日月潭で湖水一周サイクリング

台湾の景勝地日月潭で周囲約33キロの台湾最大の湖を一周するサイクリングを体験してきた。滞在した湖畔のホテルHOTEL DEL LAGO(大淶閣)http://www.dellago.com.tw/JP/index.phpには、無料のレンタサイクルが用意されており、最初は、それを利用するつもりだった。しかし、夕食時に、日本語の堪能な総支配人 陳銀城さんと話す機会があり、私が「日本でロードレーサーのサイクリングを楽しんでいる」と話すと、「それなら本格的なスポーツ自転車を貸し出している観光案内所http://www.sunmoonlake.gov.tw/JP/03000624.aspxの裏手のサイクル・ショップに行った方がいいでしょう」と言われた。

 翌日行ってみると、そこは1972年に台湾で設立され世界有数の自転車メーカーに成長したGIANT http://www2.giant-bicycles.com/zh-TW/日月潭支店(捷安特日月潭http://tw.myblog.yahoo.com/giant-sunmoonlake)だった。GIANTは日本でも展開しておりホームページ http://www.giant.co.jp/giant10/index.phpからもその充実した品揃えがうかがえる。

日頃、ロードレーサーで“快走”している者としては、ふつうのレンタ・サイクルには満足できず、「せっかく走るのなら愛車を持ってきてから」と旅先でのサイクリングは敬遠していたのだが、GIANTの支店に並ぶ高価なロードレーサーを見たとたんに、考えが変わってしまった。よく見ると、日本で100万円前後で売られているカーボン・フレームのセミ・プロ向けロードレーサーまでレンタルされていた。
 もっとも、レンタル料の方もそれなりで最初の一時間は1,000元(1元=2.8円)、後は一時間単位で200元という設定だった。私が選んだのはアルミ・フレームでブレーキやギアなどが使い慣れたシマノ製品で組まれたもの。最初の一時間は200元、後は一時間200元という価格も手ごろだった。自転車を選ぶと、丁寧な点検とギアの調整を済ませた上で引き渡してもらえる。冷えたミネラル・ウォーター・ボトルまで付けてもらえた。

自転車とヘルメットを借りて表通りに出てみると、本格的なコスチュームを身に纏ったサイクリストが大勢走っているのに驚いてしまった。
後で聞いた話では、2007年度の台湾映画興行収入 第1位となった聴覚障害の青年が台湾島1周の旅に出る青春ロードムービー「練習曲」のヒットがきっかけとなって、台湾ではサイクリング旅行が大ブームなのだそうだ。「練習曲」のDVDは日本でも2010年2月3日発売予定だそうで、今からAmazonで予約をすることもできるようだ。そう言えば、南部の都市 高雄の地下鉄も条件付きながら自転車がそのまま乗せられるようになっていて、日本と違い自転車社会への理解が進んでいることを実感した。

さて、サイクリングに出発してみると、まず右側通行が初めてなので戸惑った。右側の走りそのものにはすぐ慣れたが、S字でカーヴを切るときの違和感が最後まで残った。観光案内所のホームページ「湖一周サイクリング」http://www.sunmoonlake.gov.tw/JP/02000475.aspxにもあるように、日月潭周辺にはサイクリングロードがいくつかあり、月潭自行車道など月と自転車をデザインした大きなマークが始点に立っていて分かりやすかった。しかし、残念なことに未貫通でしかも、山道を担ぎ上がらなければならない部分も含まれていたので、異国からの訪問者は戸惑うことだろう。


私は、結局2時間20分ほどで迂回路も含めた36kmほどの一周コースを無事走破することができた。自転車を返却するときに一周した旨を話すと、ご褒美なのか日月潭のイラストとGIANTのロゴが入ったバイク用水筒をプレゼントされた。

 同じ年齢でもある総支配人の陳さんにタイム・レコードを話すと、「私は4時間もかかりました。それは外国人新記録かも知れませんね」と持ち上げられ、真に受けて疲れが一挙に吹き飛んでしまった。
私の場合、日暮れまでに戻れるのかと気が気でなく、美しい風景を愛でる余裕もなく、途中で見かけた先住民族の人々が開く市場や道沿いの屋台などの美味しそうなものにも食指を延ばすことができなかった。
 しかし、日本からは余裕を持ったスケジュールのサイクリング目的のツアーや個人旅行者も少なくないようだ。「台湾 サイクリング」と検索すると多くのサイクリング体験記に出くわし、まるでロードムービーのような体験談も見かけた。

 また、日刊トラベルビジョンの2009/10/30日付ウェブマガジンにも「現地レポート:台湾 サイクリングで新需要開拓」http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=42756に「日月潭で湖畔の自然を満喫する」という写真入り記事があった。
 日本のGIANTのホームページにも「『サイクリング パラダイス タイワン』発進記念体験乗車付日月潭 湖畔のサイクリング 4日間」http://www.giant.co.jp/information/2009/09/post-10.php という過去のツアーを取り上げた記事もあった。

なお、HOTEL DEL LAGOも含め、台湾のいくつかのホテルや自治体では、サイクリングも含めたテーマのある長期滞在者向けの割安なパッケージやプロモーションを用意しているようだ。


当欄関連過去記事:
「1年前にオーダーしていたロードレーサーがやっと完成」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071231
ロードレーサーを5分で組み立てられる“輪行袋”」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070619
「久しぶりに遠出のサイクリング 南伊豆」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070528
「五官で自然を味わうサイクリング旅行のすすめ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060704