旅先でのビザの取得方法など

冷戦下の中欧など、かつては短期の観光旅行者もビザ(査証)を事前取得しなければ入国できない国が数多くあった。しかし、その頃でも、実際に行ってみると国境や空港でビザを取得できたりすることが少なくなかった。今でも、中近東などの一部の国ではオフィシャルなビザ規定と実際の運用は異なる場合があるようだ。
 今回は、そのような情報収集に役立ちそうなサイトを集めてみた。

 日本は2006年3月現在、62の国・地域との間に一般査証免除措置を実施しているが、その一覧は外務省の「査証免除措置国・地域一覧表」http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/annai/visa_2.html#torikimeで見ることができる。

日本出発前のビザの取得方法は駐日外国公館リスト http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/index.htmlで調べて、日本にある海外公館の領事部などに尋ねるのが一番確かだ。しかし、現地での取得方法については不明確なケースも多いようだ。

 目的国の隣国などにある観光局も情報収集に役立つだろう。海外の観光局はTourism Offices Worldwide Directory http://www.towd.com/ で世界中の現地支局も含めた1,421の観光局が検索できる。このサイトでは「ニューヨークにあるジャマイカ政府観光局のオフィス」といった見つけ方も可能だ。

 もうひとつ、海外の観光局を探すのに便利なサイトを紹介しておこう。OfficialTravelGuide.com http://www.officialtravelguide.com/ は、International Association of Convention & Visitor Bureau(国際コンベンションビューロー協会 本部:ワシントン)の協力の元で運営されている観光局公式サイトなど公的観光促進機関のリンク・ポータルだ。リンク数は1,250以上に及ぶ。トップページのプルダウンメニューから国や地域を選び、都市と選択を進めていくとよい。

 「旅旅リンク」http://www.tabitabilink.com/は、内外の3万以上の旅行関連サイトを集めたリンク集だが、旅行準備の局面ごとに役立つサイトを分類してあり、「パスポート・ビザ・為替・旅行準備・外国運転免許証」http://www.tabitabilink.com/tokou_visa.htmにビザ関係のリンク集がある。「海外旅行の準備」には、トラブルと病気の対処、電気プラグ・国際電話・インターネットなどの項目もある。「動画で見れる旅行情報」、「映画・テレビのロケ地情報」、「バリアフリー旅行」、「エコ・グリーンツーリズム」、「国際線ルート検索」など他の旅行リンクには見られない項目分けも貴重。

 TRAVEL.STATE.GOV(米国国務省領事部)http://www.travel.state.gov/は、米国民向けの旅行関連情報サイトだが、外国人向けの米国入国ビザや旅行の諸注意などのページもある。また、米国民向けのTravel Warnings(旅行注意情報)やConsular Information Sheets(各国領事部のレポート)、Health Issues(健康情報)は他の国々の旅行者にも大いに参考になるだろう。情報量が膨大なので、最初にトップバーのInternational Travelなどの項目を開いて左フレームに現れるサイトマップ的目次をチェックするとよいだろう。

 「東方観光局」 http://www.eastedge.com/ はサイト名にはアジア、中東を中心とした旅行情報サイトであった開設当初の名残りがあるが、現在は世界中の情報を取り扱うグローバルな旅行ポータルへと変貌を遂げている。ブロードバンド時代を先取りして写真やビデオ・クリップも豊富だ。運営者の写真付き「旅日記」も貴重。東方観光局で秀逸なのはそのリンク集の充実ぶりだ。リンク集へは各国基本情報を集めた「国別データ」からもLINKSの「国別・項目別リンク」からも入れる。

 「Backpackers バックパッカーズ」http://homepage1.nifty.com/backpackers/は、バックパックの達人が、これから節約旅行に旅立とうとする人たちのために役立つ情報を集めたサイト。バックパックの基礎知識やガイドブックでは書かれないようなビザ情報、国境越えの秘訣、知っておくべき旅行用語集、バックパッカー同士の情報交換掲示板、厳選リンク集、旅行グッズの調達方法、役立つガイドブックの案内などのコンテンツがある。

「旅行のクチコミサイト」という副題の付いたコミュニケーション・サイト「フォートラベル」の海外ページhttp://4travel.jp/overseas/ にある「みんなで作る海外旅行ガイド」の世界地図から大陸→地域→国名と開いていき、各国のトップページ中央右フレームにある「旅行記」、「クチコミ情報」、「旅行のQ&A掲示板」でも出入国関係の記事をよく見かける。「ヨルダン」を開いてみると「旅行のQ&A掲示板」に「ヨルダンのビザの空港以外での取得について」という質問があり、活発に答えの書き込みが行われていた。

 国際協力事業団(JICA) 国別生活情報http://www.jica.go.jp/ninkoku/index.htmlは、主に開発途上国へ赴任するJICA関係者向けの現地情報だが、一般の旅行者にも役立つ情報の宝庫でもある。更新頻度は高くないので速報性は少ないないが生活や長期滞在に役立つ情報を網羅しているのが特徴。たとえば、ヨルダンに関しては「出入国手続」の項に詳しい記事があった。治安や緊急時の心得、風俗習慣、衣料、住宅、医療、通信、社交、交通事情、地方都市情報、教養・娯楽などガイドブックにはない情報も網羅している。食生活の項には市場やスーパーでの取扱品目も掲示されている。

 このほか、個人旅行記を集めた「旅人文庫 旅行記リンク集」http://homepage2.nifty.com/keny/にも、実際に体験した国境越えの情報が豊富だ。

 個人的には、国境越えやビザに関する情報は、個人旅行者向けの情報ファイリングに優
れたクレジット・カード会社JCBの現地会員専用サービスサロンも活用している。
参考サイト:
「地域ごとの観光局共同ポータル・サイトに注目」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051202
「クレジット・カード会社のサービスサロンを利用しよう」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050419
☆右上の写真はリトアニアカウナスにある“命のビザ”の杉原千畝記念館内執務室(旧日本領事館)

ビザ取りガイド―申請から取得までをバックアップ (2004年版)

ビザ取りガイド―申請から取得までをバックアップ (2004年版)