真空管アンプが好きだった知人・友人たちの少なからずが、サウンドデザイン社のフルデジタルステレオアンプSD05 http://www1.cnc.jp/sounddesign/sd05/sd05.htmlの魅力の虜になっている。
サウンドデザイン社は、ソニーで、オープンデッキTC-R7、カセットデッキTC-K777、CDプレーヤーCDP-R1、CDP-MS1、フルデジタルアンプTA-DR1の設計を手がけた石田正臣さんが独立して設立した会社だ。同氏のソニーにおける名作の数々は「オーディオ懐古録」http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/や「Freak Audio」http://www006.upp.so-net.ne.jp/freakbeatfreak/Freak-Audio.htmのページで振り返ることができる。
ちなみに、私が今でも現役で使っているソニーのカセットデッキTC-K555ESⅡ(1984年製)も石田さんの作品らしい。
多くのオーディオ・ファンを魅了するその音を、学生時代から通っているオーディオ・ユニオン御茶ノ水http://audiounion.jp/shop/hi-end.htmlでの試聴会http://audiounion.jp/news/060809f/index.htmlで先週末、聴くことができた。
試聴会ではデジタルアンプSD05に、石田さん設計のSONYのCDプレイヤーCDP-MS1 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press_Archive/199810/98-107/から、 デジタルアンプでは必要の無い、アナログ変換部(DAコンバーター)を外し、送り出し専用のクロックを新たに喚奘した改良機を繋ぎ、スピーカーにはパイオニアの3ウェイスピーカーシステム(トールボーイ型)S-1EX http://www3.pioneer.co.jp/product/product_info.php?product_no=00001006&cate_cd=041&option_no=10 が主催者の手で選ばれていた。
ファリヤの「三角帽子」やヴェルディの「アイーダ」、岸洋子のシャンソン、ジャズの「テイク・ファイヴ」などのCDを聴かせてもらったが、その個人的な感想を友人宛に書いたメールからそのまま引用してみると。
「想像通りの素晴らしい音でした。そして、実に魅力的な“楽器”でした。いや、『何も足さず、何も引かない』のですから楽器とも呼べないですね。なにも加えず、何も足さない音が一番音楽の情念を伝えると言うことが実感できました。
昔々学んだNFBや起電力の話、回路と基盤のレイアウトの対称性の大切さなど、石田さんの実に理路整然としたお話で、頭にすんなりと入りました。
『アナログを蘇らせた男』という名著は、『レコードのアナログの音のすべてを今のプレイヤが引き出していない』ままに、LPレコードが忘れ去られようとしている無念さを訴えかける本でしたが、今回の試聴会で『CDの埋もれた音を完璧に引き出すことができないうちに、未完成なSACDやDVDオーディオに走る愚かさ』がよく分かった気がします」
以上、引用
デジタルアンプSD05の魅力については、旧いタンノイのスピーカーを愛するお方のブログ「GRFのある部屋」http://tannoy.exblog.jp/でも詳しく紹介されている。「カテゴリ」から「オーディオ」を選択すれば「入り口が大事」http://tannoy.exblog.jp/d2006-08-02などの関連記事が閲覧できる。
また、サウンドデザイン社のフルデジタルステレオアンプSD05 製品紹介ページhttp://www1.cnc.jp/sounddesign/sd05/sd05.htmlには以下のようにその特性がまとめられていた。
「周波数特性やひずみなどで良好な特性を得るアナログアンプは、負帰還なしには成り立たないと言っても過言ではないでしょう。
しかし、一方には負帰還に伴う問題も存在します。それはアンプが駆動する相手がスピーカーだということに起因します。スピーカーが持つLCRの要素や、部屋の音圧により起電力が発生し、その成分が負帰還回路を通して入力側に戻り、アンプに影響を与えてしまうということ。そのためスピーカーの設置環境などを含め、大きなループが形成され結果的にそれぞれが干渉しあうことになるのです。
思い通りのサウンドを導き出すのには、多くの条件のクリアが必要不可欠でした。
s-masterによるデジタルアンプは負帰還を必要とせず、生成されたPWMデータにより電力素子を駆動。そして、簡単なローパスフィルターによってアナログ信号を得るというもの。
これにより部屋の特性やスピーカーの設置方法に左右されない、環境に極めて寛容なデジタルアンプを実現しました」
以上、引用
今のところ、デジタルアンプSD05の特性をフルに生かし切ることのできるCDプレイヤー(DAコンバーターが不要なので、正確にはCDトランスポートと呼ぶべきだろう)は市販されていない。SACDなどと無理な兼用をしていない、“妥協なき”CDトランスポートが入手可能になれば、すぐにでもSD05を買いたいところだ。聞くところによれば、年内にも数社からそのようなCDトランスポートが出される可能性があるようだ。
そして、これらを買い揃えることができたら40年ほどのオーディオ機器変遷歴に終止符を打つことになるだろうという強い予感がある。「趣味のディヴァイス探求に終止符はない」と常々考えていたが、SD05はその信念をも覆してくれた。
最後にJohnny Jet http://www.johnnyjet.com/のメールマガジンが教えてくれたWhatPlug.info http://whatplug.info/from/という旅に役立つ便利なホームページを紹介しておこう。自分の住んでいる国と旅行目的国を選ぶと、電圧や電源周波数、電源プラグの違いが比較できる。愛用のオーディオ装置を抱えて外国に引っ越すときにも参考になるだろう。
参考過去記事:
「21年ぶりにオーディオ装置を買い換えてみると」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050914
- 作者: 森谷正規
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