*[海外旅行] 秋のウィーン22日間の旅 その6 「ウィーン」
もう夏になってしまったというのに、昨年の「秋のウィーン22日間の旅」のレポートが未だ終わらない。そろそろ、次のヨーロッパ旅行の予約も始めなければならない時期だ。 そこで、最後の1週間のレポートは、少々、短めに切り上げさせてもらうことにした。と言っても1万2千字を超えてしまった。
10月16日(月)旅行開始から12日目 ウィーン
この日は、10:30から外出。帰国まで、1週間ほどとなったので、おみやげ類を探買い物歩きを旧市街で始めた。まず、行きつけのMorawa、Frytagなど数軒の書店を覗いてみた。旅行書を中心に探したが、電子出版が進んでいるせいもあって、出版点数が少なくなっており、めぼしいものは見つからなかった。唯一、Falstaff https://www.falstaff.com/enというオーストリアで出されている旅とグルメとワインの雑誌を購入。イタリアの白ワインやクルーズ旅行、ウィーンの新しいレストランなどを特集していた。
次に、カフェ・コンディトライ https://www.demel.com/enの中のショップに立ち寄り、おみやげ用に皇妃エリザベート(愛称シシィ)が愛したと伝えられる「スミレの砂糖漬け」を何個か購入。美しい小箱に入った45gの菓子は€19.5。日本のDemel https://demel.co.jp/では取り扱っていないようだが、ネットでは3~7,000円ほどで売られていた。しかし、よく見ると空箱の値段だった。
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皇妃エリザベートついでに、彼女がお忍びで通ったと言われるペ-ター教会を覗いてみた。ここでは、夜に,室内楽やオルガンのコンサートが催されている。
この後、近くのオークションハウスDorotheum https://www.dorotheum.com/en/へ。ここに限ったことではないが、昔は日本語のホームページがあったはずだが中国語のものに置き換わっていた。お目当ては、1階と3階にある即売コーナー。いつもは、ヘレンドの皿や花瓶などの磁器を探すのだが、今回は目を惹くようなものが見当たらなかったのでパス。代わりに、3階でアール・ヌーヴォーのアクセサリーや鮮やかなエマイユ(七宝焼き)の聖母像メダルなどの小物を総額で€402ほどで購入。免税手続きも済ませた。1階に戻って、即売コーナーを見て回ると、チェコのボヘミアングラスの老舗Moser https://www.moser.com/en/ の耳付きのタンブラー6個セットが目に入った。価格は、€97。1客の容量が400ccほどで、元々は水用のグラスと思われるが、ウィーン風に1/4㍑のワイングラスとしても使えそうなので購入することにした。専用の紙箱が付いているので手荷物にも収まりそうだ。
なお、Moserのホームページを探していたら日本の輸入販売代理店のホームページ http://moser.jp/index.htmlが見つかった。同じ会社がヘレンドジャパン eショップ のホームページhttps://herend.jp/も開設していた。
Moserのワイングラスについては、当ブログでも紹介した思い出がある。以前、プラハのMoser本社で購入したアール・デコ風のワイングラスhttps://europedia.hatenablog.com/entry/20100225を、2017年に本社で追加購入しようとしたら、「もうそのワイングラスを作れる技術(とくにステムの部分)の継承がなく、博物館にしか置いていない」と言われたことだ。
この日の夜は、長崎で開かれた展覧会で知り合った画家で音楽家でもあるM氏http://www.makra-art.com/とウィーン在住の友人夫妻でプラター公園の中にあるSchweizerhaus https://www.schweizerhaus.at/というガーデンレストランで会食。この店は40年ぶりだ。昔は大きな田舎家といった雰囲気だったが、モダンな建物に変身していた。
誘った後で分かったのだが、M氏と友人夫妻は、旧知の間柄で、昔話が大いに盛り上がった。店の名物の豚のスネ肉のグリル(Schweinsstelze 1kg €23.9)や好物のバルカン半島の挽肉料理Cevapcici (€12.5)などを地元のワインWiener Gemischtersatz (€31)で美味しく頂戴した。
10月17日(火)旅行開始から13日目 ウィーン
天気が良かったので、昼前にホテルを出て、地下鉄U4で終点のHeiligenstadtに向かい、バス38AでLeopoldsbergの丘に登る。Leopoldsbergの城跡は数年前から工事中なので、城壁の周囲を巡る散策路からドナウ河本流やウィーン平原のパノラマを見物。遠くに霞むKreuzenstein城 http://www.kreuzenstein.com/をカメラに収める。この城は12世紀に建てられ、17世紀の30年戦争の最中に遠征してきたスウェーデン軍に破壊されるなどして、何度か再建を繰り返された歴史ある古城だ。
城と反対側のドナウ川の下流には、国連ビルが見える。さらに、下流には、クラインガルテンhttps://europedia.hatenablog.com/entry/20050107/p1と呼ばれる週末の小屋と自家菜園が並ぶ一角があるのだが、望遠鏡でもその姿を見つけることはできなかった。
この日の夜は、19:30開演の楽友協会でのトーンキュンストラー管弦楽団https://www.tonkuenstler.at/enの演奏会を鑑賞。演目は、佐渡裕指揮でマーラーの「交響曲6番-悲劇的」。日本で9月初めにウェブ予約した席は2階席中央Balkon-Mitte Rechts Reihe 3, Platz 1 で、料金は€ 45、プログラムは€3.2にチップを足して€3.5。
10月18日(水)旅行開始から14日目 ウィーン
この日も朝から、一昨日に続き本屋巡りとショッピングに出かける。mazu,ウィーン最大のショッピング・ストリートMariahilferstrasseへ向かい、その脇道Neubaugasseにあるディスカウント書店&CDショップのHintermayerへ。いつもは、画集や歴史書、CDをたくさん買うのだが、今回は欲しいものが見当たらず、オペレッタ“Die Lustige Witwe”(メリー・ウィドウ)の解説本€5を買うにとどめた。
ここは、訪れるたびに店舗面積が縮小されていて先行きが不安になっていたが、帰国後、店から“Time to say Good Bye”というメールが来て、60年の歴史に幕を閉じることになったと知らせてきた。今月届いたメールによるとKral Neubaugasse https://www.kral-buch.at/kralneubaugasseという書店が引き継いだようだ。
Hintermayerの次には、Mariahilferstrasseへ戻り、ウィーン最大級の書店Tallia https://www.thalia.at/buchhandlung/6412を覗くが、収獲なし。
同じ通りにある、キッチン用品のWMF https://www.wmf.co.jp/、デパートGerngross https://www.gerngross.at/de/などをウインドウショッピングしてから、地下鉄U3で旧市街の中心Herrengasse駅に行き、旧市街でのウインドウショッピングを続ける。
日本のハンズをエコ・コンシャスにしたようなショップManufactum https://www.manufactum.at/manufactum-wien-c199917/で園芸用品を少々購入。
夜は、19:30開演のコンツェルトハウスでの演奏会へ。Welser-Möst 指揮、Cleveland Orchestraの演奏でマーラーの「子供の不思議な角笛」などの歌曲と「交響曲7番」を鑑賞。
日本で6月初めにウェブ予約した席は2階席右側のBalkon Rechts, Reihe 3, Platz 10で、料金は€135、プログラムは€4.6にチップを足して€5。
当ブログでCleveland Orchestraを検索すると2017年10月22日に、Welser-Möst 指揮、Cleveland でマーラーの「交響曲6番」を鑑賞していた記録が出てきた。
もっと遡って当ブログの「1976年9月〜1979年10月ウィーン音楽会鑑賞記録」https://europedia.hatenablog.com/entry/20040201/p1をチェックしてみると、今から48年前の1976年10月22日にLeonard Bernstein指揮のウィーン・フィル第3回定期演奏会で、マーラーの「交響曲6番-悲劇的」を聴いていたことが分かった。
こういう思い出に遡ることができるだけでも「ユーロペディア」を書き続けている意義があると改めて思った。
10月19日(木)旅行開始から15日目 ウィーン
この日の朝は、ウィーンを訪れるたびに必ず見学しているHeeresgeschichtliches Museum(軍事史博物館)https://www.hgm.at/ に向かった。60歳以上のシニアの入場料は€5、通常の大人料金は€7。
1914年にフェルディナント大公は、サラエヴォで妻とともに暗殺され、それが第一次大戦の引き金となったが、大公が暗殺された際に着用していた軍服と車はここに展示されている。日本文学者のドナルド・キーン氏はその展示を子供の頃の欧州旅行中に見て深く感動したという。
博物館には「サウンド・オブ・ミュージック」のモデルとなり、第一次大戦中は巡洋艦や潜水艦を撃沈するなどの功績を挙げたトラップ海軍少佐(映画では大佐)の軍服も展示されている。残念ながら訪れたときは海軍関係の展示は閉鎖中だった。その代わりにミュージアムショップでオーストリア海軍関係の新刊本を3冊ほど購入した。
オーストリア海軍の歴史に興味のある方は、当ブログの「オーストリア海運の歴史」https://europedia.hatenablog.com/entry/20100330/p1をご覧いただきたい。4回の連載へのリンクも末尾にある。
夜は、19:30開演の楽友協会でのウィーン・フィル演奏会へ。Tugan Sokhiev指揮でベートーヴェンの「交響曲4番」、ブラームスの「交響曲1番」を鑑賞。
日本で8月下旬にウェブ予約した席は2階席中央右側のBalkon-Mitte Rechts, Reihe 3, Platz 10で、料金は€107、プログラムは€4.9にチップを足して€5.5。
ホテルに戻ると、在オーストリア日本国大使館からの「オーストリア政府のテロ警戒レベル引き上げに伴う注意喚起」というメールが届いていた。“オーストリア政府は直近の中東情勢及びブリュッセルでのテロ事件等を踏まえ、テロ警戒レベルを現行の「レベル3(危険度“上昇”)」から「レベル4(危険度“高”)」に引き上げる旨を発表しました。万が一の場合には、危険回避とご自身の安全確保をお願いします”との内容だった。
旅行の計画中に、外務省からの安全情報を受信できる「たびレジ(海外安全情報 無料配信サービス)」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.htmlに自分の旅行予定を登録しておいたことによる連絡だった。
10月20日(金)旅行開始から16日目 ウィーン
この日は、朝からKunsthistorisches Museum(美術史美術館) https://www.khm.at/japanese/を訪問。65歳以上のシニアの入場料は€18、通常の大人料金は€21。フェルメールやブリューゲル、クラナッハ、ルーベンス、レンブラント、ラファエロなどの名画を時間をかけて見学。
夜は、19:30開演の楽友協会でのウィーン・フィル定期演奏会へ。Tugan Sokhiev指揮でピアノLang Langのサンサーンス“Konzert für Klavier & Orchester Nr. 2”とプロコフィエフの「交響曲5番」を鑑賞。「その5」でも書いたが、前日のウィーン・フィルは定期演奏会ではなく楽友協会主催の演奏会だったので事前販売があったが、こちらは定期演奏会なので、チケットは定期演奏会会員への年間シリーズ販売が原則。しかし、ウィーン・フィルのホームページhttps://www.wienerphilharmoniker.at/ja/に「本公演のチケットが返却された場合に限り、10月13日(金)の 9:30 より、電話、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチケットオフィスにて、およびオンラインで販売致します」と書かれていたので、当日の9:30 にウィーン・フィルのオフィスに行ったところ、私の他には1人しか並んでおらず、€72で2階席中央2列目の良い席(Balkon-Mitte Rechts, Reihe 2, Platz 13)を買うことができた。プログラムは€5.2にチップを足して€6。
10月21日(土)旅行開始から17日目 ウィーン
ウィーンに戻ってきたときの欠かせないイベントで残されたひとつが葡萄畑の一角にあるホイリゲと呼ばれる新酒を飲ませる居酒屋Hirt https://www.derhirt.at/での友人たちとの飲み会だ。
私は、これまた恒例で、早めにホテルを出て地下鉄とバスを乗り継いでウィーンを一望するKahlenbergの丘へ向かい、ウィーンの森を40分ほど散歩しながらそのホイリゲまで降りていった。
友人夫妻は、ホイリゲまで来る道が車両通行止めになっていたようで、30分ほど遅れて到着。それまで、ドナウ河に続く葡萄畑を眺めながら新酒を楽しんだ。
ここからの眺めは、まるで歴史の教科書で見た、教会を中心に三圃式の畑に囲まれたヨーロッパの荘園のような風景だ。
友人が着いてから、つまみの注文を始め、好物のウィーン風ハンバーグや肉まんじゅう、野菜のパイ焼き、ポークのクミン風味グリルなどのつまみと一緒に、ボトルのワインを味わう。4年ぶりにこの店に来てみて気がついたのは、オーナーが代わったようで、大変モダンなインテリアとメニューのデザインに変わっていた。有り難いことにつまみは昔とほとんど変わってなかった。しかし、以前は、ドナウ対岸のオーナーの葡萄畑で作ったワインが、ウィーンならではの1/4リットルのジョッキーで出されていたが、今は、ちょっと高級な(我々昔からの常連にしては)ボトルワインが中心になってきたようだ。
10月22日(日)旅行開始から18日目 ウィーン
この日は、拙著「ウィーン旅の雑学ノート」で取り上げた旧市街の散歩道で歩き残していた通りをたどった。まず、旧市街の東端のヨハン・シュトラウス像で有名なStadpark(市立公園)から西に向かって歩き始める。
日曜で閉店中だったがWeihburggasseにある狩猟用品店Springer https://www.springer-vienna.com/のショーウィンドウで、望遠鏡やアーミーナイフ、リュックなどを覗いていると、「テロ警戒レベル引き上げに伴い」近くを警戒中の武装警官が気になり、落ち着いて下見を続けることもできなかった。なにしろ、猟銃を並べている店だから。
続いて、Franziskanerplatz、Ballgasse 、Blutgasse、シュテファン大寺院、Graben、Naglergasse、Am Hof広場と西に向かって歩みを進めた。
Am Hof広場のAm Hof教会の前では、クロアチアの若者たちが民族衣装で着飾って写真撮影のポーズを取っていたので、遠慮しながら写真を撮らせてもらった。この教会は、在ウィーンのクロアチア人の信仰を集めている教会でもある。
さらに、Judenplatz、Kurrentgasseと進んで、Stephansplatzで地下鉄に乗ってホテルへ戻った。
夜は、19:30開演のコンツェルトハウスでのWiener Symphoniker演奏会へ。Jaap van Zweden指揮、Simone Lamsmaヴァイオリン。演目は、WagnerのOuverture zu Die Meistersinger von Nürnberg、Benjamin BrittenのKonzert für Violine und Orchester、 Beethovenの「交響曲5番-運命」。
日本で9月初めにウェブ予約しておいた席は2階席左側のBalkon Links Reihe 2, Platz 10で、料金は€68、プログラムは€4.1にチップを足して€4.5。
10月23日(月)旅行開始から19日目 ウィーン
翌日の帰国を控え、実質最終日となるこの日は、午前中から旧市街に出て最後の街歩きとショッピング。最初にオペラ座のショップで、トートバッグやCDなどを購入。
繁華街Grabenの書店Frick https://buchhandlung-frick.at/filialen/frick-am-grabenでディスカウント販売されている美術書を探したがめぼしいものは見つからず、オペラのCDを3枚購入。
さらに、カフェ・コンディトライHeinerとSacherで定番みやげのザッハートルテなどを購入。
ホテルに戻り、早めだが12泊分の宿泊料をSony Bank WALLET(Visaデビット付きキャッシュカード)https://moneykit.net/visitor/sbw/で精算。このホテルは、事前精算しないと領収書が出ないシステムだったためと翌日のシェックアウトを手間取らないためだ。
当欄「音楽会・フライト・ホテル等の予約」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226で詳しく書いたが、6~7年前に購入したユーロ建ての外貨預金からの引き落としだったので、1ユーロは約120円での精算となった。なお、この日の支払いを手持ちのクレジット・カードでおこなった場合、海外事務手数料(例:2.2%)を加算すると約163円だった。また、2024年6月29日のクレジット・カードのレートは176.3円だ!
上記のSony Bank WALLETでの支払いの場合、自分のユーロ建て外貨預金口座から額面通りの引き落としとなるので、2.2%の事務手数料はかからない。
海外で使ったクレジットカードの精算レートがいくらになるかは使った時点では分からないが、その計算方法を理解するのに役立つページを見つけた。金融サービス事業者Wisehttps://wise.com/jp/の「VisaやMastercardの為替レートの仕組み・確認方法を解説!」 https://wise.com/jp/blog/card-brand-exchange-ratesというページだ。VisaやMastecardの通貨コンバーター(英語)へのリンクも貼ってあった。
この日の夜は、ホテルの近所に住む友人夫妻と「最後の晩餐」。レストランは10月14日の記事でも取り上げた、古い佇まいを維持・再現した一角SchlossquadratにあるSilberwirt https://www.silberwirt.at/?lang=en。
Silber's Zwiebelrostbraten(サーロインステーキのオニオンフライ添え)€26.8、Wiener Schnitzel von der Kalbskarreerose(仔牛のウィナー・シュニッツエルの衣にヒマワリの種まぶしたもの)€22.9、Tuscany Cordon Bleu(生ハム・モッツァレラなどを挟んだトスカーナ風コードンブルー)€16.9などのメインをマナー違反だが少しずつ取り分けて味わった。デザートはPfirsich-Fruchtmousse(桃のフルーツムース)€7.9など。
10月24日(火)旅行開始から20日目 帰国の途へ
翌朝は、ホテルを通じて手配しておいたエアポートタクシーで09:48にホテルを出発、いつもより早く10:15には空港到着。
10:20にはオーストリア航空051便にチェックイン。預託荷物はスーツケース25.7キロとソフトバッグ15.8キロだった。10:30には通関、免税手続きへと向かう。
免税手続きと空港デューティーフリーでの買い物や旅行中の両替についての顛末については当ブログの3月30日の記事中に書いたが、念のため末尾に「後日談」として再掲載しておく。
11:30にオーストリア航空ラウンジでひと休み。日本の航空会社のラウンジと比べサービスは簡素なものだった。
12:15にゲートへ向かい、13:02にオンボード。ほぼ定刻(13:30)どおりの13:33に出発。往路では、あまり食欲がなかったが、ウィーン料理に慣れたせいか、帰りは、15:00に遅い昼食として、牛ランプ肉の煮込み料理Tafelspitzを、行きのフライトで味を占めたGelber Muskateller種の白ワインとともに美味しく味わった。
帰りのフライトも行きと同じルートを東に向かう。バルカン半島を南下して黒海に出てシルクロードをたどるロシア迂回ルートだ。予定所要時間は、12時間20分だ。
10月25日(水)旅行開始から21日目 成田経由、長崎帰着
日本時間の06:40(ウィーン時間の23:40)に、エッグ・ベネディクトとフルーツ、オレンジジュースという軽い朝食をとる。
ほぼ定刻(08:50)どおりの08:40に成田空港第1ターミナルに到着。
デジタル庁の入国手続(入国審査、税関申告)及び免税購入に必要な情報を登録することができるウェブサービスVisit Japan Web https://services.digital.go.jp/visit-japan-web/のアプリに、あらかじめ「入国・帰国の予定を登録」「入国・帰国の手続を入力」をおこなっていたので入国審査と税関もスムーズに通過できた。
1階到着ロビーのJALABCカウンターで2個の預託荷物を長崎の自宅宛で預け、身軽になって(と言っても生もののザッハートルテなどは機内持ち込みにしたが)、ターミナルバスでジェットスターの長崎行きが出発する第3ターミナルに向かう。
09:40にGK643便のチェックイン手続きを済ませ、11:50に出発。13:48に長崎空港到着。有り難いことに友人が車で迎えに来てくれていたので、15:00には無事自宅に戻ることができた。
海外旅行の後日談を二題
連載中の当ブログ「晩秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226で、少々得意げに「6~7年前に購入したユーロ建ての外貨預金が残っていたので、今回は日本円から両替することなくユーロ預金から直接デビットカードの引き落としができた。当時の購入レートは1ユーロは120円ほどだったので、旅行直前に日本の銀行でユーロの現金を購入した場合の為替レート170円弱と比べ、30%ほど安くユーロが使えたことになる」と書いたが、帰国してから世の中そんなに甘くないと思い知らされた。
帰国後、ネット・バンキングの口座を見てみると、為替差益が計上されていて、注として、「外貨の売買の際に為替差益が生じた場合は、総合課税の対象となり、雑所得としてご自身で確定申告が必要です。確定申告の詳細につきましては、税理士や最寄りの税務署等にご相談ください」と書かれていたのだ。別に「外貨の売買」をしたつもりはないのだが、実は、ユーロ預金を現地で使った分の為替差益以外に、ユーロ預金分では不足すると思って、ドルが108円の頃に買っておいたドル預金を、ユーロ預金に替えておくという操作をしておいた。ユーロ預金を現地で使った分の為替差益よりも、この部分の為替差益がが多く計上されていた。
税理士さんに相談すると、「確定申告の必要があります。税務署もしっかり把握しています」とのことだった。おかげで、10年ぶりに確定申告をすることになった。結果的には、各種税控除と相殺になり、所得税等は課税されなかったのだが。税理士さんの話では「結果的に課税されなくても、税控除と相殺するためには確定申告の必要はあった」そうだ。ごもっとも。
また、驚いたことにネット・バンキングの口座に計上されていた為替差益の額は、私が捕らぬ狸の皮算用で試算して、得したと思い込んでいた金額とほぼ同じだった。日本国の徴税システムは侮れないと痛感した。一部の政治家にもこの優れた徴税の網がかかり“天網恢恢疎にして漏らさず”と願いたいものだ。気になったので、“天網恢恢”の語源を調べてみたら「老子」にたどり着いた。
もうひとつの後日談は、23年10月24日にウィーンからの帰国時に空港で免税手続きをしていたときのことだ。パスポートコントロールを通過してから、税関で手荷物に入れた品物を見せてスタンプをもらい、隣の銀行窓口で払い戻しを受けようとしたところ、書類に不備があると撥ねられた。しかし、係の人は「うちでは払い戻せないけど、購入時に書類と一緒にもらった封筒に入れて、そこのポストに投函すれば、保証の限りではないがクレジット・カード口座に戻ってくるかも知れないよ」と助言してくれた。
免税手続きをしようとしたのはオークションハウスDOROTHEUM http://www.dorotheum.com/の即売コーナーで買った、アール・ヌーヴォーのアクセサリーや鮮やかなエマイユ(七宝焼き)の聖母像メダルなどの小物で総額€402ほどだった。以前にもDOROTHEUM の免税書類不備で免税手続きがうまく行かなかったことがあったので、ほぼ諦めていたが、なんと4ヶ月後の2月18日になってデビットカードの口座に手数料を引いた免税分6,434円が振り込まれてきた。
ウィーンの空港では、この免税手続きが済んだ後で、HeinemannというDuty Free Shopで、オーデコロンやチーズ、チョコレートなどを€260ほど購入した。残念ながら、目当てのワインは欲しいものがなかった。この店を利用したのは、ウィーン到着時に割引クーポンをもらっていたからだ。デビットカードで支払いを済ませると、親切なレジのお兄さんが「Tax Freeの手続きもした方が良いよ」と書類を整えてくれた。コロナ禍で4年ぶりなのでうっかり忘れていたが、ワインやタバコ、香水などはDuty Freeすなわち関税が免税になるので(うろ覚えだが、これらの品の税金は関税が大部分のはず)、Tax Freeの手続きをしなかったが、今回買ったような一般の品は関税が引かれた上に、追加手続きで付加価値税(消費税)も戻ってくるのだった。
先ほどの、免税窓口に書類を持って行くと、「今度は何の用だ」と言った顔をされたが、今回はその場ですぐに手数料を引いた付加価値税免税分€26を現金で戻してくれた。
すっかり、Duty FreeとTax Freeが違うことを忘れてしまっていた。興味のある方は「デューティーフリーとタックスフリー」と検索してみると良いだろう。なお、デューティーフリーとタックスフリーを一括して行ってくれる空港免税店もあるのでご注意を。
今回の旅程
●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空 長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎
■今日のブックマーク&記事■
□ぶらあぼ 2024年10月の海外公演情報〈オーストリア〉
https://ebravo.jp/archives/165768