カセット再生機器が市場から消えていく

ウィーンに住んでいた30年ほど前に録り貯めたものを初め、カセットテープが1,000巻ほど残っている。最も古い録音は、「旅の思い出を甦らせる音のアルバム」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051206で書いたが、1974年に生まれて初めての海外旅行でヨーロッパを一周したとき、世界最初のポータブルカセット録音機といわれるアイワの録音機能付きラジカセで録ったものだ。ヨーロッパ横断特急のアナウンスやスペインのフラメンコ酒場の音、各地の大道芸などの音を自宅のステレオで今、再生すると、これが実に生々しく旅を思い出させてくれる。
 これらを再生する際に使っているのが22年以上前に買ったSONYカセットデッキTCK555ESⅡだ。カセットを収納するケースのバネが飛んでしまっていたりと、がたが来ているが再生音は悪くない。ただ、今後のことを考えれば買い換えておいた方がいいと思い、新宿のヨドバシカメラのオーディオ・コーナーに下見に行ってきた。この店は、品揃えが良い方なのだが、それでもカセットデッキの数は激減していた。他の量販店では、ほとんど置いていなかった。

買い換えの候補に考えているのはマニアの間でも評判のいいパイオニアのT-D7 http://www3.pioneer.co.jp/product/product_info.php?product_no=00000254&cate_cd=034&option_no=0というカセットデッキだが、発売は1997年12月という10年前の代物だ。この機種は、「高音質化のための信号処理をデジタルで行うことで、音質・機能面の大幅な向上を実現」、「カセット特有のヒスノイズを、デジタル処理により解析して除去することで大幅に低減」、「再生周波数帯域の上限を約40kHzまで伸ばし、より自然な音の再生を可能とした」ということで、「10年前の古いテープも、クリアな音質で蘇ります」とうたっている。10年前どころか、30年前のテープを再生しようとしているのだが、私の目的にはどうやらこの機種が良さそうだ。
 ヨドバシカメラのページhttp://www.yodobashi.com/enjoy/more/i/cat_1045_121_452/41198.htmlには、「特価:¥51,900 (税込) 23%引 定価:¥68,250」と書かれていた。10%のポイント還元も付くようだ。

この際、手持ちのカセットテープをデジタル化して保存したいという人には、TEAC系列のTascamの業務用CDレコーダー/カセットデッキCC-222SL http://www.tascam.jp/list.php?mode=99&mm=7&c1code=09&c3code=04&scode=09C22SLG01が便利だろう。この機種は1台でカセットテープをCD-Rにコピーすることができる。ヨドバシでは6万円前後で売られていた。


■今日のブックマーク&記事■

日経MJ http://www.nikkei.co.jp/mj/ 2007年9月9日付記事
「40代男性、懐かしの趣味 海外ラジオ受信にはまる」
 遠く離れた海外ラジオ放送を受信する趣味「BCL」が40代男性を中心に30年ぶりに復活しているという記事だ。そう言えば、先日、電車の中で40代男性が「BCL」専門誌を熱心に読み耽っている光景に出合った。当欄の「短波ラジオで旅をエンジョイし、危機管理にも役立てる」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060711でも書いたが、私自身も未だに海外には短波放送が受信できるラジオを欠かさず持って行っている。最近は、短波とともに航空無線などが聴ける受信機も出回っているようだ。

Pioneer 3ヘッドシングルカセットデッキ T-D7

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TASCAM カセットデッキCDレコーダー CC-222MK2

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ラジオマニア2007 (三才ムック VOL. 165)

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