ヨーロッパの路地裏を歩こう その1

拙著、「ウィーン旅の雑学ノート」、「フィレンツェ旅の雑学ノート」のテーマでもあるが、「ヨーロッパの旧市街の路地裏歩き」は、一度体験したら病み付きとなる。 
 意外に思われるかも知れないが、パック旅行ではその旧市街を実際に歩く機会は滅多にない。観光の多くがバスを使った駆け足ツアーで、しかも、ヨーロッパの大都市は団体バスの旧市街乗り入れを制限しているところが多いためチャンスは少ないのだ。一方で、旅慣れた個人旅行者もガイドブックで紹介していないせいか、素顔の旧市街を堪能し尽くす人は少ないようだ。ウィーンに住んでいた頃、高名な作家でウィーンも何回も訪れているというお方を旧市街の美しい路地裏に案内したら「ウィーンには15年前から通っているのに、こんな魅力的な世界があるなんて誰も教えてくれなかった」と驚いておられた。
“美しい路地裏の素顔”は、相変わらずガイドブックでは取り上げられることは少ないが、インターネットのおかげで、“どの路地裏が面白そうか”と見当さえつけば、その雰囲気や行き方を知ることは難しくなくなった。
 パリで私の好きな一角は、カルチェラタンに隣接したムフタール通り(Rue Mouffetard )とビュシ通り(Rue de Buci)、右岸のマレ地区だが、これらの界隈の“今”が覗いてみたくなるとGoogleの「イメージ検索」http://www.google.co.jp/imghp?hl=ja&tab=wi&q=を使うことにしている。
 ムフタール通りは、朝は市が立ち、夜は、かつてフランスの植民地であったベトナム北アフリカレバノンなどの料理が味わえるレストラン街としての顔を見せ、ライブハウスなども開店する。
ムフタール通りやビュシ通りは1982〜84年にかけてたびたび取材し、店の商品やレストランの料理の値段なども書き記した詳細なイラストマップを作ったことがある。一昨年訪れたときも、そのマップを持参したのだが町並みや店が意外に変わっていないことに驚かされた。
ムフタール通りを南端まで歩くと、朝市が開かれている一角が健在で、チーズやフォアグラ、生牡蠣などパリに来たことを実感させてくれる商品が溢れている。
通りの延長上にあるrue Bazeilles 通りの4番地にはパリだけでも300店舗以上を展開するワインショップNICOLAS http://www.nicolas.tm.fr/ の支店もある
さて、「ムフタール通り」をイメージ検索したところ75 件の絵や地図、写真、古い絵はがきなどのページが見つかった。「相鉄瓦版」の「パリのマルシェ風景」http://www.sotetsu-group.co.jp/kawaraban/128/feature02.htmlや「巴里とメグレと殺人と」http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/index.htmlの「ローモン通り」のページhttp://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/maig/honbun/sousa/sousa02.html などつい立ち止まって眺めてしまうページばかりだ。
 「Rue Mouffetard」とローマ字でイメージ検索してみると、なんと915 件もヒットした。ヴァーチャルツアー・サイトのGUYON's Paris Page http://members.virtualtourist.com/m/tt/22985/などこれまた興味深いサイトばかりだ。売れない絵描きが描いたとおぼしきムフタール界隈の絵のページが異常に多いのもパリの路地裏ならではだ。イラスト・マップを掲載しているサイトも多い。
☆右上の写真は ビュシ通りのワインショップNICOLAS http://www.nicolas.tm.fr/
参考過去記事:
「異国の街でウォーキングツアーを楽しもう」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060428

ウィーン 旅の雑学ノート―ハプスブルクの迷宮を極める

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