旅立つ前に現地の物価を調べておこう

 旅行先の物価を調べておけば旅の予算も立てやすい。また、現地の物価構造を知っておけば節約にもつながるだろう。たとえば、北欧は物価が高めだが生鮮食品など人件費が直接かからないものは相対的に安い。それなら、自炊のできる安宿に泊まりながら旅をしようとか、中欧は物価が安いようなのでバス付きのペンションに泊まり、大衆的なレストランのコース・メニューを食べようといった戦略が事前に立てられるだろう。もっとも、昔、スペインの物価型の欧州諸国に比べ非常に安かった頃、節約旅行者の多くは、むしろスペインでお金を一番使っていたようだ。「お金の使い出があるからここでこそ贅沢させてもらおう」という心理が働いたからのようだ。
旅行者物価の指標で役立つのが、イギリスの経済誌The Economistのサイトhttp://www.economist.com/markets/currency/にあるBig Mac indexだ。世界31カ国のマクドナルドのビッグ・マックの価格を半年に一度ほど調査してドル表示で掲載している。Introduction and articlesのページを開けばApr 10th 1997 からDec 16th 2004 までのデータを見ることができる。
 日本貿易振興会(JETRO)のhttp://www.jetro.go.jp/biz/world/europe/ch/のホームページには昔、Jetro駐在員が調べた「物価ウォッチング」という便利なページがあったが、今は廃止されたようだ。その代わりに、ジェトロ海外事務所一覧 http://www.jetro.go.jp/jetro/offices/overseas/のページから現地事務所のオリジナル・ページを開くと各国のレポートがあり、その中には物価に関するものも多い。たとえば、ロンドン事務所のジェトロ・レポートのページhttp://www.jetro.co.uk/j/report/j_report.htmlには03年3月とちょっと古いが、PDF形式の「ヨーロッパ各国の小売価格調査」というレポートがあり、トルコ事務所には「トルコ物価レポート」http://www.jetro.go.jp/turkey/japan/0/is_manners/fiyat.htmlという記事がある。
 JETROの「個人輸入情報ページ」http://www.jetro.go.jp/basic_trade/private/の「Information/個人輸入総合案内」には衣料品のサイズ対照表や色彩の英語表現、洗濯等の取り扱い表示、国際電話のかけ方、世界のメールオーダー業者一覧、関税率についてなどの記事があり、海外旅行の準備に役立つだろう。メールオーダー業者一覧にはリンクも張ってあるので、各国の通販サイトでユニークな商品とその価格を調べるのにも役立つ。
 今年の1月17日に当欄で紹介した「クリッカブル・マップで詳細情報へ飛べるウェブガイドブック」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050117で取り上げたwCities.com http://www.wcities.com/の各都市のページを開き、左フレームのShoppingやDiningのページから個々の店のオリジナル・ページを開いて商品やレストラン・メニューの値段を知ることもできる。たとえば、ドイツのミュンヘン(Munich)のページからShopping→Specialty→Specialty Food Stores と開き、ヨーロッパ最大級のデリカテッセンKäfer http://www.feinkost-kaefer.de/のページを開いてみる。トップバーのKatalogのページを開くと取り扱いワイン・リストなどが価格とともに表示される。
目的国の物価については、「アルゼンチン 物価」といったように地名と物価の組み合わせでGoogleなどで検索してみても夥しい数の関連サイトが見つかるだろう。
 また、各国のローカル新聞も物価を知るのに役立つ。オンライン新聞の広告記事から物価を知ったり、旅行面の広告から第三国へのフライトやツアーの料金を知ることもできる。生鮮食品市況を掲載している新聞もある。英語を中心とした世界各国のオンライン新聞はGoogle DirectoryのNews > Newspapers > Regional http://directory.google.com/Top/News/Newspapers/Regional/から見ることができる。Newspapers.com http://www.newspapers.com/country.htmも世界各地のオンライン新聞サイトを見つけるのに便利だ。
☆写真は 台湾・台北市の東門市場の露店