“偽装食品”のカラクリを解明する本

日本のスーパーや市場で売られている“食材”に関する疑問を持ち始め、「食」マフィアのタブーに切り込んだ歯切れのいい本はないものかと探していたら、懐かしい名前に出会った。
週刊文春の記者を長く続け、新宿歌舞伎町の裏世界に関するレポートなどを書いている吾妻博勝さんだ。実は、吾妻さんには学生時代にさんざんお世話になった。同氏は1968年にシベリア鉄道経由でヨーロッパに渡り、世界中を旅してフランスのアンドレ・マルローなど多くの著名人と知り合ったそうだ。学生時代に世界放浪時代の興味深い話をたくさん聞いたことがある。私が、学校を出てヨーロッパに住むことにしたときも親切にアドバイスをくださった。
その吾妻大先輩が、10月に「鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ 食品偽装の最前線――魚・肉・野菜・米」という本を晋遊舎ブラック新書で出されていた。
 ハンバーグにカンガルーの肉が混入!?、アナゴの正体はウミヘビ!?、タイの代わりにマンボウ!?、高級白身魚の刺身はナマズが原料!?、回転寿司のエンガワは北の海に棲む巨大カレイからとっている!?、放射線で殺菌された国産ジャガイモが流通している!?、「国産米100%」と書かれていても外国産ブレンド米!? といった、!?印付きだがショッキングな内容がレポートされている。
 表紙の折り返しには、“不二家ミートホープ白い恋人、中国のダンボール入り肉まん......。世間を騒がせた「食品偽装」事件の数々。だが世間に知られているのは、ほんの氷山の一角にすぎず、背後には、さらに無数の危ない食品が存在する。魚、肉、野菜、米など、今まで安全だと思われていた生鮮食品の裏側にはびこる、一般消費者が知らない「黒い秘密」の数々。食品業界全体の「闇」を告発する、渾身のルポルタージュ”と書かれている。さっそく、書店で買って読んだが、今まで疑問に思っていたことの多くに納得のいく答えを見つけることができた。

 吾妻博勝さんは、このほかにも「食」関連の本を数冊出されている。
「回転寿司『激安ネタ』のカラクリ」 (別冊宝島) は、Amazonの“出版社/著者からの内容紹介”には、「日本人の食文化にすっかり溶け込んだ回転ずし。大人から子供まで、多くの日本人に愛されています。しかし、安い物にはワケがあります。安さのヒミツは、決して企業努力によって成り立っているのではありません。この本では、激安店の厨房の舞台裏から、市場が見向きもしない“キズモノ”(死にマグロや養殖物の底物、浮き物、奇形魚)流通の暗部、煮アナゴなど外国産加工品の薬品漬けの問題、そしてブラックバスナイルパーチなどの外来種を用いた偽装魚、インチキ代用魚の実態まで、、激安魚介類のヒミツに真正面から迫る本邦初のホンカク本です」と紹介されていた。

 「食マフィアの棲む国 毒菜」(徳間書店) という本のAmazonの“出版社/著者からの内容紹介”には、「中国産ほうれん草の残留農薬が問題となったことは記憶に新しいが、じつは国内で販売されている野菜の大多数が農薬漬けとなっていることは消費者にはあまり知られていない。本書では生産性という大命題によって蝕まれた現代農業の実態を野菜の種類ごとに明らかにする。
 青酸ガス噴射ネギの恐怖、禁止農薬が使われているキャベツ、大型スーパーでの猛毒白菜安売、農薬使用による肝機能障害、人間も死ぬ劇物散布されたほうれん草、放射線照射で処理されたジャガイモなど……。『週刊アサヒ芸能』で注目の連載に書き下ろしコラムを加え、単行本化」とある。


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回転寿司「激安ネタ」のカラクリ−ファン必読! 偽装魚&インチキ代用魚総覧85種 (別冊宝島)

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食マフィアの棲む国 毒菜

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