「ウィーン・ブダペストの旅 番外編 その1 ワインの別送」

 行きつけのワイン・ショップVinothek St. Stephan http://www.ststephan.at/で、白ワインを18種54本購入し“別送扱い”で日本に送ってもらった件を報告しておきたい。

Vinothekで、好みのテイストと葡萄の種類、生産地を女性のマネージャーに話すと、次から次へと候補のワインを見せてくれた。薦めてくれたワインの中にも昔味わった経験からノーと断るものもいくつかあったが、嫌な顔せずというよりも、駄目出しをむしろ喜ぶようにワイン選びを手伝ってくれた。
 最初は2ケース24本程度と考えていたが、魅力的なワインが次々に目の前に現れるので、これを3本、これを2本といった具合に選び重ねていくとあっという間に予定数オーバー。マネージャーの「ひとケース18本単位が合理的」との悪魔の囁きもあって、とうとう3ケース54本になってしまった。
一番のお目当てだった辛口のMuskatt-Ottonel種のワインは在庫の1本しか無く、追加仕入れの見込みもないとのことだった。

18種54本のワインを選び終わると、すぐにインヴォイスがプリントアウトされた。価格を見ると平均16.6%かかるはずの付加価値税が免税とされていて、合計1,156.83 Euro。そのときの1Euroが約135円だったので、計156,172円。単純に54本で割ると1本当たり平均2,892円だ。
 航空郵便送料は、Standard扱い(航空機貨物スペースの空き具合で積載される優先度の低い扱い)で、段ボール箱3箱(平均1箱あたり25kg)合計で555 Euro(74,925円)だ。これも単純に54本で割ると1,388円。1本当たりのワイン平均価格プラス送料は4,217円になる。
 
 帰国時に、別送扱いという個人輸入に比べ有利な税率にするためには、梱包上にUnaccompanied Baggage(別送品)と明記してもらう必要があるため、マネージャーに念を押しておいた。
マネージャーは「日本からインターネット経由で注文を受けられます」と言って、店のホームページ・アドレス入りのカードを渡してくれた。


 帰国便の機内では、通常1枚で済む「携帯品・別送品申告書」を2通書き込んで、到着時に税関に提出した。「申告書」には、ウィーンの空港で買った3本のワインとスーツケースに入れた0.5リットルのハンガリー貴腐ワインも記入しておいた。
税関の係員からは、「免税枠内の3本のワインをオーバーする分が本来、課税対象ですが税額が100円未満ですので、今回は結構です」と言われ、「申告書」のうちの1通に確認印を押して「別送品を申告された皆様へ」という書面と一緒に返してくれた。

10月9日にウィーンで購入・発送依頼したワインだが、思いのほか早く大阪税関から10月16日付けの「外国から到着した郵便物の税関手続きのお知らせ」という通知が長崎に翌17日に届いた。通知に添付されたハガキに必要事項を記入し、帰国時に確認印を押してもらった「携帯品・別送品申告書」を同封して翌18日に大阪税関へ返送。
 10月21日に大阪税関より、商用でない旨の確認と思われる電話が入り、個人消費であることを説明。そのとき、税額も聞かされたが、当初1リットル当たり200円の簡易税率が適用されるものと思っていたが、関税・酒税・消費税・地方消費税があると説明される。合計税額が10,800円とのこと。予想額より約2,000円高いだけだったので、「よろしくお願いします」と返事をしておいた。

ワインは22日の夕刻には長崎の自宅に着いた。その場で、郵便局の人に税額10,800円と通関料600円を払って荷物を受け取る。段ボール3個を開けていくと、見事なプロのワザでエアークッション(プチプチ)に厳重にくるまれ、その上に幅広のテープが掛けられ、さらに隙間には発泡スチロールの球が詰められてワインが出てきた。もちろん、すべて無事で破損は全くなかった。ただし、54本梱包を解くのに2時間以上かかった。

「国際郵便物課税通知書」を見ると、関税 1リットルあたり70円(0.75リットル 52.5円)、酒税 1リットルあたり80円(0.75リットル 60円)、消費税・地方消費税(現地小売価格の6割程度を課税価格と想定しているものと思われる)が課税されていた。
関税は、40.5 リットルで2,835円。酒税は、3,240円。消費税・地方消費税は、4,800円、おのおの100円未満が切り捨てで合計で10,800円だ。

実は、ブログを書くに当たって、書類等を再度チェックしていて、昔、「一般旅行業務取扱主任者試験」の受験勉強をしたときに確か「別送品も商用と見なされない限り、免税枠を越えた分は携行品と同じ簡易税率で計算される」とされていたことを思い出した。税関ホームページの「別送品手続(渡航先から荷物を送る)」http://www.customs.go.jp/kaigairyoko/bessouhin.htmを読み返してみると、
 {別送品の外装に「別送品」の表示がない場合には、一般の郵便物として取り扱われ「国際郵便物課税通知書」(関税等の納付額や納付手続などを通知する書類)が郵送されることがあります。この場合、税金を納付する前に課税通知書を差し出した税関外郵出張所に免税適用の可否などをお問い合わせ下さい。なお、別送品に係る税金を納付してしまった場合には、税関外郵出張所にご相談下さい}とあった。
と言うことは「国際郵便物課税通知書」が送られたのだから、“一般の郵便物として取り扱われ”たわけだ。税関からの電話で、梱包上にUnaccompanied Baggageと明記した別送品であることも確認し、確認印のある「携帯品・別送品申告書」も返送したにもかかわらず一般郵便物扱いになっていたのだ。

そこで、2ヶ月弱経ってしまった12月11日に大阪税関に問い合わせたところ、「課税通知番号を元に調べ直してご連絡します」と言われた。今朝(12月12日)になって電話があり、丁重に「手違いで、課税扱いになってしまいました。本来は、簡易税率で計算すべきものでした。簡易税率では40.5リットル×200円で合計8,100円です。差額の2,700円は還付手続きに応じていただければ返金します」とのことだった。わずか、2,700円かも知れないが、精神衛生上よろしくないし、勉強にもなると思い、「お手数ですが手続きを進めてください」と返事をしておいた。「勉強になるので」と言ったせいか、係の人は、「今回はワインの単価が比較的高かった(1本2,892円)ので、簡易税率が有利ですが、単価が低ければ(価格に応じてかかる)消費税等を払ってもらった一般郵便物扱いの方が有利になることもあります」と教えてくれた。

というわけで、現在、還付手続き待ちだが、簡易税率扱いとして、かかった送料や税金・通関料を計算すると。1本あたり税金・通関料161円、1本あたり送料1,388円、合計1,549円となる。

東京に行った折り、デパートのオーストリア・ワインの棚で自分の買ったワインが2種類ほど見つかった。また、ウェブ上でもいくつか見つけた。値段を比べてみると諸費用を合計した価格よりデパートの売値は1〜2割高い程度だった。個人で別送するメリットは価格面では少ないが、日本に輸入されていない個性的で好みにあったワインを自由に選べるという点では大いにメリットがあると言えるだろう。
 また、旅行時に「別送品」で送る場合と、日本からインターネット経由で注文して“一般の郵便物として取り扱われ”る場合の税金等の諸費用が大差ないことも発見だ。これからは、飲み干す前にネット注文しておくことにしよう。

 次回は、興味のある方と自分自身のために買ったワイン18種のリストと付加価値税抜きの価格の一覧を掲載させていただく予定だ。
私が買った Vinothek St. Stephan http://www.ststephan.at/では日本からのネット注文も受けますと言ってくれた。日本からの注文で、実際の費用がいくらかかり、手間がどの程度なのかは未知の領域なので他人様には余りすすめられないがいずれ実験してみようと思う。


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