ポルトガル、アンダルシアを訪ねる24日間の旅 その2

 −リスボン3泊−滞在ホテルAvenida Palace http://www.hotelavenidapalace.pt/EN/index_en.html

今回のポルトガル訪問の目的は34年ぶりのノスタルジックツアーだが、郷里の長崎とポルトガルの関係史をできるだけ調べてみたいという目的もあった。
 そこで、美術館や観光スポットの優待が付いた交通パスLisboa Card http://www.golisbon.com/Lisboa-Card/を購入して、精力的に博物館巡りをした。
 回ったのは、国立古美術館、ジェロニモ修道院、国立考古学博物館、海洋博物館、オリエント博物館、発見のモニュメント、天正遣欧使節が滞在したサン・ロケ教会と附属美術館などだ。

 ホテルは、ヨーロッパ・スタイルの高級ホテルだが、ロケーションがよく、Expediaの割引キャンペーンで3つ星並の料金で泊まれたのでここを選んだ。ただし、ホテルのあるロッシオ駅周辺は、スリや置き引きがよく出没する界隈でもある。私もホテルを出たとたん、つけ狙われているのが分かった。その男を先に行かせて睨み付けたり、必ず居るはずの見張り役の男を見つけて牽制したりしたが、それでも、リュックのチャックを開けようとしてきた。すぐに気づいて、振り払って「なにをしやがる」と怒鳴ったが、懲りもしない有様だ。プロなら相手の懐具合とスキを見定めてから狙うので、駆け出しの素人だと思われた。私は、リュックのチャックに大きめの安全ピンをつけて簡単に開けないようにしているのだが、このときは油断してピンを外していた。と言っても、中に貴重品は入れていないのだが。あとで、リスボンに住む日本人の方に聞いた話では、外国から流れてきて食い詰めた人たちがスリやひったくりに変身するケースが急増しているそうだ。

 リスボンに詳しい友人から、「ファドでは食事をしない方がよい。高い割には美味しくないし、食事が終わった頃からファドは興が乗ってくるので、飲み物だけの時間帯に行った方がいい」と言われていた。しかし、別の店で食事をすれば美味しいワインも飲まざるをえないし、飲んだ後の遅い時間では、眠気が催して集中力を持ってファドを聴くことなどできそうにもない。そこで、三夜とも、食事付きで楽しんだ。行ってみると、食事もそこそこ美味しいし、飲み物だけの割高な料金よりもかえって安く感じられた。それに、常連客が遅くやって来るフラメンコとは違って、3軒とも遅くまで居残ったからといって特別興が乗るということでもなかった。

通った3軒は、バイロ・アルト地区の伝統的なファド・レストランO Faia http://www.ofaia.com/、アルファマ地区のモダンなファド・クラブClube de Fado http://www.clube-de-fado.com/eng/intro.html(サイトでファドが聴ける)、庶民的なファド食堂A Baiuca http://www.golisbon.com/night-life/fado/baiuca.htmlだ。
 A Baiucaは、近所のファド好きが入れ替わり立ち替わりのどを披露するといった雰囲気で、最後には学生アルバイトのウェイトレスやキッチンを1人で切り盛りしていたおばさんまで歌い出す始末。哀愁漂う重苦しいファドより、日々の暮らしの中から、ほとばしるものを素直に歌うBaiucaの方が、本来のファドのような気がした。


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 下記の映画は、妄想の中で長崎をポルトガルリスボンに見立て、出会う男性に"自分だけの王子様ランキング"をつけて退屈な日常をやり過ごしている目立たない女の子(中谷美紀)の物語り。 まあ、長崎は一時期ポルトガルイエズス会領だったこともあり、急な坂の多い港町といった類似点も多いので、納得できないわけではないが。そういえば、長崎の松翁軒で修業したポルトガルの方が開いているカステラ軽食喫茶 Castella do Paulo http://www.castella.pt/という店もリスボンの「7月24日通り」からそう遠くないところにあった。

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