*[長崎日記]平年より20日早い梅雨入りと家庭菜園

*[長崎日記]平年より20日早い梅雨入りと家庭菜園

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枇杷に絡まるタチアオイ

 ブログの[長崎日記]を書くときには、毎日ワープロで書いている「園芸日記」を参考にしている。2013年の3月から書き始めたもので、最初は、庭の手入れに関する備忘録的なものだった。天候、雑草や芝生の刈り込み、防虫剤の散布、施肥の状況、畝作りと種蒔きや苗の植え付け、果樹や野菜・ハーブなどの成長記録と収穫作業、水撒き作業と雨水タンクの貯水量、園芸器具の購入や修理状況といったこと を書き込んでいた。
 現在は、どこに出かけたか、誰が来訪したかといったことから、夕食のメニューと飲んだワインなどの種類と量、グルテンフリーのパン焼きや洗濯、清掃といった家事に関することも追加している。
 また、コロナが発生してからは、体重や体温、ときには血中酸素飽和度まで書き込んでいる。もし、新型コロナ感染という事態になったら、過去の体調や行動記録は役立つだろう。
 健康状態に関しては、かかりつけ医のすすめもあって、以前から、朝晩血圧と脈拍を測り、パソコンに取り込んでおり、必要があればかかりつけ医が遠隔で見ることもできる。

 この「園芸日記」を振り返ると、9年間ほどの間の気候変動や蜂や昆虫など家庭菜園に役立つ生きものの数の変化などがよく分かる。また、果樹などの作物の裏作や気候変動の影響のパターンの把握にも役立つ。

 気候変動といえば、長崎県などを含む九州北部地方の梅雨入りは、5月15日で、平年より20日、昨年より27日早い。1951年の統計開始以降、54年5月13日に次ぐ過去2番目に早い梅雨入りとなった。
 暖冬気味だったことや早い梅雨入りのせいか、立葵タチアオイ)などの庭の花の開花も例年より半月ほど早かった。また、庭のレタスやルッコラなどの葉ものの虫による被害も例年になく激しく、虫に強いとされるバジルまで今年は被害にあっている。
 対策として虫がつきにくい砂利やコンクリートの上に余っていた大型のプランターを3つ移動し、土を入れ替えて油粕や腐葉土を混ぜ、しばらく養生してからベビーリーフやバジルなどを種播きする予定だ。ひと月前に、砂利の上に移動したプランターにカラフル・パプリカの種を播いたが、こちらは今のところ虫の被害にもあわず、順調に育っている。

 気候変動や生態系の変化のためか、3月頃に例年になく多くの花を咲かせていたレモンの木が、気がついてみるといったん花芽から結実し始めたものの多くが落果していた。この年末の収穫も例年並みの20個前後に留まりそうだ。


 例年5月の庭は、一年で最も花々が賑わう。今年も、タチアオイや薔薇、花水木、アジサイ、アマリリスなどが咲き誇っている。立葵は、去年の倍の40カ所ほどから立ち上がっており、今年は港側の一段低い位置にある庭に移植した1本の立葵も、一時風に倒されたものの、今は支柱に支えられて花を咲かせ続けている。この花から種が飛び、来年は複数の花が立ち上がり、道行く人の目を楽しませることを期待している。
 港側では、3年前に苗木を植えたフランス生まれの「ポール・マッカートニー」種の薔薇が高さ1メートル半ほどに大きく育っている。

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アジサイ

 5月初めには、15本のオリーヴの樹も細かな白い花吹雪を庭に撒き散らした。5年前に植え替えた異なる種類のオリーヴも花を咲かせてたので、今年こそは最初の植樹から9年目にして初めて本格的なオリーヴの実の収獲を期待している。

 虫や小動物の被害を被っている家庭菜園だが、二十日大根やシャンツァイ、キュウリ、ディル、イタリアン・パセリなどは今でも収獲が出来ている。
キュウリは、既存の畝に加えて新たに3メートル×1.5メートルの蔓植物用ネットを張った畝に、キュウリの苗を植え付け、さらにその隙間にキュウリの種蒔きをした。畝の手前には、小動物からの被害防止のためソーラーランプを設置しておいた。すでに1日2本の収穫ペースだが、来週には、既存の畝と合わせて1日10本近くの怒濤のキュウリ・ラッシュとなりそうだ。

 港側の庭には、休耕中のキュウリ用のネットを張った畝が余っていたが、昨日友人から頂戴した貴重なひょうたん型カボチャの苗を植え付けるため、整備をしているところだ。このカボチャは驚異的な成長力があるようで今から楽しみだ。

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新たに作ったキュウリの畝とネット

 前に、収獲もれのホースラディッシュが大きく葉を開いてきたと書いたが、3月に細い脇根を3つの畝に埋めておいたものからも葉が伸びて50~60cmの高さになっている。新旧の競演で裏庭の畑でもっとも目立つ作物となっている。来年は300本以上の収獲が出来そうだ。なお、わざと収穫しなかった1つの畝からは、必要に応じて少しずつ収穫している。“3年物”なので、かなり大きく、地中から掘り出すのにひと苦労だ。

 2月下旬に植えた、3畝のジャガイモ畑からも収獲が始まっているが、実は私自身はジャガイモアレルギーなので、これはもっぱら友人たちへのプレゼントとなっている。
 なぜ、食べられもしないジャガイモを毎年栽培し続けているかというと、理由がある。1970年代に、ポーランドの友人を訪ねたところ、その父上から「日本は今は繁栄を謳歌しているかも知れないが、危機は突然やってくるものだ。いざというときの食糧難に備えてジャガイモの育て方だけは覚えておくと良い。ポーランドが第二次大戦を始め度重なる戦乱にもかかわらず餓死者が少なかったのは、ジャガイモを貯えていたからだ」と諭されたからだ。
 この父君は、ポーランド陸軍では伝説的な存在だった。戦時中は、自由ポーランド軍(国内軍)の指揮官として活躍し、ソ連の影響下の戦後は、前歴を隠して陸軍大学に入り直し、ふたたび将軍となったという人物だった。戦後のポーランド陸軍の将官は前歴を知っていたが、誰も密告しなかったそうだ。

 さて、果樹の方も、枇杷、垂れ桃やジュンベリー、アーモンドの実が収穫できた。いずれも自分では使い切れず、友人たちに収穫を手伝ってもらい提供した。
 4本の木の枇杷はとくに大豊作で、ジャム作りにも使ったが、もったいないことに収穫しきれず、鳥のエサとして無償提供している。

 これからの季節に期待できる花は、毎年、通りに面したフェンス沿いに植えている200本ほどのロシア・ヒマワリだ。昨年同様5月8日に、種蒔きを済ませ、すでに20cmほどの高さに育っている。去年のように台風や虫の被害に遭わなければ7月末には、2メートルの高さのヒマワリ並木が出現するはずだ。

 ロシア・ヒマワリは、去年の落とし種から芽を出しているものもあり、こちらは40cmほどの高さになっている。
 落とし種からの花ではコスモスも港側の庭一面に育ち上がってきており、早くも花開いているものもある。実は、落とし種からの開花が少ないのではと思い、コスモスの混合種100mlを調達して5月4日に撒いたのだが、嬉しい誤算で落とし種と競い合って一斉に40cm前後の高さに伸びてきている。おかげで、他の雑草を草刈り機で処理することが出来なくなり、いちいち手で引き抜かなくてはならなくなった。

 雑草といえば、夏は機械を使ってもとても1人では処理しきれない。そこで、毎年、6~9月の期間はシルバー人材センターにお願いして15日ごとに草刈りをしてもらっている。なにしろ、夏の雑草は半月で20cm以上伸びるので、人手を借りなければ追いつけない。それでも60坪近い芝生の刈り込みは、電動芝刈り機で自分でしなければならない。以前にも書いたが、そろそろ“省力化ガーデン”とする方策を真剣に考えなければならない。

 当欄で12月に、この土地に昔から育っている、高さ2メートル、幅3メートルほどに広がった蘇鉄の木に雌花が開花し、その陰に淡いピンク色の実が隠れていたと書いたが、その種を数個収穫し、果肉を取って殻の一部を割った上でプランターに植え付けた。芽が出るまでに半年ほどかかるそうだ。発芽すれば、港の眺めの良い崖の上に地植えする予定だ。
 2年前にも、友人が奄美大島から持ち帰った蘇鉄の苗を植えていたのだが、長い間、成長が見られなかったが、ここに来て、急激に若枝を延ばし始め、今は、50cm以上の高さに伸びている。植木屋さんの話ではいったん伸び出すと恐ろしいほどの早さで葉が伸びるとのことだったので、防風林の一環となることを期待している。

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奄美大島から来た蘇鉄



 新型コロナの長崎県内の新規感染者はここ2週間ほど、ひと桁から10人台程度で推移しており、小康状態だ。しかし、長崎県独自の緊急事態宣言が長崎市に6月7日までの予定で発令中。市民への外出自粛要請や飲食店などの営業時間の短縮要請がされているほか、グラバー園や博物館、美術館ほかの観光施設、市立図書館などが閉鎖されている。
 緊急事態宣言がさらに延長される可能性もあるが、宣言中は、ひたすらステイ・ホームガーデンで、友人を招いてのワイン会も控えるようにしている。予定していた県内の温泉旅行も中止した。

 2019年まで12年連続で6月に石垣島シュノーケリングを楽しんでいたhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2019/07/26/112641が、沖縄県の感染状況を考えれば昨年に続いて中止せざるを得ない。現在、それに代わる県内のシュノーケリング・スポットを物色中だ。 

 また、2008年以降、2012年を除き2019年まで毎年、秋にヨーロッパ旅行に出かけていたhttps://europedia.hatenablog.com/entry/20121209/p1が、昨年に続き今年も諦めることになりそうだ。

 オーストリアの状況については、以前紹介した、はっぱさんがウイーンから発信している「たまにはオーストリアちっく パート3」http://happawien.jugem.jp/でチェックさせてもらっているが、5月19日からのロックダウン解除でコンサートやオペラ、オペレッタの公演も再開されたそうで、うらやましい限り。もっとも、ワクチン接種済みの証明(1回目から22日経過した後の)か、48時間有効の迅速抗原検査、72時間有効のPCR検査のいずれかの証明が入場の際に必要になるとのことなので、頻繁に検査を受けなければならないそうだ。

 私は、副反応に注意しなければならない既往症をたくさん抱えていることなどもあって、ワクチン接種は慎重にならざるを得ない。それに、現在進んでいるワクチン接種が、海外旅行に必要となるであろう国際的な“ワクチンパスポート”につながるかどうか不透明なので、渡航が可能になったときに接種を再考した方が良いとも考えている。
 ネット上でそろそろ“コロナ禍での渡航体験記”が出てきているので、それらのレポートをじっくりと拝見させてもらうつもりだ。

 前回、8Kテレビやデジタル・サラウンド音響、ハイレゾ・ストリーミング、8K対応のNetflixAmazonビデオといった動画ストリーミングサービスなどについてふれたが、そのような先進技術を使った音楽鑑賞も魅力だが、当面は、過去に録り貯めたVHSテープやハードディスクの音楽番組録画、1600枚ほどのCD、1000枚ほどのDVD、1000本あまりあるカセットテープを聴いて、ステイ・ホームの時間をしのごうと思っている。

 当欄の「旅の思い出を甦らせる音のアルバム」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051206でも書かせてもらったが、保存しているカセットテープで最も古いものは、半世紀近く前の1974年に生まれて初めての海外旅行でヨーロッパを一周したとき、世界最初のポータブルカセット録音機といわれるアイワの録音機能付きラジカセで録ったものだ。ヨーロッパ横断特急(TEE )のアナウンスやスペインのフラメンコ酒場の音、各地の大道芸などの音を自宅のステレオで今、再生してみてもほとんど劣化を感じさせず、実に生々しく旅を思い出させてくれる。

 そう言えば、先日テレビのモーニングショーで未開封のメタル・カセットテープが1本3000円以上の高値で取引されていると報じられていた。メタル・カセットテープは現在、世界中で生産中止となっているからだそうだ。わが家のカセット棚からは5本ほどの未開封が見つかり、一番安いものはナント1本100円の値札がついていた。倉庫を探してみたら、さらに何本か未開封が出てくるはず。カセット時代の良き思い出と共に永久保存するつもりだ。

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メタル・カセットテープ



■今日のブックマーク&記事■

□Business Travel News Europe 記事
   TRVLWIRE https://trvlwire.jp/ の記事より紹介。
“Europe's transport ministers OK long-distance high-speed rail The new TEE 2.0 services”
(欧州、高速鉄道網を大幅拡充へ、「TEE」復活、3段階で長距離路線を導入) https://www.businesstravelnewseurope.com/Ground-Transport/Europe-s-transport-ministers-OK-long-distance-high-speed-rail

□TRAICY 5月26日記事“デジタル渡航認証「IATAトラベルパス」、実際に使ってみた”
https://www.traicy.com/posts/20210526210244/