旅先で耳に残った音をウェイクアップコールに

 当欄の「旅の思い出を甦らせる音のアルバム」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051206でも書いたが、1974年に生まれて初めての海外旅行でヨーロッパを一周したとき、世界最初のポータブルカセット録音機といわれるアイワの録音機能付きラジカセで蚤の市などで大道芸やフラメンコのタブラオの音を録ったりしていた。その後も、小型のカセット・ウォークマンなどでヴェネチアの運河を行くゴンドリエのカンツォーネブダペストのレストランのジプシー音楽、スイスの登山鉄道の日本語アナウンスなどを録りためていったが、最近は、ナマロクの情熱は薄れ、その代わりに観光スポットなどで売られているCDを買って帰ることが多くなった。
オーストラリアのレインフォーリストの雨音、ヨーロッパの鳥の声、プラハのロレッタ教会の鐘の音、ウィーンの古楽器博物館の演奏音など結構コレクションが溜まってきた。これらのCDを当欄の「旅行や語学のラジオ番組の録音に便利なSONYのネットジューク」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071211で紹介したHDDコンポ・ネットジュークNAS-M95HD  http://www.sony.jp/products/systemstereo/M95HD.htmlのハードディスクにコピーしておいて、眠りに入るときやウェイクアップコールとして聴いている。

この秋の旅でも1枚のCDがコレクションに加わった。それは、ポーランドの古都クラクフの聖マリア教会から毎時吹かれるトランペットのCDだ。
今回泊まった旧市街広場の近くにあるHotel Pod Roza http://www.hotel.com.pl/podroz/index.htmという宿は17世紀末開業という老舗で、バルザックやリストも泊まったという。私が泊まった客室(403号室)は、デザイン優先で改装されていたので、ベッドもシャワーもトイレも見てくれはいいが、使いづらいことこの上なかったのであまりおすすめできない。しかし、ペントハウス風の部屋の窓から見る旧市街の屋並みと聖マリア教会の鐘楼の眺めだけは素晴らしかった。 

1222年に建てられた教会の鐘楼の窓からは1時間ごとにラッパ(現在はトランペット)が吹き鳴らされる。深夜の2時でも3時でもだ。この単調でもの悲しいメロディーは40秒弱の長さなのだが、曲の途中でプツリと止まったように終わる。言い伝えでは、1241年にモンゴル軍が攻めてきたときに、ラッパを吹いて警告したラッパ手の喉をモンゴル兵が射て殺してしまったため、吹奏が途中で途切れてしまったことに由来するという。現在演奏しているのは昔の制服を身に纏った現役の消防士たちだそうだ。
塔の窓は四方に開いており、毎正時に塔を一回りして四方に向けて吹き鳴らすのだ。この単調なメロディーがすっかり気に入ってしまい、教会のショップでCDを売っているに違いないと目星を付けて入手した。
戻ってからは、これを、ネットジュークでウェイクアップコールにして目覚めるようにしている。近いうちにネットジュークの編集機能で、四方から聞こえるようにアレンジしようと思っている。ホテルの部屋では最初、遠くから聞こえ、3回目でホテルの窓からもトランペットが見える位置で最大音量で聞こえた。編集機能で強弱を加えて、その模様を再現できるようにしたいのだ。

 このメロディーを聴きたい方は、Hejnal Mariacki - The Krakow Bugle Callhttp://abel.hive.no/trumpet/articles/hejnal/のSound samplesで聴くことができる。さすがに買ってきたCDの方が名演で録音も鮮明だ。 
クラクフのトランペットについては以下のWikipediaにも記事があった。
The Trumpeter of Krakow http://en.wikipedia.org/wiki/The_Trumpeter_of_Krakow
Hejnal mariacki http://en.wikipedia.org/wiki/Hejna%C5%82_mariacki

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