日本の旅行サイトに欠落しているスケジューリング機能 その1

 アメリカの旅行雑誌Conde Nast Traveler Magazineが運営しているConcierge.com http://www.concierge.com/が、Suitcase http://suitcase.concierge.com/という“Trip-Planning Tool”という新機能を立ち上げた。自分の泊まりたいホテルや行きたい観光スポット、レストラン、ショップなどをマイ・ページにスクラップしておき、旅行計画作りに役立てるというものだ。旅行計画作りの過程や旅から帰ってからのレポートなどを共有できるネットワーキングの役割も担っている。Featured Suitcases、Featured Membersの項目に利用者の実例が並んでいる。

インターネットを活用した旅行計画機能を欧米ではTravel PlannerもしくはTour Plannerと呼ぶことが多い。そして、このTravel Plannerは3種類に大別できる。 
 一つは、デスティネーション情報やイベント・カレンダー、ホテル・レストラン情報などが簡単に検索でき、その結果を、自分のパソコンなり、Travel Planner側のサーバーにある専用スペース(マイ・スペース)にカット&ペーストで情報を蓄積していき、最終的にスケジュール表に貼り込んでいくというものだ。ガイドブックの切り貼りと異なるのは、リアルタイムのカレンダーやイベント情報、天候、混雑状況、物価などが把握できることと、さらに別のサイトへのハイパーリンクで詳細情報にサーフィンできる発展性だ。中には、相談ボードやメール、ブログ、SNS等でワン・ツー・ワンのインターラクティヴ・サービスを行っているところもある。具体例としては当欄の「ウェブ・ガイドブックの記事を使いながら自在に旅程表を作成」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060127を参考にしていただきたい。

上記を、「情報プランナー型」とすると、今ひとつは「スケジューラー型」だ。
こちらは、スケジューリング・ソフトを中心とする旅行計画ツールで、航空会社のCRS等を活用したオンライン時刻表連動タイプと、連動はしていないが異種交通機関の移動スケジュールを統合されたアイテナリーとして打ち出してくるタイプとがある。
 これについては、「旅行に特化したスケジュール・ソフトEuroData Personal Travel Planner」
http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050222を参照いただきたい。

第3のタイプは、Travel Plannerと呼ばれるよりもRoute Plannerと呼ばれることの多い、自動車旅行を中心とした「移動ルート・プランニング型」である。自動車の場合、周遊型も含めた全ルートマップをウェブ上に描き、道路の区間ごとのキロ数、所要時間、高速道路料金、道路変更時の注意点などをナヴィゲートしてくれる。ルート・マップ描出機能を持った鉄道電子時刻表も「移動ルート計画型」プランナーに含むことができるだろう。
 スケジューリングやルートプランニングに役立つサイトは当欄のバックナンバーhttp://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060215や「旅行計画作りに役立つルート・プランナー」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040419が参考になるだろう。

Internet Travel Planner: How to Plan Trips and Save Money Online

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