ミシュラン・ガイドブックの“Japon”と“東京”

 ミシュランは、日本を訪れる外国人観光客向けにフランス語の実用旅行ガイド「Michelin Voyager Pratique Japon(ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン)」(€19.90)を2007年3月30日にフランスで発売を開始した。これはミシュランが初めて日本を取り上げたガイドブックで、日本を訪れる外国人観光客向けに豊かな自然や文化といった日本の魅力を紹介しているという。詳しくは日本ミシュランタイヤのニュース・リリースhttp://www.michelin.co.jp/news/corporat/p1640.htmを見るとよい。
また、「伊豆半島を『日本でもっとも美しい温泉地』と紹介」といった中身の具体的な一部については、「日刊トラベルビジョン04月09日夕刊」の記事「ミシュラン、外国人向け日本の旅行ガイドを刊行、名所を星で格付け」 http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=28635で取り上げられている。

なお、日本のAmazon http://www.amazon.co.jp/を見ると「現在、在庫切れです」とあったので、画面右上の「お知らせEメールを受け取る」で、「この商品が注文可能になった際にEメールでお知らせ」してもらうようにしておいた。フランスAmazon http://www.amazon.fr/では、注文が可能だった。
 また、洋書が比較的安く手に入るタワーレコードhttp://www.towerrecords.jp/渋谷店に聞いてみたところ、まだ入荷していないとのことだった。

 ミシュランタイヤのニュース・リリースによれば。

 「Michelin Voyager Pratique Japon」は、国土交通省及び独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)、財団法人国際観光サービスセンター(ITCJ)と連携して制作された。同省が現在推進している「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の一環として、このプロジェクトに協力がなされた。また、ガイドブックに掲載される各地の地図データは、昭文社の協力を得ているという。

 独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)理事長の中村稔は、「JNTOパリ事務所はかねてより、フランス語による日本語ガイドブックが少ない現状を改善すべく、フランスの有力ガイドブック事業者に働きかけを行ってまいりました。昨年最有力ガイドブック事業者の1つであるミシュラン社と「Michlin Voyager Pratique Japon」の発行につき合意に達したことを受け、国土交通省、財団法人国際観光サービスセンター(ITCJ)と連携し、ビジット・ジャパン・キャンペーンの一環として取り上げることとなり、ミシュラン社に対する全面的な協力・支援を行ってまいりました。JNTOでは今後もビジット・ジャパン・キャンペーンと連携をとりながら、「Michelin Voyager Pratique Japon」のように、世界各国それぞれで影響力のあるガイドブックに対する支援を必要に応じて検討してまいります」と述べている。

 ミシュラン地図ガイド部門の責任者であるデビット・ブラビスは、「日出ずる国、日本は、フランス人にとって憧れと神秘の国です。この『Michelin Voyager Pratique Japon』を通じて、先進と伝統が共存する日本の魅力を伝え、次のバカンスの旅行先として提案していきます」と語っている。

 「Michelin Voyager Pratique」シリーズは、旅先の見どころ、宿、レストランなどの実用情報をコンパクトに見やすくまとめた新感覚の旅行ガイドとして2005年3月に創刊された。現在までに世界各地を取り上げた25タイトルが刊行されており、2007年には日本を含む35タイトル、2009年には50タイトルが揃う予定。

 日本ミシュランタイヤ株式会社代表取締役社長フランソワ・ビュッソンは、「この度、日本を舞台としたガイドブックを刊行することは、ミシュランが日本に対して大きな関心と敬意を抱いている証です。このたび、日本政府のプロジェクトである『ビジット・ジャパン・キャンペーン』の一環として、ミシュランのガイドブック編纂のノウハウを生かして日本の観光振興に貢献させていただく機会を得て、大変光栄に思います。ミシュランは、タイヤを通じて人とモノが移動するモビリティを、ガイドブックを通じて、楽しく心地よい旅をするモビリティを提供していきます」と述べている。

Michelin Voyager Pratique」の特徴は:
⇒ 旅行の期間、予算、スタイルに応じて計画を立てやすいテーマ別の表
⇒ 旅先での移動を楽にする詳しいカラーの地図
⇒ 旅の見所や土地の名物、ヒントを満載したミシュランマンのコーナー
⇒ 入出国や現地での移動方法、見逃せないポイントや、注意点などをまとめた実用的なコラム
⇒ その国の現状と時事問題
フリーランスのライターが現地に赴いて選んだ、さまざまな価格帯のホテルとレストランの情報
⇒ 旅情を誘う写真を載せた表紙と、シンプルで機能的かつ読みやすい構成

 「Michelin Voyager Pratique」シリーズは、フランス人に人気のある旅行地を中心に、現在までに以下の25タイトルが刊行されている。
 南アフリカ、アンダルシア、バルセロナ・カタルニア、ブルターニュ、中国、コルシカ、クロアチアキューバギリシャエーゲ海アテネ南イタリアとローマ、グアドロープ、アイルランド、モロッコマラケシュエッサウィラ(モロッコ)、マルティニーク、メキシコ、ポルトガルドミニカ共和国レユニオン島モーリシャス・ロドリゲス島、アメリカ南西部、トスカーナ・ウンブリア、チュニジア、トルコ、ベトナム


 一方、日本ミシュランタイヤの「ガイドブック」のページhttp://www.michelin.co.jp/guide/index.htmlには、「2007年3月、ミシュランガイドは、新たな歴史の1ページを開きました。いよいよ、ヨーロッパ、アメリカに続いて、アジアへの上陸を発表。アジアの中でも日本が、22番目にミシュランの仲間入りをする国となり、ミシュランガイド東京として、2007年11月に出版されます。そして、出版されるのは日本語版と英語版の2種類。東京に住む方々はもちろん、世界から東京を訪れた方々にとっても、思い通りのレストランを探すガイドという役割を担うことになりました」とある。
要するに、3月の「Michelin Voyager Pratique」出版に引き続いて、11月にあの有名なホテル・レストランガイドのミシュラン・レッドシリーズの一環として「東京」を出すという宣言なのだろう。
 この宣言は、ミシュラン英国のホームページにも“Michelin announces publication of first Michelin Guide Tokyo”http://www.viamichelin.co.uk/viamichelin/gbr/tpl/psg/presse/doc/CP_annonce_GM_Japon_EN.pdfという記事で紹介されている。それによれば、英語版と日本語版が出るそうだ。

日本ミシュランタイヤの「ガイドブック」の「HELLO, TOKYO」のページhttp://www.michelin.co.jp/guide/hello_tokyo/index.htmlによれば、
 「発売予定の2007年11月に向け、既に2006年の夏から、ヨーロッパ、そして日本の調査員によるレストランとホテルの訪問が始まっています。もちろん他の国と同様、調査は匿名。一般の顧客としてサービスを受け、評価を行っています。そして調査の基準はもちろん、星、或いはフォークとスプーンのマーク等での評価という点も、これまでのミシュランガイドと同様です。

豊かで美しい食文化から生まれたミシュランガイド東京
 国際的な展開を進めるミシュランガイドが、アジア上陸の第一歩として選んだ都市、東京。東京が選ばれた背景は何だったのでしょうか。マネージングパートナーのミシェル・ロリエはその理由として、日本文化に豊かで洗練された食生活が根付き、それが重要な位置を占めていること、そしてその洗練さと、食事の楽しさを兼ね備えた生活スタイルが、美しい食卓作りとしても表現されていることをあげています。また、ミシュランガイドの総責任者、ジャン・リュック ナレは、日本、なかでも東京を、豊かな食と料理の伝統を持つ地として、アジア最初のミシュランガイド出版にふさわしいと語っています。日本の豊かで美しい食文化。そしてその文化が生活の中に根付いていること。それを彼らが感じ取った時、自然と、アジア最初の都市は、東京に決定したのです。

 レストランという名の星が無数に存在する東京で、ミシュランガイドが選ぶ、ひときわ明るく輝く星はどこにあるのか。2007年11月、東京という夜空に、輝く星を見つけるための新たな食の星座盤が登場します」とのことだ。
 なお、当欄の「ヨーロッパ周遊旅行に役立つMichelin Red Guide Europe」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060320でも取り上げたが、レッド・ガイドのMain Cities of Europe2002年版には4ページに渡って日本語の「ご紹介」という利用方法ガイダンスが付いていた。日本人にも愛読者が多い証拠だったが、2003年版からはその日本語解説が消えてしまった。しかし、日本ミシュランタイヤの「ガイドブック」のABOUT THE GUIDEのページには、「星が生まれるまで」、「フォークとスプーンに込められた意味」、「新しい価値。ビブ・グルマン」の項で、ミシュランの「読み取り方」の概要を紹介しているので、フランス語版などを使いこなしたい人には大いに役立つはずだ。
■今日の関連ブックマーク&記事■
□Le Matin Online“Louis Vuitton: les villes qui montent” http://www.lematin.ch/nwmatinhome/nwmatintendances/le_matin1/louis_vuitton__les.html 
 全9冊で世界31都市を案内するルイ・ヴィトンシティ・ガイド2007年版(英・仏語版)の紹介記事(仏語)。
 ルイ・ヴィトンの日本語サイトhttp://www.louisvuitton.com/web/flash/index.jspの「製品検索」で「シティ・ガイド」と検索すると「ルイ・ヴィトンシティ・ガイド パリ日本語版」の案内がある。