Google で現地発信の日本語グルメ・サイトを見つけよう

海外でのレストラン選びに役立つサイトについては当欄でもたびたび取り上げている。興味のある方は、「インターネット・トラベルNEWS」の最上段にある検索ボックスに「Restaurant」や「レストラン」などとキーワードを入れて「日記」を押すと「NEWS」バックナンバーにあるレストラン関連記事を閲覧することができる。
 「クリッカブル・マップで詳細情報へ飛べるウェブガイドブック」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050117や「海外発信のレストラン情報サイト」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040606、「ヨーロッパ42カ国のレストラン情報を網羅したViaMichelin」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040403といった記事が見つかるはずだ。
最近は、ブログなどを使った海外在住者のグルメ・レストラン関連サイトが急増している。Google http://www.google.co.jp/で「レストラン パリ」、「ドイツ 料理」といった検索を行うと実際に現地で食べた人の辛口の意見が載っているサイトが数多く見つかる。
 今日は、そうやって見つけたサイトをいくつか紹介しよう。
パリのレストラン・シーンを案内する「グルマン・ピュスのレストラン紀行」http://www31.ocn.ne.jp/%7Ekiln/yukino/は、自力で食べて周ったレストランの数々や料理、デザート、お酒の味を紹介するサイト。「ギッド・ルージュ(ミシュラン)2005年速報」といったホットな記事もある。 
 パリでもうひとつ紹介すると、パリの日本語ウェブマガジン“パリスムーズ”が運営する「パリの美味しいレストラン」http://www.paris-oishii-restaurant.com/というサイトだ。“後悔しないためのレストラン・ガイド”という副題が付けられており、パリに星の数ほどあるレストランから"当たり"を見つけるためのサイトを目指している。レストランは地域別に選べるが掲載店数はまだ18軒だ。
 フィレンツェでは、トラベル・ジャーナリストの池田夫妻が現地で運営する日本語サイトRotonda Club Italiana http://hometown.aol.com/Ikedamasa/Index.htmlが秀逸だ。「シチリア 美食の王国へ」、「イタリアの市場を食べ歩く」という本も出しておられ、サイト上には「フィレンツェのレストラン全105件」「シチリアのレストラン全69件」「ヴェネツィアのレストラン全38件」「ミラノのレストランTOP10」といった食べ歩きレポートも公開されている。
クーポン付日本語ガイドマガジン「FIRENZE IN TASCA」を発行している会社が運営する「フィレンツェガイド firenze guida」のレストラン・ページhttp://www.firenzeintasca.com/ristorante.htmlも面白い。
ドイツ料理では、「ソーセージとじゃがいもとビールしかない国というイメージを抱く人の多いドイツですが、ところが実に豊富な食材とおいしい料理、お酒にあふれた国だったんです」と説く、「ほんとうはおいしいドイツ料理教室」http://www.pluto.dti.ne.jp/~mikado/も説得力がある。ドイツに留学していた人が作った「ドイツ食文化現地研究」http://www.tp3.ruhr-uni-bochum.de/~ktaka/esskultur/intro.htm という一見お堅そうだが面白いサイトもある。
☆写真はウィーン市街とドナウ本流を見下ろすレオポルヅベルクの丘にあるレストランBurg Leopoldsberg http://www.burg-leopoldsberg.at/のウィーン風ハンバーグとサラダのセット€8.5

イタリアの市場を食べ歩く

イタリアの市場を食べ歩く

ドイツおいしい物語

ドイツおいしい物語

All About グルメ・クッキング チャネルと ぐるなび海外版

 その道のプロがナビゲーションする総合ポータル&検索サイト「All About Japan」のグルメ・クッキングのページ「All About グルメ・クッキング チャネル」http://allabout.co.jp/gourmet/は、食いしん坊の海外旅行者にも大いに役立ちそうだ。「フレンチ」や「イタリアンレシピ」、「エスニック」、「ワイン」などのページには、旅行目的地の名物料理や飲み物に関する予習をするのに役立つ記事が満載されている。「フレンチ」には「本場フランスのレストラン」の紹介記事がある。「ガイドのレストラン案内」には現地のレストランや「グルメ旅紀行」などの記事が並ぶ。
 ついでに、日本のレストラン・ポータルの最新情報を。ぐるなびご当地グルメ海外版http://www.gnavi.co.jp/world/ は04年7月に、レストラン情報が閲覧できるようになったと紹介したが、現在は、29か国50都市に変わりはないが、約3,000店舗に増えていた。「海外特派員」情報の提供や、月2回配信予定のメールマガジン「海外グルメ通信」の配信、200都市のクチコミ掲示板も順調に発展しているようだ。
☆写真は ウィーンに現存する最古のレストランと「ぐるなび」に紹介されているGriechenbeisl http://www.griechenbeisl.at/page.asp/index.htm の正面。Griechenbeislで5年間サブ・シェフを務めた田中成夫シェフが腕をふるうウィーン料理の店「パパゲーノガルテンhttp://homepage3.nifty.com/papa_garten/index.htmlが東京・江古田にある。

ワイン・ツーリズムという旅のスタイル

今週は、ワインに関する記事ばかりになってしまったが、その総仕上げとしてワイン・ツーリズムという旅のスタイルを紹介したい。これは、欧米で静かなブームとなっている旅のスタイルで、葡萄畑が広がる風光明媚な土地でシャトー・ホテルや料理自慢のオーベルジュ、田園に囲まれたヴィラなどに泊まり、そこで獲れるワインと郷土料理が奏でる絶妙なハーモニーを楽しむという旅のスタイルだ。ワインが飲めないという人も、土地にもよるが、自家製のジャムやチーズ、ハム、オリーブオイル、ワインヴィネガー、果実の生ジュース、蜂蜜、ハーブなどの食材を楽しむことができる。
 ヨーロッパのワイン名産地は日本人にとって2つの大いなる魅力がある。第一に名産地は古い歴史を持ち世界遺産に指定されたところが多い点だ。たとえば、ハンガリーのトカイ、オーストリアのヴァッハウ渓谷、両国国境にあるノイジードラー湖、ドイツのライン渓谷、フランスのサンテ・ミリオン地区、ポルトガルのアルト・ドウロなどヨーロッパの歴史あるワイン生産地の多くは世界遺産に指定されている。これらの地区は、2000年ほど前にワイン好きのローマ人が拓いていき、駐屯地の周辺で城や都市を築いてきたのだから世界遺産に指定される道理でもある。
もうひとつは、これらの産地や周辺の多くには温泉が湧いている点だ。温泉好きのローマ人は、温泉があるところに好んで駐屯地を設けた。そして、他の植物には適さない温泉地周辺の火山性土壌も葡萄の木にはむしろうってつけということもあった。したがって、有名ワイン産地と温泉と歴史遺産は重なることが多いというわけだ。
拙著「フィレンツェ旅の雑学ノート」で絶賛したCorbaiaというワインを生むキャンティのワイナリーCASTELLO DI BOSSIは、ワイナリーでのテイスティングと宿泊を受け入れているがそのプログラムを掲載していたのは日本のNPO法人「健康と温泉FORUM」http://www.onsen-forum.co.jp/column/foreigninfo/のホームページの「コラムーロングステイ情報」http://www.onsen-forum.co.jp/column/longstay/だった。ボルドーの有名ワイナリーの中にあるLes Sources de Caudaliehttp://www.sources-caudalie.com/us/sommaire.htmlという温泉ホテルでは、ワインが含むポリフェノールや温泉水を用いたヴィノテラピーという療法を編み出してその目玉にしている。
 最近は、ボルドーワイン委員会http://japon.vins-bordeaux.fr/オーストリアワインマーケティング協会http://www.winesfromaustria.jp/ドイツワイン基金http://www.dwfjp.com/index.htmlオーストラリアワイン事務局http://www.australiawine.jp/default.htmのように日本語のホームページを開いてワイン・ツーリズムをサポートしているワイン産地の公的組織も目立って増えてきている。
ワイン ツーリズムに関してはGoogleなどの検索エンジンで「ワイン ツーリズム」や「Wine Tourism」と検索してみるとよい。Grape Adventures http://www.grapeadventures.com/などワイン・ツーリズム専門の旅行会社やワイン・ツーリズムを歓迎するワイナリー、ホテル、レストラン、Wine Spectator  http://www.winespectator.com/などのワイン専門誌等、関連サイトの多さに驚かされるに違いない。
この検索では、日本の「ワインツーリズム情報サイトVisi-Vin」http://www.visi-vin.comも筆頭に顔を出す。ここは、フランスを中心とする海外ワイナリー訪問のノウハウを提供するサイトで、ワイン関連の内外の書籍や雑誌のオンライン販売も行ない、ワイン・ツーリズムの専門書やワイン・マップも取り扱っている。ワイン産地ごとの案内ページが設けられ、ワイン関連のトピックスや訪問可能ワイナリーリスト、現地関連リンク、ワイン・ツーリズムに適したレストラン・ホテルの案内、ドライブルートの実例、ワイン・ショップ、ワイン博物館などが紹介されている。
 最後に、ワイン・ツーリズムに役立ちそうなサイトをいくつか挙げておこう。
フランス政府観光局 http://www.franceinformation.or.jp/index/index.html
スイス政府観光局 http://www.myswiss.jp/ 
カリフォルニア観光局 http://www.californiatourism.jp/
オーストラリア政府観光局 http://www.australia.com/home_jp.aust?L=ja&C=JP
About.com Wine http://wine.about.com/
All About Japan ワイン http://allabout.co.jp/gourmet/wine/
The Enology Database   http://www.arq.net/db/enology/ 
TBM's Wine Links http://www.bboxbbs.ch/home/tbm/
WineHQ http://www.winehq.com/ 
Wine on the Web http://www.wineontheweb.com/
Robert Parker Online http://www.erobertparker.com/welcome.asp 
ワイン検索エンジンhttp://wine-searchengine.net/ 
サントリー ホームページ http://www.suntory.co.jp/
酒蔵奉行所 ワインのリンク集 http://bugyosho.hp.infoseek.co.jp/link.htm
☆写真は ドナウ本流を眼下に見下ろすブドウ畑に囲まれた一軒家のホイリゲSirbu http://www.vinarium-austria.com/www/en/winery/winery/3963_hans_sirbu.html#1

映画「フレンチ・キス」と南仏のワイン造りの村を訪れる旅

メグ・ライアンケビン・クライン主演、ジャン・レノが脇役として登場する「フレンチ・キス」という1995年公開のアメリカ映画がある。これも、「サイドウェイ」同様、ワインを巧みにモチーフとして使っている映画だ。
 実は、この映画のパンフレットに「あなたを卒業する旅」という原稿を書かかせてもらった。映画に登場するホテルやレストラン、登場する列車のルート、葡萄畑の中にそびえる城塞都市などを割り出して紹介していったのだ。La Ravellという田舎駅が登場するのだが、映画ではよくあることで実はMeyrarguesという実在する駅の看板を掛け替えて撮影したものだった。プレス・リリースでそのことは分かっていたが、フランスの時刻表を見てもどこにあるのか分からなかった。ところが、ドイツ鉄道電子時刻表(英語版)http://reiseauskunft.bahn.de/bin/query.exe/enでパリからMeyrarguesへのルートを検索すると南仏のエクス・アン・プロヴァンス近くの村であることがすぐに分かった。映画では、パリからニースへ向かう途中の駅として描かれていたが、実際には、そのルートからかなり離れたところにあったのだ。鉄道電子時刻表の使い方については過去ログの「鉄道旅行のルーティングに便利な鉄道電子時刻表」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040420を参照いただきたい。
パンフレットに寄せた拙文は「さて、映画が終わった後は、二人で素朴な南欧料理を元気のいい赤ワインで食べさせてくれる店にでも出掛けませんか。ケイト(メグ・ライアン)を気取って『ラヴェンダーの香りとキノコの味がする』などと囁きながら、決してキノコ雲の味など味わわなくてすむ平和な未来を祈って乾杯しましょう」と結んだ。95年の夏、フランスは南太平洋のムルロワ環礁で核実験を行なったばかりだった。
 ついでに、映画関係のサイトやショップをいくつか挙げておこう。
産経新聞95年10月31日の夕刊 淀川長治の銀幕旅行「フレンチ・キスhttp://www.sankei.co.jp/mov/yodogawa/951031ydg.html
サウンドトラックのCD専門店Soundtrack Finder すみや渋谷店 http://mediamax.sumiya.co.jp/soundtrack/
映画関係専門書店等の一覧 http://www.book-map.com/dbm/sb/b03.htm 
映画パンフのネット通販 たなべ書店 http://www.tanabeshoten.co.jp/ 
プログラムギャラリー http://www.nanoqube.co.jp/3f/mstheater/program/program.html

フレンチ・キス [DVD]

フレンチ・キス [DVD]

オーストリア・ワインの「お楽しみ袋フェア」

 岩手県大迫町の山奥にヴィノテーク・オーストリアhttp://www.edelwein.co.jp/05vino/index.htmlについては今年の2月のクリアランスセールを紹介したほか何回か取り上げた。「ヴィノテーク・オーストリア」は第3セクターが運営するワイン博物館兼ショップだ。地元大迫町オーストリアのベルンドルフ市との友好姉妹都市交流の絆を生かし、オーストリアワインの直輸入を行っている。約100種類、2万本のオーストリア・ワインを貯蔵・試飲・販売しており、インターネットでの注文も可能だ。
昨日、ヴィノテーク・オーストリアから4月17日(日)までの「オーストリアワインお楽しみ袋フェア」http://www.edelwein.co.jp/cgi-bin/newsform.cgi?id=1048210249の案内葉書が届いた。「お楽しみ袋」だが、甘口・辛口の好みをリクエストすることはできる。実は、来週末からウィーンに行く予定だが、「お楽しみ袋の中身は、購入金額の2倍相当のワインが盛り沢山」なので、ウィーンから別送便などでワインを送るよりも結果的に安くなる。そこで、1万円コースを3口ほどメールで注文したところだ。昨年もこの時期にお楽しみ袋を3口頼み、「暑い夏を東京で越すのはワインのためによくないな」と危惧していたのだが、なんのことはない梅雨明けまでにはすべて空けてしまっていた。
 なお、「ラベルが多少汚れているものや、キャップシールの無いものがございますが、品質にはまったく問題ない」とのことだ。送料は1万円以上購入すれば無料になる。
 オーストリア・ワインの魅力については「オーストリアワインマーケティング協会」のサイト「オーストリアのワイン 文化の香り」の日本語ページhttp://www.winesfromaustria.jp/を参照いただきたい。サイトマップがないのでわかりにくいが「ニュース イベント」「ワイン ワイナリー」「輸入業者 小売業者」「情報 サービス」の各項にマウスをポイントするとさらに細かい項目が現れる。
☆写真は ブドウ畑に囲まれた一軒家のホイリゲHirt付近から見下ろすドナウ河の眺め

映画「サイドウェイ」とワインの旅

 離婚のショックからまだ立ち直れないでいる、中年の小説家志望の国語教師マイルスが、結婚を1週間後に控えた大学時代からの親友ジャックと連れ立って、カリフォルニアのワイナリーへとワイン・ツアーの旅に出るという映画「サイドウェイhttp://www.foxjapan.com/movies/sideways/が公開中だ。映画は、カリフォルニアのSanta YnezとSnata Barbaraを舞台としており、早くも映画の舞台をたどる追っかけツアーが押しかけているという。 PDF形式のSideways Wine Map http://www.santabarbara.com/winecountry/images/sideways-tour-map.pdfというサイトもできており、映画の公式サイ内トにも「サイドウェイ」ワイン・マップhttp://www.foxjapan.com/movies/sideways/special/ があり、マップ上のワインボトルにマウスを載せて詳細を見ることができる。
 About.comには Where was "Sideways" Filmed http://romanticmovies.about.com/od/sideway1/f/sidewy101104.htmというQ&Aページもある。
 映画の舞台を訪ねる専門サイトFamouslocations.com http://www.famouslocations.com/index.php は有名な映画のロケ地に関する情報と画像が検索できる。たとえば、“third man”「第三の男」と検索すれば7カ所ほどのロケ地のデータと画像が現れる。トップページはウェブマガジン風になっており、Tower Of London、Tower Of Londonなどが取り上げられているがSidewaysは未だのようだ。

オーストリア・ワインの魅力について語り出したら

岩手県大迫町の山奥にヴィノテーク・オーストリアhttp://www.edelwein.co.jp/05vino/index.html という第3セクターが運営するワイン博物館兼ショップがある。約100種類、2万本のオーストリア・ワインを貯蔵・試飲・販売しており、インターネットでの注文も可能で、時折り、クリアランスセールも行っている。 実は、昨日ヴィノテーク・オーストリのクリアランスセールの案内葉書が届いた。2月28日までインターネットからの申し込みを含め20%引きとある。送料も1万円以上の買い上げで無料になる。詳しくはWhat's new http://edelwein.co.jp/cgi-bin/newsform.cgiのページを参照のこと。
オーストリア・ワインの特徴」についても詳細な解説がある。
 オーストリア・ワインが大好きな私は、この山奥のヴィノテークを訪ねて行き1,050円で30種類ものワインを試飲(現在は525円で約20種類)させてもらうという至福の時を過ごしたことがある。
一体どうやって2万本ものワインをオーストリアから岩手の山奥まで運んでくるのか不思議に思ったが、ここで、酔っぱらっているときに答えがひらめいた。ウィーン西駅から“銀河鉄道”に乗せて、近くの遠野の駅まで天翔けて運んだに違いない。カンパネッラやジョヴァンニが付き添いながら。
オーストリア・ワインの魅力については拙著「ウィーン旅の雑学ノート」でもふれさせていただいたが、時代にマッチした辛口嗜好/気候にも恵まれ天然ワインが豊富/アルコール度も充分/葡萄の種類も豊富でワインの個性が豊か/ワインを味わう舞台設定が整っている などその魅力を語り出したら尽きることがない。
久しぶりに、オーストリア・ワイン関連のサイトを探していたら、以前は、中国語ページはあったものの日本語のページができていなかった「オーストリアワインマーケティング協会」のサイト「オーストリアのワイン 文化の香り」に日本語のページhttp://www.winesfromaustria.jp/ができあがっていた。サイトマップがないのでわかりにくいが「ニュース イベント」「ワイン ワイナリー」「輸入業者 小売業者」「情報 サービス」の各項にマウスをポイントするとさらに細かい項目が現れ、内容の充実ぶりには目を瞠るものがある。「情報 サービス」の「オーストリアのワイン法」にある「DACオーストリアワインに新たな切り札」という記事を読むと「原産地呼称制度DACの導入により、オーストリアでは、建国以来初めて、ブドウの品種よりもワインの生産地が優先されることになる。DACの認定第1号となるのは、オーストリア最大のワイン生産地ヴァインフィアテルで、『ヴァインフィアテルDAC(Weinviertel DAC)』の表示は、同地の主要品種ではっきりとした特色を持つグリューナー・ヴェルトリーナーを使用したワインのみが対象となる」というトピックスが出ていた。
☆写真は ドナウ本流を眼下に見下ろすブドウ畑に囲まれた一軒家のホイリゲSirbuにて

ウィーン 旅の雑学ノート―ハプスブルクの迷宮を極める

ウィーン 旅の雑学ノート―ハプスブルクの迷宮を極める

幸福とは? シャトー マルゴー1848年

昨夜、友人のレストランLD104 http://gourmet.livedoor.com/item/200/i20283382/に向かう途中ふと思いついたことがあった。マルクスと共に「共産党宣言」を起草したフリードリヒ・エンゲルス(1820‐95)が、「幸せとは」と聞かれ「シャトー・マルゴー○○年」と答えたという有名な話があるが、正確には何年のワインだろうか。そして、この話の出典はどこだろうかという疑問はGoogleで簡単に解明するだろうということだ。
 「エンゲルス シャトー・マルゴー」と検索すると、サントリーワイン スクエアのシャトー・マルゴーのページhttp://www.suntory.co.jp/wine/winery/070/など95件がヒットし、簡単に1848年のことだと分かった。楽天市場の「シャトー・マルゴー」のページhttp://www.rakuten.co.jp/higuchiwine/503676/503692/504099/には「文豪ヘミングウェイにいたっては自分の孫娘に、シャトー・マルゴーのような女の子に育って欲しいとの願いから『マーゴ』と言う名を付けています」との記述もあった。
 しかし、エンゲルスの発言はどのページを見ても出典が明らかになっていない。そこで、「Engels Margaux」と検索してみるとMarx and Engels Internet Archiveというサイトが見つかりフリードリヒ・エンゲルスカール・マルクスの末娘エリナ・マルクスの質問にこたえ対話録“Confession”(「告白」−「マルクス・エンゲルス全集」大月版32巻572ページ)に書かれていることが分かった。同サイトによればIdea of happinessという質問にChâteau Margaux 1848と答えている。次の質問はIdea of misery(不幸とは)で、to go to a dentist(歯医者へ行くことだ)と答えていた。
 ついでに思い出してしまったが、別人の統計学者エルンスト・エンゲルが提唱したエンゲル係数(家計支出の中で飲食費が占める割合)をもじって、ヴァッカス係数を提唱したことがある。もちろん、家計支出の中で酒代・飲み屋での支払いを合計した割合を指すものだ。ちなみに、我が家のヴァッカス係数は20〜30%で安定的に推移している。
 もうひとつ、Googleで調べてみた。昔、ドイツのハイデルベルクに住む人からもらったホットワイン(ドイツ語でグリュー・ヴァイン)のレシピをなくしたので「ホットワイン レシピ」と検索してみたのだ。Yahoo!グルメのレシピ情報 > ホットワインのページhttp://gourmet.yahoo.co.jp/seturl?mid=western&small=0202099&id=C000439など793件のヒットがあった。
ウィーンではスーパーでホットワインに必要な香辛料をティーバッグ状にした便利な「ホットワインの素」が売られていたが、紀ノ国屋http://www.e-kinokuniya.com/の青山インターナショナル(仮店舗)や鎌倉店でもホットワイン用スパイスブーケを売っているそうだ。調べてみると朝岡スパイスhttp://www.asaokaspice.co.jp/の商品のようだ。朝岡スパイスのホームページの「今月のスパイス&ハーブ」のページにはちょうどこのホットワイン用スパイスブーケ が取り上げられて、「身体をポカポカと温め、風邪の予防に効果的」と書かれていた。花粉症には効かないだろうな。

訪れた土地のアペリティフを楽しもう

海外で食べ歩きを楽しみたいという人には、メニューが読みこなせるように予習をすることを薦めている。これについては、本欄の4月1日の記事「個々のレストランのメニューをサイト上で事前予習」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040401 を参考にしてもらいたい。
食べ歩きを楽しみたいという人へのもうひとつのお薦めは、訪れる土地と店のTPOに合ったアペリティフが注文できるよう予習しておくことだ。
アペリティフを余裕を持って注文できれば、その後のワインや料理の注文もスムーズにうくことが多い。そのアペリティフをゆっくりと味わいながら、メニューに並ぶ料理の数々を眺め、じっくりと選ぶことができるからだ。
 アペリティフという言葉はもともと、食欲増進剤を意味し、胃液の分泌を促し、心身ともに食事の準備態勢を整えるための役割を果たす。店側もウォーミングアップに時間をかけ、存分に味わおうという気構えの客を歓迎こそすれ、せかすことはない。
アペリティフをレストランとは別の居酒屋やバーで味わってから出かけるのもよいだろう。欧米では上品なバーで男女が待ち合わせをし、アペリティフを飲んでお目当てのレストランに移るという光景をよく見かける。また、一流のレストランの中にはウェイティング・バーを設け、席に案内するまでのひとときをバーで楽しんでもらうという趣向のところも多い。
 食前酒についてはサントリーの「お酒・飲料大事典」http://www.suntory.co.jp/jiten/の「リキュール・スピリッツ・カクテル」のページが参考になるだろう。
Google検索エンジンhttp://www.google.co.jp/で「Aperitif 地名」といった検索をかけてみるのもよい。
 さて、食前酒はシャンパンに代表される発泡性のあるワインかシェリーに代表されるアルコール強化ワインに大別される。しかし、居酒屋ではもちろんのこと、レストランでも庶民が好むアニス酒や葡萄の絞りかすから作る蒸留酒リキュール類も用意されている。
今まで味わった珍しいアペリティフを2つほど紹介しよう。まずは、チェコの温泉保養地カルロヴィ・ヴァリの「13番目の源泉」と呼ばれる薬草酒ベヘロフカhttp://www.becherovka.cz/を挙げたい。もともとは薬局で売っていた薬用酒だが度数は38度もある。 
 次に挙げたいのは、スイスの梨酒ボン・ペーレ・ウィリアムスhttp://www.jrgermanier.ch/である。このワイナリーを訪れたことがあるが、梨の実が小さいうちに瓶を被せ、大きく実ったところで瓶ごと収穫して梨酒で満たすという贅沢な作り方をしていた。 
 アペリティフの多くがそうであるようにこれらをディジェスティフ(食後酒)としても構わない。
☆写真は梨の実が小さいうちに瓶を被せているボン・ペーレ・ウィリアムスの梨畑

11月11日はオーストリアの新酒ホイリゲの解禁日

 オーストリアの新酒ホイリゲは毎年11月11日の聖マルティンの日に解禁される。渋谷近辺のデパートなどを回ってみたが、今年はサントリーが輸入を取りやめたせいか、置いてなかった。しかたなく、以前紹介した、岩手県大迫町オーストリア・ヴィノテークhttp://edelwein.co.jp/cgi-bin/newsform.cgi?id=1099278931に注文した。
 その代わり、渋谷東急本店のワイン売り場では拙著「フィレンツェ旅の雑学ノート」で絶賛したCastello di Bossi http://www.castellodibossi.it/en/home2.htmの当時無名のスーパートスカーナCORBAIAの1997年ものが7,770円で売られているのを見つけた。もっとも、このワインはMyWineClub(Castello di Bossi紹介の頁)http://www.hapima.com/sh/mywine/2001au32/で送料無料で4,980円(税込5,229円)で通販されている。
このワインに関して興味のある方は拙著「フィレンツェ旅の雑学ノート」(P63)を参照いただきたい。
また、「健康と温泉FORUM」というホームページにはワイナリーCastello di Bossiに滞在する「ロングステイ情報」http://www.onsen-forum.co.jp/column/longstay/longstay03.htmlも掲載されている。

フィレンツェ 旅の雑学ノート―メディチ家の舞台裏をのぞく

フィレンツェ 旅の雑学ノート―メディチ家の舞台裏をのぞく


☆写真はウィーンのホイリゲWolff http://www.wienerheuriger.at/eng/bs2/bs.html の新酒(1/4㍑ジョッキー)

味の素のレシピ集「ワールドグルメレポート」

 以前、画像付の日本語料理レシピを8万種以上掲載し、月間100万人以上の訪問者があるという人気レシピ・サイト「クックパッドhttp://cookpad.com/を紹介したが、取り上げられている料理数こそそれより少ないが、「食をテーマに世界を旅しよう」をモットーとする投稿型レシピ集「味の素ワールドグルメレポート」http://www.citywave.com/ajinomoto/index.shtmlというサイトを見つけた。タイ、ベトナム、バリ島、上海、イタリア、フランスなど20ほどの国や地域の料理レシピが紹介されている。各国のページを開くと日本で手に入る食材でいかに現地の味を出すかの工夫が伝わってくる。「グルメ旅行記」などの読み物も豊富だ。左フレームのrecipefileを開くと個別料理のさらに詳細な調理法紹介ページが現れる。自分が海外で味わった思い出の料理のレシピや画像を投稿することもできる。
☆写真はパリのマレ地区にあるビストロChez Jeannot(13,rue des Ecouffes)のケフタ(ミートボール)と仔羊肉グリルの緑豆添え

オーストリア国家公認料理マイスター神田真吾氏を紹介するTV番組

 オーストリア政府観光局 http://www.austria.info/jp発行のメールマガジン「AUSTRIA TRAVEL NEWS VOL_50」によれば、現在インスブルックで活躍している、日本人初のオーストリア国家公認料理マイスター「宮廷料理人」という神田真吾氏を紹介する番組が11月7日に2本放送される。
 ひとつは、NHK教育テレビ「トップランナー」11月7日(日)19:00〜(再放送は11月11日(木)24:00〜)。
もうひとつは、TBS「情熱大陸」11月7日(日)23:00〜。マリア・テレジア女帝の子孫主催の晩餐会のシェフに挑戦するという。
 「宮廷料理人・神田真吾氏」については、JTCジャパン・チロル・コーディネーションのホームページhttp://www.jtc.at/cmsjtc/cms/front_content.phpにも記事がある。
 なお、オーストリアの新酒ホイリゲが11月11日に解禁される。ホイリゲボージョレ・ヌーヴォーに比べ認知度が低く、今年も大手酒造メーカーが輸入を取りやめるなど入手困難が予想される。岩手県大迫町オーストリア・ヴィノテークは空輸のホイリゲの通信販売を行っているようだ。ヴィノテークのホイリゲのページhttp://edelwein.co.jp/cgi-bin/newsform.cgi?id=1099278931を参照のこと。
☆写真は ウィーンのレストランSteirereck(シュタイラーエック)http://www.steirereck.at/

アメリカのファーマーズ・マーケット・サイトを覗いてみよう

 アメリカ農務省マーケティング・サービスのサイトにあるファーマーズ・マーケットのホームページAgricultural Marketing Service Farmers Markets http://www.ams.usda.gov/ farmersmarkets/が面白い。Find a Farmers Market in Your Stateのページからは、全米五十州の3,000以上のFarmers Market が検索できる。独自のホームページを持っている市場にはリンクも張られており、ウェブを通じてマーケットを冷やかすこともできる。健康意識の高まりとともにアメリカでも生鮮食品市場に対するニーズは高まる一方という状況が垣間見られる。旅先で、郷土色豊かで新鮮な野菜を生産者の手から直接買いたいという人にも便利。親サイトのアメリカ農務省http://www.usda.gov/wps/portal/usdahome のサイトにはBSE問題への対応振りや作柄、農産物輸出事情など日本とは無縁ではないニュースを知ることができる。
☆写真は フィレンツェ中央市場の乾燥トマト(日本語の戻し方解説付き!)、ペペロンチーノ(唐辛子と似ている)を     
売っている店。

海外の寿司バーや寿司を提供する和食レストランを知るのに役立つページ

ウィーンには120軒以上の寿司バーや寿司を出すレストランがあり、回転寿司も6軒あるそうだ。ウィーンの女性にダイエットにいいと信じられているのが人気の原因と聞いたことがあるが、よく見ると寿司バーで待ち合わせて寿司をオードヴル代わりにつまみながらワインを飲んでから、さらにお目当てのレストランに移るという人も少なくないようだ。
 海外での寿司店探しに便利なサイトThe Sushi World Guide http://www.sushi.infogate.de/ は、 A Guide to Japanese Restaurants outside Japanという副題を持ち、アメリカ在住のドイツ人が中心となって作られている。サイトでは日本を除いた世界1,066都市、3,805軒の寿司を中心とする日本料理店を紹介している。The Restaurantsのページからは大陸→国→都市の順に寿司店を選ぶことができる。店名からの検索も可能。運営者おすすめのTop Favouriteや日本食を楽しむための基礎用語を解説したExpressions、Photo Galleryなどのページがある。Linksではは日本も含めた料理店のリンク集や寿司の調理法のページもリンクしている。
Sushi! The World's Greatest Food http://www.wcnet.org/~kralizec/sushi/sushi.htmlは、寿司の歴史やエチケットを知るのに役立つ。Sushi Etiquette http://www.wcnet.org/~kralizec/sushi/s-etiquette.htmlのページが面白い。 Other sushi resources on the internetという寿司関連サイトのリンク集も役立つだろう。

老舗Gundelのシェフ、ソムリエによるハンガリーフード&ワインフェア

ハンガリーの首都ブダペストの高級レストラン「グンデル」http://www.gundel.hu/gundel_en.phpよりシェフとソムリエを迎えた「ハンガリーフード&ワインフェア」が9月18日から1ヶ月間、東京箱崎のロイヤルパークホテルで開催されている。
 ターキー胸肉のグンデル風サラダ仕立て、パプリカの利いたグーラッシュスープ、カーラ風パプリカチキン、チーズでまとめたズッキーニのお菓子仕立てパプリカソースなどが味わえるそうだ。 しかし、どうやらグンデル名物で私の好物でもあるラムと干しぶどう、レモン、胡桃を使いチョコレート・ソースをかけたクレープのグンデル・パラチンタは出ないようだ。
 《コース》ランチは月〜金曜日で一人2,940円、ディナーは、一人 4,725円。《ブッフェ》も用意されている。ハンガリーの民芸品やアクセサリー、ワイン等の販売やハンガリーワインカルチャースクールも行われる。9月18日(土)〜9月26日(日)の間はジプシーバンドの生演奏も聴くことができる。詳しくはホテルのホームページhttp://www.rph.co.jp/info/inf30700.html#a002を参照のこと。
なお、東京の西麻布には中央ヨーロッパの名窯Zsolnay磁器で本格的なハンガリー料理(少々上品すぎるようにも思えるが)が楽しめるレストラン「ジョルナイ」http://zsolnay.az-group.net/Top.htmもある。
☆写真は ブダペストのレストラン カフェ・ニューヨークのジプシー・バンド