旅行業の国家資格にチャレンジ

日刊トラベルビジョン11月29日朝刊に「総合旅行業務取扱管理者試験、合格率上昇も全科目受験者は減少」http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=32836という記事があった。
 その記事には「全科目の受験者は9.7%減の1万810人となり、数年来続く減少傾向に歯止めをかけることはできなかった。全科目受験者は学生に多く、この受験者数の減少は旅行業界への就職意欲の減少とも分析できる。このためJATA(日本旅行業協会)では今後、意欲喚起にむけ大学や専門学校でのポスター掲出などを検討する。またJATA研修・試験部部長の岡野貢氏は、私見としつつ『例えば、大学の観光学科などで資格を持つ学生を核に10人くらいで旅行を企画してもらい、旅行博のツアー・オブ・ザ・イヤーで学生部門として表彰する』アイディアも示した」とある。

昔、拙著「ヨーロッパ個人旅行マニュアル」に「旅行業の国家資格にチャレンジ」という見開きコラムを書いたことを思い出した。この資格を取るのに年齢や資格の制限はないので、海外旅行に関心があり、勉強好きという方は資格取得を目指してみてはという提案だった。
実は、私も在学中にこの資格の前身である「一般旅行業務取扱主任者資格」を取得し、ヨーロッパ滞在後に旅行業界に入るきっかけとなった。
 JATAのホームページの「総合旅行業務取扱管理者試験」 http://www.jata-net.or.jp/seminar/exam/exam.htmには、「平成19年度総合旅行業務取扱管理者試験 合格者一覧」「実施結果」「よくあるご質問(FAQ)」などが掲載されている。
平成19年度総合旅行業務取扱管理者試験の全科目受験者は7,653人で、合格者は1,669 人、合格率は21.8%だ。


旅行業務取扱管理者の仕事は、旅行契約に関する事務や旅行の企画造成、旅程管理業務に関する事項等の管理・監督で、具体的には、次のような業務がある。
(1)  旅行に関する計画の作成に関する事項
(2)   旅行業務の取扱い料金の掲示に関する事項
(3)   旅行業約款の掲示及び備置きに関する事項
(4)   取引条件の説明に関する事項
(5)   契約書面の交付に関する事項
(6)   企画旅行の広告に関する事項
(7)   運送等サービスの確実な提供等企画旅行の円滑な実施に関する事項
(8)   旅行に関する苦情の処理に関する事項
(9)   契約締結の年月日、契約の相手方その他の契約の内容に係る重要な事項につ      いての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項

 なお、管理者は、旅行会社の営業所毎に1名以上(従業員が10名以上の営業所では2名以上)いることが義務付けられている。
 試験は毎年10月に実施されているようだ。

4科目受験「全科目」は、
【1】旅行業法及びこれに基づく命令
【2】旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
【3】国内旅行実務
【4】海外旅行実務

 私もそうだったが、旅行業界での経験のない一般の受験者が苦労するのは、「海外旅行実務」だ。その内容は、
(本邦外の運送機関の利用料金、その他の本邦外の旅行業務に関連する料金)
(旅券の申請手続、通関手続、検疫手続、為替管理その他の本邦外の旅行業務に必要な法令)
(本邦及び主要国における出入国に必要な手続に関する実務)
(主要国の観光)
(本邦外の旅行業務に必要な語学)
(その他本邦外の旅行業務に関する実務)

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