*[長崎日記]寒波や降雪があるものの春の兆しも

*[長崎日記]寒波や降雪があるものの春の兆しも

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開花を始めたミモザ

 2月の17日と18日には長崎にも寒波が襲来し、21センチの積雪があった1月9日ほどではないが雪も降った。山の中腹にあるわが家では18日昼の段階で5センチほどの積雪となった。

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雪化粧したオリーヴの木々

 寒波が来る前に甘夏の収穫を終えたが、塩害と裏作年に当たったため最終的に262個の収獲に留まった。2019年の823個、2020年の495個に比べれば大幅な収穫減だが、来年は期待できるだろう。

 3つの畝で育ったホースラディッシュ(西洋ワサビ)は、2つの畝の収穫を終え、その跡を耕してコンポストで作った栄養豊かな土などを加えてジャガイモ用の3つの畝を造成し、その内の2つにデジマ種の種芋を植え付けた。もうひとつの畝には近々、メイクィーン種の種芋を植え付ける予定だ。
 ホースラディッシュの残る1つの畝は、土中保存で収獲を先延ばしにするとともに、一部をそのまま残して新たな葉を付けて、より大きな地下茎が育つのを待つつもりだ。
 ホースラディッシュはすでに150本以上の収獲が出来たが、その脇根などを、新たな2つの畝に植え付けた。生命力が強いので4センチほどの長さの脇根を3センチほど土に埋めれば、水や肥料を与えなくても育ってくれる。

 2月の後半は急に暖かくなり、庭にも春の兆しが見られるようになった。雪を被っていたボケの花や椿も満開になり、アーモンドや桃のつぼみもほころび始めた。例年は3月中旬に満開になるミモザもすでに鮮やかな黄色い花をつけており、例年より1週間ほど早く満開になりそうだ。
 冬の間に雑草に覆われていた4カ所ほどの花壇も、雑草を抜いて、新たな土を入れ、歩いて30分ほどにあるホームセンターで買ってきた15鉢ほどの花苗を植えたが、これでは不足。さらに、追加で購入に行く必要がありそうだ。ホームセンターまでの小径は、港を眺めながらの絶好のピクニックコースでもあるので、苦にはならない。もっとも、帰りは荷物があるためバスを利用することになるのだが。

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ホームセンターで購入した花苗

 春になれば、庭仕事の日課となるのが庭の芝生や花、野菜、ハーブ、果樹などへの水撒き作業だ。わが家は、屋根に降る雨水をV字溝から地下に埋設した1トンのタンクに貯め、モーターで庭に散水できる仕組みを家の建築時に作っておいた。タンクは日本製に適当なものがなかったのでドイツ製を使うことになった。

 家庭菜園を広げたせいもあって、それだけでは快晴の続く夏は4日ほどしか保たなくなった。そこで、もうひとつ0.5トンの補助タンクを追加し、そこにも雨水が貯まるようにした。さらに、そこから溢れる雨水は150リットルの容量のある農作物の洗浄用水桶2つに貯まるように改造した。そのおかげで、昨年は、雨水タンクが枯渇して真水を庭に撒いたのは3回だけで済んだ。

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埋設前の雨水タンク

 水と言えば、先日NHKのドキュメンタリー番組でバーチャルウォーターという概念が紹介されていた。バーチャルウォーターとは、食料を輸入し消費している国において、輸入した食料を自国で生産すると仮定したときに必要と推定される水のことだそうだ。言い換えれば、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していると考えられる。

 その番組では、南アフリカのワイン1本を日本で消費すると650リットルのバーチャルウォーターが必要とされると紹介されていた。牛肉1キロはナント20トンのバーチャルウォーターが必要とか。興味のある人は、環境省バーチャルウォーターのページ https://www.env.go.jp/water/virtual_water/index.htmlを覗いてみるとよい。「バーチャルウォーター量自動計算機」や「Web漫画」のページもある。

 今後、人口の増加や異常気象などで世界的な水不足が深刻になることは必至。わが家でも雨水の活用にさらに励むとともに、フード・マイレージhttps://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/goudou/06/pdf/data2.pdfバーチャルウォーターに思いを馳せながら貴重な輸入食料やワインを味わうことにしよう。


 前回、日本での新型コロナウイルス感染者増加に伴い「EUは1月28日、日本からの渡航を原則禁止すると発表」した旨を書いたが。オーストリアやスイスなど各国の観光局や大使館のホームページを見ると、日本から観光客が訪れることが実質上できなくなっていることが分かる。2月以降、欧米での変異ウィルス陽性者が増加していることを考えれば、訪日客への規制もさらに厳しくなるだろう。オリンピックを強行すれば、“アジア大会”化する恐れもありそうだ。

 今年の秋こそ、恒例となっていた「ウィーンを中心とする音楽鑑賞旅行」を復活するつもりだったが、ここにきて雲行きが怪しくなってきた。たとえ、日本からの観光客の受け入れが制度上可能になっても、健康パスポートや事前の電子入国申請、旅行者向けスマートフォン・アプリの義務化、音楽鑑賞等の入場制限、航空機などの安全円滑な運航に対する懸念など様々な乗り越えるべきハードルが出てきそうだ。

 

 そこで、ステイ・ホームの音楽鑑賞を充実させようと、14年前に買い換えてからそのままの少々時代遅れなオーディオ・システムをリニューアルするための準備勉強を始めている。ストリーミングとハイレゾへの対応などデジタル化を進めたいのだが、なぜか、アナログ人間に優しい製品が見当たらないので躊躇している。ちょっと魅力的と思われる製品はほとんどが海外製品で、かつてのオーディオ王国Japanの製品が見当たらないのが実に寂しい。

 ステイ・ホームのおかげで、過去にハードディスクやDVDに撮りだめしていた音楽番組や歴史ドラマを消化する時間ができて、思いがけない発見がある。

 たとえば、スカパーのクラシカ・ジャパン(コロナ禍の影響で廃局となってしまった)で放映した、ナチ強制収容所から生還した108歳の女性ピアニスト、アリス・ソマー・ヘルズさんのドキュメントでは、マーラー作曲「復活」の演奏会の後、「母の友達であるマーラーカフカと直接話をした」という証言があった。
 また、BS12の連続ドラマ「Vienna Blood」(Wiener Blut ウィーン気質 ?)では、ウィーンの社交界の集まりで、マーラーがピアノ伴奏する「さすらう若人の歌」のシーンがあった。

 マーラーと言えば、チェコの友人https://picmoch.hatenablog.com/から思いがけないプレゼントが送られてきた。マーラーのお父さんベルンハルトが発明したというリキュールMahlerovka https://www.mahlerovka.cz/だ。確か1974年のケン・ラッセルの映画「マーラー」では、ベルンハルトは井戸水でワインを薄める強欲な商売人として描かれていたのだが。

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ボヘミア カリシュト村のマーラーの生家

 歴史ドラマでは、「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~」 https://www.ch-ginga.jp/feature/ottoman/や「大明皇妃 Empress of the Ming」https://kandera.jp/sp/daimin/ロシア皇帝エカテリーナ2世の生涯を描いたドラマではロシア製作の「エカテリーナ」https://www.ch-ginga.jp/feature/ekaterina/アメリカ製作の「THE GREAT エカチェリーナの時々真実の物語」https://www.superdramatv.com/lineup/SNN000004741.htmlなどをよく視ている。

 当ブログで何度となく書いたが、旅行に出るときは、「世界歴史地図や年表を持参すると、地理軸を旅する楽しみに、時間軸を旅する面白さが加わり、旅する喜びが倍加する」 https://europedia.hatenablog.com/entry/20041221/p1。ステイ・ホームでの歴史ドラマやドキュメンタリーの鑑賞でも歴史地図などが手元にあれば、より興味が深まる。歴史地図などがなくても、今は、インターネットで詳細な歴史地図や史跡の解説ページを見ることも簡単だ。上記のドラマにはファンが作ったブログやSNSもあり、ドラマの現場を訪れた体験記、ドラマ作成の裏話やゴシップまで知ることが出来る。

 ステイ・ホームのおかげで、もうひとつ再発見したのは旅先で買い集めて寝かせたままになっていたた本だ。歴史書や地図、写真集、現地で出ているガイドブックなどもテレビのドラマや旅番組を見るときに引っ張り出してくるが、一番役立っているのは各国・地方の「料理本」だ。昔は、訪れたレストランが日本語で店のレシピ本を出版しているケースも少なくなかった。
 魚介類が美味しい長崎に住んでいることもあり、シチリア料理や南仏料理など、いわゆる地中海料理を見よう見まねで作ることも多い。昔、住んでいたウィーンで覚えたオーストリアハンガリー、スイスなどの料理は、わが家でパーティーを開くときの定番だ。
 ちなみに、今宵は、庭のシャンツァイをつかったタイ風海鮮米麺焼きそば(パッタイ)がメインとなる予定だ。


ASIN:B0000859V1:DETAIL 巨人

 

■今日のブックマーク&記事■

 

□「WaTrip」https://wa-trip.com/ 株式会社Torchが運営する内外のオンライン旅行ツアーやオンライン・コンサートなどが検索できるサイト。
Bloomberg

 

Bloomberg 2月8日記事「世界の空が再びつながるのは2023年以降、ワクチンに過剰な期待は禁物」
  https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-07/QO1YXPDWLU6801

 

JTB総合研究所 2月16日更新 研究レポート
新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化と旅行に関する意識調査(2021年1月実施)」
https://www.tourism.jp/tourism-database/survey/2021/02/covid19-tourism-202102/

 

JR東海「ずらし旅」
https://recommend.jr-central.co.jp/zurashi-tabi/zurashi-activity/
JR東海が、時間や場所、旅先での移動手段、行動など、定番から“ちょっとずらした”旅の楽しみ、感染予防および拡大防止の対策に配慮した「選べる体験」を提案。

 

□旅行メディアTRAICY 2月20日記事
オーストリア航空、東京/成田〜ウィーン線再開へ 3月29日から週2便
https://www.traicy.com/posts/20210220199877/?fbclid=IwAR1wBUx68kq9buRyfSzYEe37mrIpq8OmeXHphYsQ5M2xvvZn0_LcP8S_tOU
 ■予定ダイヤ 機材はボーイング777-200型機を使用
  OS52 東京/成田(11:05)〜ウィーン(16:05)/水・土
  OS51 ウィーン(13:20)〜東京/成田(07:25)/月・木

 

□FlyTeam ニュース 新路線・増減便・運休(スケジュール)
https://flyteam.jp/news/flight