1974年の欧州鉄道旅行を今一度 その5

1974年の旅では、マドリッドに5泊もしてしまったために、バルセロナでの滞在は1泊2日にしなければならなかった。今回の旅では、マドリッド4泊、バルセロナ2泊に微調整しよう。
バルセロナを1974年3月9日19:36発の夜行列車で発ち、翌日の18:25にフィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着した。23時間ぐらいの長旅だが、夜行列車に乗った記憶はあるものの、南仏からイタリア国内にかけて列車で延々と行った列車内での記憶が珍しく全く残っていない。

来年の旅のために「ドイツ鉄道電子時刻表」の英語ページhttp://reiseauskunft.bahn.de/bin/query.exe/enで調べてみると、昔と違って現在は直行の列車はなくなっている。ここでもホテルトレインを使うことになりそうだ。バルセロナを20:15に発つ「サルヴァドール・ダリ号」は、翌朝09:10にミラノ中央駅に到着。ここから、10:00発のイタリア版新幹線“EuroStar”に乗り換えて、フィレンツェには12:45の到着となる。所要16時間半と、74年当時に比べ6時間半の短縮だ。
 「地球の歩き方」の「サルヴァドール・ダリ号」のページhttp://www.arukikata.co.jp/travel/europe_rail/sta/elipsos.htmlを開いてみると、バルセロナ-ミラノ間は、「グランクラス1名部屋」で普通運賃66,700円、パス割引36,200円となっていた。

74年の旅では、他の都市と同様に「$10 a Day in Europe」http://www.frommers.com/で目星をつけてアルノ川に面したトリニタ橋のたもとのPensione Adriaに投宿した。ここは、2食付きの料金でL6,000とメモに残っている。1リラは0.4円ぐらいだった。広いガラス窓のあるダイニングルームからのアルノ川の眺めが素晴らしかったことを覚えている。
残念ながらこのペンシオーネも20年ほど前に廃業してしまった。そこで、来年は中央市場の裏手にある友人が経営する3つ星ホテルBailea http://www.florenceitaly.net/pagine/basilea/index.aspに泊まらせてもらうことにしよう。オーナー一家は3軒のホテルを経営しており、日本語の観光情報ページhttp://www.florenceitaly.net/nihongo/も充実している。

 拙著「フィレンツェ旅の雑学ノート」にも書いたが、冬の重苦しい曇り空が続くフィレンツェでは、街を囲む丘に登ったり、シエナなど郊外の古都を訪れたりという気にもなれず、ひたすら美術館でルネッサンス絵画の傑作の数々を3泊4日で足早に見て回った。そして、慌ただしくクリムトの絵が待っている次の目的地ウィーンへと向かった。

 「フィレンツェ旅の雑学ノート」でも取り上げたが、当時一番気に入っていた“食堂”はペンシオーネからピッティ宮に向かう途中のパッセラ(Piazza della Passera)という小さな広場にあった「トラットリア・クアトロ・レオーニ」だった。鉄道職員食堂のセルフと同じくらいの安さで、長期旅行者のたまり場だった。1974年3月12日のメモではフルコースでL1500だった。1986年3月に再訪したときのメモではフルコースでL12,500。経営者が代わって後、トレンディなしゃれた店になってしまっていた。
店のホームページがないかと調べてみると、驚いたことに「ぐるなび海外版」http://www.gnavi.co.jp/world/europe/firenze/w303020/に地図とメニュー付きで紹介されていた。
 ついでに、1997年6月19日に訪れたときのメモも紹介しておこう。当時は、1リラが0.07円程度だったと思う。「松の実とルコラ、グリュイエールチーズが入った4 Leoni風サラダL13000。ポルチーニ茸のタリエリーニL15000。白の1/2㍑ハウスワインL6000。店のメニューには2皿以上取ればよいと書いてあったのでメインを省略」。

☆右上の写真は、ミケランジェロの丘からのアルノ川の眺め

フィレンツェ 旅の雑学ノート―メディチ家の舞台裏をのぞく

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