“飽食の時代”のヘルシー旅行術 その2

 今回は、旅先でヘルシーな食生活を送る方法をいくつか紹介したい。

 まずは、イタリアの状況を見てみよう。20年前のイタリアでは「4皿のフルコースを食べない人はお断り」といった張り紙がレストランの店先でよく見かけられた。今、イタリ人のシェフに「あの張り紙はどうしちゃったの」と聞くと、そんな紙貼ったら「地元の常連が来なくなるよ」と答えが返ってきた。そう言えば、イタリアの友人たちとレストランに行っても、皆余り食べなくなったし、ワインも申し訳程度しか飲まない。オードヴルに小鍋の煮込みや野菜や魚介類のフリット(天ぷら)といった頼み方やパスタを食べた後で温かいオードヴルをメインにするといった頼み方が多いようだ。
また、メインディッシュそのものも「肉は罪悪」と言わんばかりで、大盛りの野菜やハーブの下に薄い肉がひっそりと恥ずかしそうに隠れているといったものが若者の相手のレストランでは人気だ。

 それでは、ヘルシーに食べるための個人的対策方法を紹介しよう。なお、伝統をかたくなに守るレストランや高級店の中には以下のような簡略化を断るところもあるので慎重な見極めも必要だ。

1.温かいオードヴルをメインに−茸の笠の炭火焼きや魚介類のリゾット、卵料理、シャンピニオンのフライ、グラタン料理などメインに差し替えられる皿は多い。中には、「小食の方へのおすすめ」といった欄をメニューに設けているところもある。

2.メインを半量で頼む−レストランの中には半量注文時の価格をメニューに明記しているところもある。各国語でのHalf portion pleaseといった言い回しを覚えていくのもいいだろう。

3.レストランのコースメニューをとる−レストラン・ガイドブックや地元の人に聞いて調べたおすすめレストランのコースメニューをとるのもよい。優良店はお得なメニューでも手抜きのない店が多い。しかも、ヴォリュームは控えめなものが多いので有り難い。個人的には、ミシュランのサイトで「手頃な値段でおいしい料理」を意味するBib Gourmandマークの店を探し出すのがおすすめ。
最近は、オーストリアやイタリアなどのカフェでランチ・セットを出すところも増えてきた。ヴォリュームは控えめなので日本人にはおすすめだ。

4.ときにはデグスタシオン・メニューも−予算があればフランス語でムニュ・デギュスタシオンともいう“お試しコース”がおすすめだ。ヌーヴェル・キュジーヌやクリエイティヴな料理を出す店に多い。皿数は多いが一皿の盛りは少ないという懐石料理風の出し方で、軽めの味付けと旬の素材を生かした料理が主流なので日本人の口に合うものが多いようだ。旅立つ前に「menu degustation+地名」と検索してデグスタシオン・メニューを用意しているレストランをあらかじめ探し出しておくのもよいだろう。

5.ローカル色豊かなファストフードの店を利用する−イタリアにはピッツエリアやスパゲッテリアといった一皿ものですませられて、ローカル色が味わえる店も多い。パリではクレープ屋やウィーンではパラチンケン屋などといった店もある。日本では甘口のクレープしか知られていないが、パリやウィーンには魚介類やハム、野菜、チーズなどを使った辛口も多様にあり、お好み焼き感覚で食べられる。このほかにも、郷土色豊かなオープンサンドやカナッペもおすすめだ。

6.テイク・アウトも利用−デリカテッセンやデパートの食品売り場ではランチボックスやホカベン的なもの、あるいは寿司弁当を売っている。中華を中心にお持ち帰り専門の店も増えている。このようなところで調達してピクニックに行ったり、眺めのいい宿の窓辺で景色をアピタイザーに軽めのディナーというのも悪くない。市場で新鮮な野菜やハム、チーズを調達し自分でサンドイッチを作るのもよいだろう。もちん、ワインを買うのもお忘れなく。

最後に、日本のガイドブックに紹介されていないような店や料理を選ぶのに役立つサイトをいくつか紹介しておこう。2002年4月10日配信の120号「海外のレストランや料理関連情報の集め方」http://www.geocities.jp/euro747/cos100124.htmlもご参照いただきたい。また、Google http://www.google.co.jp/のイメージ検索機能でメニューの画像などを見ておくのも旅行中にヘルシーな食事を取るのに役立つことも付け加えておこう。たとえば、Paris menuとイメージ検索すると1万以上のパリのメニュー関連画面が現れた。menu degustation+地名といった検索も試してみては。

World Menu.com http://www.worldmenu.com/ 
Restaurants.com http://www.restaurants.com/(日本の紹介ページも登場。一部日本語表記) 
The Sushi World Guide http://sushi.to./ 
Sushi Restaurants Worldwide http://www.sushiref.com/
McDonald's 42 Countries http://www.mcdonalds.com/countries/index.html 
Openair-Market http://www.openair.org/
Food & Wine Trails http://www.foodandwinetrails.com/ 
foodtourist.com http://www.foodtourist.com/ 
Restaurant Row   http://www.restaurantrow.com 
dine.com http://dine.com/cgi-bin/public/main.cgi
GlobalDining  http://www.globaldining.com/
OpenTable.com http://www.opentable.com/
ViaMichelin http://www.viamichelin.com/
Guide Gault Millau http://www.gaultmillau.de/ 
Gault Millau(France) http://www.gaultmillau.fr/ 
Gayot http://www.gayot.com/ 


■今日のブックマーク&記事■

□日刊トラベルビジョン07年11月16日朝刊記事
JTBグランドツアー、1名参加限定日設定」
http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=32633
JTBグランドツアーhttp://www.jtb-grandtours.jp/が、「1名参加者が複数人数での参加者に遠慮しがちになるという声に応じ、トルコとメキシコで1名参加者に限定した出発日の設定」という記事。

オーストリア政府観光局「新着情報」
 http://www.austria.info/xxl/_site/jp/_area/540352/_aid/548385/
11月12日(月)から14日(水)まで3夜連続で、NHKのBSハイビジョンhttp://www.nhk.or.jp/bs/bshi.htmlにて放送されたハプスブルク家の特集番組の再放送がBSハイビジョンで 11月19日(月)〜21日(水)14:00〜15:50に行われるという記事。
 第1回〜双頭の鷲の下に〜
 第2回〜マリア・テレジアのウィーン〜
 第3回〜美しく青きドナウ

ついでに付け加えるとNHKのBSハイビジョンでは、11月19日13:00〜13:55に「クラシック倶楽部 −ウィーン少年合唱団演奏会−」(2005年6月4日, 東京・サントリーホール で録画)も放映される。

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