大雨による石垣損壊の改修工事を開始

*[長崎日記]大雨による石垣損壊の改修工事を開始
 

               

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小型油圧ショベルを使った準備作業

 前回報告したように、8月11日から16日まで続いた長崎の記録的な大雨で、裏庭のフェンス際の地面が50cm以上陥没し、わが家の石垣が、隣家にせり出しご迷惑をかける事態となっていた。
  小学校の友人たちの協力で、角材やコンパネと呼ばれる合板、厚手のブルーシートなどで損壊部分を保護し、雨水が陥没部分に流れ込まないようにする応急処置をとっていたので、9月17日の台風14号の最接近時にも、さらなる被害はなかった。

  明治時代末期に作られたと思われるその石垣を撤去し、幅14メートル、高さ3メートルの間知石擁壁と呼ばれるコンクリート造りの壁を新たに設ける工事が10月1日から始まる。わが家は車道に面していないため大型機械を運び込むことが出来ず、小型の油圧ショベルユンボ)を3台使うことになった。また、コンクリートブロックなどの重い資材もゴムのキャタピラ付きの小型運搬車を使うしかない。そのため、工期も2ヶ月半ほどかかる予定。順調にいけば、工事を完了して新たな年を迎えられそうだ。

  工事開始に先だって、4メートル以上に育っていた桜の木や甘夏の木2本、ジュンベリーの木1本、オリーヴの樹の一部、豆類の畑などを除去したり、掘削のためのスペースを作る準備作業が始まった。裏庭が少々寂しくなったが、幸いなことに、今年から本格的に実を結び始めたシークァーサーは、実を収穫した上で、移植することが出来た。

  この夏の異常な大雨は、将来も発生する可能性があるので、今回の損壊部分以外の庭にも透水管やU字溝などを設け、異常気象多発の時代に備える予定だ。

             

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今年の3月の桜 

  一段低い港側の庭も、撤去する石垣や土砂の置き場となるため、だいぶ様相が変わることになる。12本ああるオリーヴの樹のうち、南側の6本は、周囲に土を盛ることになるため、根の部分に60センチほどの高さのガードを巻き、その内側にパーライトと呼ばれるガラス質の火山岩から作られる人工用土を充填し通気性を確保することになる。                                                   
  この季節、港側の庭では、赤や黄色の彼岸花が自生し、これからは落とし種から育ち上がったコスモスも庭一面で開花し始める。その姿も、港側の庭の南側半分では来年から見られなくなるだろう。
               

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庭に自生する彼岸花


  さて、ホームガーデンの方は、現在、収穫できているのはバジル、パセリ、ホースラディッシュ、イチジクぐらいだ。
  2メートル四方のハーブガーデンでは、雑草を抜いて、さらに土をふるいにかけ、細かな根を除去し、油粕や有機石灰、腐葉土などを加えて、9月8日にレタス・サラダミックス、サラダ菜、紅白はつか大根、バジル、コリアンダーを種蒔きし、現在は順調に芽を伸ばしているので、10月中には収穫を始められそうだ。


 当欄「忘れられた天才画家、いま甦る 岡山聖虚の聖母子画展」 https://europedia.hatenablog.com/entry/2018/12/29/170753 でふれた「聖母マリアと幼子キリスト」を描いた掛け軸は、2019年6月に長崎市にあるイエズス会が運営する日本二十六聖人記念館 http://www.26martyrs.com/に寄贈したが、シミや汚れ、ほこりの付着などが有り、二十六聖人記念館の方で修復し、額装の上、再度公開されたとのことだ。記念館のフェイスブックにその旨の紹介記事https://www.facebook.com/26martyrs/posts/4211669935547879もあった。

 9月25日に早速、拝見してきた。わが家の倉庫に置いていた頃は、自転車の油が飛んだり、草刈り機の刃で傷つけるのではないかと不安だったが、これでひと安心だ。もっとも、その頃は、この掛け軸を描いた岡山聖虚画伯のことも、その代表作がヴァチカンに収められていることも知らなかったのだが。
                

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修復を終え額装された「聖母子画」

  当ブログの本来のメイン・テーマは、ブログ名Europediaが示すように、ヨーロッパ旅行に関するものだが、自由に海外旅行ができる日は、当分先のようだ。
  先日も、ドイツなど一部のヨーロッパの国が、日本からの旅行者に対する制限を強化するとの報道があった。また、日本政府が、帰国者等の隔離期間を短縮することを決めたと報じられたが、蓋を開けてみると「14日間の隔離が10日間になる」に過ぎないらしい。
  これでは、ヨーロッパへの個人旅行も団体パックも来夏以降からの本格スタートとなりそうだ。果たして、それまで海外を主とする旅行会社が持ちこたえられるのだろうか。また、いざ本格スタートとなっても永年培ってきた独自のスキルを持つ添乗員や現地ガイド、現地手配会社が職場復帰できるのだろうか。すでに異業種へ完全転職してしまった有能な人材も多いと聞いている。

  また、以前書いたが、航空会社の機材や航空路線、空港機能の“再起動”には、習熟訓練と安全確認も含め相当の時間を要するはずだ。

 長崎では、一時、「中国本土で来年の5月以降のクルーズ参加者募集が始まった」との報道に期待がふくらんだが、世界的なデルタ型の蔓延でそれもキャンセルされたようだ。

  もうひとつ心配なことがある。コロナ禍以前から停滞していた日本経済が、コロナ禍に伴う各種支援金や税などの減免措置というカンフル注射で延命していた実態が2年間超の“鎖国”が解除された後に、あからさまになり、実質賃金・可処分所得の大幅な低下に気づくことになりそうなことだ。欧米の旅行者物価の高騰もあって、旅行意欲が萎縮してしまうのではないかと危惧する。

  各国の旅行制限や緩和の最新情報は以前当欄で紹介した、旅行業界人向けの最新旅行メディア情報をクリッピングするメールサービス「Curated News for Tourism Professionals」が毎日レポートしてくれている。このメールサービスの内容を集積した“世界の旅行・観光産業の最新情報をいち早く日本にご紹介することを使命とする”ホームページ「TRVLWIRE(トラベルワイヤー)」https://trvlwire.jp/も公開されている。メールサービスの配信登録もここからできるが、バックナンバーを閲覧することもできる。最新のコラムには“「待機短縮も10日間」に怒り、根拠と緩和計画を-旅行観光産業の限界は近い”という記事があった。