久しぶりのヨーロッパ旅行計画作りと手配

この秋に3週間ほど時間ができたので、1年半ぶりのウィーン、ブダペストへの旅行を思い立った。今日は、自分流の旅行計画作りと手配方法を紹介させてもらおう。

 いつも、計画作りは、旅程表の大枠をワープロ・ソフト上に作ることから始めている。こうしておけば、最近起こしがちな勘違いからの重複手配や無駄な待ち時間、鉄道パスの必要日数の数え間違いなどを避けることができる。また、旅程表上に交通機関やエンターテイメント、行きたいレストランや美術館、宿泊予定ホテルなどのURLを貼っておけば、いちいちブックマークを探さなくても目的ページを開くことができる。
 旅程表作りのメリットについては、当欄の「パソコンで、楽しみながら旅程表を作ろう」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20100406も参考にしていただきたい。


旅程表の大枠作りと並行して、航空券選びを始めた。現在、長崎に仮住まいしているので、先ず、長崎発で行きはブダペスト、帰りはウィーンから長崎というチケットを日本航空のサイトで検索してみた。

長崎発の便を前日の早い時間帯にしたり、復路の長崎への乗り継ぎ便を成田到着の翌日便から選んだりといったことができるのも便利だ。これなら、渋谷の自宅で前後一泊ずつすることもできる。
料金は10月下旬発の往路:長崎→羽田/成田→フランクフルト→ブダペスト、11月中旬の復路:ウィーン→パリ→羽田!→長崎で、価格は、9月購入の時点で103,000円。これに、空港税・燃油サーチャージ等が78,940円が加算され計181,940円となった。

 次に、オーストリア航空で長崎発を試してみたが、福岡発は片道2万円の追加料金で選択できるものの長崎発は選択できなかった。これは、欧米系の航空会社のほとんどに共通しているようだ。そう言えば、昔の航空運賃規則でも事前購入割引航空券は国内の主要5空港発しかなかったことを思い出した。オーストリア航空の場合、ネット上の選択肢としては5空港のほか広島、小松、仙台が加わっていた。

続いて、楽天トラベルやスカイゲートのエアー+ホテルで調べてみたが、航空会社よりも高額な手数料が加算されたり、あるサイトではオーストリア航空で検索しても、帰途便は常にスイス インターナショナル エアラインズのチューリッヒ翌日乗り継ぎになるなど、不具合が多かった。旅の手配になれない人がインターネットを安易に頼ってしまうと、思わぬ落とし穴に落ちるなと思ってしまった。
 結局、エアーとホテルを個別に取った方が合理的な旅程選択ができる上に価格もあまり変わらないことが分かってきた。

「1974年の欧州鉄道旅行を今一度」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071005でも書いたが、歳を重ねてくると、飛行機は所要時間が短い直行直帰がなにより。ヨーロッパ内で乗り継ぐ旅程にすると保安検査や恒常的な遅延、ロストバゲージなどで思わぬトラブルに巻き込まれることも多くなってきているようだ。

 「欧州鉄道旅行を今一度」の際は、東京からパリまでノンストップ、ウィーンから東京までもノンストップという航空券を探してみた。すぐに思いついたのは、当時、両都市にフライト・ルートを伸ばしていた全日空だ。帰りは、オーストリア航空の機材を使ったコード・シェア便となったが、全日空のエコ割21WEBを使い安く旅程が組めた。残念ながら現在はコード・シェア便扱いではなくなってしまったようだ。

さて、結果的に今回の旅で選んだのは、オーストリア航空http://www.austrian.com/?sc_lang=ja&cc=JPのホームページから購入した東京−ウィーン単純往復のエコノミークラス正規事前購入割引運賃だった。10月下旬発の出発便、11月中旬の帰国便の価格は、9月購入の時点で78,500円。これに、空港税・燃油サーチャージ等が57,980円、航空券取扱手数料1,000円が加算され計137,480円となった。
長崎−東京間のフライトは日本航空全日空の事前購入割引が時間帯によっては片道1万円前後であるので、こちらの方が安上がりだ。

旅慣れた人の中には、どうせオーストリア航空で行くのならウィーン−ブダペスト間も割引航空券に組み込めばいいのにと思う人もいるだろう。そのコースも考えてみたが料金と空港税・燃油サーチャージ等、途中降機追加料金などを加算すると162,940円になり、2万5千円ほど高くなる。ウィーン−ブダペスト間はバスや列車で往復すれば5千円前後で可能なので、料金的に若干割高となる。

それに、これは行きにウィーン経由でその日のうちに乗り継いでブダペストに行く場合の料金で、ウィーンでオーバーナイトして飛ぶ場合はさらに、1万5千円の追加料金・空港税などが加わる。

 前にも述べたように、フライトは目的地までのノンストップ直行便とすることがトラブルの可能性を低くする最良の方法。したがって、今回も行きはウィーン止まりとして疲れを取り、翌日、陸路でブダペストに行くこととする。こうすれば、戻ってくる予定のウィーンのホテルにスーツケースを預け身軽に小旅行を楽しめる。また、必ずしも快適とは言えないブダペスト空港の利用や空港から市内への移動を避ける狙いもある。
 
 いつも、ビジネスクラスの格安航空券を使ってみたい誘惑に駆られるが、そこはオーストリア航空のビジネスとエコノミーの差額32万円前後を“つもり貯金”することにして、次の旅の足しにしよう。ビジネスクラスの料理やワインと座席の快適性は確かに魅力だが、わずか、往復24時間に32万円を費やす気には未だなれない。また、欧州系航空会社の多くも無料手荷物許容量拡大http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20110414し、23キロのスーツケースを2個まで預けることができるようになったのもビジネスクラスの誘惑を退ける要素となった。

航空券が解決したら次はホテルだ。最近ホテルの手配は、Expedia http://www.expedia.co.jp/やBooking.com http://www.booking.com/index.ja.html、アップルワールド http://appleworld.com/などオンライン予約を使うことが多い。今回、ウィーンのホテルは、11月などオフ・シーズン中に一部のホテルがやっている4泊すると1泊分割引、もしくは3泊すると1泊分割引というキャンペーンを利用した。

 昔は、このキャンペーン料金はウィーン市が発行するホテルリストの小冊子に明示されていたのだが、ウィーン市観光案内所http://www.wien.info/ja/travel-info/tourist-info/tourist-informationのホームページを見ても分からなかった。そこで、オペラ座から歩いて10分ほどの以前泊まったことのある、4つ星ホテルをウィーン在住の友人を通して取ってもらった。11月の16泊分が12泊分の支払いで済み、日本の低価格ビジネスホテル並みの値段となった。

このキャンペーンを日本からも使えないかといろいろ調べてみたが、ウィーン市観光案内所のホームページから開くことができる重たいPdfページ「ウィーンのホテルガイド2010/11」http://www.wien.info/ja/travel-info/hotels-accommodations/hotelguideにも記載されてなかったし、キャンペーンに参加している個々のホテルのサイトにも出ていなかった。しかし、Expediaのウィーンのホテル一覧を見ていると一部のホテルでこのキャンペーンを反映しているようだった。

3泊するブダペストのホテルはExpediaで手配した。ちょうど、手元に日経新聞に掲載されていた3,500円オフの割引クーポンがあったので、これも活用した。
Expediaでのホテル手配のコツは「ポルトガル、アンダルシアを訪ねる24日間の旅」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20101206に書いたので省略させてもらう。
ウィーンで節約した分、ブダペストでは、王宮の丘やライトアップされたチェーン・ブリッジが眺められる河沿いのホテルのDanube Viewにするという小さな贅沢をしてしまった。

ホテルが終わったら残るのはウィーン−ブダペスト間の陸路の手配だ。安上がりなのはバスhttp://www.eurolines.at/uploads/6000_Budapest_01042011.pdf で所要2時間55分、料金は片道€19だ。バスは空港http://www.viennaairport.com/経由の便もあるので、若い人なら、夕刻、日本から到着した後、すぐにブダペスト行きのバスに乗るといハードスケジュールも不可能ではないだろう。

鉄道好きな私としては少々高いがRail-Jetという特急列車を利用してみることにした。利用列車がウィーン早朝発など限定されるが往復€29 http://www.oebb.at/static/tarife/st_6.7_ausflugsticket_prag_budapest/index.htmlという割引チケットもある。
鉄道のオンライン予約については「インターネットでの鉄道予約にチャレンジ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20101029 でも書いたが、今回もオーストリア鉄道のサイトhttp://www.oebb.at/en/index.jspから予約・発券した。英語のサイトもあるが、予約の途中でドイツ語画面に切り替わってしまうことがあった。

必要な手配をひと通り終えると、次は、旅程表にオペラ、コンサートなどのエンターテイメントや「新酒解禁日」などのイベント、行きたいワインケラー、友人とのアポイント、日帰り旅行のスケジュールなどを埋め込んで行く。日没時間やショッピング・リスト、バンク・ホリデー、宗教行事、長期天気予報、ウォーキング・ツアーの催行予定などを書き込んでいってもよいだろう。

ブダペストの新たな見どころは当欄でも紹介済みのPlnnr http://plnnr.com/で、自分のペースや興味、予算にあった街歩きの旅程表を提案してもらい、新たにできた見どころや美術館・博物館を旅程表にカット&ペーストしておいた。


□当欄関連過去記事:
「暫定版Europedia第1章 旅行計画」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20091215
「パソコンで、楽しみながら旅程表を作ろう」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20100406
「旅行計画に役立つ旅の電子ツールを活用 Part 5」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070629
「旅行計画に役立つ旅の電子ツールを活用 Part 1」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070625 
「旅行計画に役立つアメリカの新サイトを2つ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20090711
「旅行履歴を地図上に記録できるサイト」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20081223
「旅行計画を立てるのに役立つプランニング・ポータル」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20081031
「ViaMichelinが使いやすく進化」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20080125
「若者の旅行会社ネットワークSTAのCommunity」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071019
「ツアー・プランナーの新ビジネスモデルTripIt.com」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20071016
「個人のフライト履歴を保存・図示できるサイト」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070612
「自分が訪れたことのある国を色分けした世界地図が簡単に作れるサイト」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070214
「日本の旅行サイトに欠落しているスケジューリング機能」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20061109 
「ウェブ上で旅行計画作りを楽しめるTrip Planner」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060727 
「パソコン上に“旅行事典”を築いて情報収集自由自在」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050909
「VisitEurope の新たなインターラクティヴ機能」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070905
ウィキペディアのウィキトラベル・プロジェクト」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060421
「旅行計画作りに役立つルート・プランナー」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040419
「ガイドブックを自作しよう」 http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20061214
「旅日記の代わりに小遣い帳をつけることをすすめる」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050210
「英語の“デジタル・ガイドブック”を活用しよう 1」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060525


■今日のブックマーク&記事■

□Money Talks News (blog)記事 "4 Reasons I'll Never Again Book an Online Flight"
  http://s3.moneytalksnews.com/205-Ways-to-Save-Money.pdf 

Google Flight Search http://www.google.com/flights/ 
競合各社がその登場に戦々恐々としていたGoogleの新フライト・サーチ・エンジン。未だ、アメリカの主要都市間をカバーするだけなど限定的な機能だが、将来は期待できそう。

□Trippy.com http://www.trippy.com/
旅行計画を友人等の協力を得てブラッシュアップするアプリのベータ版。

□トリップアドバイザー コラム「世界のタクシー 1000円でどこまで乗れる?」
   http://www.tripadvisor.jp/pages/TaxiFare.html

ウィーン旧市街 とっておきの散歩道 (地球の歩き方GEM STONE)

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ブダペストの古本屋 (ちくま文庫)

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ハンガリー民話集 (岩波文庫)

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