内部告発書「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」

「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」(安部 司著、東洋経済新報社 \1,470)を読んだ。食品添加物の専門商社の敏腕セールスマンだった著者は、「娘の誕生日に、(自らが開発した牛のクズ肉を、安い廃鶏のミンチ肉と組織状大豆たんぱくで増量し、20~30種類の食品添加物を加えた)ミートボールがテーブルに並んだ。うれしそうにほおばる娘を見た時、著者は反射的に皿を取り上げ、中身を捨てた。『生涯の仕事』と思っていた添加物セールスが『死の商人と同じ穴のむじな』に思え会社を辞めた」という体験で会社を辞め“内部告発”の道を選んだという。

 同書には、「俺のところのハムは食べるなよ−自分の工場で作ったものを食べない人たち」、「常温で何日も保存できるコーヒーフレッシュの正体は、植物油と水と添加物」、「コンビニエンスストアのおにぎりにも、10種類近い添加物が入っている」、「ご飯に味噌汁、漬物、明太子とかまぼこという伝統的な朝ご飯を手作りしても、味噌や市販の漬物、明太子には大量の添加物が使われており、結局、40種類近い添加物を口にすることになる」などショッキングな記事が溢れている。
不要な添加物の避け方も素人に分かりやすく記述されている。たとえば、「台所にないもの=食品添加物」とし、昔から台所にある醤油、味噌、砂糖、塩、酢などの基本調味料以外は要注意と書かれている。
 現代では、食品添加物抜きの食生活を送るのは不可能に近いが、本書はちょっとした工夫で過剰な食品添加物を避る方法についても述べられている。

 同書の目次を紹介しておこう。
序章 「食品添加物の神様」と言われるまで
第1章 食品添加物が大量に使われている加工食品
第2章 食卓の調味料が「ニセモノ」にすりかわっている!?
第3章 私たちに見えない、知りようのない食品添加物がこんなにある
第4章 今日あなたが口にした食品添加物
第5章 食品添加物で子どもたちの舌が壊れていく!
第6章 未来をどう生きるか

 わが家の台所をあらためて眺めてみると、サラダドレシングや○○のタレといった「合わせ調味料」は全く置いていない。レトルトや冷凍加工食品、インスタント食品も原則として使わず、一日二食の生活だが、原則として自炊しているので食品添加物は極力避けた生活をしているといえそうだ。
 そう言えば、ウィーンに住んでいた頃は地元の人と同じようにマヨネーズも手作りしていた。今でも、冷蔵庫にはまとめて作ったミートソースやカレー、炸醬麺の具、コロッケ、グラーシュなどを小分けして冷凍保存しており、味と経済性を両立させようと努力している。
ベランダ栽培にもチャレンジしており、ルッコラやバジリコ、パセリ、香菜、レモンバーム、タイム、ローズマリー、ペパーミントなどを20ほどの大きめの鉢(右上の写真)に入れて栽培し、料理のたびにベランダからハーブなどを摘んできている。近い将来、クラインガルテンにも挑戦したいと思っている。
関連過去記事:
ロハス」ならぬ「ロハデス」の暮らしを http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060104
「ヴェランダ栽培からクラインガルテン耕作へ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050107

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物