外部記憶装置を活用するオーディオ・ヴィジュアル

今回は、ハードディスクやソリッドステートドライブ(SSDフラッシュメモリ)など外部記憶装置を利用したビデオ録画や音楽録音の現状を眺めてみた。

 現在、長崎から一時帰京中。長崎の仮住まいは、auひかりhttp://www.auone-net.jp/index.htmlやケーブル・テレビが導入済みの集合住宅だったので、オーディオ・ヴィジュアルも快適・安価に楽しめる環境だった。

友人たちから、東芝液晶テレビRegzaは外付けハードディスクでの録画が楽だと聞いていたので、専門誌などでの評価も高い Z2シリーズ http://www.toshiba.co.jp/regza/lineup/z2/index_j.htmを東京のヤマダ電機で買い、長崎に届けてもらった。これに、ハードディスク・メーカーBUFFALOの「あなたの〈レグザ〉REGZAにおすすめHDD」http://buffalo.jp/products/digitalkaden/regza/というサイトで見た3TBの容量を持つ、BUFFALO HD-LBVU3 http://buffalo.jp/product/hdd/external/hd-lbvu3/Amazonで買ってセット。USBケーブルで結ぶだけでRegzaの番組表画面からワンタッチで録画予約できるので実に便利だ。3TBの容量で、地上波デジタルなら約376時間のハイビジョン録画が可能だ。USBハブを使用すれば、最大4台までの同時接続可能で、2つの番組を同時に録画できる「地デジ見ながらW録−2番組同時録画」機能もテレビ内蔵ハードディスクと同じように使える。

 Regzaはパソコンを使わずに、リモコンひとつでインターネットを利用することもできる。早速、auひかりのモデムに常時接続すると、動画サイト「YouTube」や「Yahoo! JAPAN」のコンテンツや動画を簡単に見ることができた。RegzaアクトビラひかりTVにも対応している。
長崎には、東芝のモバイルパソコンDynabook http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20091020を持ってきていたが、これもauひかりのモデムを通じてRegzaにリンクすることが可能で、Regzaのリモコンでパソコンを操作することができる。パソコンに保存された映像や音楽・写真の鑑賞、DVDソフトの再生が手軽に行なえる。

auひかりは、長崎に持ってきたSONYのHDD内蔵ミニコンポ“ネットジューク”NAS-M95HD  http://www.sony.jp/products/systemstereo/M95HD.htmlにも繋いでみた。NAS-M95HDは、250GBの HDD搭載で、CDと同音質のリニアPCM型式でCD約380枚分を録音することが可能。Atrackの圧縮を使えば最大11,130時間の録音ができる容量だ。

 この機種は、HDDに約35万アルバムタイトルを収録してあり、MD・CD音源などを“ネットジューク”に貯めるだけで曲タイトルが自動で入る。最新のタイトル情報もインターネット経由で自動取得が可能だ。このコンポにはCD約300枚分をHDDに転送していたが、今までインターネットと繋いでいなかったのでタイトルが自動取得できていたのは、60%ほどだった。

 インターネット接続すれば、曲情報の入っていないMDやアナログ音源でも、波形データから曲を識別し、曲タイトルを自動入力するというので試してみたら、タイトルを取得できていなかった最新のCDやアナログ・レコードから転送した分まで曲名を割り出してくれた。

 驚いたことに、プラハのロレッタ教会で売っていた鐘の音のCDや時刻を告げるクラクフ大聖堂のトランペットの調べのCDhttp://d.hatena.ne.jp/Europedia/20081024までタイトルを見つけ出してくれた。恐るべし。
 これで、タイトルが付いていないのは1970年代にヨーロッパで生録音した音源だけということになった。

 インターネットに接続したおかげで、音楽サービス「エニーミュージック」http://www.anymusic.jp/が利用可能となり、“ネットジューク”だけで好きなときに、最新のJ-POPや洋楽などを高音質で試聴したり、ダウンロード購入もできるようになった。

“ネットジューク”は内蔵HDDのみしか使えないが、これがRegzaのように外部記憶装置に音楽をため込めるようになったらどんなに便利なことだろうか。

 そう言えば、一時期YAMAHAがHDD付きCD録音再生機でHDD部分を容量追加換装できるものが商品化されていたのを思い出した。
 インターネットで調べてみるとAV Watchに「ヤマハ、HDDにPCM録音できるCDレコーダ−400GBに対応。CD-R/RWへ高音質ムーブ」http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050420/yamaha.htmという2005年4月20日の記事が見つかった。

現在は、YAMAHAはHDD付きCDレコーダ−から、撤退したようだが、その代わりに“ネットワークプレーヤー”http://jp.yamaha.com/products/audio-visual/hifi-components/network-players/市場に参入していた。



 最近、オーディオマニアの間では「PCオーディオ」や「ネットワークオーディオ」といった言葉が盛んに交わされ、専門誌も出始めている。

これは、パソコンやネットワークプレーヤーという専用機を使って、音楽CDなどのデジタルデータをHDDやSSDに取り込みし直し(リッピングという)、デジタルデータを正確に再生すると、CDプレーヤーで直接再生するより高音質に再生できたり、インターネットを通じて音楽CDなどのパッケージメディアより遙かに高音質のフォーマットを使った音楽配信サービスを利用したり、大容量のHDDやSSDを利用して使いやすくて高音質の音楽ライブラリを構築したりすることができるシステムを作る新たなオーディオの楽しみ方だ。

 「PCオーディオ」は、どちらかというとパソコンを中心にUSB接続で簡単に使えるデジタル・アナログ変換器を使ってアンプ経由で音楽を楽しむというもの。「ネットワークオーディオ」は、パソコンで再生を行うのではなく、HDDやSSDに転送したデジタルデータをネットワークプレーヤーと呼ばれるオーディオ・コンポーネントでデジタル・アナログ変換し、アンプ経由で高音質な再生を目指すというものだ。一概には言えないが、ソフトなども含めた適切なシステム構築をすれば後者がより高音質化が可能で、同時により高価なものになるようだ。

 詳しくはITmedia D LifeStyle(http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/)に連載されたオーディオ・ヴィジュアル評論家麻倉怜士氏の「デジタル閻魔帳」:“麻倉式PCオーディオ”のススメ(前編)http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1107/22/news081.html、(後編)http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1107/27/news065.htmlという記事を参照いただきたい。

実は、来年夏から本格的に長崎住まいを始める前に、「ネットワークオーディオ」を勉強してシステム作りの準備をしようと思い、調べ始めたのだが、HDDやSSDなどの外部記憶装置とネットワークプレーヤー、デジタル・アンプ、インターネット・ラジオなどを一体化した便利なシステム・コンポは未だに誕生していない。自分の耳を頼りに、コンポーネント・パーツやソフトを選んで、結びつけていかなければならないのが現状だ。

しかし、よくよく考えれば“便利なシステム”は手元にあった。長崎に持ってきたSONYのHDD内蔵ミニコンポ“ネットジューク”NAS-M95HDが“一体化した便利なシステム”に限りなく近いものなのだ。ただ、この製品は6年以上前のもので、容量も小さく、音質などの基本性能もとても充分とは言えない。
 著作権問題やCDの売れ行きにに配慮してか、SONYなどの国内メーカーはネットワークプレーヤーの商品化に極めて消極的で、現在は、欧米のメーカーの独壇場だ。来年以降は、韓国や台湾製で席巻されることになるだろう。


当欄関連過去記事:
「語学番組等の予約録音ができる高感度ラジオ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20110207
「久しぶりにインターネット・ラジオ三昧」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20100420
「旅行や語学のラジオ番組の録音に便利なSONYのネットジューク」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071211
「旅行関連のラジオ番組やCDを旅先に携行するための便利な機材」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070330
「旅先で耳に残った音をウェイクアップコールに」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20081024
「旅の思い出を甦らせる音のアルバム」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051206


■今日のブックマーク&記事■

□日刊トラベルビジョン8月23日記事“全日空、羽田/フランクフルト線開設、B787で”
   http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=50028

□日刊トラベルビジョン8月25日記事“JATA旅博、144の国と地域が出展、出展コマ数は過去最大−商談会規模も拡大” http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=50050

□Plnnr http://plnnr.com/ 
個人旅行の計画に役立つサイト。自分のペースや興味、予算にあった街歩きの旅程表を提案してくれる。40回以上通ったブダペストで試してみたが、実によくできている。個人的には、今後この提案を自作のデジタル旅程表にカット&ペーストして活用することになるだろう。現在、Amsterdam, Barcelona, Berlin, Budapest, Dublin, Florence, Helsinki, Lisbon, London, Madrid, Manchester, Milan, Naples, New York City, Paris, Prague, Rome, San Francisco, Toronto,Washington D.C.をカバーしている。

□TechCrunch記事「Google Mapsに世界中の天気情報が表示されるようになった」
http://jp.techcrunch.com/archives/20110818google-maps-adds-a-weather-layer/ 


 以下の3つはチェコの友人http://d.hatena.ne.jp/Picmoch/が教えてくれたサイトだ。

□みてみてジャパン http://mitemitejapan.com/
世界の日本人会海外に住む日本人とふるさとを結ぶポータルサイト
 世界の日本人会のページ(ヨーロッパ・エリア)http://mitemitejapan.com/cn20/pg168.html もある。

オーストリア日本人会 http://www.nihonjinkai.at/

□USE-IT http://www.use-it.be/europe/
若者のヨーロッパ個人旅行計画に役立つサイト。

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