以前、「長年探し続けて見つからなかった曲が10曲ほど有ったが、インターネットのおかげで9曲まで音源を見つけ出し、どうしても分からない最後の一曲がJazz Beginというアルバムに納められていたEternal Peace という曲だった」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20150222という記事を当欄で書いたが、もう1枚捜していたCDがあったのを忘れていた。
映画『ゴッドファーザー』でドン・コルレオーネ夫人を演じたシシリー系アメリカ人モーガナ・キングのジャズの名盤『ウィズ・ア・テイスト・オブ・ハニー』(1964年)のCDだ。
実は、このLPレコード盤は1970年代前半に東京の小石川図書館で借り出してオープンリールテープにダビングし、その後、オープンからカセット、さらにCD-Rへとダビングを重ねに重ねたものが手元にあったので、聴けないわけではなかったのだが、ときおりCDの再版が出ないかとamazonでチェックはしていた。しかし、amazonの検索結果に出てきたのはアメリカで売られていた中古CDで1万5千円ほどもした。そこで、気長に再版を待つことにしていたら、先々週amazonが私の検索結果の解析を元に、新譜の案内として3月22日に、新譜『ウィズ・ア・テイスト・オブ・ハニー』が再版されたことを知らせてきた。価格は1,080 円という限定廉価版だ。
さっそく、注文して聴いてみたところ一番好きだった「レイジー・アフタヌーン」などが鮮明な音質で流れ出してきた。しかし、ダビングを重ねた手元のCD-Rの方が、声に退廃的な艶っぽさがのっていて捨てがたいものであることにも気づかされた。おそらく、ダビングのおかげで加わったワウ・フラッター(デジタル時代には死語か?)のせいもあるのだろう。
ちなみに、当時の小石川図書館でLPレコードの貸し出し証を作る際には、自宅で使っているLPプレイヤーのカートリッジを取り外して持って行き見せる必要があった。
1. ア・テイスト・オブ・ハニー
2. ファッシネイティング・リズム
3. コルコヴァード
4. プレリュード・トゥ・ア・キス
5. ザ・レディ・イズ・ア・トランプ
6. レイジー・アフタヌーン
7. アイ・ラヴ・パリ
8. ホエン・ザ・ワールド・ワズ・ヤング~ヤング・アンド・フーリッシュ
9. イージー・トゥ・ラヴ
この『ウィズ・ア・テイスト・オブ・ハニー』もLimited Edition(限定版)とあるので、この機会を逃せばまた数十年待たされることになったかもしれない。
同じように1968年に出たLP盤は持っていたものの、CD盤は20年以上待って1990年代半ばにやっと入手したサー・ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団のチャイコフスキー作曲の、弦楽六重奏曲ニ短調『フィレンツェの思い出』(弦楽合奏版)は、今では輸入盤でしか手に入らず、しかもamazonではそれすら購入できないようだ。
当欄関連過去記事:
「YouTubeで懐かしの名演を再追跡」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20150222
「旅心をかき立てる名曲の探し方」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060213
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