異なるジャンルの才能が競演したときの奇跡的熱演

 音楽や芸能で全く異なるジャンルの才能が競演したときに、才能が互いを刺激し合って、思いもかけぬ熱演が生まれることがある。
 昨夜、CS放送の「ep055チャンネルhttp://www.epep.jp/introduction/という無料放送で“Music Profile フレディ・マーキュリー〜語られなかった真実”という番組をやっていた。クィーンのフレディ・マーキュリーの素顔を追った好番組だったが、その中で偉大なソプラノ歌手モンセラ・カバリエフレディ・マーキュリーが1987年に彼女が滞在していたバルセロナのホテルで一晩歌い明かす模様が映されていた。
 意気投合した二人は、1988年に「バルセロナ」というアルバムをリリースし、1992年のバルセロナオリンピックの開会式でマーキュリー&カバリエで歌われることになっていたようだ。しかし、前年フレディは他界し、本番では同じくスペイン出身のカレーラスがフレディのパートを歌ったという。「バルセロナオリンピック開会式」のビデオを見返してみると、確かにそれらしいシーンが短く残っていた。
 このアルバムについては「趣味の問題2」の「バルセロナ / フレディ・マーキュリー & モンセラ・カバリエhttp://park5.wakwak.com/~rung/mt/archives/000268.htmlや「今さら?QUEENのツボ」の「アルバム『BARCELONA』について」http://www.inaka.com/~tsubo/barcelona.htmlに詳しく書かれている。
このようなコラボでは、クラシックピアノの巨匠フリードリッヒ・グルダとジャズピアニスト チック・コリアがウィーンの楽友協会ホールでデュオを演じたのを30年ほど前に見たことがある。2004年に牧阿佐美バレエ団が「ピンク・フロイド・バレエ」でマネーや吹けよ風・呼べよ嵐、エコーズなど12ほどの曲をバレエ化したものを見た。
 昨年は、立川志の輔http://www.shinosuke.com/の「志の輔らくご in 下北沢」という落語と文楽の競演を楽しませてもらった。
落語とオペラは多くの共通点を持っているようで、プッチーニの「トスカ」が1900年にローマで初演されるよりも8年半前に、同じフランスの劇作家サルドゥーの原作の、「ラ・トスカ」を翻案した明治期の名人、三遊亭圓朝の落語「錦(にしき)の舞衣」として演じられていたことやオペラと落語をミックスした創作噺集「オペラと落語の交差点」http://www.geocities.jp/pbbbc071/という愉快なサイトがあることなどを当欄の「オペラと落語が好きという方のための“雑学”」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050113で取り上げたこともある。
 最近の“競演”で面白かったのは2週間ほど前に放映された「題名のない音楽会21http://www.tv-asahi.co.jp/daimei/の「錦織健のオペラ・セレクト20!」だ。オペラのアリアがトリノ・オリンピックのフィギュアスケート・プログラムで数多く使われたことは周知のことだが、その映像と本物のオペラ歌手のアリアを見事にシンクロさせた好企画だった。
 「題名のない音楽会21」はこれに味を占めたのか、そのホームページに3月26日には「祝フィギュア金『トゥーランドット』の魅力」を予告しており、「世界中を魅了したフィギュアスケート荒川静香選手。金メダルの美しい演技を彩った音楽がオペラ『トゥーランドット』です。今回は様々なアーティストたちが歌う『トゥーランドット』を集め、その魅力を徹底解剖します。お楽しみに!」とあった。また、スケートの映像を楽しませてくれるのだろう。
 「題名のない音楽会」では、かつて美空ひばりに「トスカ」の「歌に生き、恋いに生き」を歌わせたという実績もある。
ところで、今週の土曜日には茂山千之丞さんhttp://www.soja.gr.jp/kouen_annai/index.htmlの「狂言風オペラ フィガロの結婚」を楽しませてもらう予定だ。

Barcelona

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