大幅に変わったヨーロッパの鉄道料金システム

 机上鉄道旅行計画を立てて遊ぼうと考え、区立図書館から「トーマス・クック ヨーロッパ鉄道時刻表」を借りて久しぶりに目を通してみた。日本語の解説ページを読むとユーレイルパスの利用者は「ユーロスターやタリス、フランスのTGVなど包括運賃チケット(ジャーニーチケット)で利用する列車の場合は、割引で利用できる」と書かれていた。引用部分の前後を読んでみても分かりにくい文章だが、要するにユーレイルパスでは利用できず、別途パス利用者用の割引料金が必要だということのようだ。ユーレイルパス利用者は、予約券(昔は無料だった)を取るだけで気軽に乗れたTGVがホテル・トレインのように高額な別料金が必要になったのかと鬱陶しくなってしまった。TGV以外にもユーレイルパス利用者から追加料金や割引包括運賃を必要とする列車は増えているようだ。

 そこで、「地球の歩き方」ヨーロッパ鉄道 http://www.arukikata.co.jp/eurail/やHISの「世界の鉄道・バス 」http://www.his-hotel.com/rail/index.phpなどのページで具体的にいくらの追加料金がかかるのか調べてみたが、あまり明快な答えは出ていなかった。それでも後者にはパス保持者割引料金が1等、 2等ともに2,000円と出ていたが本当にそれだけで済むのかどうかはちょっと不安だ。
 前者は、そういった具体的な料金も出ていなかったが、「ヨーロッパ鉄道のスケジュールが調べられます」ドイツ国鉄(電子時刻表)利用方法が分からない方はこちら>>という親切な解説ページhttp://www.arukikata.co.jp/eurail/img/timetable.pdfが新たにできていた。

明快に答えてくれたのは、かつて鉄道旅行関連商品の会社に勤務していた旅行会社にアドバイスする立場にあるプロが個人で開いているサイト「ヨーロッパ鉄道旅行計画専門」http://home.att.ne.jp/sky/railplan/だった。メニューの「国別」でフランスを選び「列車」→「料金表」→「国内線TGV」と開くと「鉄道パス割引料金 1等座席・2等座席ともに一律で1席あたり1800円です」と出ていた。さらに、「鉄道パス」のページから「ユーレイルパス」→「割引で購入できる特別列車」→「TGVロゴマーク」と開くと「2005年10月1日から特別列車に格上げされました。2005年9月30日までは【指定券】と【乗車券】或いは【鉄道パス】と【指定券】という2つの商品の組み合わせで乗車する列車でした。現在は特別専用チケット1枚で乗車する列車になっております。新商品として登録されたばかりです」と経緯まで遡って解説してくれていた。この「ユーレイルパス」のページには「指定券が必要な列車」の項もあり、これまた明快に解説が加えられていた。
 「ヨーロッパ鉄道旅行計画専門」からは、「有限会社鉄道の旅」 http://home.att.ne.jp/gold/railplan/center/index.htmという専門会社にもリンクが張られており、そこには、「旅行会社で購入するのと違い特別チケット商品以外は手数料は発生しません」と書いてあった。その代わり「旅行相談業務は行っておりません」とのことだ。鉄道の指定券手配手数料の世界でも価格競争が始まっているようだ。
 なお、「ヨーロッパ鉄道旅行計画専門」には、現在「ドイツ・ワールドカップサッカー 鉄道を使ったサッカー観戦テクニック」http://home.att.ne.jp/sky/railplan/0001-Shirakawa-Jun-WLJ-WC.htmlという特設チャンネルが設けられている。ドイツ鉄道のホームページにも2006 FIFA World Cup http://www.db.de/site/wm2006/en/start.html(英語)のページがある。
当欄の関連記事:
「ヨーロッパ鉄道旅行に役立つホームページ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050819
「ノスタルジック・ジャーニー・オン・ザ・ウェッブ 」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050606
「鉄道旅行のルーティングに便利な鉄道電子時刻表」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040420

トーマスクック・ヨーロッパ鉄道時刻表〈’06初夏号〉

トーマスクック・ヨーロッパ鉄道時刻表〈’06初夏号〉