貴重な新サイト「感染症〜これだけ知っていれば怖くない!」

日本旅行業協会(JATA)が新たに「感染症〜これだけ知っていれば怖くない!」http://tabitokenko.visitors.jp/というホームページを新設した。題名からは「感染症」に限った情報サイトかと思われるが、実際には旅行者が旅先での健康管理に必要な幅広い情報が掲載されている。
 「最新情報」には、「トリ型インフルエンザの流行」、「北米で西ナイル熱が流行」といったホットな話題もある。
「地域別情報」には各地域の、「注意が必要な感染症は?」「旅先でどのようなことに注意するの?」などの記事がある。「医療情報」のページには各国の病院、薬局、救急車などのあらましが載っている。「旅の必需品」には英文診断書や予防接種記録表、海外旅行傷害保険などの“必需品”似ついての説明がある。「情報収集」には旅先の健康情報収集に便利なリンク集がある。
日本旅行業協会(JATA) http://www.jata-net.or.jp/は旅行業者の業界組織のサイトで、安心・安全の旅」「旅のあれこれ」「旅と健康」「ホームステイツアー」「バリアフリー旅行」「エコツアー」「旅行会社店舗検索コーナー」「通関手続きのご案内」など一般旅行者向けの情報も発信している。
 なお、以前紹介した、海外旅行者の健康管理、旅行中の身体変化について情報提供を目的とする医師、看護婦、公衆衛生の専門家を中心とした研究組織のホームページ「日本旅行医学会」http://www.jstm.gr.jp/のアドレスが変わっていた。このサイトには、「お知らせ」のほか、「コラム」には「高山病で死なないために」、「炭疽菌Q&A」などの記事がある。さらに、「21世紀の旅行医学」のページでは、同学会が医学誌「Mebio」に連載している記事をPDF型式でウェブ上から閲覧できるようにしており、「糖尿病患者の海外旅行をサポート」「飛行機の中の旅行医学」「障害者の旅行医学」「医療アシスタンス会社から見た旅行医学」「海外旅行保険の旅行医学」など極めて貴重な記事が並んでいる。
個人的には「木曜セミナー」の連載が興味深かった。「お酒と食事の旅行医学」、「ワインと旅行」「ビールの楽しみと旅行医学」などの貴重な記事が並んでいる。
「ワインと旅行」を読んで、たとえファーストクラスでも機内で出されるワインがおいしく感じられない理由が初めて分かった。
 また、日本旅行医学会は、いわゆる「エコノミークラス症候群」と呼ばれる長時間の航空機での旅行後に発生する深部静脈血栓症(Deep Venous Thrombosis;DVT)と肺塞栓症(Pulmonary Embolism;PE)を「ロングフライト血栓症」と改称することを提言している。
 まず、「その名称から、狭いエコノミー席が危険で、ビジネス、ファーストクラスは安全であるかのような誤解を与えている」などいくつかの提言の理由も納得のいくものばかりだ。
☆写真はウィーン旧市街のエンゲル・アポテケ(薬局)の外壁。天使の腕に薬学のシンボルである蛇が絡みついている。