インターネット活用危機管理術Ⅰ情報収集

私は、旅の出発が近づいてきたら、当欄でもたびたび取り上げているテキサス大学の地図サイトPerry-Castañeda Library Map Collectionhttp://www.lib.utexas.edu/maps/を開くことにしている。
 現在、トップページのOnline Maps of Current Interestを見るとトリノ冬季オリンピックに関するWinter Olympics Map、Winter Olympics Explorer (Space Imaging)、Snow Maps(アメリカの積雪地図) など平和な地図とともに、Bird Flu Maps (鶏インフルエンザ)、 Iran Maps 、Iraq Maps 、Nigeria Maps、Philippines - Leyte Island/Guinsaugon Villageなど紛争や災害、感染症が発生している地域もしくは予想される地域が並んでいる。
2月末現在、Iraq Mapsのページを開くと、爆撃機パイロットが使う戦術航法図(TPC)やイラクイラクの油田と製油施設の分布図など数十枚の地図がリンクされている。
このサイトはCIAなどの支援を受けており、アメリカ政府の意向を反映した掲載がされているようだ。紛争地の選択基準もあくまで「アメリカにとっての」ということを念頭に置いて見る必要があるだろう。
 ここには狂牛病口蹄疫の発生地域マップや大地震、大規模山火事、タンカー事故、大規模テロなどの災害発生時の被災地図も掲示される。
Current Interestの下のOnline Maps of General Interestには、地域別地図、都市別地図、歴史地図、ワイン・マップ、など平時の旅行に役立つ地図も多数網羅している。同じ項目の中にあるMaps on Other Web Sites を開くと、YahooやExpedia、National Geographic Map Machine)、Mapquestなどの多機能な地図サイトのほか、先週ふれた地球環境に関する地図も多数リンクされている。Cartographic Reference Resourcesには、時差や日照時間、2地点間の距離計算機能などを持つ電子地図ツールのコレクションがある。
 左フレームには旅行計画に役立つRoute Planning SitesやWeather Map Sites、City Map Sites、SARS Maps、Avian Influenzaなどの地図が並んでいる。
現地の生情報や市民の声などを知るには、現地の新聞を読んでみるのが一番ではないだろうか。最近は、主要新聞の多くがウェブ版を無料公開しており、登録者に対して無料でメールマガジンを毎日届けてくれる新聞社も少なくない。
現地の新聞を探すには、いくつかある世界の新聞のリンク集を見るとよい。
newspapers.com http://www.newspapers.com/はインターネットで読める世界中の新聞や通信社サイトのリンク集で、EntertainmentやBusiness、Industryなどのジャンル別や国別・都市別・新聞名別など検索方法も多様。Abyz News Links http://www.abyznewslinks.com/ は新聞社のほかラジオ局やテレビ局もリンクしている。
米国Yahoo!の News and Media 欄http://dir.yahoo.com/News_and_Media/ にも、Internet Broadcasts やJournalism 、Magazines 、Newspapers 、Radio 、Television などに分類して多数のニュースソースにリンクが張られている。Web Directories には上記のAbyzなどのリンク集が並んでいる。
各国のYahoo!にも同様のリンク集があるのでトップページ下段のLocal Yahoo!sから飛んでみるとよいだろう。
私は、New York TimesとウィーンのKurier紙の日刊メールマガジンをとっているが、日本の新聞では見られないような、視点や思考が見られて面白い。両紙とも自分の興味のある分野のニュースをカスタマイズして配信してもらうことが可能で、Travelを登録しておくと日本では知られていないようなリゾート地や穴場、お得情報などが届く。
ドイツやフランス、スペイン、イタリア、ポルトガル語の新聞であっても英語版のGoogle http://www.google.com/の翻訳機能を使えば英語で読むことができる。日本語版Googleから英語版へ移るにはトップページのGoogle in Englishを押すとよい。Preferences のSearch Language設定が推奨のSearch for pages written in any languageになっていることも確認しておいた方がよいだろう。
 新聞の正式名称などから検索結果一覧を出すと、英語ページを持っていないサイトは検索結果の右肩にある[Translate this page]が表示される。これをクリックするとサイトのレイアウトやデザイン、写真はそのままに英語翻訳画面が出てくる。現地語しかないようなローカル観光局や都市ポータル、現地発ツアー、地方交通機関、旅行リンク集、音楽やスポーツなど趣味関連サイトなどの英訳をするのにも大いに役立つ。なお、Googleには英語ページの日本語翻訳機能もある。

旅と病の三千年史―旅行医学から見た世界地図 (文春新書)

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