帰国前の買い物と帰りのフライト」をレポートしたい。


ウィーンで購入したワインの一覧

BRÜNDLMAYER Grüner Veltliner Käferberg Reserve DAC Kamptal 2017 € 35,67

GOBELSBURG Riesling Zöbinger Heiligenstein Erste Lage DAC Kamptal 2017 € 28,17

GOBELSBURG Grüner Veltliner Lamm Erste Lage DAC Kamptal 2018 € 29,00

TEMENT Gelber Muskateller Steirische Klassik Südsteiermark DAC 2018 € 12,67

KNOLL Gelber Muskateller Smaragd Wachau 2018 € 22,92

KNOLL Grüner Veltliner Schütt Smaragd Wachau 2017 € 30,67

KNOLL Grüner Veltliner Loibenberg Smaragd Wachau 2017 € 30,67

KNOLL Gelber Traminer Smaragd Wachau 2017 € 29,83

ZAHEL Kleines Fass Gemischter Satz - limitiert auf 300 Flaschen - 9 Monate Französische Eiche -
  natürliche Hefen - keine Filtration - keine Schönung Wien 2015 € 20,67

PICHLER FX Gelber Muskateller Smaragd Wachau 2017 € 34,00

PRAGER Riesling Klaus Smaragd Wachau Weißwein 2017 € 35,42

POLZ Welschriesling Südsteiermark DAC - Steirische Klassik Südsteiermark 2018 € 7,33

GROSS Gewürztraminer Nussberg 2016 €43.33

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ナッシュマルクト市場のヴィネガー専門店

 

晩秋のウィーン22日間の旅 その4 

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その4 

 「自炊と新酒を楽しむ居酒屋、レストランなど」

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ドナウの本流を見下ろす ホイリゲ Hirt からの眺め

 今回、自炊のできるホテルを選んだのは、アレルギー体質がひどく外食が困難な点がひとつと、音楽会が終わった10時頃からコース料理を食べるのが苦痛だったからだ。

 以前にも書いたが、アレルギーの原因となる物質「アレルゲン」は、大好物の、トマトが一番強い反応を示し、続いてジャガイモ、イチゴ、キウイ、バナナ、リンゴ、ピーナッツもダメ。小麦や大麦、大豆、胡麻、トウモロコシもアウトという有様だ。
 当欄【ヨーロッパでの「アレルギー」、「グルテンフリー」対処方法】https://europedia.hatenablog.com/entry/20180530/p1」に書いたようにヨーロッパでは、レストラン・メニューに主要「アレルゲン」の表示が義務づけられているので、外食はしようと思えば可能なのだが、音楽会のない日は友人たちと新酒を飲ませるワイン居酒屋や地下のワインケラーに行ったので、結局、ひとりで外食したのは1回だけだった。

 では、どのような“自炊生活”だったかというと。まず、朝食は日本で作っている朝食とほぼ変わらない品揃えができた。“ウィンナコーヒー”を自分で淹れて、ベーコン・エッグをフライパンで焼き、市場やスーパーで買ってきた大盛りのサラダを添えて食べるというのが基本だ。初めは、トースターがないのでパンをフライパンで焼くのに苦労したが、そのうちにうまく焼けるようになった。
 サラダは、ギリシャ風、プロヴァンス風、農家風などチーズやハム、ハーブなどの組み合わせで多種多様なものが売られているので、翌朝のサラダをお店で選ぶのが楽しみでもあった。また、サラダにのせるオリーヴやモッザレッラチーズ、ドライフルーツなどもナッシュマルクト市場で調達した。

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ホテルのミニキッチン

 グルテンフリーのパンは、たいていのスーパーで扱っているが、正直言って美味しいものは少なかった。そこで、ウィーンの友人に聞くとGrimm http://www.grimm.at/という老舗パン屋のものが評判だというので、3日目からはそこの物を買うようにした。   

 Grimmは1536年創業で、大昔に何回か取材したことが有り、自分の書いたガイドブックなどでも紹介したことがあった。火曜日の朝がグルテンフリー・パンを焼く日と決まっているようで、それ以外の日は品数が少なかった。パンのほかに粉菓子(クーヘン)の類もあったのでおやつに買い置きしておいた。

 昼食は、日本でと同様、基本的にとらない。代わりに、新鮮なフルーツをたっぷり入れたヨーグルトやクーヘン、ナッシュマルクト市場にある店で買ったトルコ菓子などのおやつを15~16時にコーヒーと一緒に食べた。

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ナッシュマルクト市場のトルコ人経営の惣菜店

 夜は、自炊というよりもワインによる“晩酌”がメイン。つまみは、事前にスーパーなどで買っておいたものやナッシュマルクト市場の内外にあるレストランからのTakeoutを利用した。

 そういうときに役立ったのがTripadvisor https://www.tripadvisor.jp/のレストラン・ページの「テイクアウト可」「グルテンフリー有り」という選択機能だ。主にアジア料理系のレストランを利用し、海鮮炒飯やライスヌードルなどをメインとし、野菜炒めや海鮮サラダなどを添えた。家に持ち帰ってから温め直したり、冷蔵庫にある食材を付け足したりもした。

 悪いことにホテルのすぐそばにはWEIN & CO Naschmarkt https://www.weinco.at/filiale/wien-naschmarkt-9316というウィーンでも最大級のワインショップ兼軽食レストランがあった。深夜まで営業していたので、つい買い足してしまい飲み過ぎることになった。

 「ひとりで外食したのは1回だけだった」と書いたが、それは、楽友協会からホテルへの帰り道にある評判のヴェトナム料理店Vietthao https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g190454-d2417368-Reviews-Vietthao-Vienna.htmlだった。小さな店でいつ覗いても混んでいたが、中に入ると1人用の席をわざわざ設えてくれて、料理も“特注”に気さくに応じてもらえた。チャンスがあれば滞在中にもう一度訪れたかった好感の持てる店だった。

 さて、ウィーンの新酒(ホイリゲ)だが、解禁日は毎年11月11日と決まっており、友人たちには解禁日を狙ってきたのだろうと冷やかされた。

 最初に新酒を味わったのは到着後2日目の11月15日。友人に車で連れて行ってもらったウィーンの南20kmほどにある周囲を葡萄畑に囲まれた町メードリング(Mödling)のホイリゲ・レストランだった。メードリングは一時期ベートーヴェンが住んでいたことでも有名でルネッサンスバロック様式の古い館も残っており、昔、ウィーンの森歩きでよく訪れたことがある。

 その町の広い中庭を持つ地元の人しか来ないHeurige Pferschy-Seper https://www.pferschy-seper.at/でウィーン風ハンバーグやポテトでくるんだ肉まんじゅう、ポークのクミン風味グリルなどをツマミにホイリゲを1/4リットルのグラスで飲んだ後は、グリューナー・フェルトリーナーやゲルバー・ムカテラー種の地元産のボトルワインを2本ほど空けた。

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Heurige Pferschy-Seper のツマミとワイン

 次にホイリゲを味わったのは、11月17日で、毎年のように通っているドナウの本流を見下ろすKahlenbergの丘から葡萄畑に降りて行く途中にある行きつけのホイリゲ(ワイン居酒屋)Hirt http://heuriger-hirt.at/だ。ウィーンならではの1/4リットルのジョッキーで新酒を同じく好物のウィーン風ハンバーグや肉まんじゅう、野菜のパイ焼きなどのつまみと一緒に味わう。庭の席が眺めが良いのだが、この時期は寒いので、室内の窓際の席で楽しんだ。

 ウィーンでの友人たちとのもうひとつの恒例行事は、旧市街の16世紀のバロック建築の地下深くにあるワインケラーStadtheuriger Zwölf-Apostelkeller(街中のホイリゲ 十二使徒ケラー)http://www.zwoelf-apostelkeller.at/での飲み会だ。最初にこのケラーに来たのは1974年のことだから45年前になる。メニューは暗記しているので、牛タンのハムに西洋わさびを添えたもの(Zunge mit Kren 7.5)や卵入りのお団子をスライスして炒めサラダを添えたもの(Eiernockerln mit grünem Salat 8.9)、野菜の重ね焼きGemüsestrudel 8.9)、仔牛のウィナー・シュニッツエル(19.9)などをメニューを見ないで頼むと周りの客から驚きの目で見られた。残念ながら最近は、この店のグラスワインが不味くなってきているので、値段に大幅な違いがないボトルワインを中心に楽しんだ。

 この店の西洋わさび(ホースラディッシュ)の味が忘れられず、今では、長崎の自宅の庭で栽培し、自家消費には充分すぎる量が収獲できるようになった。

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牛タンのハムに西洋わさびを添えたツマミ

 次回は、「ワイン・食材ほかのショッピングとクリスマス市 編」を書く予定だ。


当欄関連過去記事:
グルテンフリー米パンの手作りにチャレンジ」 https://europedia.hatenablog.com/entry/20180417/p1


■今日のブックマーク&記事■

□PRESIDENT Online記事「欧州の弱小航空会社(フィンエア)が『日本では敵なし』のワケ」 https://president.jp/articles/-/32141

 

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その3 

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その3 
    「ホテル編」

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ホテルに隣接する「分離派会館」

 

 ウィーンのホテルに関しては昨年、当ブログで下記のように書いていた。
「ウィーンの便利なロケーションにあるホテルの値段は毎年高騰を続けている。グルテンフリーの食生活をしていることと、ウィーンに住んでいた頃のように市場で買い込んだ食材を自分で料理したいという思いもあるので、来年からはキチネット付きのホテルやアパートメントでの滞在を考えてみたいと思う」。https://europedia.hatenablog.com/entry/20181031

 そこで、今回はウィーンの中心にある120軒あまりの店舗が並ぶ生鮮食品市場ナッシュマルクトhttps://www.wien.info/ja/shopping-wining-dining/markets/naschmarktの近くでキッチン付きの宿を探してみた。Tripadvisor https://www.tripadvisor.jp/の地図にホテルを浮かび上がらせるとナッシュマルクト周辺にはアパートメントホテルが数多くあることが分かった。
 その中で、アパートメントホテルではないが、ミニキッチン付きの部屋を多く備えているMercure Secession Wien https://www.hotelsecession.com/en/が目に入った。
 クリムトの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」があることで有名なSecession(分離派会館)に面しており、Karlsplatzの地下鉄駅の出口から歩いて2分。国立オペラ、楽友協会ホールにも歩いて10分ほど、コンツェルトハウスも地下鉄でひと駅という便利な位置にあるホテルだ。

 最近、ブダペスト滞在中によく使っているAccortel グループのMercureブランドなので安心感があり、なおかつ5%のメンバー割引も適用されるので7月上旬に、ネット上で予約をしてみた。
 部屋のカテゴリーは“FAMILY APARTMENT WITH TWIN BEDS 45㎡以上”で「広々としたアパートメントルーム。独立したリビングエリアと就寝エリアがあり、冷蔵庫とエスプレッソマシンを備えたミニキッチン、個別調節可能なエアコン(夏季)、無料のWi-Fi、セーフティボックスを完備しています」というものだ。

 7月上旬に、11月13日チェックインから30日のチェックアウトでリクエストしたが即OKとなったのは11月13日~26日までで、26日~30日の4泊は満室となっていた。時期を見て何回か予約を試みたところ8月中旬には26日~29日の3泊が取れたが、最後の1泊は出発までに取れなかった。
 1泊当たりの“早期予約返金不可”メンバー割引料金は、1泊144ユーロで、上京した際に最近泊まるビジネスホテル“JR東日本ホテルメッツ 渋谷”と大差なかった。

 ウィーン空港からの帰国便搭乗前夜の11月30日の宿泊は、空港に隣接するHotel NH Vienna Airport Conference Center https://www.nh-hotels.com/hotel/nh-vienna-airport-conference-centerを取った。飛行機の出発は12月1日の夜遅くなので、なにも空港近くのホテルに泊まらなくても良いのだが、Mercure が満室だった点とTripadvisorのクチコミにMercureは「レイトチェックアウトを受け付けない」と書いてあったのを真に受けたからでもある。なによりもHotel NH Vienna Airportの予約ページに日曜は“free late check-out at 5:00 pm”と無料でレイトチェックアウトできることが書かれていたからだ。

 後で気づいたのだが、Mercureのクチコミが何かの間違いで、フロントの前には大きな看板にレイトチェックアウトの料金表が、ご丁寧に時間帯別に掲げてあった。

 NH Vienna Airportの予約では、インターネット予約ならではのトラブルも発生した。画面上で予約をして“完了”のボタンを押しても“SORRY, AN INTERNAL ERROR WILL NOT ALLOW US TO CONFIRM YOUR BOOKING, PLEASE CONTACT US ............”という表示が出て、予約が完了しなかったのだ。ところが、相手ホテルには“完了”扱いとなっていたようで、どうやらこちらが“完了”ボタンを4回も押し直したようで、ホテル側から“After checking our bookings we recognized 4 bookings with the same arrival date under your name”という多重ブッキングを指摘するメールが来た。慌てて、3つ分のキャンセルを依頼したが、どういうわけかクレジット・カードで2つ分の引き落としがあった。これも、メールで指摘すると、即座にククレジット・カード口座に返金してもらえたので事なきを得た。

 11月30日の宿泊を空港ホテルにしたおかげで、その日の夜の楽友協会でのコンサートのために空港から電車で往復する羽目になったが、コンサート帰りにHotel Sacherで作りたての?ザッハートルテを購入でき、12月1日に空港のスーパーや商店で食材などの最後の買い物をゆっくりできて、ホテルで荷物の最終整理も済ませられ、長いフライトに備えて昼寝をすることもできたので、結果的にはこれで良かったと思う。

 なお、羽田に到着するのが12月2日の22:30になるので、長崎への接続便はなく、空港付近で1泊することになった。いつもは、羽田の東急ホテルに泊まることが多いのだが、夜遅くに疲れて到着し、ターミナルの移動をするのも避けたいので、羽田国際線ターミナルに新たにThe Royal Park Hotel Tokyo Haneda https://www.the-royalpark.jp/the/tokyohaneda/ができていたのを思い出し、ここの滑走路が見える部屋を“楽天”でとっておいた。

 さて、ここで話を「晩秋のウィーン22日間の旅 その1」の末尾、空港ハイヤーで雨の中をMercure Secessionホテルに到着したところに戻そう。Tripadvisorのクチコミでホテル前は交通量が多く、駐停車ができない旨書かれていたので、離れた脇道に止まることは覚悟していたが、距離的には十数メートルで大して雨に濡れることはなかった。
  ホテル到着は、13時前で、チェックイン時間の14時まで待たずに手続きを始めてくれた。担当した若い男性が非常に動きが良かったので、ついでに最後の一泊がとれていないことを言うと、すぐに裏手のオフィスに行って上司と掛け合って一泊をメンバー価格で確保してくれた。これまたTripadvisorのクチコミ欄で「ミニキッチン付きでも、言わないと食器や鍋などを用意してくれない」とあったので、その旨もリクエストし、メイドさんにすぐに手配してもらった。

 部屋についても「バスタブ付きの希望をリクエストしていた」と言うとバスタブ付きの部屋であることをパソコンで確認してくれた上に、念のためにメイドさんに電話をかけて間違いないか確認してくれた。
 そこまでは、良かったのだが、部屋について荷物を開けようとしたときに、念のためバスルームを覗いてみたら、なんとシャワーのみだった。急いで、フロントに戻って再度、バスタブ付きの部屋に変更を頼むと嫌な顔をせずにすぐに代えてくれた。

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広々としたバスルーム

 新たに割り当てられた部屋に行くと、最初の部屋に比べ広々として、70平米ほどもあり、トイレもふたつ、ミニキッチン付きの12畳ほどのリヴィングルームとウォーキングクローゼットを兼ねた廊下を挟んで8畳ほどの寝室があるという快適な部屋だった。トイレのひとつは滞在中使わずじまいだった。

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8畳ほどの広さの寝室

 暖房は、ウィーンの他のホテルや住居同様、スチーム暖房が完備。寒いと感じることはなかった。空気が乾燥しすぎないようにすることも兼ねて、洗濯物をスチーム・パイプに乗せておけば、一晩で乾く。1970年代後半にウィーンに住んでいた頃、スチームを活用し、2重窓の間の空間を冷蔵庫代わりに使っていた記憶が甦った。

 そう言えば、ウィーン大学学生寮ルームシェアしていたとき、真冬なのに同室のドイツ人がスチームを止めて、窓を開けて寝ていたのを思い出した。冷気を浴びながらでないと眠れないというのだ。そのとき、やはりゲルマンの森の民の遺伝子が残っているのだなと思ったものだ。

 思っていたとおり、電子レンジやトースターはなく2口の電熱器があるのみだが、220ヴォルトなので火力は充分だった。大きな電気ポットとエスプレッソマシン、ホテルにしては大きめな冷蔵庫があるのも有り難かった。
 自炊に備えて、日本からコーヒードリッパーとペーパーフィルター、ワサビや愛用する醤油http://horikawaya.ocnk.net/product-list/14、箸、タッパーなどは用意してきた。

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居間から寝室に通じるウォーキングクローゼットを兼ねた廊下のアングル

 荷物をひととおり片付けてから、ホテルから歩いて5分の地下鉄Karlsplatz駅内の交通インフォメーションに行き、バスや地下鉄、市電、国電など市内交通全線に有効な1ヶ月パスMonatskarte https://shop.wienerlinien.at/index.php/product/8/show/0/0/0/0を51ユーロで購入。

 月半ば近い、11月12日から使うので、1週間パスを3枚買ってもほぼ同じ値段だったが、いちいち買い直す面倒さと「翌月の2日まで有効」というオマケもあったので1ヶ月パスを購入した。

 街の中心、シュテファン寺院まで地下鉄でひと駅移動し、Merkur https://www.merkurmarkt.at/marktplatz/merkur-hoher-markt/という品揃えの良い大型スーパーで、コーヒーや胡椒、オリーヴオイル、バターなどの調味料、グルテンフリーのパン、ジャム、卵、ベーコン、サラダミックス、ワインなど当面必要なものを購入。

 いったんホテルに戻るときに入口を見て気づいたのだが、このホテルに泊まった記憶が甦った。ホテルが大改装・増築されて、名前も変わっていたので気づかなかったが、2000年夏に自分で企画した「オーストリア・アルプス 緑の小径 12日間」というツアーで添乗員とともに講師役で旅したときに利用した、当時Hotel Schneiderという名前のホテルだったことを思い出した。ツアーの最終日近くに、ホテルのキッチン付きのアパートメント・ルームで、お昼に「ナッシュマルクト市場にて食材を買い込んで、ホテルで自炊パーティー」というサプライズ企画をおこなった思い出のホテルだった。

 ちょっと長くなったので、自炊や新酒を楽しんだ居酒屋、レストランでの食事の話は次回に。

 

■今日のブックマーク&記事■

Yahoo!ニュース「パスポートなし海外旅行」2020年に実現か? 年間20億人が旅行する時代、空港負担を軽減する一手
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200110-00010002-ampreview-bus_all

 

晩秋のウィーン22日間の旅 その2 「音楽会・イヴェント編」

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その2
「音楽会・イヴェント編」

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ウィーン国立オペラ

 音楽会のチケット手配は、日本から、それぞれの演奏団体もしくは演奏会場のホームページ経由で行った。

 最も早かったのは11月24日公演の「ブダペスト オペレッタ・ガラ」で5月の初めにKONZERTHAUSのホームページhttps://konzerthaus.at/から予約しクレジット・カードで決済し、チケットもプリントアウトした。実は、オペレッタの有名アリアやジプシー音楽、ハンガリーの民俗舞踊など盛りだくさんのこの公演が一番の楽しみで、飛行機やホテルの手配をしないうちにチケットを確保した。これだけ盛りだくさんで質の高い公演はブダペストでもなかなか味わえないものだ。

 次に手配したのは6月初めに、11月22日公演のソプラノ歌手Natalia Ushakovaの"A Tríbute to Maria Callas" という楽友協会でのリサイタルだ。こちらも、楽友協会のホームページhttps://www.musikverein.at/から手配。しかし、このリサイタルは歌手の都合で8月末にキャンセルとなったというメールが来て、9月初めには支払済みのチケット代がクレジット・カード口座に返金されていた。

 キャンセルがもうひとつあった。ウィーンの青少年を中心にした音楽鑑賞組織Jeunesse https://www.jeunesse.at/主催の11月28日のウィーン・フィル定期ゲネプロのチケットを買っていたのだが、現地に着いてから指揮者のマリス・ヤンソンス氏がアキレス腱断裂のため出演不能となりチェコ人の指揮者ヤクブ・フルシャ氏に代わるというメールが来た。
 ウィーン滞在中の12月1日には、サンクトペテルブルグの自宅で逝去されたとの報道があった。心不全が原因らしい。享年、76歳。
 マリス・ヤンソンス氏が亡くなったと聞いて、指揮者の世代交代を痛感した。なにしろ私が若い頃聞いていたのは彼のお父さんのアルヴィド・ヤンソンス氏だったのだから。

 

 世代交代と言えば、今回、聴いたセミヨン・ビシュコフ指揮によるチェコフィルチャイコフスキー交響曲5番と6番は、ウィーンに住んでいた1976年〜1979年の間に、同じ楽友協会でムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルで聴き、感動したことを思い出させてくれた。

 また、11月28日のウィーン・フィル定期ゲネプロで聴いた、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」も、最初にウィーン・フィルで聴いたのは1978年2月の第5回ウィーン・フィル定期演奏会で故岩城宏之氏の指揮だった。

 今回の滞在中、もっとも感動した演奏は、11月23日の、御年90歳のクリストフ・フォン・ドホナーニ氏指揮、ウィーンフィルの「ブラームスの3番」だったが、実は、70年代後半のウィーン滞在中に40歳代のドホナーニ氏が指揮するウィーンフィルの演奏会を3回聴いていた。
 しかも、そのうちの1回は、今回も11月14日にヴァレリーゲルギエフ指揮のミュンヘンフィルでベートーヴェンの「ピアノ協奏曲 第3番 Op.37 ハ短調」を聴くことができたルドルフ・ブッフビンダー氏(1946年生まれ)とのリヒアルト・シュトラウス「ピアノとオーケストラのためのブルレスケ ニ短調」だった。

 私がウィーンに住んでいた70年代後半は、ムラヴィンスキーバーンスタインカール・ベームカラヤンカルロス・クライバーショルティチェリビダッケなどの指揮を間近に聴くことができた。今、当時、聴いた指揮者で健在なのはドホナーニ氏以外ではリッカルド・ムーティ、ズービン・メータ、バレンボイム氏ぐらいだろう。

 興味のある方は、末尾に「1976年9月〜1979年10月 ウィーン コンサート・オペラ・オペレッタ鑑賞記録」へのリンクを貼っておいたのでご覧いただきたい。


 さて、音楽会のチケット手配に戻ると、終身会員にチケットが割り当てられ、一般販売がないウィーン・フィル定期演奏会以外の10回の演奏会のチケットは出発前に入手することができた。

 ウィーン・フィルhttp://www.wienerphilharmoniker.at/jpの11月23日の第3回定期演奏会のチケットも、11月18日09:30から残席の一般売りがKärntner Ring 12番地にあるウィーン・フィルのチケット・オフィスであり、少々予算オーバーだが平土間の席を97ユーロで購入することができた。
 終身会員に年間席が完売のウィーン・フィル定期も、会員の高齢化とその子供たちのクラシック離れのおかげで、プレミアム無しでキャンセル・チケットが確保しやすくなったのは有り難い限りだ。

 ゲネプロを購入済みの、第4回ウィーン・フィル定期演奏会の本番のチケットも現地で買うつもりだったが、マリス・ヤンソンス氏がキャンセルとなったので見送ることにした。

 現地で、立て続けにチェコ・フィルのチャイコフスキー演奏会を聴いて、急に見る気になった国立オペラhttp://www.wiener-staatsoper.at/の11月26日チャイコフスキー「エフゲニ・オネーギン」は、11月21日にオペラ座脇にある Goethegasse 1 番地の国立劇場連盟https://www.bundestheater.at/en/で57ユーロのバルコニー席を購入した。

 現地の月間プログラムhttps://www.wien.info/media/files/vorschau-november-2019.pdfで見つけたミノリーテン教会における「ウィーン少年合唱団クリスマス・コンサート」のチケットはオペラ座近くのウィーン市観光インフォメーションhttps://www.wien.info/ja/travel-info/tourist-info内のプレイガイドで39ユーロのチケットを2ユーロの手数料を払って購入した。

 

ウィーンで鑑賞したコンサートの概要と確保した席、価格は以下の通り、

○11月14日 ミュンヘンフィル 指揮:ヴァレリーゲルギエフ
19:30Münchner Philharmoniker Großer Saal, Musikverein
Dirigent:Valery Gergiev Klavier* Rudolf Buchbinder
Beethoven"Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 c-Moll, op. 37" Bruckner"Symphonie Nr. 7 E-Dur" Balkon-Mitte Rechts | Reihe 6 | Platz 9 Price € 61.00=¥7,450

○ 11月16日 フォルクスオーパー「チャルダッシュの女王」

Volksoper 19:00 - 21:45 Kálmán "Die Csárdásfürstin"
GALERIE RECHTS | Reihe: 1 | Platz: 20 € 66=¥7,985

○11月18日 チェコフィル 19:30 Großer Saal, Musikverein Tschechische Philharmonie Dirigent: Semyon Bychkov Klavier: Kirill Gerstein Tschaikowskij"Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 b-Moll, op. 23" Tschaikowskij"Manfred. Symphonie h-Moll in vier Bildern nach Byron,
Balkon-Mitte Rechts | Reihe 6 | Platz 9 Price € 56.00=¥6,766

○ 11月19日 チェコフィル19:30 Großer Saal, Musikverein Tschechische Philharmonie Dirigent: Semyon Bychkov Violine:Renaud Capuçon Tschaikowskij"Konzert für Violine und Orchester D-Dur, op. 35" Tschaikowskij"Symphonie Nr. 6 h-Moll, op. 74, „Pathétique"Balkon-Mitte Rechts | Reihe 7 | Platz 7 Price € 56.00=¥6,792

○ 11月20日 チェコフィル19:30 Großer Saal, MusikvereinTschechische Philharmonie Dirigent:Semyon Bychkov Violoncello:Gautier Capuçon Peter Iljitsch Tschaikowskij Serenade für Streichorchester C-Dur, op. 48 Variationen ein Rokoko-Thema für Violoncello & Orchester, op. 33 Symphonie Nr. 5 e-Moll, op. 64  Galerie Links | Reihe 1 | Platz 4 Price € 68,00=¥8,247

○ 11月22日 ウィーン交響楽団19:30 Wiener Konzerthaus,Großer Saal Wiener Symphoniker Dirigent: ROBERT TREVINO Klavier: DENIS KOZHUKHIN LISZT"Concerto for piano and orchestra No. 1 in E flat major" MAHLER"Symphony No. 5 "  Balkon Rechts | Reihe 2| Sitz 10 € 59,00=¥7,198

○  11月23日 ウィーン・フィル定期 ブラームス3番ほか

15:30 Großer Saal, Musikverein Wiener Philharmoniker
Dirigent:Christoph von Dohnányi Violine: Rainer Honeck
Ligeti"Atmosphères für großes Orchester" Wagner"Vorspiel zu „Lohengrin" Alban Berg"Konzert für Violine und Orchester, Dem Andenken eines Engels" Brahms"Symphonie Nr. 3"
Parterre Rechts | Reihe17 | Platz 7 € 97.00=¥ 11,992

○ 11月24日 ブダペスト オペレッタ・ガラ

19:30 Budapester Operettengala Konzerthaus Großer Saal
Das Budapester Operettentheater und sein Ensemble
Parterre Rechts | Reihe13 | Platz 2 € 69.00=¥8,735

○ 11月25日 ブダペスト祝祭管弦楽団 アンドラーシュ・シフ

19:30 Großer Saal, Musikverein Budapest Festival Orchestra
Dirigent: Iván Fischer Klavier:András Schiff Dvořák"Legende, op. 59/1 (Allegretto)""Slawischer Tanz e-Moll, op. 46/2" "Nepovim.Chorlied, "Beethoven"Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur, op. 58"Dvořák"Symphonie Nr. 7 d-Moll,    Galerie Rechts | Reihe 2 | Platz 3 Price € 48,00=  ¥  5,791 

○ 1 1月26日  ウィーン国立オペラ「エフゲニ・オネーギン」

 9:00 - 22:00 Wiener Staatsoper Peter I. Tschaikowski

“EUGEN ONEGIN”DIRIGENT: Michael Güttler, Tatjana:Marina Rebeka, Olga:Margarita Gritskova, Eugen Onegin: Boris Pinkhasovich  Balkon-HalbMitte Links | Reihe 5 | Platz 11 € 57.00=¥ 7,036

○ 1 1月28日 ウィーン・フィル定期ゲネプロ マリス・ヤンソンスに代わりヤクブ・フルシャ指揮 

15:00 Jeunesse Großer Saal, Musikverein Wiener Philharmoniker ÖFFENTLICHE PROBE
Dirigent: Mariss Jansons →Jakub Hrůša Klavier: Dnis Matsuev
Dvořák Carneval. Ouvertüre für großes Orchester, op. 92
Peter Iljitsch Tschaikowsky Konzert für Klavier Nr. 1 in b-Moll, Bartók "Konzert für Orchester"
Balkon-Mitte Rechts | Reihe 3 | Platz 6 Price € 44=¥5,318

○ 1 1月29日 ウィーン少年合唱団クリスマス・コンサート

18:30 Wiener Sängerknaben Adventkonzert Minoritenkirche
Freie Platzwahl  € 42=¥5,185

○ 1 1月30日 リンツブルックナー・オーケストラ 楽友協会

Jeunesse 19:30 Großer Saal, Musikverein Bruckner Orchester Linz Dirigent Markus Poschner Ives Three Places in New England Gustav Mahler Symphonie Nr. 1 

Parterre Rechts | Reihe23 | Platz 7 € 43,00=¥5,198  @120.874

 

 最後に、今回、ウィーンで鑑賞した展覧会なども列挙しておく。

□Kunsthistorisches Museum: Caravaggio and Bernini 
https://caravaggio-bernini.khm.at/en/

□ Heeresgeschichtliches Museum  
https://www.hgm.at/en

□ Albertina “Dürer”
https://www.albertina.at/en/exhibitions/albrecht-duerer/

□MuseumsQuartier Wien „Japan Unlimited“ FREI RAUM Q21 EXHIBITION SPACE
https://www.mqw.at/institutionen/q21/frei-raum-q21-exhibition-space/2019/japan-unlimited/ 
 Japan Unlimited展は、「日本オーストリア友好150周年」事業の在オーストリア日本大使館公認が開催期間中に取り消されたものの、展覧会そのものは継続していた。

□Wien Museum MUSA Das Rote Wien
https://www.wienmuseum.at/de/ausstellungen/aktuell/ansicht/das-rote-wien-1919-1934
 ウィーンでは忘れられた存在と思っていた精神療法家ウィルヘルム・ライヒのコーナーがあった。

□Kunstforum Wien Bonnard展 
https://www.kunstforumwien.at/en/exhibition/kunstforum/273/pierre-bonnard

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楽友協会近くのブラームス

当欄関連過去記事:

☆「1976年9月〜1979年10月 ウィーン コンサート鑑賞記録」
https://europedia.hatenablog.com/entry/20040201/p1 

☆「1976年9月〜1979年10月ウィーン オペラ・オペレッタ鑑賞記録」
https://europedia.hatenablog.com/entry/20180129/p1

☆「2018年秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 コンサート鑑賞記録」
https://europedia.hatenablog.com/entry/2018/11/16/165713 

☆「2008年以降の海外旅行履歴」https://europedia.hatenablog.com/entries/2012/12/09 


■今日のブックマーク&記事■

□コンセルトヘボウの最新情報:マーラー・フェスティバル他(オランダ&フランダース
https://www.hollandflanders.jp/newsletter/14736/

□Mahler Festival 2020 MAY 8-17 2020 Amsterdam
https://www.concertgebouw.nl/en/mahler-festival-2020

□Mahler-Zyklus, Season 2019/2020 - Musikverein
https://www.musikverein.at/ja/subscription/id/4709

晩秋のウィーン22日間の旅 その1 「旅の概要とフライト編」

*[海外旅行]晩秋のウィーン22日間の旅 その1

 「旅の概要とフライト編」

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カタール航空 Airbus 350-1000 Qsuite

 2008年以降、2012年を除き毎年、秋にヨーロッパ旅行に出かけているが、今年も11月12日(火)から12月3(金)までの22日間、ウィーンを訪れる旅に出かけてきた。

 初回の今日は、旅の概要とフライトの選択・利用体験を中心に書いてみる。年をまたぐかも知れないが、「音楽会・イヴェント編」「ホテル・自炊編」「ワイン・食材ほかのショッピングと帰国編」などを書く予定。

 今回の旅の主要テーマは、例年同様“秋の音楽シーズン−コンサート鑑賞旅行”に新たに“ナッシュマルクト市場に隣接するミニキッチン付きアパートメントホテルで自炊体験”がテーマ加わった。さらに、ウィーン在住の友人たちと11月11日に解禁されたばかりの新酒を郊外のホイリゲで飲み歩いたので“解禁直後の新酒を味わう”もテーマとして加えるべきだろう。

 例年、ウィーン以外の隣接国1都市を組み合わせていたが、今回は、ウィーンでの“テーマ”が詰まっていたので、ウィーン1都市に絞ることにした。

 昨年は20泊の滞在期間の間に14回のコンサート・オペラを鑑賞したが、今回は前回の鑑賞疲れに懲りて、当初、鑑賞回数を控えめにしようと考えていた。しかし、ウィーン・フィルウィーン交響楽団の演奏会のほか、ウィーンに来演したミュンヘンフィル、チェコフィルなどの演奏会も鑑賞し、さらに現地でウィーン少年合唱団のクリスマス・コンサートや国立オペラの「エフゲニ・オネーギン」なども追加したので、結局、18泊の滞在で13回のコンサート・オペラを鑑賞することになってしまった。

 今回、利用したフライトは、初利用のカタール航空QRhttps://www.qatarairways.com/ja-jp/homepage.html 南回りドーハ乗り継ぎ便。もともと南回りが好きなのと、評判の同航空の個室感の高い“ドア付きビジネスクラス”Qsuite https://www.qatarairways.com/ja-jp/onboard/qsuite.htmlを体験してみたかったのが選択の理由だ。

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 当初は、昨年再就航したANAの羽田からのウィーン直行便の利用を考えていたのだがビジネスクラスの価格が50万円以上と手が出なかったので、他の航空会社を探していたところ長崎からの同日接続JAL便で羽田乗り継ぎが可能なカタール航空が浮上した。7月の段階で“プロモーション価格”というキャンペーンが行われていて、諸税・保険料込みで318,060円という、大韓航空中華航空などの乗り継ぎ便よりも安い価格だったことも選択の大きな理由だ。しかも、産油国であるせいか燃油サーチャージ(往復26,000円前後)が取られないのも有り難かった。

 JALと同じワンワールド加盟航空会社であるため、獲得マイルをJALマイレージに加算できるのもメリットだ。帰国後、確認したらカタール航空からJALマイレージ・アカウントに20,368マイルが加算されていた。航空運賃もJALカードで決済したので、その分のショッピングマイル3,181マイルも加算済みだったので、QRの利用で合計23,549マイルが獲得できた。以前にも書いたが1マイルは3円で換算するのが妥当と思っているので、70,647円が貯まった計算で、航空運賃から差し引くとQRビジネスクラスが247,413円で済んだことになる。
 獲得したマイルも含めると既に来年のヨーロッパ旅行ビジネスクラス往復分が貯まっている。来年はJALの提携航空会社フィンエアかエールフランスで往復しようかと思っている。本当は、JAL自体のビジネスクラスに充当したいところだが、ウィーンやプラハに行く場合、ヘルシンキやフランクフルトなどJALの欧州ゲート空港までしかマイレージ利用ができない。
 ゲート空港から先のウィーンなどを組み込むには、JALマイレージバンクの提携社特典航空券>フィンエアーhttps://www.jal.co.jp/jalmile/use/partner_air/partner/ay/ にある「モデルプラン」などで別途マイレージを交換しなければならない。現在、ヘルシンキ−ウィーンのビジネスクラス往復は30,000マイルだ。

それでは、今回のフライトのレポートに移ろう。

 前にふれたように、カタール航空の料金には、JALの長崎-羽田間のJ Class往復も含まれており、同日の接続が可能だった。
 長崎空港でチェックインする際に、預託手荷物はウィーンまでスルーで預けられると言われたので、羽田の国内線から国際線ターミナルへの移動を考えてスーツケースはスルーでお願いすることにした。ちょっと不安だったが、羽田でQRにチェックインする際の預託手荷物確認書面も渡されたので少し安心した。
 旅行に必要不可欠なものは、機内持ち込みの独ストラティック社製のキャスター付きキャリーバッグとリュックに入れておいた。
 キャリーバッグは背面ベルトで他のスーツケースにキャリーオン出来る機能があり、帰りの荷物が増えがちな私にとっては便利な機能だ。
 なお、QRビジネスクラスの手荷物規定は、預託手荷物は個数制限なく40kg、1個当たりの3辺の和(縦+横+高さ)300cm以下。機内持ち込み手荷物は、2個、合計で15kgまでで各最大50x37x25cm。事前にJAL側にも確認したら、長崎-羽田間にもその規定が適用されるとのことだった。
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 JL614便は長崎空港を11月12日の17:19に出発し(以後、予定時刻ではなく実際の発着時刻)、18:48羽田空港着。沖止めとなったので、時間がかかったが預託荷物がなかったので無料連絡バスで17:12には国際線ターミナルに到着し、QRのチェックイン開始時刻20:50(3時間前)まで、ウインドーショッピングなどで時間をつぶした。

 20:50にQRカウンターでチェックイン。席は、3K。Airbus A350-1000のQsuiteは、座席配置がユニークで進行方向と逆向きの席が交互に配置されている。
https://www.seatguru.com/airlines/Qatar_Airways/Qatar_Airways_QR_Airbus_A350-1000_V1.php?flightno=813&date=
 私は、試しに逆向きの席を選んでみた。逆向きでも快適な座り(寝)心地だったが、飛行中、3Dフライトマップを見るのが楽しみなのに、ディスプレイに表示されるのは前向きの席向けの表示なので、地上の風景と見比べるのが不便だった。

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3D フライトマップ

 チェックイン後、JALのラウンジでグリーンサラダ、JALカレー、生春巻きなど軽めの夕食をニュージーランドソーヴィニヨン・ブランとともに味わう。

 QR813便は、定刻より6分ほど早い、23:44に出発。機内では、ウェルカム・シャンパンを飲んだだけで、早々とキャビンアテンダントにベッドメイクしてもらい就寝。ドアを閉めれば“個室”になるので気兼ねなく熟睡できた。
 持ち帰り自由のパジャマが配られたが、上だけを着て過ごした。このパジャマはウィーン滞在中にルームウェアとして重宝した。
 寝る前に着陸3時間前の懐石朝食とミックスサラダを注文しておいた。今回は、行きも帰りも深夜早朝のフライトが中心だったので、評判の本格的フルコース・ディナーはメニューになかった。しかし、時間も組み合わせも自由なアラカルト・メニューがあり、中には“牛肉のオイスターソース炒めチャーハン”といったヴォリュームのあるメニューもあった。帰りの便も含め味わった限りでは、料理・ワインともにビジネスクラスとしては他社に比べ際だったところは感じられなかった。

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懐石朝食

 カタールの首都ドーハの空港には定刻より23分ほど早い05:47(日本時間11:47)に到着。所要約12時間だ。この便も沖止めとなり、バスでターミナルに移動し、さらに構内電車で出発ゲートに移動、セキュリティ・チェックは優先レーンがあったのでスムーズだったが、それでもD22のゲートに着いたのは06:30。ウィーン行きのQR0183便は、またまた沖止め。そのため免税ショッピングなどする暇もなく、ゲート到着間もなく搭乗手続きが開始され、07:34には機内へ。定刻通り07:55ドーハ発。

 事前にYoutubeでQsuiteの利用やドーハ空港での乗り継ぎの投稿動画を予習しておいたが、その中には、ドーハ空港での乗り継ぎは「6時間以上の余裕を持つべし」というものもあった。一応、ミニマム・コネクションタイムは45分だが、慣れない大空港で、これは難しい。ましてや沖止めとなれば絶望的だ。今後利用することがあれば2時間は確保したい。ラウンジで休憩し、免税ショッピングも楽しむのなら3~4時間はあった方が良いと実感した。実は、帰りの乗り継ぎでスリリングな体験をしたのだが、それは後日に。

 ウィーン行きの機材はAirbus A350-900でQsuiteではなく、ふつうのビジネスクラス・シートだった。ドーハ発は日本時間(JST)では13:55。ヨーロッパ時間の07:00頃(JST 15:00)には、2度目の朝食(実質的には昼食)としてフェタチーズピタパン、オリーヴなどが並ぶ“伝統的アラビア風朝食”にミックスガーデンサラダを追加してとる。

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伝統的アラビア風朝食



 ウィーン到着は、11:32(JST 19:32)。所要5時間37分だ。心配していた長崎からの預託荷物も無事ターンテーブルに現れた。

 熟睡できたこともあり、市内へはノンストップ列車CATと地下鉄を乗り継いでホテルに向かおうかと思っていたが、雨がかなり降っていたので、到着ロビーにあるトランスファー・サービスのカウンターでハイヤーを頼むことにした。このハイヤーは一般のタクシーより10ユーロほど安い。

 12:15に空港を出発して、街の中心にあるホテルMercure Secession https://all.accor.com/hotel/3532/index.ja.shtml#origin=accorhotels には12:48到着。

 ハイヤー料金36ユーロをクレジット・カードで支払おうとしたが、機械の不調で支払えず、現金を探して払おうとしたら財布には35ユーロしかなかった。トルコ人のドライバーには35ユーロでいいよと言われたが、それでは、申し訳ないのでコインを探してチップ込みということで37ユーロを支払った。クレジット・カードの機械の不調は、タクシーばかりでなくお店でもよくあることで、中には、手数料を取られるクレジット・カードを敬遠して、営業的に“故障”させるケースも見られる。今回は、誠実なドライバーの対応ぶりから本当に故障だったようだ。

 次回は、「音楽会・イヴェント編」をレポートしたい。年内には「ホテル・自炊編」まで書いておきたいと思う。

当欄関連過去記事:
□「2008年以降の海外旅行履歴」https://europedia.hatenablog.com/entries/2012/12/09 

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ベルリンの壁が崩壊してからちょうど30年

*[長崎日記]ベルリンの壁が崩壊してからちょうど30年

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ベルリンの壁越しの乾杯

 今日、11月9日は東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊してからちょうど30年目に当たる。壁が崩れた直後の12月にベルリンで撮った写真を掲載しておく。上の写真は、西ベルリン側から撮ったものでジャーナリストらしき西の人物が壁の穴越しに東の兵士に発泡酒をついでいるところ。下の写真はベルリンの壁のかけらを路上で売る若者。「ベルリンの壁証明書」付きで売っているのがゲルマン気質丸出しで面白かった。

 NHKスペシャルで1993年12月19日放送の「ヨーロッパ・ピクニック計画~こうしてベルリンの壁は崩壊した~」https://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2004/h040606.html(89分)という秀作ドキュメンタリーがあったが、その主要な舞台のひとつハンガリー西部のショプロン市郊外に「汎ヨーロッパ・ピクニック記念公園」https://www.paneuropaipiknik.hu/index.php/en?lang=enというものができているようだ。ぜひ、一度訪れたいと思っている。

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路上で「ベルリンの壁」を売る青年


 

 10月下旬には、2泊3日で佐世保への小旅行に出かけた。目的は、旧海軍関係の「佐世保鎮守府開庁130周年記念」https://www.sasebo99.com/nihonisan/chinjufu_evnts.cfmのイヴェントや特別ツアーなどに参加することと、母方の祖母の足跡をたどってみることだ。祖母の実家は、戦前まで佐世保の中心地で海軍相手の料亭を営んでいた。「日本遺産WEEK限定バスツアー」というものにも参加したが、海上自衛隊通信隊OBのガイドさんが、「第一次大戦中に地中海に派遣されていた日本の艦隊9隻が佐世保鎮守府所属だったことやその中の駆逐艦「榊」がオーストリア・ハンガリー帝国の潜水艦U27号の魚雷攻撃で大破し59名が戦死した」ことや「終戦後戦利品として6隻のUボートを獲得し、自力航行で日本まで回航し他国の海軍関係者を驚かせたこと」や「その戦利品潜水艦の分解調査等により後のイ号潜水艦の開発に役立った」という興味深い話を聞くことができた。残念ながらこのOBの方も含め、何人かの人に佐世保鎮守府にあった「タイムボール」のことを尋ねたが、どなたもご存じなかった。

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佐世保市防空壕「無窮洞」

 11月2日~5日には、毎年恒例の生まれ故郷唐津を訪問し「くんち」https://www.karatsu-kankou.jp/feature/karatsukunchi/祭りを見物した。今年は、土曜の「宵山」から始まり、月曜の振替休日の「翌日祭」まで休日が続いたため、3日間で57万人の人出があったそうだ。

 

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唐津くんちの山車

■今日のブックマーク&記事■

□LINEトラベルjp 旅行ガイド記事 「汎ヨーロッパ・ピクニック記念公園(ハンガリー領ショプロン郊外)~鉄のカーテン崩壊の歴史的事件の地~」 https://www.travel.co.jp/guide/article/7114/


□エイビーロード記事 「世界を変えた8月19日「ベルリンの壁崩壊」はハンガリー北西部草原のピクニックから始まった」https://www.ab-road.net/europe/hungary/sopron/guide/03912.html 


当欄関連過去記事:

□「ベルリンの壁崩壊から20年」https://europedia.hatenablog.com/entry/20091109/p1

□「今年も生まれ故郷の唐津で「くんち」を見物」https://europedia.hatenablog.com/entry/20161109/p1

□「オーストリア海軍の歴史 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/20060718/p1

□「長崎のタイムボールについて」https://europedia.hatenablog.com/entry/20160715/p1

 

NHKスペシャル こうしてベルリンの壁は崩壊した ヨーロッパピクニック計画 [DVD]

NHKスペシャル こうしてベルリンの壁は崩壊した ヨーロッパピクニック計画 [DVD]