タイムマシンのように過去のホームページを甦らせるサイト

  ウェブ上の過去の旅行記事や廃止になった旅行関連ホームページ、バックナンバーを公開していない旅のウェブ・マガジンなど、“絶版”状態のホームページを見てみたくなることがよくある。
直近のページであればGoogle検索エンジンの結果一覧の各項目右下にある「キャッシュ」を見れば分かるが、これは、Google が保存している最新版に限られるのでバックナンバーを探し出すのにはあまり役立たない。
そのようなときに役立つのが以前取り上げたことのあるInternet Archive http://www.archive.org/Wayback Machineという機能だ。検索ボックスに見たいホームページのURLを入れると、なんと、世界中のほとんどのホームページの過去の状態がそのまま保存されているのだ。下層ページや画像ページなど一部見られないケースもあるが、失われた情報を振り返りたいときには実に便利だ。
実例をひとつ挙げると、“In Your Pocket City Guides”というリトアニアのヴィリニュスを拠点とする出版社の英語中欧諸国とバルト3国のオンライン旅行ガイドブック(英語)は、かつて、フィレンツェストラスブールなど西欧の都市にも手を伸ばしていた。現在は中欧バルト三国の60都市に絞り込んでしまったようだ。このサイトはレストランやホテル、劇場、商店などの掲載物件のオリジナル・ホームページをリンクしていたので、情報源として実に貴重だった。
そこで、Wayback Machineでタイムマシンに乗ったように見に行くことができないかと思い試してみた。検索ボックスにhttp://www.inyourpocket.com/というそのホームページのURLを入力して「Take me back」というボタンを押してみると、1998年6月から2003年6月まで、何と240回に渡って巡回保存していたものをすべて見ることができる。しかし、「フィレンツェ」のトップペ−ジは出るものの、肝心なブティックやホテル、レストランにURLを張った中身のページが開けない。思い余って、Nov 12, 2001のトップページの左側にある欧州全図から、イタリアをクリックしてイタリアのトップページの左上にあるCity Guides: Florenceをクリックするとショッピング、レストランなどの下位ページを開いていくことができた。しかも、リンク先のオリジナル・ホームページまで、Internet Archiveが保存していた過去のページを開く仕組みになっていた。新しいページを見たければ、そのURLを抜き出してブラウザーのURL枠に入れれば済むので、新旧両ホームページが見られるというわけだ。
なお、この5月からのEUの中欧諸国への拡大に伴いドイツを含めた中欧17カ国をカバーするウェブガイドブック“In Your Pocket City Guides”の存在意義は増すものと思われる。同地域の最新情報を伝える情報源として大いに活用したい。
☆右上の地図はIn Your Pocket City Guidesがカバーする中欧17カ国