初秋のウィーン・ブダペスト16日間の旅 その2

前回も書いたが、この期間を選んだ最大の理由は、ウィーンで4日間の間に3つの異なるプログラムのズービン・メータ指揮によるウィーン・フィルhttp://www.wienerphilharmoniker.at/jp演奏会が聴けることが分かったことだ。

かつては、プラチナ・チケットと言われたウィーン・フィルのチケットも最近は、定期演奏会以外のコンサートが増えたことや、地元の若いクラシックファンの減少傾向により入手はそれほど難しくなくなってきた。

 今回は、事前に日本からインターネット予約できたチケトはウィーン・フィルの3つのコンサート。と言っても、そのうち2つは立ち見席だ。

 まず、9月23日(金)のウィーン・フィル演奏会は、主催が楽友協会https://www.musikverein.at/だったので、会員限定のウィーン・フィル定期演奏会と違って一般売りが8月3日に開始された。ほぼ開始時刻の現地時間朝9時にウェブ予約をおこなったが、残席は少なくGalerie Links- Row: 4, Seat:3 という3階席が€65(7,480円)で確保できた。

次に、確保できたのは、公演の2週間ほど前から一般に売り出された9月24日(土)のウィーンフィル第一回定期演奏会の立ち見席券 €5(570円)と、同じくウィーン・フィル主催の9月26日(月)の第1回ソワレ・コンサートの立ち見席券 €5(570円)だった。
この立ち見席券は、現地で座る席のチケットが入手できなかったときのために念のため確保しておいたものだ。

 ウィーンに着いた翌日の9月22日は朝から、コンサート・チケット確保のために動いた。まず、オペラ座脇にある Goethegasse 1 番地の国立劇場連盟http://www.bundestheater.at/に行き、オペラ座http://www.wiener-staatsoper.at/で9月28日(水)に行われる人気テノール歌手Juan Diego Florezのソロ・コンサートのチケットを探したが、売り切れとのこと。そこで、劇場連盟の並びにあるプレイガイドを兼ねた旅行会社Elite Tours http://www.elitetours.at/index1.phpに行き、ソロ・コンサートのチケットとのチケットがプレミアム付きで売り出されているのを確認だけしてKärntner Ring 12にあるウィーン・フィルのチケット窓口へ向かった。
 ここで、9月26日のウィーン・フィルのBalkon Mitte Links - Row: 6, Seat: 4という2階席チケットが€53(6,087円)で確保、親切なことに念のため確保しておいた立ち見席のチケットも現金で払い戻してもらえた。残念ながら24日のチケットは入手できなかった。

この後、博物館地区(MuseumsQuartier)にあるトーンキュンストラー・管弦楽団のチケット窓口へ向かい、9月29日(木)に楽友協会で行われるの佐渡裕氏指揮のLieben Sie Bernstein?と題した特別コンサートのチケットを購入。Balkon Mitte Rechts - Row: 1, Seat: 11という2階席チケットが€20(2,296円)だった。


9月24日のウィーン・フィルの座る席は、前日にプレイガイドElite Toursで購入。Balkon-Loge Rechts - Row: 2, Seat:2という額面€38の2階席チケットが手数料€17が加算されて計€55(6,322円)だった。念のために押さえていた立ち見席券は、ちょうどウィーンを訪れていた友人の友達に差し上げることができた。

 ギリギリまで入手できなかった9月28日のJuan Diego Florezソロ・コンサートのチケットは、前日に劇場連盟を再訪すると、舞台が少々見づらいGalerie Halbmitte Rechts - Row: 3, Seat:14の席が€19(2,165円)で入手できた。

ウィーンで鑑賞したコンサートの概要は以下の通り、

○9月23日19:30 Musikverein: GS. Zubin Mehta Wiener Philharmoniker Mozart: Ouvertüre "Don Giovanni", Debussy:La Mer, Schubert: Symphonie Nr. 8 "Große"
○9月24日15:00 Musikverein: GS. Zubin Mehta, Wiener Philharmoniker Brahms: Klavier Konzert Nr. 1(Buchbinder), Debussy: La Mer, Ravel: La Valse
○9月26日19:30 Musikverein: GS. Zubin Mehta, Wiener Philharmoniker Mozart: Symphonie Nr.36“Linzer“, Bruckner: Symphonie Nr. 7
○9月28日20:00 Staatsoper Solistenkonzert Tenor, Juan Diego Florez Donizetti: Una furtiva lagrima etc.
○9月29日15:30 Musikverein: GS. Tonkünstler Orchester Yutaka Sado "Lieben Sie Bernstein?"
Leonard Bernstein: Symphonic Dances from the Musical «West Side Story»


 コンサート以外のウィーンでのイヴェントは、例年の通り。ウィーン在住の友人たちとウィーンの森のホイリゲ(ワイン居酒屋)と旧市街の地下深くにあるワインケラーを尋ねた。

 9月25日(日)は、ドナウの本流を見下ろすKahlenbergの丘から葡萄畑の真ん中にある行きつけのホイリゲ(ワイン居酒屋)Hirt http://heuriger-hirt.at/に向かう。ここで、友人5人と合流。ウィーンならではの1/4リットルのジョッキーでちょうど時期のSturm(濁り酒)やワインの新酒を好物のウィーン風ハンバーグや肉まんじゅう、野菜のパイ焼きなどつまみと一緒に味わう。この日は好天に恵まれ、日曜日であることもあって、このホイリゲや周辺に新しくできた野外の臨時ホイリゲも大賑わいだった。

 9月27日(火)の夜は、友人たちと地下深いワイン酒場Zwölf Apostelkeller(12使徒ケラー) http://www.zwoelf-apostelkeller.at/で飲み会。16世紀のバロック建築の地下が4層になっており、ローマ時代の城壁や井戸の跡も残っている。
 ウィーンのワイン酒場の常で、ここでは1/4リットルのジョッキーでワインを飲むことになる。1/4 で3.9 Euroから、ボトルでとっても17.9 Euroからと値段は手頃。ツマミには名物のとろけるような牛タンのハムに西洋わさびを添えたもの(Zunge mit Kren 7.2)や卵入りのお団子をスライスして炒めサラダを添えたもの(Eiernockerln mit grünem Salat 8.7)、野菜の重ね焼きGemüsestrudel 8.9)などがある。

 今回は、昔よく通ったウィーン大学近くのMelker Stiftskeller http://www.melkerstiftskeller.at/index-en.htmlにも9月22日にひとりで10年ぶりに顔を出した。チロル風のポテトとベーコンなどを炒めた料理(Tiroler Gröstl mit Krautsalat )、ミックスサラダ(Gemischter Blattsalat)をツマミにWiener Gemischter Satz DAC Mitterberg 2015, Weingut Kroiss, Wien Sieveringのワイン(1/4 €7,80)を2杯飲んだ。

 ウィーンからブダペストへの移動日が近づくと、ウィーンを代表するデリカテッセンJulius Meinl http://www.meinlamgraben.at/page.aspxやスーパーBilla https://www.billa.at/で食材を中心としたショッピングに回る。グラーシュやウィーン風ハンバーグの素、トリュッフやラクダのミルクを使ったチョコレートなどを買い込んだ。

 ほかにも、新刊本とCDのディスカウント・ショップHintermayer http://www.hintermayer.at/ で、オペラやオペレッタのCD、歴史書マーラーの書簡集、フィレンツェの古写真集などを購入。このチェーンの会員カードを持っているのでさらに3%引きとなった。

ここ数年のウィーンでの日課は、拙著「ウィーン旅の雑学ノート」を元にしたヴィジュアル・ガイド「ウィーン旧市街 とっておきの散歩道」の増刷改訂のための追加取材だった。幸い、今年の6月末に出た増刷を持って絶版となることがほぼ決まったので、その作業もようやくお役ご免となった。初版の2008年から8年以上経つと、ウィーンの旧市街自体が変貌を遂げてしまい、パッチワークの改訂作業ではとても追いつけなくなったことが絶版の主な理由だ。老舗があったところに、ZaraH&Mなどのファストファッションやスターバック、マクドナルドなどのファストフードの店が入れ替わり、スーパーなどもドイツ資本に変わっていくといったぐあいで、個性豊かだったウィーンの旧市街の面影は急速に失われてきている。






ウィーン 旅の雑学ノート―ハプスブルクの迷宮を極める

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ウィーン旧市街 とっておきの散歩道 (地球の歩き方GEM STONE)

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