旅日記の代わりに小遣い帳をつけることをすすめる

旅行中に旅日記をこまめに書き続けるのは意外と大変だ。しかし、自分の旅の興味や旅行スタイルに合わせた“旅日記リフィル”をパソコンで自分仕様に作っておくと旅のメモが実に楽に行える。私が昔し考案したのは見開きで一日分になり左側に昼食・夕食を店名、飲んだワイン、食べた料理、価格、自分流の星印評価を加えて記入。両替や小遣帳、観劇などもこの面に記す。右側には時系列で追ったダイアリーとフィルムの使用連番、滞在ホテル(部屋番号等も)とその評価などを記入するように作った。このリフィルについては、拙著「ヨーロッパ個人旅行マニュアル」(ダイヤモンドビッグ社刊 絶版)でも紹介したことがある。
 旅のメモとしてだけでなく、旅立つ前に「この日は忘れずに郷土料理を味わう」などと書き込んでおいてもよい。このほかにも自分の興味に合わせて「ヨーロッパ特急」「カジノ」「オペラ鑑賞」「餞別額対照表付きおみやげ購入リスト」「洋服サイズ換算」「空港・航空会社略号表」「ミネラル・ウォーター一覧」など数十種類のリフィルを遊び半分に作ってみたことがある。
 「オリジナルシステム手帳印刷術」といった本も出ているので興味のある方は参考にするとよいだろう。
 システム手帳が旅行に便利なことは欧米でも認知されていたようで、一時期はシティ・ガイドや地図(Time Outなど)、ワイン・テイスティング・ノート、ハネムーン計画表、ドライビング・ダイアリーなども市販されていたが、今はシステム手帳ブームが下火になったので、ほとんど新規の発行はないようだ。
 実は、9年ほど前からシステム手帳の使用を止め、シャープのザウルスhttp://ezaurus.com/ソニーのクリエhttp://www.sony.jp/CLIE/index_pc.htmlなどの携帯情報端末を使っていた。ザウルス自体にも旅日記やホテルリスト、時刻表、金銭帳、ミュージアム、レストラン、踏破記録といったフォーマットが用意されているが、自分仕様で“旅日記リフィル”を作ることも簡単にできる。ワインのヴィンテージチャートや交通機関の時刻表、演奏会等の公演日程、レストラン・リスト、度量衡換算表、などをインターネットからダウンロードしておいて、スケジュール表に張り付けることもできる。アラーム機能を使ったスケジュール管理ができる点も便利だ。たとえば、毎日、衛星中継の日本語短波放送が始まる直前にアラームセットし受信周波数も表示させるようにセットしたり、フライトの予約の再確認を忘れないようにインプットしておくこともできる。
 帰国後は、関連事項をすべてプリントアウトしておけば、完璧な旅行記録ができあがる。5年も使っているとデータがたまり面白い利用法ができるようになった。フィレンツェで、3年ぶりに訪れたレストランで主人に以前は何を食べたかと聞かれたとき瞬時にザウルスを検索してすべての料理とワインを言ってのけたときには驚かれたものだ。おまけに、デジカメで撮ったそのときの料理の写真も残っており、そのレストランのホームページもダウンロードしていたので大歓待された。
ザウルスを使って海外でモバイルができるとは思っていなかったが、「旅先通信研究所http://www.tabisaki.jp/が著した「ザウルス海外インターネット接続バイブル」(ソフトバンク パブリッシング発行)を読むとかなりのことができるようだ。
 最後に、携帯情報端末を使うに当たってのご注意をひとつ。それは、必ずバックアップを取っておくことである。そうしないと、紛失したり、壊れたりしたときに貴重な旅の思い出が消えてしまうことになる。これは、失ってみた人しかそのダメージが想像つかないことだろう。実は、私も5年間のデータを溜め込んだサウルスを花見の帰りになくしてしまった。しかも、旅の記録をプリントアウトしていただけで、電子的なバックアップを取っていなかった!
 それを機会に、再びシステム手帳を愛用し始めたが、今はまた携帯情報端末の再利用を考えている。ソニーはルプランhttp://www.jp.sonystyle.com/Leplan/index.htmlという携帯情報端末GPS機能を加えウェブガイドブックや電子地図と連動させたナビゲーション・システムを実用化しているし、Via MichelinやwCities.com http://www.wcities.com/も同様のウェブガイドブックを開発済みで、Lonely Planetもこの分野への進出を考えているようだ。ウェブガイドブックのコンテンツや地図が利用できるめどが立ってきたので、そろそろ機種選びを始めたところだ。

愛用の“旅の黒革の手帳”と見開きリフィル

ヨーロッパ個人旅行マニュアル (地球の歩き方 旅マニュアル)

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オフィス2000対応 オリジナルシステム手帳印刷術 (SCC books)

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