ヨーロッパの夜の世界を描いた古典的名著「Lusty Europe」

 アーサー・フロンマー氏http://www.frommers.com/の「1日$10の旅」を愛読していた頃に、丸善でH. Mankoffという人が書いたVikings社刊の「Lusty Europe」(「官能のヨーロッパ」とでも訳すべきか)と題し「The First All-Purpose European Guide to Sex, Love and Romance」という副題のついた本を見つけた。冷戦下のプラハやベルリンも含めた17都市の夜の世界を7500人にも上る事情通へのインタビューをもとに書き上げられた労作であった。各都市のラブホテル事情や世界最古の職業の方々の集う地域や店、カップルのための個室レストラン、ポルノ・ショップ、ゲイやレズ・SMなどセクシャル・マイナリティーの人々のための店などヨーロッパの夜の生態を知るには絶好の書だった。しかも、「1日$10の旅」に対する対抗心とパロディー精神も旺盛で、同書が取り上げているホテルが実は世界最古の職業の方々の商売用のホテルであるなどの暴露記事もあった。
 ウィーンに住んでいた頃、どこか怪しげなところがあるホテルやカフェだなと思っていた所の実態がこの本に見事に描かれていて「目から鱗」の思いをしたこともあった。
 当時情報が少なかった中欧の裏事情を知るにも絶好の本で、今では歴史的な価値さえもあるだろう。
 この種のガイドブックやタウンマップの出版は最近ますます盛んとなっている。興味のある方は各都市の旅行書の専門店やポルノ・ショップで探してみるとよい。セクシャル・マイナリティーの人向けの情報はインターネットでも盛んだ。ウィーンで学生向けの情報書を出しているFalter社http://www.falter.at/から出されている「Sex in Wien」http://www.falter.at/web/shop/detail.php?distribution_id=1&oldid=253という本には1章を割いて「Sex im Internet」という記事があった。Eros(もしくはErotic)+Parisといった複合検索で探し出すこともできる。
「Lusty Europe」に描かれている世界への入り口となるウェブサイトとしては、米About.comのEuropean Sexuality and Nudism in Europeのページ http://goeurope.about.com/od/sexandnudism/European_Sexuality_and_Nudism_in_Europe.htmがある。 Subtopics として、Adults-Only Travel Sex Museums (11)、 Nude Beaches (16)、 Sexuality Resources (9)が挙げられている。
 ついでに、「Lusty Europe」という本が今も出ているかどうかをオンライン書店Amazon.com http://www.amazon.com/で調べてみたら1972年に初版が出され重版されたものの現在は絶版であることが分かった。しかし、used では$2.98から売られており、海外発送を引き受けるところもあるようだ。


■今日のブックマーク&記事■
□HopStop.com http://www.hopstop.com/ 
ボストン、シカゴ、ニューヨーク、ワシントンの4都市の高機能な観光ポータル。ルートプランニング機能のDirectionsはマルチ言語だが、中国語はあるが日本語はない。

□阪急交通社2007/4/4ニュースリリースhttp://hei.hankyu.co.jp/pdf/070404_1.pdf
 携帯の旅行予約総合サイト「阪急トラべる」 http://www.hankyu-travel.com/keitai/オープン!

Sexuality in Medieval Europe: Doing Unto Others

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