「フィレンツェ旅の雑学ノート」が絶版となりました

 ダイヤモンド社の「雑学ノート・シリーズ」がシリーズ終了に伴い、売り切れ次第絶版となっていますが、昨年春の「ウィーン旅の雑学ノート」の絶版に引き続き、「フィレンツェ旅の雑学ノート」もこのたび絶版となりました。実は、著者の手元にも現在保存用の2冊しかない状態です。
 今後は、Amazon http://www.amazon.co.jp/ の古書を扱う「ユーズド価格」など古書として出回るものしか入手できなくなるようです。現在、Amazonで「フィレンツェ旅の雑学ノート」を見ると3,000円の値段で出品されています。Amazonの「ユーズド」では、4年ほど前に絶版となった拙著「地球の歩き方 ヨーロッパ個人旅行マニュアル」(ダイヤモンド社)、「個人旅行 オーストリア」(昭文社)も売られています。同じく山口が書いたカドカワトラベルハンドブック「ウィーン」や「スイス」、「ローマ」、なども「ユーズド」で調べてみましたが、データベースに残っているものの出品はされていないようです。
 「絶版となった海外旅行ガイドブックの探し方」については、山口執筆のメールマガジン「海外個人旅行・特別講座」のバックナンバー閲覧ページhttp://www.geocities.jp/euro747/cos176187.htmlから開くことができる179号でも特集しておりますのでご参照ください。
☆写真はミケランジェロの丘からのフィレンツェ旧市街の眺め

フィレンツェ 旅の雑学ノート―メディチ家の舞台裏をのぞく

フィレンツェ 旅の雑学ノート―メディチ家の舞台裏をのぞく

 「フィレンツェ旅の雑学ノート」は、イラストレーターであり日本有数の壁画家である江原美紀男さんの素敵なイラスト・マップで案内するウォーキング・ガイドです。本書では、フィレンツェの街角でよく目につくが今までガイドブックなどでほとんど取り上げられることがなかったタベルナコロとカーサ・トッレに注目しました。
 タベルナコロは、街の辻々に残る聖母マリアやキリスト、あるいは、聖人をフレスコなどで描いた“祠(ほこら”です。中世の時代に異端審問の荒波に飲まれないため自らの信仰の証を立てるために作られ始めたものですが、後にペストが蔓延し出すと、教会の礼拝での感染をおそれ、町内に“出張ミサ”を挙げてもらうときの祭壇としても使われました。フレスコで受胎告知を描いたものや彩色陶器で聖母子像を焼き上げたものなどヴァリエーションもさまざまです。
 一方、カーサ・トッレは、やはり中世の戦乱期に有力者たちが一族郎党や同盟者などと立て籠もった防御の拠点として使われた塔が起源です。いったん戦闘となると、塔と塔の間に板を渡して空中回廊としたり、攻撃のための狭間を設けたりと物騒な存在でした。中世の戦乱が収まると、それまで60メートル以上の高さがあったものを,29メートル以下と制限し、内部も防御のため取り外しのできる階段しか置かれなかったところに、居室を設けたりと“平時転用”が図られカーサ・トッレ(塔状住宅)と呼ばれるようになったものです。
 なお、「ユーロペディア」のサイトには「フィレンツェ旅の雑学ノート」のリンク集http://www.geocities.jp/euro747/firenzeurl.htmlもあります。リンク切れが多くて申し訳ないのですが。

ヨーロッパ個人旅行マニュアル (地球の歩き方 旅マニュアル)

ヨーロッパ個人旅行マニュアル (地球の歩き方 旅マニュアル)