古書店歩きの楽しみ

 海外に行くと必ず行くのが生鮮食品市場と地元の人が集う飲み屋と古書店だ。ヨーロッパの大都市には必ずと言っていいほど旅行書の専門店があり、中には、旅行カウンターを併設しているところもある。
 個人経営と思われる中小規模の書店では本を見るだけではなく、店主とおぼしき人物に「近くでおいしくて安いレストラン」を教えてもらうこともある。これが、非常に成功率が高いのだ。パリのマレ地区の“食”関連書籍の専門店Galerie FOODなどグルメ関係の情報が集まっている書店では1週間かけても回り切れないグルメ情報を得ることもある。
 さて、東京での古書店巡りは神田や早稲田界隈が中心だったが、最近は価格が高騰気味であまり魅力を感じない。神田に出て必ず寄るのは三省堂書店神田本店の2階にある地図専門店マップ・ハウス http://www.maphouse.co.jp/かその近くの悠久堂書店 http://www.book-kanda.or.jp/kosyo/1011/index.aspぐらいだ。後者は、山岳、動植物、美術、料理の本が専門だが旅行書も少なくない。悠久堂の「古本目録ページ」をインターネットで見ると、絶版となって久しい名著「世界の料理」(タイムライフ刊)全21冊が39,000円で売られていた。
今年の掘り出し物は、世田谷区豪徳寺の近くの古書店で見つけた以前から欲しかった「クーデンホーフ・カレルギー全集(全9巻)」(鹿島研究所出版会刊)で、計1,800円だった。
最近は、いわゆる新古書店の代表格“ブックオフhttp://www.bookoff.co.jp/index.htmlにもサイクリングがてらよく顔を出す。ブックオフは、カード会員(無料)になっていれば1,000円以上の購入で5%ほどのサービス券が発行される。また、ここの105円棚には思わぬ掘り出し物や明らかな値付けの間違いが見つかるので楽しい。我が家から自転車で一時間以内の範囲だけでも12店舗以上あるので1週間に1回1店舗のペースで回れば3ヶ月で一巡でき、また、3ヶ月も経てば、本の在庫も相当入れ替わっているので飽きることはない。
 ブックオフはイーブックオフhttp://www.ebookoff.co.jp/top.htmlというオンライン古書店も運営しており、検索機能もあるし、2,000円以上の購入で送料が無料となる。
 以前にも紹介した大学時代の友人のホームページ、活字中毒者と編集者に贈る「厳選サイトの歩き方」http://homepage3.nifty.com/manazasi/にも古書探しに役立つ「僕流・本の探し方」http://homepage3.nifty.com/manazasi/page039.htmlというコーナーがあり、学ぶところが多い。
ところで、絶版になった本が定価よりも高く古書店やサイトで売られているというのは著者冥利に尽きるが、拙著「ウィーン旅の雑学ノート」がAmzon http://www.amazon.co.jp/で、ユーズド商品で2,800円で売られていた。定価が税込みで1,630円なので申し訳ないほどだ。
 ガイドブックについては本欄の5月18日の記事「今のうちに入手しておきたい絶版になったガイドブック」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040518も参照いただきたい。
☆写真はパリ マレ地区の58 rue Charlotにある食関連書籍の専門店Galerie FOODの店内

ウィーン 旅の雑学ノート―ハプスブルクの迷宮を極める

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