バーコードリーダーと携帯で詳細な観光ガイド

最近は、「フォートラベル」http://4travel.jp/overseas/や、国際的に注目を集めている「フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』」Wiki http://www.wikipedia.org/などのようなボランティア・パワーを活用した、旅に役立つコンテンツが充実してきている。
 東大教授の坂村健さんが99年9月20日日経新聞朝刊の記事に書かれた「ボランティアにはボランティアの経済モデルがある。それをドライブしているのが物欲ではなく敬意欲。そこでの情報流通基盤は資本主義モデルにおける共通価値流通基盤、つまり貨幣システムに等しい。だから、無償の活動を組み込めない経済モデルはいずれ時代遅れになる」との予言の通りに世の中は変わってきているようだ。同氏は05年8月26日の日経新聞朝刊にも、WIKIやブログなどの「知の創造システム」が「『知』が不特定多数者が生む、開放的・動的なものに大転換する」と説いておられる。
さて、坂村健さん99年に書かれた記事には「由緒ある寺のお地蔵さんが目にとまる。すると、地蔵に張り付けられたチップと携帯端末が交信し、丁寧な歴史解説と関連情報へのリンクが表示される」未来像を紹介されていたが、これが、インターネットを通じてではあるが現実の物となってきたようだ。
 日経BP ネットビジネスに「Wikipedia +2次元バーコード、ケータイで観光ガイドを」http://weblogs.nikkeibp.jp/mediawatch/2005/11/wikipedia_2_56a1.htmlという記事があり、「Wikipedia」と2次元バーコード活用でケータイで観光ガイドを行うシステムがオーストリアのウィーンで開かれWikiシステム関連の学会Wikiposiumで紹介されたそうだ。記事の例では、ウィーンの有名なホーフブルク王宮を解説したWikipediaのドイツ語ページのURL http://de.wikipedia.org/wiki/Hofburg が取り上げられている。Semanpedia.org http://www.semapedia.org/ のページで、そのURLを入力して“Create Tags”をクリックするだけで、ホーフブルク王宮を説明したWikipediaページにアクセスするための2次元バーコードがすぐに得られるという。その2次元バーコードをプリンターで打ち出し、その用紙を王宮の掲示板あたりに貼り付ければよい。利用者は2次元バーコードリーダーソフトをケータイにダウンロードしておけば、ホーフブルク王宮の現場で、Wikipediaの説明を閲覧できるわけだ。記事では、ウィーンでの実験を紹介したSemanpedia.orgのwalkthrough というページhttp://www.semapedia.net/wiki/doku.php?id=walkthrough&DokuWiki=7a2b8588f8f2430b896a0df9ea7a5c8bにもリンクが張られていた。
 すでにこのシステムは、欧米の各地で試されており、その様子は写真共有サービスFrickr http://www.flickr.com/photos/tags/semapedia/で見ることができる。
☆写真は ウィーン・ホーフブルク王宮のミヒャエル門