インターネットとテレビの融合?“TV2.0”

 昨年、インターネット業界の流行語となった「Web2.0」のテレビ版とも言える「TV2.0」と言う言葉をよく目にするようになった。テレビで、インターネットのサービスやコンテンツが利用できるようになり、一方、パソコンで動画を取り込み、それを大型テレビ画面で見るといった“融合”が本格化するようだ。
「TV2.0」については、“メディアで取り上げられた新たなビジネス戦略やマーケット情報を考察し、稼ぐビジネスの法則をお届けします”というブログ「ウケるビジネスの腹の中」の「TV2.0に見るネット事情」http://trend.happypro.biz/mj/2007/01/tv20.htmlが分かりやすく現状を解説してくれている。
この記事でも“「TV2.0」実現への4つの道”が述べられているが、当欄の「デジタルテレビ向けポータル『アクトビラ』準備サイトが誕生」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20061116で紹介した「双方向性を持つデジタルテレビの統合ポータル」の準備サイト「アクトビラhttp://actvila.jp/ が、この2月1日からデジタルテレビへブロードバンド回線を利用して情報や映像などを配信するサービスが開始した。利用には対応テレビが必要となるが、松下電器産業の「Tナビ」対応テレビならばそのまま利用できるほか、日本ビクターの「エグゼ」(LC95シリーズ)やソニーの「BRAVIA」(X 1000シリーズ)ならば利用できるとのこと。現在は、静止画とテキストによる情報提供が行われ、2007年度内はビデオ・オン・デマンドによる映像配信サービスが提供される予定となっている。「基本的にはアクトビラポータルサイトと認定したサイトにしかつながらない」ということなので、そのマーケット支配志向は今の消費者には決して受け入れられないだろう。

 むしろ、「TV2.0」は「TV2.0に見るネット事情」で紹介されている“複合型”になるのではないだろうか。すなわち、“ネット接続はあくまでパソコンに任せ、パソコンと大画面テレビをHDMIケーブル1本で結び、Youtubeやオンデマンド放送も含め多様なコンテンツを楽しむ。また、大画面テレビ自体にもネット接続機能を持たせ「アクトビラ」やそれに類する“テレビ向けの統合ポータル”もストレスフリーで活用できるようにするという方向だ。
SONY VAIOの“テレビサイドPC”「VGX-TP1」http://www.vaio.sony.co.jp/Products/TP1/のように、HDMI、DVI-D、アナログRGBの3通りの方法でテレビやPCディスプレイと接続可能で、アナログのオーディオ入出力のほか、ホームシアターシステムやAVアンプと接続できる光デジタル音声出力を装備したパソコンの方が将来性があるような気がする。

 双方向性を持つデジタルテレビの統合ポータル構想は、「アクトビラ」が挫折したとしても、どこかがそのニーズを埋めるに違いない。デジタルテレビ統合ポータル構想が実現すれば、ニュース・天気予報・緊急警報などの生活情報はもとより、日常のショッピングや出前、通学児童の安全管理、旅行手配、株式取引、ビデオ録画予約、健康相談、遠隔医療、高齢者介護、通信教育、カルチャースクール、ホーム・セキュリティ、ホーム・バンキングなど生活に関連するあらゆる活動の玄関口となる可能性を秘めており、既存のポータル・サイトの地位を脅かすことになるだろう。

■今日のブックマーク&記事■
Yahoo! JAPAN ニュース「アクトビラデジタルテレビの標準サービスになりたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070207-00000013-zdn_lp-sci
□TBS超地球ミステリー特別企画“1秒の世界II”  http://www.tbs.co.jp/ichibyou07/
2月7日よる6時55分から放送のTBS『1秒の世界II』の番組公式サイト。“今、この世界で起こっている様々な現象を“1秒”で切り取ってみると今まで気づかなかった驚異の世界が見えてくる”。森林伐採、地球の温暖化、難民・飢餓問題、生物の絶滅。よく耳にしているはずなのになぜか自分とは関係ない、実感がわかない…。ところがすべての現象を『1秒の世界』で見てみると、とてもリアルに迫ってくるという。

1秒の世界 GLOBAL CHANGE in ONE SECOND

1秒の世界 GLOBAL CHANGE in ONE SECOND

□TBS「星の王子さまミュージアムhttp://www.tbs.co.jp/l-prince/
以前紹介した箱根にあるテーマパーク「星の王子さまミュージアム」のホームページがTBSのホームページの中に移動していた。経営主体が変わったようだ。