*[長崎日記] “更地”の土中環境改善に取り組む

*[長崎日記] “更地”の土中環境改善に取り組む

             

新たに門前に植えたハイビスカス

 今月は、8月2日と25日に芝刈り作業をおこなった。本来なら夏場は2週間おきにおこなうのだが、雨が続いたこともあって間が空いてしまった。
 芝刈りは、電動で刃が回転するマキタの芝刈り機を使っているが、30坪ほどの雑草混じりの芝生を刈るのは、なかなかの重労働で、熱中症に注意しながら、休み休みおこなっている。25日の作業は熱中症注意報が出ていたこともあって、芝生の2/3ほどが日陰になる朝早くから正午前まで、1回の30分休憩を挟みながら一気に片付けてしまった。もっとも、朝早くといっても私の場合9時頃からなのだが。
   刈り取った芝生は今まで、燃えるゴミとして出していた。刈り取った芝生は、堆肥に変えるには時間がかかるためだ。しかし、雑草の割合も多くなったことからこの夏から堆肥置き場に積み上げて、昨夏の石垣工事で出た土と混ぜて、ジャガイモの土寄せなどに活用することにした。

   年々雑草に負けてきている芝生だが、2週間おきに刈り込むことを怠らなければ、わが家を見下ろす鍋冠山への遊歩道から眺めれば、雑草と悪戦苦闘している気配をまったく感じさせない立派な芝生に見えているようだ。

 いつもなら、朝の8時頃から庭の点検を兼ねてハーブや葉ものを摘んでガーデンサラダを用意し、自分で焼いた米パンとベーコンエッグ、それとその日の気分次第で選んだ何種類かの珈琲豆を挽いて淹れたコーヒーで1時間ほどかけてゆっくりと朝食をとるのだが、この日はチョコレートケーキを牛乳で流し込むという慌ただしい朝食とせざるを得なかった。

 

芝生とオリーヴ越しに港を臨む

   夏場は、芝生のほか、オリーヴや甘夏、シークァーサー、レモン、柚子、ブルーベリーなどの果樹、胡瓜、インゲン豆、レタスなどの野菜やハーブ類などにも肥料が必要となる。

   台所の生ゴミなどをコンポストに入れて太陽熱で発酵させて作る堆肥や、庭で刈り取った草、機械で粉砕した枯れたヒマワリなどを積み上げて作る緑肥、ホームセンターで購入する牛ふん堆肥や腐葉土、菜種油粕、有機石灰、木炭屑など有機肥料を極力使いたいと考えている。
   「土の中の水と空気の流れ」を大切にし、土中環境を整えていくためだ。とくに、昨夏の石垣工事で客土した庭の“更地”部分は、土壌を豊かにする細菌類やミミズなどの虫たちが未だ育ってくれていないようなので、刈った草や枯れ葉などを敷き詰め、牛ふん堆肥などを散布して、本来、自然の持つ土壌の豊かさを少しでも早く回復するようつとめている。 
   しかし、こちらの努力と知識の不足も有り、現状では化成肥料もある程度使わざるを得ない。とくに、ジャガイモなどの根菜類の栽培には欠かせないようだ。

  

   よくわかる土中環境 


   8月初めにホームセンターで、培養土や有機と化成の肥料類、洗剤やトイレットペーパーなどの日用雑貨をまとめて購入したのだが、その化成肥料の値上がりが凄まじかった。昨年と比べ5割以上値上がりしている。化成肥料は、窒素・リン酸・カリウムが主原料だが、その供給に障害が出ているためだ。念のためネット上の販売価格を調べてみると倍近くに値上がりしているものも多く見られるばかりか、“在庫切れ”の表示も目立つようになっていた。

 主な原因は、ウクライナにおける戦乱により、主原料である塩化カリウムと窒素肥料の主要供給国ロシア、ベラルーシウクライナからの調達が困難になったためだ。

   リン酸アンモニウムは、約9割を中国から輸入している日本だが、中国はすでに、昨年秋から国内向けを優先し、輸出を規制しており、価格が高騰している。

 また、ロシアのウクライナ侵攻なども一因である原油天然ガスの急激な値上がりも、化成肥料製造過程で必要なエネルギー価格を引き上げ、価格高騰に輪をかけている。

   価格が急騰しながらも調達がある程度出来ている日本はまだ良いが、戦乱のおかげで小麦などの食糧のほか、トウモロコシなどの飼料も買い負けしているアフリカなどの発展途上国では、肥料まで供給が絞られれば飢饉に繋がりかねない。

 ヨーロッパの「過去500年で最悪の」干ばつも心配だ。小麦などの農作物への影響のほか、水力発電や多量の水を要する原子力発電に影響し、ただでさえ不足しているエネルギー供給が危ぶまれる。
   1970年代にウィーンで暮らしていたとき、冬の寒さが身に応えたのを思い出す。ウィーン郊外で零下30度近くになったこともあった。アルバイトで大河歴史ドラマのモンゴル兵役のエキストラをつとめたとき、凍った湖に穴を開けて白い息を吐きながら魚釣りをやらされたこともある。
 子供の頃から肉は食べられなかったのだが、ウィーンの冬には肉を食べないと身体の潤滑油が不足するようで、ウィナー・シュニッツエル、ターフェルシュピッツなどの肉料理を好んで食べるようになった。
 確か、オーストリアでは、10月~4月までの間は暖房のない部屋を貸すことは法律で禁じられていたはずだ。日本では天然ガスや電力の不足はインフレを引き起こす価格高騰に焦点を当てて報道されているが、ヨーロッパでは文字通りの死活問題なのだ。

   ヨーロッパでの暖房は温水を使ったセントラル式暖房が主流だが、この温水暖房に日本の得意芸でもあるエコキュートなど大気の熱を利用した「ヒートポンプ式暖房」を活用しようとする動きがあるようだ。ヨーロッパ各国で低炭素社会実現への取り組みの一環として再生可能エネルギーと見なされる「ヒートポンプ式暖房」への移行が促進されている。
 長崎のわが家も、風呂やキッチンなどで使う温水はエコキュート太陽熱温水器の併用で作り出している。床暖房にもエコキュートを使っているが、東京で使っていたガス床暖房に比べて温度が低い。
 ヨーロッパでは寒冷地向けの「ヒートポンプ式暖房」の開発が進んでいるようだが、もともとヒートポンプには電気などの稼働エネルギー源が必要なので、いかほどのエネルギー節約になるのだろうか?

 

               

収穫期を迎えたイチジク

 さて、我が家の家庭菜園では、現在、キュウリ、レタス・サラダミックス、サニーレタス、イチジク、シークァーサー、パセリ、バジルなどが収獲できている。
  来月からは、インゲンなどの豆類やニンジン、オリーヴの収獲も見込めそうだ。

   バジルは、隣接して植える野菜などへの防虫効果もあるというので、今年は例年の3倍ほど植え付けたので、大豊作だ。毎朝のサラダに多めに加えたり、松の実やオリーブオイル、チーズなどを加えてジェノヴェーゼソースにしたり、タイ風焼きそばなどのアジア料理に活用しているが、とても消化しきれず、友人たちには“勝手取り放題”を宣言して協力してもらっている。市販のものより香りと味が濃いと評判は上々だ。

 調べてみると、バジルには強い抗酸化・抗ウィルス・抗微生物・抗菌抗炎症作用があるそうだ。栄養面では、血液の凝固を助ける成分を生成するのに必要なビタミンKが豊富で、ビタミンA、ビタミンE、カルシウム、ミネラル、鉄分、葉酸などの栄養素も含まれているそうだ。勝手に、コロナの予防にもなるだろうと期待している。

 なお、バジルは花を咲かせてしまうと、葉が硬くなってしまうので、この時期は摘心という作業が欠かせない。今までは、葉を柔らかく維持するために、経験則で花芽の下部から摘み取っていたが、調べてみると花芽から2節ぐらい下からカットするべきだと知った。そうすれば、下の葉が新たに伸びて収穫量もあがるのだそうだ。それがわかって、一度にハサミで摘心して回ったが、おかげで手首を痛めてしまった。

 

          

コスモスとバジル畑

 庭の各所に植えているバジルのおかげか、今年は庭仕事中に蚊に刺されることはほとんどない。これも調べてみると、わが家のバジル効果だけでなく全国的な傾向のようだ。
   蚊が活発に活動するのは、気温が26度~32度の間で、35度を超えると蚊が活動しなくなるそうだ。
   長崎は海洋性気候のお陰で、福岡や佐賀の内陸部に比べ2~3度気温が低く、最高気温が35度を超えることはほとんどない。ただ、33度に達することはときどきあった。また、陽射しも内陸部より強い気がする。

   そう言えば、わが家には地下の1.5トンの雨水タンクのほか、大きな野菜洗い用の水桶やポリバケツにも雨水をためているが、例年なら1週間も放っておくと、蚊の幼虫であるボウフラが湧き出すのだが、今年はその気配が見られない。
   なお、例年なら夏に雨水タンクが枯渇して数回は真水を家庭菜園や甘夏ミカンなどの果樹、芝生に撒くのだが、今年は今のところ1回だけで済んでいる。1週間以上雨がまったく降らないということがほとんどないお陰だ。

      

甘夏の収獲は1月だが、すでに実は大きい


   暑さと言えば、7月末に、追加でサニーレタス、レタス・サラダミックス、二十日大根、丸オクラなどの種蒔きをしたが、猛暑のせいかまったく発芽が見られない。さらに追加で種蒔きしようと思っていた、オクラなどの秋野菜作りも見送っている。
   その代わり、昨夏の工事で出来た“更地”の南側に3メートル強の長さの畝を2本作り、有機石灰、牛ふん、油粕を加えて養生し、例年より早い9月初めにジャガイモの種芋を植え付ける予定だ。
 収獲に時間差を設けるために、昔からあるブロックで囲まれた2メートル四方のハーブガーデンや港側の8メートルほどの長さの畝にも9月後半にはジャガイモの植え付けをするつもりだ。
   ジャガイモに関しては、例年の3倍ほどの収獲を目指して、いずれ来るかもしれない“食糧難”の時代に備え経験を重ねておくつもりだ。

  ちなみに、今年の5月のジャガイモの収獲は50~60kgだった。


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  以前、書いたように、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎、約143km)の西九州新幹線https://www.jrkyushu.co.jp/train/nishikyushu/と呼ばれる長崎駅武雄温泉駅の約66kmの区間が、いよいよ9月23日に開業する。
   66kmを最速23分で結び、武雄温泉で対面ホームで在来特急に乗り換え(所要3分)、博多駅に最速54分で到着するというスケジュールで、トータル1時間20分となる。
   今までは、特急「かもめ」で最速1時間50分ほどの所要時間だったので30分の短縮というわけだ。
    なお、博多までの全線開業のメドはまったく立っておらず(工事計画すらない)、このままでは15年ほどはこの部分開業状態が続くと言われている。

   長崎-博多の指定席特急と乗車券を合わせた料金は、通常6,050円だが、22 年 12 月 31 日有効開始分までの発売で3,200円という半額近い「おためし!かもめネット早特7」(出発日の7日前までに予約が必要)http://www.jrkyushu-kippu.jp/fare/ticket/331というネット割引が席数限定で売られている。
 また、「いい旅!西九州きっぷ」http://www.jrkyushu-kippu.jp/fare/ticket/325という2日間有効の、長崎と佐賀の南西部エリアの普通、快速列車と西九州新幹線および特急列車の普通車自由席に乗り降り自由な割引きっぷもあり、料金は9,230円だ。

   私も、秋の恒例としている生まれ故郷唐津への旅行に「おためし!」を利用して博多まで行き、そこで乗り換えて唐津まで行こうかと思っている。


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  Europediaの本来のテーマでもあるヨーロッパ旅行についてもふれておこう。
                                       
   9月7日から日本へ帰国・入国する際の海外出発地で、出国前72時間以内におこなわなければならなかったPCR検査が免除となる。ただし、当局が認める「ワクチン3回目接種済みであることの証明書」があればということだ。
 詳しくは、外務省ホームページの「国際的な人の往来再開に向けた措置について」https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/cp/page22_003380.html厚生労働省の「 新型コロナウイルス感染症について > 水際対策」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html  ページを参照いただきたい。

 「海外旅行中に陽性と判定されれば、しばらくの間、帰国できないのではないか」という不安で旅行をためらう人が少なくなかったということなので、これで、ワクチンを接種した日本人の海外渡航のハードルがかなり下がったと言えるだろう。

   しかし、「円安」「原油高」「シベリアルート迂回」というハードルは残っている。

   また、接種済みの人でも、海外から帰国前に感染して現地で足止めされるという事例が数多く報道されている現状を考えれば、PCR検査が免除となれば、帰りの機内などでの感染も起こりうるのではないかとちょっと心配になる。しかし、接種者でも旅行中にコロナ感染が起きるのであれば、機内だけの感染を心配してもあまり意味がないのかも知れない。

 東洋経済オンラインの8月21日の記事“「帰国できない」海外旅行、PCR検査の高すぎる壁”https://toyokeizai.net/articles/-/612334という記事を読むと、「ワクチンを接種済みだった。だが、旅行中に複数の陽性者が判明」し、パック旅行の主催旅行会社が日本からサポートのための添乗員を現地へ派遣するといった事態も発生しているようだ。


 国際線航空券の燃油サーチャージシンガポールケロシン・タイプのジェット燃料の平均価格をもとに、2カ月ごとに見直しがおこなわれている。6月の記事で、「8~9月発券分の日本発欧州往復燃油サーチャージは、ANAの場合、9万8千円、JALは9万4千円」と書いたが、10月1日から11月30日発券分がさらに値上げされることが決まった。JALは11万4千4百円、ANAは11万6千円だ。

 インターネットで、ある航空券販売サイトをチェックしてみると、8月末現在の発券で、11月のトルコ航空イスタンブール乗り換え)ウィーン往復は航空券料金57,500円、諸税(燃油サーチャージを含む)114,890 円、合計172,390円とあった。航空券料金自体の約2倍の燃油サーチャージを含む諸税がかかるとうわけだ。これでは、旅行意欲をそいでしまうだろう。

   産油国でもあるカタール航空(ドーハ乗り換え)ウィーン往復は、航空券料金147,900 円、諸税25,100 円、合計173,000円だ。燃油サーチャージがほとんどかからないようだ。

 ノンストップ直行便を運航する日本の航空会社や欧州系航空会社では、11月のヨーロッパ往復は、燃油サーチャージや空港税など込みで、エコノミーが30万円前後から、ビジネスで75万円前後からといったところのようだ。これも、コロナ前の倍近い。

     

■今日のブックマーク&記事■

□TTG Media 8月3日記事
EU DELAYS LAUNCH OF ETIAS 'E-VISA' UNTIL WINTER 2023” 
       https://www.ttgmedia.com/news/eu-delays-launch-of-etias-e-visa-until-winter-2023-35613
  (EU渡航認証「ETIAS」の導入を23年冬以降に延期)

□トラベルボイス8月10日記事
“海外旅行での賢いネット接続とは? 「なりすましWi-Fi」のリスク、手持ちのスマホの活用法” https://www.travelvoice.jp/20220805-151746?tvm

□トラベルボイス8月13日記事
“世界の旅行者に支持される観光局サイト10選、米観光産業ニュースサイトが選定したベスト・デザイン”   https://www.travelvoice.jp/20220813-151508?tvm

□トラベル Watch    8月23日記事
海外で新型コロナ陽性になったらどうする? 帰国困難状態を解消する「領事レター」取得手続きまでの道のりを紹介
     https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1433406.html

□TRVLWIRE 8月25日記事
“米大手旅行サイトが選ぶお勧め最新旅行アプリ14選、日本でも今後トレンドに?”
   https://trvlwire.jp/?p=29376

薔薇とコスモス