第1日目 成田からパリへ

3月11日より4月8日までの29日間、「1974年の欧州鉄道旅行を今一度」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071005、「1974年の欧州鉄道旅行をいよいよ再現」 その1http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20080118〜3http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20080222などで、旅行計画を書いた学生旅行の復刻版の旅に出発。その報告を、該当する日にちに遡って書き始めさせてもらうことにする。

 フライトは全日空のエコ割21WEBhttp://www.ana.co.jp/int/fare/eco/main/eu/eur/index_1421_w.htmlを使い、ノンストップ便でのパリ同日到着。帰路もウィーンから成田へのノンストップ便(オーストリア航空機材使用の共同運航便)とする合理的なスケジュールを組むことができた。

搭乗手続きは、2日ほど前にパソコンでANA SKY WEBへアクセスして、予約をしておいた非常口横の足が伸ばせる座席(CAとの対面席)等を確認し“スマートeチェックイン”https://www.ana.co.jp/int/checkin/checkin/smart-e/checkin/index.htmlを済ませておいたので、「優先自動チェックイン機と手荷物預けカウンター」で簡単に最終手続きを終えることができた。スーツケースの重量は20キロぴったりだった。

 NH205便は、定刻通りの11:55に出発。エコノミークラスにしては美味しい料理とワインを楽しむことができた。後日、ANAの知人にその話をすると「あまり宣伝していないが、エコノミーの料理とワインは他社に比べて力を入れている」とのことだった。
快適な飛行で、定刻より10分ほど遅い16:35に駐機場に到着。ところが、ここで、「スポッターの誘導ミス」があったとかで、飛行機がブリッジが接続できないほど行き過ぎてしまった。大型機は自力でバックできないので、牽引車が来るまで待たされ結局定刻より20分強遅れの16:48に“到着”。

 17:32発のモンパルナス行きリムジンバス(€14)に乗って、市内に向かったが空港内でさらに4カ所ほど停車したので空港を離れるまでに30分ほどかかってしまった。更に、途中の高速と市内で渋滞に巻き込まれ、モンパルナスに着いたのは19:15。到着後も、目の前にあるはずのタクシー乗り場が見つからず、小雨の中を右往左往。やっと見つかってタクシーに乗ったもののまたもや渋滞で、地下鉄で3駅ほどのホテルまで30分ほどもかかってしまった(€11.5+チップ0.5)。弱り目に祟り目で、なぜか非常線が張られていてタクシーはホテルに横付けできず、30メートルほど歩くことになった。しかも、警官が立ち入る人の荷物をチェックしており、私も小雨の中でスーツケースを開けさせられた。
 これだけの厳重な警備を敷くのは、最近再婚したあの人に違いないと思っていたら、ホテルのコンシェルジュが近くのレストランに食事に来ていると耳打ちしてくれた。


 泊まったのは、日本からインターネットで直接予約しておいたパリ6区サンジェルマン・デプレ教会近くのRue de Buci通り22番地の4つ星プチホテルHotel de Buci http://www.hotelbuci.fr/だ。分不相応な値段のホテルだが、無理をしたのは、1974年の学生旅行の時に泊まったホテルだからだ。もっとも当時は1つ星で、今回の旅にも持参した当時のメモには3人部屋で1人当たり28.5フラン(約1,700円)とあった。

 1974年に初めて海外旅行に出たとき、個人旅行に役立つ日本のガイドブックは皆無であった。なにしろ、ガイドブックのほとんどは大手の旅行会社か航空会社がスポンサーとなって出版されており、パック旅行参加者への副読本的なものばかりであり、見知らぬ異国でのホテルの取り方や食費などの物価、公共交通機関の乗り方などにふれたものは全くなかった。そのような時代に頼りになったのはアメリカのアーサー・フロンマー氏が出していた「1日$○○の旅」シリーズのガイドブックhttp://www.frommers.com/だった。学生食堂の利用の仕方から学生寮の泊まり方、鉄道や観光バスの割引特典の活用法など「目から鱗」の情報に大感激したものだった。しかし、最初は1日$5だったシリーズも$10、$15、$20、$30と順調に予算アップし、最新の2004年版(第46版)ではFrommer's Europe from $85 a Dayと「$85以上の旅」という表現になってしまっていた。これは、インフレを反映しているばかりではなく、著者と読者が豊かになり扱うホテルやレストランも高級化していったせいでもある。

このHotel de Buciもアーサー・フロンマー氏のガイドブックで見つけたものだ。確か当時はFrommer's Europe $10 a Dayだったと思う。

 74年当時、このホテルの界隈は朝市が立ち、その売り声で起こされたことを覚えている。窓から通りの眺めを見ているだけでも飽きることがなかった。経営者も代わっているのだが、「34年前に泊まったBuci通りに面した朝市の声が聞こえる部屋」をリクエストしたら、メールで「facing bustling Rue de Buci」の部屋を用意したとの返事をもらっていた。

部屋に入ってみて、窓を開いてみるとまさしく74年に泊まった部屋の位置(だった気がした)。室内は相変わらず狭いものの、インテリアやバスルームは4つ星にふさわしいシャレタものだった。
ひと休みしてから、21:00前に外出、サン・ミッシェルの交差点まで歩き、昔よく利用したサンドイッチ・ショップLa Baguetteで、いつも買っていたニース風サンドを買おうとしたが売り切れ。代わりにハムとトマトのパンニーニ(€3.6)を買ってきて、1時間ほどの散歩を終え、ホテルに戻って夜食にした。


Frommer's Europe from 85 a Day (Frommer's A Day)

Frommer's Europe from 85 a Day (Frommer's A Day)

  • 作者: Reid Bramblett,Richard Jones,Suzanne Rowan Kelleher,Joseph S. Lieber,Herbert Bailey Livesey,Sherry Marker,Hana Mastrini,George McDonald,Haas Mroue,Cheryl A. Pientka,Darwin Porter,Danforth Prince,Beth Reiber,Sascha Segan,Christina Shea
  • 出版社/メーカー: *Frommers
  • 発売日: 2004/08/27
  • メディア: ペーパーバック
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