台風シーズンの合間にショートヴァカンス

*[長崎日記]台風シーズンの合間にショートヴァカンス

 

害虫と台風の被害に遭い上部を切り取ったオリーヴ本体の幹とひこばえ

 8月、9月は長崎も台風シーズンで、毎年、その間は、家を長く留守にするわけにはいかない。8月29日現在も“過去最強クラスの「台風10号」”が最接近している。
   いつものように小学校の同級生二人に手伝ってもらって、雨が降り出す直前の28日昼過ぎに台風対策を始め、雨戸のない大窓3面にプラスチック段ボールを耐水性の強力粘着テープで貼る作業を行い、8面ほどある小窓には飛散防止の為に外側から養生テープを貼った。
   テラスを囲む繊維強化プラスチック(FRP樹脂)製の素通しのフェンスは風圧で飛ばないように結束バンドで固定してもらった。同級生のうち一人は、元木材加工の専門家、もう一人は元建築家なので、要領が良く心強い限りだ。
   その日の夕方には、内開きとなっている玄関のガラス扉の下の隙間から雨が流れ込まないように、扉の外側に土嚢用の袋に賞味期限過ぎのミネラルウォーターのボトルを詰めたものや培養土の入った袋を積み上げたりして浸水対策を行った。さらに、万一のために倉庫からブルーシートや強力粘着テープ、工事用のロープ、ヘルメット、レインコートなどを持ち出し、室内に置いた。

   公道に面している花壇の雑草やフェンス沿いの枯れ始めていたロシアヒマワリなどは8月26日にシルバーさんに引き抜いてもらい、緑肥とするために裏庭に積み上げてもらっていた。シルバーさんには、裏庭の雑草処理を29日に予定してもらっていたのだが、台風のため順延となった。

   この台風は、28日21時の予報では、翌29日の18時には940hPaの強さで長崎市付近に達するという直撃の予報だったが、29日の朝8時には鹿児島県薩摩川内市付近に上陸し、11時に965hPa熊本県天草市に達し、30日00時には970hPaで熊本県山鹿市付近に向かうというコース予想に変わった。海上を進まず、いったん上陸したために勢力を弱めながら北上し、スピードも遅くなったようだ。
    29日夜の時点で台風の軌跡を見ると、13時に970hPaで長崎県南島原市付近、14時から18時までは970hPaで雲仙市付近をウロウロ、 21時には990hPaで島原市付近と、島原半島https://www.shimakanren.com/を8時間もかけて周遊していた。30日の朝9時から10時頃までは994hPaで大分県国東市付近に停滞していた。

 台風は進行方向の東側が風が強まるようだが、今回は、台風が長崎市中心部の東側30キロほどを通過したので、それほど強い風は吹かなかった。29日の16時頃には、雨や風が止み、日もさしてきたので、庭と公道を点検したが、コスモスなどが一部吹き倒されていたが、ほとんど被害はなかった。

  

台風と火災除けに置いた石垣島で購入したシーサー  対となっている

   昨年は、8月9日の20時頃に五島市の南約70kmを975hPaで台風6号が通過したが、そのときは長崎市が東側に当たったため、薔薇の大枝が1本折れたり、窓に貼ったプラスチック段ボールが10センチほどの屋根のスレートの破片と思われるものを跳ね返した跡があったりという被害があった。

   一昨年の2022年9月の台風11号五島列島の西200kmほどを950hPa.で通過し、それに続く14号は、福岡県柳川市付近に上陸し、長崎市に最接近時は11号と同程度の950hPa.ほどで通過した。このときの庭の被害は甚大で、3メートルほどの高さのオリーヴの樹4本が吹き飛ばされ、2本が大きく傾き、1本の太い枝が吹き飛んでしまい、無傷なのは若木1本だけだった。元々根が浅い3メートルの高さのミモザもなぎ倒され、再起不能の状態となった。

   台風が東にそれてひと安心と思ったら、フィリピンの東に台風の卵ができつつあるようだ。どうやらこれは中国本土に向かいそうだ。まだまだ、台風は発生しそうなので、窓に貼ったプラスチック段ボールを張ったままにしたいところだが、張ったままでは、せっかくの港の眺望が楽しめないばかりではなく、閉塞感で憂鬱になりそうだ。透明なプラスチック段ボールや外から張る厚手の透明保護シートなどを探してみようか。

 

大窓にはプラスチック段ボールを張った


さて、遡って7月末からの「長崎日記」を書き進めよう

   コロナ禍以前は、2019年まで12年続けて、台風シーズン前の6月末に石垣島で早めの夏休みhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2019/07/26/112641を過ごすことにしていたが、コロナ禍以降は、石垣への乗り継ぎで利用していた長崎から沖縄行きの便も運航休止のままとなったり、お気に入りのホテルがフランス資本からアジアの大国の企業の資本に変わり、サービス内容が徐々に変わってきたこともあって、すっかり足が遠のいてしまった。
 実は、今年こそと思い、別のホテルhttps://www.fusaki.com/を、福岡発石垣行きピーチ航空直行便利用で仮予約していたのだが、希望の部屋が取れなかったこともあり断念した。
   行こうと思えば行けたのだが、フライトの問題や自身の体力から、無意識に遠出を敬遠するようになってしまっていたようだ。
 
   そこで、今年の夏も、2度に分けてショートヴァカンスを楽しむことになった。1回目は前回書いたように、7月8日から3泊4日で、長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/シュノーケリングなどを楽しんだ。

 2回目は、7月30日から4泊5日で、長崎市中心部から南西24キロに位置する野母半島先端近くにある温泉付きリゾート・ホテルOcean Resort Nomon長崎https://nomon-nagasaki.jp/ で過ごした。
 ここは、今年の2月12日からも3泊4日の日程で訪れhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2024/03/30/144141、その時はついでに2021年10月に開館した「恐竜博物館」https://nd-museum.jp/も初めて見学してきた。今回も、恐竜博物館を訪れてみるつもりだったが、ホテルと博物館の間の遊歩道が7月中旬の大雨で崖崩れが発生し、通れなくなっていたので諦めた。

 このホテルは、以前、公共の宿として運営されていたものを大改築して温泉リゾート・ホテルにしたものだ。専用というわけではないが、ホテルの前には100mほどの長さの美しいビーチがあり、正面に軍艦島を望むことが出来る。ビーチの目の前に岩礁があるためもあって、波が立つこともなかった。
   今回も、毎日午後にシュノーケリングをしたが、他の海水浴客はまったく見かけず、ひとりで独占状態だった。大変もったいないと思った。もっとも、1日だけ、午前中に地元の子供たちが大勢シーカヤックの練習に訪れていたが、地元の人たちもここでは泳がないようだ。

         

部屋から見た“専用ビーチ”



    

亜熱帯魚も数多く見かけた

   今回の宿泊フランは、前回とほぼ同じ“上級グレード部屋タイプおまかせ、バルコニー付、シニア割(60歳以上)エクストラプラン”で、空き状況でいずれかの上級クラスの部屋にアップグレードしてもらえるというものだ。ラッキーなことに、前回同様、天然炭酸温泉を引いた「展望風呂」から野母崎の海と軍艦島を望むことができる82平米の「ラグジュアリーオーシャンスイート」にアップグレードしてもらうことができた。

   Nomonのメインダイニング「レストランMare」は、最初は地元の新鮮な魚を活かした本格的なイタリアンだったが、最近は、来るたびに和の度合いが強まり和風イタリアンといった趣となってきている。    
          

スズキとオマール海老のソテー

   レストランから眺める東シナ海に沈む夕日も、感動的だ。今回は、軍艦島の背後を通過するクルーズ船を二日連続で見ることができた。“軍艦”と17万トン級のクルーズ船が同じ大きさに見えた。後で調べると、いずれも、長崎港から上海へ向かう船だった。

 そう言えば、ヒストリーチャンネルかナショナルジェオグラフィックかどちらかのドキュメンタリー番組で第二次世界大戦の驚きの実写フィルムを見たことを思いだした。
 “軍艦島”の名前の由来は大正時代に、三菱重工業長崎造船所で建造中だった日本海軍の戦艦「土佐」に似ているところから名付けられたとされているが、まことしやかに長崎市民の間で言い伝えられていたのは、第二次世界大戦中、アメリカの潜水艦が軍艦と見間違えて魚雷を放ったという話しだ。ところが、その実写フィルムにはアメリカの潜水艦が本当に軍艦島目指して魚雷を放つ瞬間が映っていたのだ。ただし、狙いは軍艦そのものではなく、軍艦島から石炭の積み出し作業をしていた貨物船を狙ったものだった。このフィルムの話を長崎の友人にしてもなかなか信じてもらえない。この番組は、わが家のハードディスクのどこかに永久保存されているはずなので、いつか探し出したい。

 

Spectrum of the Seas(169,379トン)が軍艦島の背後を横切る

 ショートヴァカンスから戻ってみると、雨が10日ほど降ってなかったので、地下タンクや補助タンクの1.5トンの水が枯渇し、3つの水桶に貯まっていた雨水や風呂水などの生活排水を地下タンクに流して何とかしのいでいたら、8月5日、13日、19日に降雨があり、なんとか1回も真水を使わずにハーブや果樹、ヒマワリなどの水撒きをすることができた。8月29日からの台風に伴う大雨もあったので、今年は1回も真水を使わずに済みそうだ。

 数年前まで一番、水を使ったのは30坪ほどの広さの芝生だったが、年々雑草の方が目立ってきたので、水はほとんど撒かなくなった。芝生自体も暑さのせいもあって以前ほど成長しなくなったので、月に1回ほどの電動芝刈り機での草刈りで済んでいる。この夏は、7月19日に芝刈りをした後は、8月16日の芝刈りで何とかしのいでいる。

 さて、我が家の家庭菜園では、現在、胡瓜、イチジク、バジル、ローズマリー、ミント、ホースラディッシュなどが収獲できている。新顔では、春にハーブガーデンに種まきした6種類のパプリカの収穫が始まった。小ぶりなパプリカだが、ピリッとした辛みと香ばしい風味が有り、朝のサラダのよい彩りとなっている。

        

小ぶりだが美味しいパプリカ

    胡瓜は、2つの畝から収獲が続いており、今までの累計で200本ほどの収穫量に達した。現在は、1日2~3本の収獲にペースダウンしており、9月上旬には収獲を終えることになりそうだ。

    何度かの台風被害で、消滅寸前だったイチジクの木も樹勢を取り戻し、収穫期を迎えている。すでに20個ほど収獲した。

         

熟したイチジク

   港側のオリーヴは一昨年の台風や天敵のオリーヴアナアキゾウムシによる被害で、16本あったうちの1本だけが健在で、5本は完全に吹き飛んだか回復不能な倒壊状態で諦めた。残り10本が根元から伸びてきた、ひこばえ(樹木の切り株や根元から生える若い芽)が順調に成長しており、枯れたために上部を切り取った本体の幹より高くなるものものも出てきた。
          
      

1本だけ生き残ったオリーヴ

   前回も書いたが、6月新たに土を耕して整備した畝や大型のプランターに、ベビーリ-フや二十日大根、サニーレタス、京水菜の種まきをしたが高温障害のせいかほとんど発芽しなかった。今は、耕作放棄地になっているが涼しくなってきたら再チャレンジしてみるつもりだ。
 地元新聞の投書欄などを見ると、家庭菜園を開いている人たちの多くが、温暖化による高温障害のため、発芽したとしても、途中で枯れたり腐ったりという事象を経験しているようだ。

   これから豊作が見込めそうなのは、シークァーサー、柚子などの果樹類で、いずれも青々とした実を数多く結んでいる。晩秋の収獲となる2本のレモンも昨年の倍以上の収獲が期待できそうだ。年末からの収獲となる甘夏の方は、どうやら不作年となりそうで、今年の収穫量620個から半減してしまいそうだ。

 長崎の8月の風物詩は、15日の旧盆に催される「精霊流しhttps://www.at-nagasaki.jp/event/51798だ。精霊流しと言うと、しめやかに行われる盆送りの行事と思う人が多いようだが、長崎の精霊流しは中国の影響を受け、流し場までの道行では「魔除け」と精霊船が通る道を清めるために派手に爆竹が鳴らされ、打ち上げ花火を上げる者までいる。昨年、市内で精霊流しの花火が原因とみられる火災が3件発生したため、今年からは、爆竹は21連発まで。打ち上げ花火は原則禁止とされたが、爆竹は21連発を、今まで以上に連発するので、相変わらずのお清め騒ぎだ。
  以前、「日本の爆竹の8割は長崎のお盆で消費される」と書いたが、旧盆期間中は深夜まで墓や自宅の庭で爆竹や打ち上げ花火が鳴り響く。長崎っ子は、これがないと寂しくて寝られないようだ。
    精霊船自体も、2メートル前後の長さの小型のものから10メートルの長さのものを2連結、3連結したものまである。長崎新聞によれば、県内で2メートル以上の精霊船は684隻で、前年をやや下回る見通しだそうだ。

         

2連結の精霊船


■今日のブックマーク&記事■

□トラベルボイス8月5日記事“日本人の「一人旅」を好む傾向が顕著、5年間で倍増、世界39か国調査で鮮明に”
  https://www.travelvoice.jp/20240719-155842

□Time Out  14 August 記事“The world's 13 best cities for nightlife right now”
   https://www.timeout.com/travel/worlds-best-cities-for-nightlife

□「ツーリズムEXPOジャパン2024」
  https://www.t-expo.jp/biz

ANA 運航開始・再開・休止路線のご案内(国際線)
       https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/airinfo/int-routeinfo/?tabitem=asw-tab__item-box-2

 

枇杷・ジャガイモ・胡瓜の収獲とヒマワリ・コスモスの開花

*[長崎日記]枇杷・ジャガイモ・胡瓜の収獲とヒマワリ・コスモスの開花


        

 芳香を放つカサブランカ

 

   5月の末から始めた茂木枇杷とジャガイモの収獲が、6月に入って本格化した。友人が親子三代で収獲を加勢してくれたり、ご近所の友人が何回かに分けて収獲を手伝ってくれたお陰で、6月10日頃には、収獲を完全に終えることができた。

梯子を伸ばして枇杷を収穫



   枇杷は、100キロ以上収獲できたと思うが、100キロほどは手の届かない高さにあったり、鳥などのエサになっていたりして傷つき、枝に残ったままだったが、梯子を伸ばしてなんとか友人に刈り取ってもらい、ついでに来年の収獲を大粒にするための剪定も済ませてもらった。鳥の格好のエサとなった枇杷は、わが家周辺の公道にまで食べかすが散乱していた。この食べかすの種からわが家の庭でも新たな枇杷の木が育つ可能性がある。実際、現在、一番育っている4メートルの高さの2本の枇杷の木は、先に植えた枇杷の種から生まれたものだ。

 今年は、例年怠っていた、11月上旬の枇杷の開花前に行うべき花芽を摘み取る摘房(粗摘果作業-摘蕾とも言う)作業や3月上旬の枇杷の摘果(間引き)作業もしっかりおこなっていたので、いつもより粒の大きい枇杷が実っている。以前も書いたが、わが家では4年ほど前から枇杷の房に袋を掛けるのを止めている。鳥の被害がそれほどひどくなかったせいもあるのだが、陽の光をたっぷりと浴びさせた方が味が良くなるのではと言う素人考えからだ。食べるだけでは、消化しきれないので友人たちはジャムなどに加工して処理してくれたようだ。

   

例年より大粒に育った枇杷


 

   2月26日に、メイクイーンと男爵の種芋を植え付けたジャガイモの畝からは、4つの畝で、40キロの収獲が目標だったが、ジャガイモの大きさにバラツキがあり、20キロほどの収獲にとどまった。土寄せや施肥を怠ったせいもあるが、天候の不順も影響したようだ。

   

収穫したジャガイモ


 

   茂木枇杷が終わった後は、3年前に植えた2本のブルーベリーのうち1本が、よく実り収穫期を迎えた。量は少ないが昼食代わりのフルーツ大盛りヨーグルトの格好の材料になっている。これも、早めに取り終わらないと鳥のエサになってしまいそうだ。

   収獲を終えたジャガイモの4つの畝は、周辺の雑草を手で抜き、土を耕してから、有機石灰、油粕を散布し、倉庫に残っていた牛ふん堆肥、腐葉土、培養土で盛り土をおこなった。6月10日には南側の4メートルほどの畝に二十日大根とベビーリーフを種まき。6月14日には残りの3本の畝にベビーリ-フ、二十日大根、サニーレタスの種まきをおこなった。
 残念ながら、暑すぎる気候のせいと、虫の被害で、一部の二十日大根が発芽したほかは、まったく収穫が望めない状況だ。このまま休耕状態で雑草取りをおこない、秋になったら、再度ジャガイモを植え付ける計画だ。


 7月末現在でも収獲が続くのは、ハーブガーデンやプランターに種まきして育てたバジル、イタリアン・パセリ、ミント、それにホースラディッシュなどの虫に強いハーブや野菜ぐらいだ。新顔では、4月末に種まきした、フェンネルの収穫が続いている。同じ時期に種まきした6種のパプリカのうち4種類ほどが育っており、実をつけ始めたものもある。
   パプリカには無数の小さな虫がとりついていたが、気づくのが早かったので、ベニカベジフルという虫除けの薬剤を噴霧し、事なきを得た。人参も種まきしたのだが、間引く作業を怠ったために、大きく成長させることができなかった。

   港側の庭に4月末に植え付けた、夏すずみというキュウリの8つの苗は、順調に育ち、5月末には収獲が始まり、現在は一日5~6本程度収獲が出来ており、累計140本の収穫量に達している。
   港側の庭には、もうひと畝を準備し6月25日に“うどんこに強い胡瓜”と“早生節成胡瓜”の2種類を種から育て始めた。7月末現在、新たに張ったネットに勢いよくツタを絡ませ始めており、8月中旬には収穫が始まるだろう。先行する畝からの収穫が8月中旬には終わりそうなので、ちょうど良いタイミングでのバトンタッチとなりそうだ。

               

種から育てた胡瓜の畝

   果実類では、新旧合わせて9本ある甘夏の木は古い方の2本と新しい方の1本が、今年は不作年のようで、ほとんど実が付いていない。他の6本は順調なので、平年作並の600個前後の収穫が見込めそうだ。

 植えて6年目のシークァーサーは、今までにないほどの数の青い実を付けている。収獲は9月以降になるだろう。わが家のシークァーサーは小粒だが、料理や泡盛に添えるのには充分だ。
   昨年大豊作だった2本の柚子は、今年は実の付き方が芳しくない。しかし、柚子胡椒や料理に使うのには充分な収穫量となりそうだ。

       

豊作が期待できるシークァーサー

   レモンも新旧2本あるが、こちらは3年連続で不作だったが、今年は、20個ほどの収獲が期待できそうだ。

   何度かの台風被害で、消滅寸前だったイチジクの木も樹勢を取り戻して高さ2メートル以上に復活し、枝は4メートル以上に広がった。すでに大きな実が付いており、来月には色づき収穫となりそうだ。

       

樹勢を取り戻したイチジク

   夏になると、庭仕事の大部分を占めるのが雑草の処理作業だ。例年6月から9月までは、シルバー人材センターにお願いし、月に2回、2人の方に雑草刈り作業をしてもらっている。草刈り機を使っての作業は、自分でも行うことがあるのだが、充電式のため30分で電池交換が必要だ。しかも、夏は10分ほどでオーバーヒートしてしまうので休み休み使わなければならない。シルバーさんはエンジン式のため効率よく刈ってもらえる。

   年々雑草が目立つようになっているた30坪ほどの芝生の部分は、なんとか自力で月に2回ほど、電動芝刈り機を使って処理している。今年は、雑草の量が多かったので4月18日の植木屋さんの“春の剪定”の際に、エンジン式の芝刈り機を持ち込んでもらい一挙に刈り込んでもらった。また、その1週間後には芝生の間に生えてくるイネ科を中心とした雑草に効く除草剤を噴霧してもらった。こちらの方はあまり効果がなく、雑草の勢いは止まらなかった。
 そこで、6月6日に初めての電動芝刈り機を使っての処理を行い、引き続き、7月2日と7月19日にも芝刈りをおこなった。いずれも2時間ほどの作業で間に30分ほどの休憩を入れているが、毎回、熱中症寸前の状態に陥る。いつまでこの作業を自力で続けられることやら。

   植木屋さんの“春の剪定”で、枯れたオリーヴの太い枝をチェーンソーで効率よく切断してくれたのを見て、わが家でもチェーンソーを調達しておいた方が良いと思い、amazonで“マキタ 電気チェンソー ガイドバー350mm  AC100V コード5m”を購入した。オリーヴの枝のほか梅や無花果枇杷、甘夏などが台風で倒れたときの処理にも活躍すると思ったからだ。自分で試すのはちょっと怖かったので、材木の専門家の友人に“試し切り”してもらった。その作業を見ていて、自分では危なくて当分は使いこなせないと思った。友人は、チェンソーで器用にオリーヴの太い枝から、コースターや鍋敷きを作って見せてくれたのだが。

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 この季節の雑草処理に次ぐ庭仕事は、水撒き作業だ。芝生への水やりのほか、果樹や花、家庭菜園を広げたせいもあって、雨水利用の1.5トンの地下タンクや大きな野菜洗い用の水桶やポリバケツにも雨水をためており、風呂水などの生活排水も活用しているのだが、それでも晴れた日が4日も続くと水が枯渇して水道水を使うことになる。
   幸い、梅雨の季節は水が枯渇することはまずないが、8月、9月には数回は水道水を利用することになりそうだ。

                  
   初夏の季節から庭を賑わすのは、ロシアヒマワリと混合種コスモスの花々だ。ロシアヒマワリは、種まきの予定地の雑草や小石の除去などの準備作業が遅れ、例年より10日ほど遅れて5月11日 に種まきを終えた。公道に面した港側の60メートルほどのフェンス沿いに200カ所に種まきをしたが、発芽したのは150カ所ほど。
 6月中に3回ほど、風雨の強い日があり、30cm以上に伸びていたヒマワリの茎の半分ほどが、なぎ倒されたり、傾いたりした。多くは立て直すことができたが、この被害と施肥を怠ったこともあり、例年なら種まきから90日後に2メートルほどの高さに育ってから大輪の花を開くのだが、今年は60日後に50~70センチほどで開花を始め、しかも一斉の開花ではないので、以前のようなヒマワリ並木の壮観さは望めなくなった。

             

不揃いのロシアヒマワリ


   混合種コスモスの方は、落とし種から育ったコスモスが開花を始めており、5月初めに新たに種まきした分も順調に育っている。コスモスは種まきから70日ほどで開花するとのことなので、そろそろ開花し始めるはずだ。

          

開花を待つ混合種コスモス

   新顔の花としては、昨年12月に球根を植えておいたユリ科カサブランカが7月18日に開花し、芳香を放っていた。カサブランカを翌年もきれいに咲かせるためには、花を切落とし、球根に栄養が集中するようにする必要があるそうで、枯れ始めた開花1週間後の7月25日に切り落としておいた。

   花と言えば、2019年に友人が奄美大島から持ち帰った蘇鉄の種から育てた苗を植えたのだが、今年の春に植木屋さんが下枝を剪定してくれたところ、急に成長が加速し始めた。
   6月に入ると中央部から溶岩ドームのように細長い円柱状のものが成長を始めた。調べてみると、これは蘇鉄の雄花で花粉錐とも呼ばれ、花粉を散らした後は、枯れて折れてしまうそうだ。7月末現在、肌色だった雄花は茶色く変色し、傾いてきた。このまま、倒れて枯れていくのだろう。下枝を剪定したおかげで背が伸びてきたので、近い将来に隣りにある、この土地に昔から育っている、高さ2メートル半、幅3メートル半ほどに広がった蘇鉄の木と同じような大きさになるのではと期待している。そうなれば、防風林としても役立ってくれるはずだ。

           

蘇鉄の中央から伸びてきた雄花

   庭仕事の合間を縫って、7月8日から3泊4日で、今やわが家の海の別荘の観がある長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/で、サマーヴァカンスを楽しんだ。
 伊王島の海水浴場“コスタ・デル・ソル”の海開きが7月6日だったのと、5月上旬の宿泊時にもらった“前回宿泊より3ヶ月以内のご宿泊は50%引き”という「Back To i+Land」というクーポンを使って、3連泊の空室があるのがこの時期だけだったので、5月の中旬に予約をしておいた。
 長さ340メートルの白い砂浜が広がる海水浴場がコスタ・デル・ソルスペイン語で「太陽の海岸」)と名付けられたのは、1989年に、現在のホテル・アイランドナガサキが、スペイン村として開発された当時の名残りでもある。当時、フラメンコ舞踊団が常駐し、スペインからシェフを招いていたことを記憶している。バブル期に日本全国で4つほどスペイン村が作られていたが、今残るのは、志摩スペイン村https://www.parque-net.com/ぐらいだろう。
   “コスタ・デル・ソル”では、未だ、学校の夏休みが始まっていないせいもあって人出は少なかったが、おかげで、ノンビリとシュノーケリングを楽しみ、亜熱帯の魚を見つけては追いかけて遊ぶことができたが、今回は、防水カメラを持参しなかった。

    

人影がまばらなコスタ・デル・ソル



     

客室から眺めた長崎港に向かうクルーズ船 The World ( 43,188トン)



  

夕食の刺身盛り合わせ「玉手箱」

 7月27日と28日は“長崎の海と港に集い、経済・文化の振興発展を願う”「ながさきみなとまつり」https://www.minatomatsuri.com/が水辺の森公園で開催された。ステージイベントや飲食店などの出店が多数有り、終日賑わっていた。メインイベントは打ち上げ花火で、27日は7000発、28日は3000発が打ち上げられた。わが家では、友人たちを呼んでワイン片手に庭での花火鑑賞会が恒例となっている。

      

庭から見た「みなとまつり」の花火


   28日の昼間には、わが家の真下の長崎港を舞台に「長崎ペーロン選手権大会」https://www.at-nagasaki.jp/dmo/summary/peronが開催された。
 ペーロンとは、14mほどの長い舟に30名の漕ぎ手が乗り、往復1150mでドラや太鼓の囃子に合わせ、「ヨーヤーサー」という掛け声をかけて22チーム、総勢800人で繰り広げられる対抗競技だ。「ペーロン」は、中国の白龍(パイロン)が語源とされる。1655年に難破した唐船を弔うため、長崎在住の唐人たちが競漕したのがこの大会のルーツで、長崎の夏の風物詩となっている。  

            

 長崎ペーロン選手権大会


■今日のブックマーク&記事■

 

□トラベルボイス7月04日記事
「ホテルの『アーリーチェックイン』の支援サービスが続々登場、顧客満足度は向上、ホテルは増収に」 https://www.travelvoice.jp/20240704-155718

 

ミシュランガイド「全国のミシュランキーホテル発表」
  https://guide.michelin.com/jp/ja

 

□トラベルボイス7月19日記事
https://www.travelvoice.jp/20240719-156012  
ANA、欧州路線を大幅拡大、ミラノ、ストックホルムイスタンブールに新規就航、日本人の海外旅行の復活後押し”

 

 

秋のウィーン22日間の旅 その6 「ウィーン」 最終回

*[海外旅行]  秋のウィーン22日間の旅 その6 「ウィーン」

楽友協会 背後にあるのはカール教会

   もう夏になってしまったというのに、昨年の「秋のウィーン22日間の旅」のレポートが未だ終わらない。そろそろ、次のヨーロッパ旅行の予約も始めなければならない時期だ。 そこで、最後の1週間のレポートは、少々、短めに切り上げさせてもらうことにした。と言っても1万2千字を超えてしまった。

10月16日(月)旅行開始から12日目  ウィーン

   この日は、10:30から外出。帰国まで、1週間ほどとなったので、おみやげ類を探買い物歩きを旧市街で始めた。まず、行きつけのMorawa、Frytagなど数軒の書店を覗いてみた。旅行書を中心に探したが、電子出版が進んでいるせいもあって、出版点数が少なくなっており、めぼしいものは見つからなかった。唯一、Falstaff https://www.falstaff.com/enというオーストリアで出されている旅とグルメとワインの雑誌を購入。イタリアの白ワインやクルーズ旅行、ウィーンの新しいレストランなどを特集していた。

   次に、カフェ・コンディトライ https://www.demel.com/enの中のショップに立ち寄り、おみやげ用に皇妃エリザベート(愛称シシィ)が愛したと伝えられる「スミレの砂糖漬け」を何個か購入。美しい小箱に入った45gの菓子は€19.5。日本のDemel https://demel.co.jp/では取り扱っていないようだが、ネットでは3~7,000円ほどで売られていた。しかし、よく見ると空箱の値段だった。
                    ASIN:B01FMDHS90:DETAIL
   皇妃エリザベートついでに、彼女がお忍びで通ったと言われるペ-ター教会を覗いてみた。ここでは、夜に,室内楽やオルガンのコンサートが催されている。
     

Peterskirche ペ-ター教会

   この後、近くのオークションハウスDorotheum https://www.dorotheum.com/en/へ。ここに限ったことではないが、昔は日本語のホームページがあったはずだが中国語のものに置き換わっていた。お目当ては、1階と3階にある即売コーナー。いつもは、ヘレンドの皿や花瓶などの磁器を探すのだが、今回は目を惹くようなものが見当たらなかったのでパス。代わりに、3階でアール・ヌーヴォーのアクセサリーや鮮やかなエマイユ七宝焼き)の聖母像メダルなどの小物を総額で€402ほどで購入。免税手続きも済ませた。1階に戻って、即売コーナーを見て回ると、チェコボヘミアングラスの老舗Moser https://www.moser.com/en/ の耳付きのタンブラー6個セットが目に入った。価格は、€97。1客の容量が400ccほどで、元々は水用のグラスと思われるが、ウィーン風に1/4㍑のワイングラスとしても使えそうなので購入することにした。専用の紙箱が付いているので手荷物にも収まりそうだ。

   なお、Moserのホームページを探していたら日本の輸入販売代理店のホームページ http://moser.jp/index.htmlが見つかった。同じ会社がヘレンドジャパン eショップ のホームページhttps://herend.jp/も開設していた。
                            
   Moserのワイングラスについては、当ブログでも紹介した思い出がある。以前、プラハのMoser本社で購入したアール・デコ風のワイングラスhttps://europedia.hatenablog.com/entry/20100225を、2017年に本社で追加購入しようとしたら、「もうそのワイングラスを作れる技術(とくにステムの部分)の継承がなく、博物館にしか置いていない」と言われたことだ。

   この日の夜は、長崎で開かれた展覧会で知り合った画家で音楽家でもあるM氏http://www.makra-art.com/とウィーン在住の友人夫妻でプラター公園の中にあるSchweizerhaus  https://www.schweizerhaus.at/というガーデンレストランで会食。この店は40年ぶりだ。昔は大きな田舎家といった雰囲気だったが、モダンな建物に変身していた。
   誘った後で分かったのだが、M氏と友人夫妻は、旧知の間柄で、昔話が大いに盛り上がった。店の名物の豚のスネ肉のグリル(Schweinsstelze 1kg €23.9)や好物のバルカン半島の挽肉料理Cevapcici (€12.5)などを地元のワインWiener  Gemischtersatz (€31)で美味しく頂戴した。

                   

Schweizerhaus Schweinsstelze

10月17日(火)旅行開始から13日目  ウィーン

   天気が良かったので、昼前にホテルを出て、地下鉄U4で終点のHeiligenstadtに向かい、バス38AでLeopoldsbergの丘に登る。Leopoldsbergの城跡は数年前から工事中なので、城壁の周囲を巡る散策路からドナウ河本流やウィーン平原のパノラマを見物。遠くに霞むKreuzenstein城 http://www.kreuzenstein.com/をカメラに収める。この城は12世紀に建てられ、17世紀の30年戦争の最中に遠征してきたスウェーデン軍に破壊されるなどして、何度か再建を繰り返された歴史ある古城だ。
    城と反対側のドナウ川下流には、国連ビルが見える。さらに、下流には、クラインガルテンhttps://europedia.hatenablog.com/entry/20050107/p1と呼ばれる週末の小屋と自家菜園が並ぶ一角があるのだが、望遠鏡でもその姿を見つけることはできなかった。

   
       

Kreuzenstein城 

葡萄畑とドナウ河本流

   この日の夜は、19:30開演の楽友協会でのトーンキュンストラー管弦楽団https://www.tonkuenstler.at/enの演奏会を鑑賞。演目は、佐渡裕指揮でマーラーの「交響曲6番-悲劇的」。日本で9月初めにウェブ予約した席は2階席中央Balkon-Mitte Rechts  Reihe 3, Platz 1 で、料金は€ 45、プログラムは€3.2にチップを足して€3.5。

 

10月18日(水)旅行開始から14日目  ウィーン

   この日も朝から、一昨日に続き本屋巡りとショッピングに出かける。mazu,ウィーン最大のショッピング・ストリートMariahilferstrasseへ向かい、その脇道Neubaugasseにあるディスカウント書店&CDショップのHintermayerへ。いつもは、画集や歴史書、CDをたくさん買うのだが、今回は欲しいものが見当たらず、オペレッタ“Die Lustige Witwe”(メリー・ウィドウ)の解説本€5を買うにとどめた。
  ここは、訪れるたびに店舗面積が縮小されていて先行きが不安になっていたが、帰国後、店から“Time to say Good Bye”というメールが来て、60年の歴史に幕を閉じることになったと知らせてきた。今月届いたメールによるとKral Neubaugasse https://www.kral-buch.at/kralneubaugasseという書店が引き継いだようだ。
                   

  Hintermayerの次には、Mariahilferstrasseへ戻り、ウィーン最大級の書店Tallia https://www.thalia.at/buchhandlung/6412を覗くが、収獲なし。
   同じ通りにある、キッチン用品のWMF https://www.wmf.co.jp/、デパートGerngross https://www.gerngross.at/de/などをウインドウショッピングしてから、地下鉄U3で旧市街の中心Herrengasse駅に行き、旧市街でのウインドウショッピングを続ける。
  日本のハンズをエコ・コンシャスにしたようなショップManufactum https://www.manufactum.at/manufactum-wien-c199917/で園芸用品を少々購入。
                   
   

世界最長の? 仕掛け時計

 

ビアレストランGösser Bierklinik  http://www.goesser-bierklinik.at/の前を行く観光馬車

                         
   夜は、19:30開演のコンツェルトハウスでの演奏会へ。Welser-Möst 指揮、Cleveland Orchestraの演奏でマーラーの「子供の不思議な角笛」などの歌曲と「交響曲7番」を鑑賞。
   日本で6月初めにウェブ予約した席は2階席右側のBalkon Rechts, Reihe 3, Platz 10で、料金は€135、プログラムは€4.6にチップを足して€5。 

   当ブログでCleveland Orchestraを検索すると2017年10月22日に、Welser-Möst 指揮、Cleveland でマーラーの「交響曲6番」を鑑賞していた記録が出てきた。

 もっと遡って当ブログの「1976年9月〜1979年10月ウィーン音楽会鑑賞記録」https://europedia.hatenablog.com/entry/20040201/p1をチェックしてみると、今から48年前の1976年10月22日にLeonard Bernstein指揮のウィーン・フィル第3回定期演奏会で、マーラーの「交響曲6番-悲劇的」を聴いていたことが分かった。
  こういう思い出に遡ることができるだけでも「ユーロペディア」を書き続けている意義があると改めて思った。

 

10月19日(木)旅行開始から15日目  ウィーン

   この日の朝は、ウィーンを訪れるたびに必ず見学しているHeeresgeschichtliches Museum(軍事史博物館)https://www.hgm.at/ に向かった。60歳以上のシニアの入場料は€5、通常の大人料金は€7。
 1914年にフェルディナント大公は、サラエヴォで妻とともに暗殺され、それが第一次大戦の引き金となったが、大公が暗殺された際に着用していた軍服と車はここに展示されている。日本文学者のドナルド・キーン氏はその展示を子供の頃の欧州旅行中に見て深く感動したという。
 博物館には「サウンド・オブ・ミュージック」のモデルとなり、第一次大戦中は巡洋艦や潜水艦を撃沈するなどの功績を挙げたトラップ海軍少佐(映画では大佐)の軍服も展示されている。残念ながら訪れたときは海軍関係の展示は閉鎖中だった。その代わりにミュージアムショップでオーストリア海軍関係の新刊本を3冊ほど購入した。
   オーストリア海軍の歴史に興味のある方は、当ブログの「オーストリア海運の歴史」https://europedia.hatenablog.com/entry/20100330/p1をご覧いただきたい。4回の連載へのリンクも末尾にある。

          

サラエボで暗殺された際に乗っていたオープンカー

   夜は、19:30開演の楽友協会でのウィーン・フィル演奏会へ。Tugan Sokhiev指揮でベートーヴェンの「交響曲4番」、ブラームスの「交響曲1番」を鑑賞。
 日本で8月下旬にウェブ予約した席は2階席中央右側のBalkon-Mitte Rechts, Reihe 3, Platz 10で、料金は€107、プログラムは€4.9にチップを足して€5.5。

   ホテルに戻ると、在オーストリア日本国大使館からの「オーストリア政府のテロ警戒レベル引き上げに伴う注意喚起」というメールが届いていた。“オーストリア政府は直近の中東情勢及びブリュッセルでのテロ事件等を踏まえ、テロ警戒レベルを現行の「レベル3(危険度“上昇”)」から「レベル4(危険度“高”)」に引き上げる旨を発表しました。万が一の場合には、危険回避とご自身の安全確保をお願いします”との内容だった。
   旅行の計画中に、外務省からの安全情報を受信できる「たびレジ(海外安全情報  無料配信サービス)」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.htmlに自分の旅行予定を登録しておいたことによる連絡だった。

 

10月20日(金)旅行開始から16日目  ウィーン

   この日は、朝からKunsthistorisches Museum(美術史美術館) https://www.khm.at/japanese/を訪問。65歳以上のシニアの入場料は€18、通常の大人料金は€21。フェルメールブリューゲルクラナッハルーベンスレンブラントラファエロなどの名画を時間をかけて見学。
     

クリムト兄弟が描いた美術館の壁画

                 

   夜は、19:30開演の楽友協会でのウィーン・フィル定期演奏会へ。Tugan Sokhiev指揮でピアノLang Langのサンサーンス“Konzert für Klavier & Orchester Nr. 2”とプロコフィエフの「交響曲5番」を鑑賞。「その5」でも書いたが、前日のウィーン・フィル定期演奏会ではなく楽友協会主催の演奏会だったので事前販売があったが、こちらは定期演奏会なので、チケットは定期演奏会会員への年間シリーズ販売が原則。しかし、ウィーン・フィルのホームページhttps://www.wienerphilharmoniker.at/ja/に「本公演のチケットが返却された場合に限り、10月13日(金)の 9:30 より、電話、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチケットオフィスにて、およびオンラインで販売致します」と書かれていたので、当日の9:30 にウィーン・フィルのオフィスに行ったところ、私の他には1人しか並んでおらず、€72で2階席中央2列目の良い席(Balkon-Mitte Rechts, Reihe 2, Platz 13)を買うことができた。プログラムは€5.2にチップを足して€6。


10月21日(土)旅行開始から17日目  ウィーン

   ウィーンに戻ってきたときの欠かせないイベントで残されたひとつが葡萄畑の一角にあるホイリゲと呼ばれる新酒を飲ませる居酒屋Hirt https://www.derhirt.at/での友人たちとの飲み会だ。
   私は、これまた恒例で、早めにホテルを出て地下鉄とバスを乗り継いでウィーンを一望するKahlenbergの丘へ向かい、ウィーンの森を40分ほど散歩しながらそのホイリゲまで降りていった。
           

Leopoldsbergの丘から見下ろすホイリゲHirt


   友人夫妻は、ホイリゲまで来る道が車両通行止めになっていたようで、30分ほど遅れて到着。それまで、ドナウ河に続く葡萄畑を眺めながら新酒を楽しんだ。
   ここからの眺めは、まるで歴史の教科書で見た、教会を中心に三圃式の畑に囲まれたヨーロッパの荘園のような風景だ。

   友人が着いてから、つまみの注文を始め、好物のウィーン風ハンバーグや肉まんじゅう、野菜のパイ焼き、ポークのクミン風味グリルなどのつまみと一緒に、ボトルのワインを味わう。4年ぶりにこの店に来てみて気がついたのは、オーナーが代わったようで、大変モダンなインテリアとメニューのデザインに変わっていた。有り難いことにつまみは昔とほとんど変わってなかった。しかし、以前は、ドナウ対岸のオーナーの葡萄畑で作ったワインが、ウィーンならではの1/4リットルのジョッキーで出されていたが、今は、ちょっと高級な(我々昔からの常連にしては)ボトルワインが中心になってきたようだ。
                       

つまみの盛り合わせ


 
               

カウンター席越しにドナウ河を眺める 


   
                   

歴史の教科書に出てくる荘園のようなたたずまい

            


10月22日(日)旅行開始から18日目  ウィーン

   この日は、拙著「ウィーン旅の雑学ノート」で取り上げた旧市街の散歩道で歩き残していた通りをたどった。まず、旧市街の東端のヨハン・シュトラウス像で有名なStadpark(市立公園)から西に向かって歩き始める。
 日曜で閉店中だったがWeihburggasseにある狩猟用品店Springer https://www.springer-vienna.com/のショーウィンドウで、望遠鏡やアーミーナイフ、リュックなどを覗いていると、「テロ警戒レベル引き上げに伴い」近くを警戒中の武装警官が気になり、落ち着いて下見を続けることもできなかった。なにしろ、猟銃を並べている店だから。
           

   続いて、Franziskanerplatz、Ballgasse 、Blutgasse、シュテファン大寺院、Graben、Naglergasse、Am Hof広場と西に向かって歩みを進めた。
   Am Hof広場のAm Hof教会の前では、クロアチアの若者たちが民族衣装で着飾って写真撮影のポーズを取っていたので、遠慮しながら写真を撮らせてもらった。この教会は、在ウィーンのクロアチア人の信仰を集めている教会でもある。
   さらに、Judenplatz、Kurrentgasseと進んで、Stephansplatzで地下鉄に乗ってホテルへ戻った。
 
         

Naglergasseの天使のレリーフ



           

Am Hof 広場 民族衣装を着たクロアチアの若者たち

   夜は、19:30開演のコンツェルトハウスでのWiener Symphoniker演奏会へ。Jaap van Zweden指揮、Simone Lamsmaヴァイオリン。演目は、WagnerのOuverture zu Die Meistersinger von Nürnberg、Benjamin BrittenのKonzert für Violine und Orchester、 Beethovenの「交響曲5番-運命」。
   日本で9月初めにウェブ予約しておいた席は2階席左側のBalkon  Links  Reihe 2, Platz 10で、料金は€68、プログラムは€4.1にチップを足して€4.5。 


10月23日(月)旅行開始から19日目  ウィーン

 

   翌日の帰国を控え、実質最終日となるこの日は、午前中から旧市街に出て最後の街歩きとショッピング。最初にオペラ座のショップで、トートバッグやCDなどを購入。
   繁華街Grabenの書店Frick https://buchhandlung-frick.at/filialen/frick-am-grabenでディスカウント販売されている美術書を探したがめぼしいものは見つからず、オペラのCDを3枚購入。
  さらに、カフェ・コンディトライHeinerとSacherで定番みやげのザッハートルテなどを購入。
   ホテルに戻り、早めだが12泊分の宿泊料をSony Bank WALLET(Visaデビット付きキャッシュカード)https://moneykit.net/visitor/sbw/で精算。このホテルは、事前精算しないと領収書が出ないシステムだったためと翌日のシェックアウトを手間取らないためだ。

  当欄「音楽会・フライト・ホテル等の予約」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226で詳しく書いたが、6~7年前に購入したユーロ建ての外貨預金からの引き落としだったので、1ユーロは約120円での精算となった。なお、この日の支払いを手持ちのクレジット・カードでおこなった場合、海外事務手数料(例:2.2%)を加算すると約163円だった。また、2024年6月29日のクレジット・カードのレートは176.3円だ!

   上記のSony Bank WALLETでの支払いの場合、自分のユーロ建て外貨預金口座から額面通りの引き落としとなるので、2.2%の事務手数料はかからない。

 

   海外で使ったクレジットカードの精算レートがいくらになるかは使った時点では分からないが、その計算方法を理解するのに役立つページを見つけた。金融サービス事業者Wisehttps://wise.com/jp/の「VisaやMastercardの為替レートの仕組み・確認方法を解説!」 https://wise.com/jp/blog/card-brand-exchange-ratesというページだ。VisaやMastecardの通貨コンバーター(英語)へのリンクも貼ってあった。

   この日の夜は、ホテルの近所に住む友人夫妻と「最後の晩餐」。レストランは10月14日の記事でも取り上げた、古い佇まいを維持・再現した一角SchlossquadratにあるSilberwirt https://www.silberwirt.at/?lang=en
  Silber's Zwiebelrostbraten(サーロインステーキのオニオンフライ添え)€26.8、Wiener Schnitzel von der Kalbskarreerose(仔牛のウィナー・シュニッツエルの衣にヒマワリの種まぶしたもの)€22.9、Tuscany Cordon Bleu(生ハム・モッツァレラなどを挟んだトスカーナ風コードンブルー)€16.9などのメインをマナー違反だが少しずつ取り分けて味わった。デザートはPfirsich-Fruchtmousse(桃のフルーツムース)€7.9など。

           

 ヒマワリの種をまぶしたウィナー・シュニッツエル

デザートの桃のフルーツムース

                 


10月24日(火)旅行開始から20日目  帰国の途へ

   翌朝は、ホテルを通じて手配しておいたエアポートタクシーで09:48にホテルを出発、いつもより早く10:15には空港到着。
   10:20にはオーストリア航空051便にチェックイン。預託荷物はスーツケース25.7キロとソフトバッグ15.8キロだった。10:30には通関、免税手続きへと向かう。
   免税手続きと空港デューティーフリーでの買い物や旅行中の両替についての顛末については当ブログの3月30日の記事中に書いたが、念のため末尾に「後日談」として再掲載しておく。

 

 11:30にオーストリア航空ラウンジでひと休み。日本の航空会社のラウンジと比べサービスは簡素なものだった。
   12:15にゲートへ向かい、13:02にオンボード。ほぼ定刻(13:30)どおりの13:33に出発。往路では、あまり食欲がなかったが、ウィーン料理に慣れたせいか、帰りは、15:00に遅い昼食として、牛ランプ肉の煮込み料理Tafelspitzを、行きのフライトで味を占めたGelber Muskateller種の白ワインとともに美味しく味わった。
   帰りのフライトも行きと同じルートを東に向かう。バルカン半島を南下して黒海に出てシルクロードをたどるロシア迂回ルートだ。予定所要時間は、12時間20分だ。
             

オーストリア航空51便 Boeing 777-200ER

ターフェルシュピッツ

シルクロードに沿って飛行

               
                  

10月25日(水)旅行開始から21日目  成田経由、長崎帰着

   日本時間の06:40(ウィーン時間の23:40)に、エッグ・ベネディクトとフルーツ、オレンジジュースという軽い朝食をとる。
   ほぼ定刻(08:50)どおりの08:40に成田空港第1ターミナルに到着。

 デジタル庁の入国手続(入国審査、税関申告)及び免税購入に必要な情報を登録することができるウェブサービスVisit Japan Web https://services.digital.go.jp/visit-japan-web/のアプリに、あらかじめ「入国・帰国の予定を登録」「入国・帰国の手続を入力」をおこなっていたので入国審査と税関もスムーズに通過できた。

 1階到着ロビーのJALABCカウンターで2個の預託荷物を長崎の自宅宛で預け、身軽になって(と言っても生もののザッハートルテなどは機内持ち込みにしたが)、ターミナルバスでジェットスターの長崎行きが出発する第3ターミナルに向かう。
   09:40にGK643便のチェックイン手続きを済ませ、11:50に出発。13:48に長崎空港到着。有り難いことに友人が車で迎えに来てくれていたので、15:00には無事自宅に戻ることができた。


海外旅行の後日談を二題

    連載中の当ブログ「晩秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226で、少々得意げに「6~7年前に購入したユーロ建ての外貨預金が残っていたので、今回は日本円から両替することなくユーロ預金から直接デビットカードの引き落としができた。当時の購入レートは1ユーロは120円ほどだったので、旅行直前に日本の銀行でユーロの現金を購入した場合の為替レート170円弱と比べ、30%ほど安くユーロが使えたことになる」と書いたが、帰国してから世の中そんなに甘くないと思い知らされた。
 帰国後、ネット・バンキングの口座を見てみると、為替差益が計上されていて、注として、「外貨の売買の際に為替差益が生じた場合は、総合課税の対象となり、雑所得としてご自身で確定申告が必要です。確定申告の詳細につきましては、税理士や最寄りの税務署等にご相談ください」と書かれていたのだ。別に「外貨の売買」をしたつもりはないのだが、実は、ユーロ預金を現地で使った分の為替差益以外に、ユーロ預金分では不足すると思って、ドルが108円の頃に買っておいたドル預金を、ユーロ預金に替えておくという操作をしておいた。ユーロ預金を現地で使った分の為替差益よりも、この部分の為替差益がが多く計上されていた。
 税理士さんに相談すると、「確定申告の必要があります。税務署もしっかり把握しています」とのことだった。おかげで、10年ぶりに確定申告をすることになった。結果的には、各種税控除と相殺になり、所得税等は課税されなかったのだが。税理士さんの話では「結果的に課税されなくても、税控除と相殺するためには確定申告の必要はあった」そうだ。ごもっとも。

   また、驚いたことにネット・バンキングの口座に計上されていた為替差益の額は、私が捕らぬ狸の皮算用で試算して、得したと思い込んでいた金額とほぼ同じだった。日本国の徴税システムは侮れないと痛感した。一部の政治家にもこの優れた徴税の網がかかり“天網恢恢疎にして漏らさず”と願いたいものだ。気になったので、“天網恢恢”の語源を調べてみたら「老子」にたどり着いた。


   もうひとつの後日談は、23年10月24日にウィーンからの帰国時に空港で免税手続きをしていたときのことだ。パスポートコントロールを通過してから、税関で手荷物に入れた品物を見せてスタンプをもらい、隣の銀行窓口で払い戻しを受けようとしたところ、書類に不備があると撥ねられた。しかし、係の人は「うちでは払い戻せないけど、購入時に書類と一緒にもらった封筒に入れて、そこのポストに投函すれば、保証の限りではないがクレジット・カード口座に戻ってくるかも知れないよ」と助言してくれた。
   免税手続きをしようとしたのはオークションハウスDOROTHEUM http://www.dorotheum.com/の即売コーナーで買った、アール・ヌーヴォーのアクセサリーや鮮やかなエマイユ七宝焼き)の聖母像メダルなどの小物で総額€402ほどだった。以前にもDOROTHEUM の免税書類不備で免税手続きがうまく行かなかったことがあったので、ほぼ諦めていたが、なんと4ヶ月後の2月18日になってデビットカードの口座に手数料を引いた免税分6,434円が振り込まれてきた。

   ウィーンの空港では、この免税手続きが済んだ後で、HeinemannというDuty Free Shopで、オーデコロンやチーズ、チョコレートなどを€260ほど購入した。残念ながら、目当てのワインは欲しいものがなかった。この店を利用したのは、ウィーン到着時に割引クーポンをもらっていたからだ。デビットカードで支払いを済ませると、親切なレジのお兄さんが「Tax Freeの手続きもした方が良いよ」と書類を整えてくれた。コロナ禍で4年ぶりなのでうっかり忘れていたが、ワインやタバコ、香水などはDuty Freeすなわち関税が免税になるので(うろ覚えだが、これらの品の税金は関税が大部分のはず)、Tax Freeの手続きをしなかったが、今回買ったような一般の品は関税が引かれた上に、追加手続きで付加価値税(消費税)も戻ってくるのだった。
 先ほどの、免税窓口に書類を持って行くと、「今度は何の用だ」と言った顔をされたが、今回はその場ですぐに手数料を引いた付加価値税免税分€26を現金で戻してくれた。
   すっかり、Duty FreeとTax Freeが違うことを忘れてしまっていた。興味のある方は「デューティーフリーとタックスフリー」と検索してみると良いだろう。なお、デューティーフリーとタックスフリーを一括して行ってくれる空港免税店もあるのでご注意を。

 

今回の旅程

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎
 

■今日のブックマーク&記事■

ぶらあぼ 2024年10月の海外公演情報〈オーストリア
https://ebravo.jp/archives/165768

 

花盛りの庭と果樹・野菜の収穫

*[長崎日記]花盛りの庭と果樹・野菜の収穫


種まきや植え付けの準備を済ませ小浜温泉

 3月末には、2月26日に植え付けたジャガイモの畝で発芽しなかった部分にメイクイーンの種芋を5個ほど追加で植え付けた。
   また、同じ頃、5個の大型プランターの雑草を抜いて、培養土や腐葉土、油粕、有機石灰を加えて種まきの準備をおこなった。
   庭に畝を作らず、わざわざプランターを使うのは、小動物による被害が比較的少ないのと雑草の処理が容易だからだ。とくに、二十日大根やルッコラなどに効果的だ。

     

トンビと枝垂れ桜  トンビはカラスや小動物に睨みを利かせてくれるので助かる

 

小手毬

   種まきや植え付けの準備を済ませ、畝やプランターの2週間ほどの土の養生期間には手が空いたので、4月3日から雲仙市小浜温泉へ3泊の小旅行に出かけた。家庭菜園の農作業にいそしむ素人ファーマーの農閑期の湯治という気分だ。
 行きは友人2人が花見がてら車で送ってくれるというので、ついでに、かねてから行ってみたかった小浜温泉手前の千々石町の、畑の中にある旧知のシェフが腕を振るうイタリアン・レストランLocanda del Campo https://www.locanda-del-campo.com/にも寄ってもらった。
 雲仙地域で育つ伝統野菜を使ったイタリアンは滋味豊かな味で、友人たちも大満足。最近は、雲仙市のあちこちに、伝統野菜や地元で穫れる魚介・肉などの素材にに惹かれた首都圏などのシェフたちが移住してきて、レストランや料理自慢の宿ができてきている。興味のある方は「雲仙 伝統野菜」などと検索してみては。
                 

   小浜での宿は、これまでに5回ほど利用している、全客室にプライベート温泉を完備したオレンジ・ベイ・ホテル https://orangebay.jp/。ホテルの名前は、目の前に広がる橘湾の橘(ミカン類の総称)から来ている。今回は、2年ほど前にオープンした“小浜温泉で1番海に近い温泉付きの離れ”に泊まってみた。“専用の中庭を眺めながら入れる温泉掛け流し式展望露天風呂”と海を独占するかのような部屋からの景色には大満足。とくに、なにも遮るものがない夕日が沈む光景は感動的だった。湯量豊富な小浜や雲仙の温泉の熱源は、この目の前の橘湾の地下深くにあるマグマだまりだそうだ。
   小浜温泉旅館組合https://obama.or.jp/のサイトには「現在でも全国の温泉の中で熱量・温度とともに一位を誇り、町に30カ所もある源泉は温度100度の湯を一日に15,000トンも湧きだしています」と書かれていた。

 宿では、部屋まで運んでもらえるヴォリュームたっぷりの大きなバスケット入りの朝食セットもリラックスできて美味しかった。
   このホテルは夕食の提供が廃止になったので、夜は、近くの海鮮料理店やフレンチ・レストラン“シャトープラージュ”https://obama.or.jp/insyoku/chateau-plage/などで日没を眺めながらとった。
   滞在中は、温泉三昧だったが、バスで山の中腹に広がる嶮山(とけんさん)公園の裏手まで登り、そこから公園の桜並木や温泉街と橘湾の展望が素晴らしい生目八幡神社を見物しながらハイキングがてら町まで降りてきたりして楽しんだ。
         

離れの展望風呂



    

ツツジと桜 背景は橘湾

シャトープラージュからの夕日

 

朝食セット

ジャガイモの芽かきと“春の剪定”

   小浜温泉から帰ってからは、4つの畝で15センチほどの高さに成長していたジャガイモの芽を間引きする芽かきという作業を行った。こうすることにより、ひとつひとつのイモを大きく育てるこ とができる。

 

芽かきをおこなって3週間後のジャガイモの畝

   4月9日には、枇杷も実を大きく育てるために間引きの作業を友人たちの手を借りておこなった。3メートル以上の高さがあるため、梯子を使って作業する必要があるため、友人の協力が欠かせない。共同作業の終了後は恒例の打ち上げワイン会となる。
 
 間引き作業の数日後には、種まきの準備を済ませておいた5つのプランターにバジルや二十日大根などの種まき作業をおこなった。幸い、猫などの小動物の被害もなく、後日、順調に芽が出てきた。

   毎年、ゴールデンウィークの前後には、植木屋さんに頼んで“春の剪定”をおこなってもらっているが、今年は、自力でおこなう機械による草刈りを怠っていたこともあり、雑草の繁茂が半端な量ではなかった。そのため“剪定”というよりも雑草処理の比重が大きくなりそうなので、早めに作業依頼することとなった。
   下見に来てもらったところ、作業量が例年より多いので、4月18日から開始し、場合によっては翌日にかかるかも知れないとのこと。とくに、2メートル四方のブロックで囲まれたハーブガーデンや石垣とフェンスの間30メートルほどの長さの雑草取りが機械が使えないため、手間がかかりそうとのこと。また、数年前から天敵のゾウムシの被害に遭って、回復の見込みのないオリーヴの枝はすべて切ってもらい、40センチほどの長さの薪にしてもらうことになった。オリーヴの薪は、友人が自宅の薪ストーブに使いたいとのこと。オリーヴの幹は脂分が残っているようで、よく燃えるそうだ。

   作業は、4月18日から開始し、場合によっては翌日にかかるかも知れないとのことだった。作業をスムーズにおこなってもらうため、残しておいて欲しいタチアオイホースラディッシュ、花などの、周りの雑草を引き抜いて、目印の支柱を30本ほど立てたり、庭に立てていた30本ほどのソーラーランプを移動するるという事前準備の作業をおこなった。


           

開花し始めた木蓮

   4月18日からの剪定作業は、6人の職人さんが朝8時半から取りかかってくれた。エンジン式の草刈り機はもちろん、芝刈り機、チェーンソーまで持ち込んでの作業は実に手際よく、見る見ると庭がきれいに整えられていった。
   オリーヴは枝ばかりではなく、太い幹も回復不能とみられた部分は切り取られていった。柚子やレモンも容赦なく刈り込まれていき、こちらが心配になるほどの展開だ。切り取ったオリーヴの樹の根元からは、ひこばえ(樹木の切り株や根元から生えてくる若芽)が伸びてきているので、その成長で再生していくのを待つことになる。

 二日がかりを覚悟していた作業は、16時にはほぼ終了し、翌日は、樹木の消毒・防虫剤噴霧の作業だけで済むことになった。刈り込んだ芝生の間に残っている雑草は、3週間後にある程度生長してから、芝生を痛めずに雑草だけに効くという除草剤を撒いてもらう手はずだ。         

      

             剪定の終わったオリーヴの樹とクィーン・エリザベス号の出航


ハーブガーデンやキュウリ畑からの収穫開始

   剪定作業が終わった翌日からは、新たな庭仕事が待ち構えている。まず、30坪ほどの芝生に専用の有機芝生肥料を10キロほど散布した。これで、一挙に眠っていた芝生が目覚め青々と育ち始めるはずだ。
   次に、伸び放題だった雑草を除去してもらった2メートル四方のブロックで囲まれたハーブガーデンに有機石灰、油粕を散布の上、腐葉土、培養土などを追加し、地ならしをした。1週間ほど養生期間を置いてから、ハーブなどの種まきを始めた。
   まず、先行させて真ん中ひと筋にバジルの種を撒いた。これは、周囲に種まきするサラダミックスなどの葉ものの虫除け効果が期待できるからだ。

   4月末までにハーブガーデンには、ガーデンレタスミックス、レタス・サラダミックス、時無し五寸人参、コリアンダーパクチー)、6種のパプリカ、フェンネルなどを種まきした。5月末現在、パプリカ以外は順調に育ち、レタス・サラダミックスなどの葉ものは早くも収穫の最盛期を迎えている。サラダミックスなどの葉ものは、梅雨に入ると虫の被害が増えてくるので、いつまで収穫できるか少々不安ではある。

    

収穫期を迎えたレタス・サラダミックス

   4月から5月初めまでの欠かせない家庭菜園の作業は、4本のジャガイモ畝の土寄せだ。育ってきたジャガイモが地上に顔を出して緑変し、毒素が発生するのを避けるため、土を足す作業だ。


   4月末には、夏すずみというキュウリの苗を8つほど購入し、あらかじめ油粕や有機石灰、培養土などで養生しておいた港側の日当たりの良い場所の畝に植え付けた。芽が出始めてから、胡瓜のつたを絡ませるネットを張った。また、葉が広がってきてからテントウムシなどの被害が出始めたので、ベニカベジフルという虫除けの薬剤を噴霧したら効果てきめん、虫が姿を消した。
   5月末には収獲が始まり、現在は一日2本程度。6月に入れば最盛期には一日5~6本の収獲となる見込みだ。次の収獲に備えて、近々、港側にもうひと畝を準備しなければならない。
             


マリリス芍薬フェイジョアタチアオイの開花

   5月に入ってから、花壇のアマリリス芍薬が開花。カサブランカの球根からも2本の緑色の太い茎が40センチほどの高さまで伸びてきている。6月末には開花するものと期待している。
   

マリリス



    

芍薬の花

 1昨年の台風で吹き飛ばされた3本のオリーヴの跡地には、昨年1月に中南米が原産でニュージーランドで品種改良されたフェイジョアというグアバに似た果物を実らせる高さ35センチほどの苗木を2本植えたが、5月に入って初めて薄桃色のエキゾチックな花を咲かせた。秋には果物を実らせるはずだ。ジャムや果実酒としても利用できるようなので、楽しみだ。
   ジャムと言えば、庭に2本ある、ジュンベリーの木の実も収穫期を迎えている。未だ、ジャムにするほどの収穫量ではないので、昼食代わりの“フルーツ山盛りヨーグルト”に加えている。  

フェイジョアの開花

   5月に入ってからは、毎年の楽しみのタチアオイが開花した。12年前に引っ越して来た際、東京から移植したタチアオイは、裏庭の1カ所に数本しかなかったタチアオイだが、現在は、港側の庭も含め10カ所ほどに広がり、100本以上の花が競い合って咲いている。
   タチアオイは、梅雨入りの頃に花が咲きはじめ、一番上まで花が咲き上ると梅雨が明けるといういわれているが、温暖な長崎では5月に入ると花が咲きそろい始め、5月末には、一部は、一番上まで花が咲き上がっている。


ロシアヒマワリとの混合種コスモスの種まき

    庭でタチアオイが賑わいを見せた後、夏を彩るのは2メートルほどの高さまで育つロシアヒマワリの並木だ。毎年、公道に面した60メートルほどのフェンス沿いを中心に200本ほどの並木を出現させるのだが、ここ数年は、強風や雨不足などの天候不順により以前のように咲きそろうことは難しくなってきた。
    例年、ゴールデンウィーク前にはヒマワリの種まきを終えるのだが、今年は、種まき予定地の雑草や小石の除去などの準備作業が遅れ、5月11日 に、ロシアヒマワリの種を3~4づつ、200カ所ほどに種播きし、肥料散布の上、翌日に、天敵のナメクジ除けの粒剤を撒いた。5月末現在、150カ所ほどから複数の芽が出てきたが、まったく発芽しないカ所もあるので、これから再度、種まきをする予定。

   夏の庭を賑わすもうひとつの花が混合種コスモスだ。今年は、昨年秋のコスモスの刈り込みを遅らせたせいか、落とし種から夥しい数の発芽があり、気の早いものは既に開花している。この分では、例年より1ヶ月早く、7月中旬には一斉に開花するだろう。おかげで、雑草を機械で刈る作業ができずに困っている。
 例年、6月から9月にかけては月に2回ほどシルバー人材センターに頼んで、雑草処理をしてもらうのだが、今年は、コスモスを避けて手作業で雑草を抜いてもらうという手間のかかる作業をお願いすることになりそうだ。
   シルバーさんの作業が終われば、混合種コスモスやロシアヒマワリの種を追加で撒く予定だ。

 

伊王島と福岡へ小旅行

       
   庭仕事の合間を縫って、5月7日から3泊4日で、今やわが家の海の別荘の観がある長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/で、ショートヴァカンスを楽しんだ。
   この時期に出かけたのは、前回12月中旬の利用時に「前回宿泊より3ヶ月以内のご宿泊」は50%引き、6ヶ月以内は35%引きという「Back To i+Land」というクーポンをもらっていて、その6ヶ月以内の期限が迫ってきたのと、“春の伊勢海老 美食会席”という地元で穫れる伊勢海老料理三昧のプランに心惹かれたからだ。私は、1泊だったが、同じく伊勢海老好きの友人2人に声をかけたら1泊付き合ってくれるというので、一緒に出かけることになった。
   今回もチェックアウト時に、「Back To i+Land」クーポンをもらったので、戻ってから3ヶ月以内の夏休みの予約を入れておいた。

          

伊勢エビの玉手箱



          

伊王島灯台

   伊王島から戻ってからは、ヒマワリの種まきや雑草の手抜きなどの庭仕事を続け、穏やかな日々を過ごしていたが、5月16日の未明に予期せぬ大嵐に見舞われ、2メートルほどの高さに育っていたポール・マッカートニー種の薔薇が大破。根本から別れていた枝1本のみが残った。ほかにも、南高梅モッコウバラの枝が何本か折れ飛んでいた。幸い、咲き始めたばかりのタチアオイは、何本かが傾いたが、おおむね無事だった。もう少し遅い時期の襲来だったら芽が伸び始めた時期のロシアヒマワリはひとたまりもなかっただろう。今年の夏の異常気象の予兆のような気がして、今後の台風や大雨が心配だ。

 5月19日は、日頃から親しくしてもらっている幼稚園・小学校時代の同級生2人の誕生日。そこで、わが家で誕生会を開くことになった。5人でスペインの発泡酒Gavaやポルトガルの白ワインなどを、地魚の刺身や鰹のたたきなどをオードヴルに飲み始め、メインはわが家定番の大皿に盛った自家製皿うどん。久しぶりに作ったが大好評でご満悦。
 

大皿の皿うどん

  5月25日には、久しぶりに福岡へ出かけた。主目的は、1970年代のウィーン滞在中にお世話になった青木敏郎画伯の個展https://www.mistore.jp/store/nihombashi/shops/art/art/shopnews_list/shopnews0172.htmlが福岡天神の三越にある画廊で開かれていたからだ。



   長崎に戻ってからは、南高梅枇杷、ジャガイモの収穫が始まった。今年は、例年怠っていた、11月上旬の枇杷の開花前に行うべき花芽を摘み取る摘房(粗摘果作業-摘蕾とも言う)作業や3月上旬の枇杷の摘果(間引き)作業もしっかりおこなっていたので、いつもより粒の大きい枇杷が実っている。以前も書いたが、わが家では4年ほど前から枇杷の房に袋を掛けるのを止めている。鳥の被害がそれほどひどくなかったせいもあるのだが、陽の光をたっぷりと浴びさせた方が味が良くなるのではと言う素人考えからだ。  いつもより粒が大きいだけに、6月に入れば、鳥との収獲競争になる。

 枇杷やジャガイモの収穫については、来月また報告したい。昨年の「秋のウィーン22日間の旅 その6」以降も来月に再開したいと思っているのだが......。

       

     

■今日のブックマーク&記事■

□TRVLWIRE 5月14日“オーバーツーリズム対策最前線、世界共通の課題に四苦八苦”
     https://trvlwire.jp/?p=35843

□トラベルボイス5月25日記事
“予測不可能な航空機の「乱気流」事故、航空会社の遭遇は増加、数十年で3倍の可能性も”https://www.travelvoice.jp/20240524-155676

大韓航空“2024年9月よりポルトガルの首都リスボン週3便 新規就航”
  https://www.koreanair.com/jp/ja/promotion/list/2024/2405-lis

 

 

秋のウィーン22日間の旅 その5 「ウィーン」

*[海外旅行]  秋のウィーン22日間の旅 その5 「ウィーン」

楽友協会近くのブラームス



10月13日(金)旅行開始から9日目  ウィーン

 

   昔からの習慣というか験担ぎで、13日の金曜日は、極力外出を控える主義だが、この日は遠出を控え、チケット購入済みのオペラ鑑賞などで過ごした。    

   この日は、私にしては早めの06:45から朝食をとった。早起きしたのは、9:30 より、10月21日と22日のウィーン・フィル定期演奏会の残席が販売されるからだ。
 朝は、目覚まし時計に頼るまでもなく、睡眠中の05:45に長崎中央郵便局から携帯に電話が入ったので、予定より早く起きることになった。郵便局からの電話は、“「不在届」を受理していたにもかかわらず手違いでポストに投函してしまった”という内容だ。郵便局は、海外旅行中とは知らず、電話したようだが、海外での着信料金(1分当たり110円)は当方負担となった。

 「その1」でも書いたが、日本から手配できた7回のコンサートのほかに、終身会員への事前販売が原則の10月20日ウィーン・フィル定期演奏会(指揮Tugan Sokhiev、ピアノLang Lang“Saint-Saëns: Konzert für Klavier & Orchester Nr. 2 、 Prokofjew: Symphonie Nr. 5 ”のチケットは現地で入手することにしていた。

  ウィーン・フィルの日本語ホームページhttps://www.wienerphilharmoniker.at/ja/に「本公演のチケットが返却された場合に限り、2023年10月13日(金)の 9:30 より、電話、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチケットオフィスにて、およびオンラインで販売致します」と書かれていたので、この日の09:30 にケルントナー・リング通り12番地にあるウィーン・フィルのオフィスに行ったところ、私の前には1人しか並んでおらず、72ユーロでバルコン席の前から2列目中央の良い席を買うことができた。

   ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチケットオフィスの土産物コーナーで、ついでに19世紀風のオペラグラス(実用性はほとんどなかった)€15、Moleskin社製のウィーン・フィルの手帖€18.9などを購入。

   ここから市電に乗って、ウィーン大学に向かう。ここでも購買部に立ち寄ったが、かつて品揃えが良かったCD(昔はLPも)は、置かれなくなっていたので、絵はがきや布製のエコバッグ€5を買うにとどめた。

 次に、大学の斜め向かえにある、昔、Creditanstalt銀行の本店があった1912年に建てられた宮殿のような建物に向かった。この建物が改装されてINTERSPAR am Schottentor   https://www.interspar.at/schottentorという高級スーパーになっているという新聞記事を読んだからだ。
   ウィーンに住んでいた1970年代半ばには、知り合いがこの銀行に勤めていたこともあって、ここで口座を作って何度か通ったことがあった。
   中に入ると、宮殿のような重厚で広々とした空間が、見事に高級スーパーに変貌していた。許可を得て、写真も撮らせてもらった。
   ついでに、昼食代わりの小さなにぎり寿司セット€8.99、グリーンサラダ€4.29、Muskateller種の白ワイン€10.99などを購入。
   買い物をしていて思い出したが、1855年ロスチャイルド男爵により設立されたCreditanstalt銀行は、1931年5月に破綻し、その余波がドイツ、フランス、英国へと及び、ヨーロッパにおける大恐慌の発端となった銀行でもあった。

      

INTERSPAR am Schottentor の店内

   12時過ぎにホテルへ戻って、昼寝のあとにぎり寿司とサラダの昼食。18時過ぎに部屋を出て地下鉄で2駅のオペラに向かう。
   演目は、プッチーニの三部作(Il trittico )。これは、彼の作曲した3つの一幕物オペラ、「外套」、「修道女アンジェリカ」、「ジャンニ・スキッキ」を一夜で連続して上演するという演目だ。「その2」で、書いたようにこの演目は、ウィーンへ向かう機内エンターテイメントで3時間にわたるザルツブルク音楽祭での上演を鑑賞して予習済みだった。
   オペラ座のチケットは日本からオンラインで購入してあった。席は、Galerie Mitte links, Reihe: 1, Platz: 34 という3階席中央左側1列目で料金は €122だった。コンサートのプログラム同様オペラ座のプログラムも値上がりしていて€ 5.8だった。チップ0.2を加えた€6を渡した。
 オペラの終演は22:45 。周辺のレストランはほとんどがラストオーダー 終了となっていたので、仕方なくというか性懲りもなくというか再びKarlsplatz-Opera駅にあるマックで、グルテンフリーのMcF1rst Beef € 4.9とBacon Hamburger Royal mit Käse € 5.2をテイクアウト。ホテルの部屋で買い置きのグリーンサラダとワインと一緒に夕食。01:00頃に、アルジャジーラのニュースを見ながら就寝。

     

Hotel Indigo 122号室から見る公園の眺め  

 


10月14日(土)旅行開始から10日目  

   この日の朝は、ホテルの裏手にある公園Willi-Frank-Parkを散策してから歩いて蚤の市に向かう。公園の名前は、第二次大戦中に戦死した抵抗運動の闘士Willi Frank氏を記念してつけられたようだ。   
 

公園側から見たHotel Indigo     

 公園から10分ほど歩いて、土曜日恒例の蚤の市が開かれているKettenbrückengasse駅周辺に向かい、蚤の市https://www.stadt-wien.at/wien/maerkte/flohmaerkte-wien.htmlを見物。昔は、友人達を誘い合ってここで不要品を売る店を開いたこともある。当時の出店者の半分ほどは素人の不要品販売で、客とのやり取りを楽しむ一種のリクレーションだったが、最近はアンティーク業者などプロが増えているようだ。
    

ウィーンの蚤の市

   蚤の市の近くにあるオットー・ワーグナーが設計したマジョリカハウス、メダイヨン館などのアール・ヌーヴォー建築を眺めた後、生鮮食品市場Naschmarkt  https://www.wien.info/en/dine-drink/markets/naschmarkt-353536に向かう。この市場では、日本名がそのまま通じる果実などもある。ミカンはSatsumaと呼ばれている。幕末に薩摩藩がパリ万博に展示物として持ち込んだのが始まりのようだ。二十世紀梨はNijisseiki、カボチャはHokkaido、柿はKaki、鮪の大トロはO-Toroと書かれている。
   Naschmarkt市場を抜けてKarlsplatz駅から地下鉄に乗り、ホテルの最寄り駅Pilgramgasseに戻り、スーパーBillaで、昼食代わりにハーブを練り込んだウィーン風ハンバーグの辛口Pikante Fleischlaibchen を丸いSemmelパンで挟んでもらう(€3.11)。ほかにSatsumaを1キロ€2.49、グリーンサラダ、牛乳€1.09などを購入。

 

薔薇の刺青を思わせるマジョリカハウス



    

Hokkaido(北海道)と書かれた日本種?のカボチャ

   ホテルの部屋で昼食をとった後、再度近所のSchlossquadrat  https://www.schlossquadr.at/?lang=enと呼ばれる一角に散歩に出かけた。Schlossquadrat とは方形城塞といった意味で、14世紀に城壁で囲まれた出城のような一角があったことに由来するようで、21世紀に入ってから4軒のレストランを中心に一帯のブランディング戦略が開始され、古い佇まいを維持・再現しながら、ハーブガーデンや中庭の整備、古い建物を活かした賃貸住宅造り、地ビールの商品開発などが進んでいるようだ。

   帰国後に、ウィーン市観光局から配信されたメールマガジンに「グレッツェル(Grätzel)」https://b2b.wien.info/en/newsroom/pressservice/ja112023-heartbeat-streets-neighborhoods-479644という特集記事があった。「Heartbeat Streets - ウィーンのグレッツェルに恋する」という副題の付いた特集では、以下のような紹介があった。

 “近年注目を集めるウィーンの住宅街。地元住民が「グレッツェル(Grätzel)」と呼ぶこれらの地区は、人々の出会いと交流と創造の場といえます。2024年、ウィーン市観光局は「多様性」と「多文化共生」、そして「本場感」をテーマとするスローガン『Heartbeat Streets - ウィーンのグレッツェルに恋する』を掲げ、観光地とは異なる趣をもつグレッツェルにスポットを当ててウィーンの魅力を紹介します”とあり、“複数の通りから構成される市街地の小さな単位をウィーンでは「グレッツェル(Grätzel)」と呼びます。同様の概念をベルリンでは「キーツ(Kiez)」、ニューヨークでは「ネイバーフッド(Neighborhood)」、マドリードでは「バリオ(Barrio)」と呼びます。グレッツェルの語源は「周辺」を意味する古語「ゲライツ(Gereiz)」で、グレッツェルの多くは、現在のウィーン1区に相当する旧市街の周辺に形成された集落から発展したものです。通常は市場や広場を中心に何本かの通りが伸びてグレッツェルを形成していますが、ウィーンのグレッツェルが他都市と違う点は、ほとんどの場合正式な境界線がなく、始まりも終わりも存在しないところです”と紹介されていた。
   記事では、“2024年注目の個性豊かな11のグレッツェル”が紹介されていたが、残念ながらこのSchlossquadratは選に漏れたようだが、ここも“人々の出会いと交流と創造の場”と言う意味ではグレッツェルと呼ぶにふさわしいだろう。

   Schlossquadratにある4つのレストランの中で、散歩中に心引かれたのが美しい中庭のあるSilberwirt https://www.silberwirt.at/?lang=enというウィーン料理のレストランだった。営業時間外だったが中を覗いてみると、雰囲気も良さそうなので「今晩予約できますか」とスタッフに聞くと、「残念ながら予約でいっぱいです」と断られた。
 諦めきれずに、部屋に戻ってからSilberwirtのホームページを開いてみると、大変分かりやすい予約のページがあった。試してみると、19:30の予約枠が空いていたのですぐに予約を入れた。コロナ前のオーストリアでは、ウェブ上の予約システムが分かりにくく、とくに必須の連絡先に日本の携帯番号を入れるのが難しかったが、ここのシステムは日本の携帯番号も日の丸マークのロゴが選べて簡単に予約できた。後で、ウィーンのほかのレストランのウェブ予約も覗いてみたが、多くの店がここと同様、外国人旅行者にも利用しやすいように改善されていた。

   夜は、Schlossquadrat周辺を散策しながら、19:30に入店。チーズ添え夏のグリーンサラダ(Sommer Blatt Salat €14.9)を前菜に、メインには、Hokaido(カボチャ)のマリネに羊のチースボールや干しイチジクをのせた料理€12.9にしようか迷ったが、結局、大好物の挽肉や野菜を炒めたものを網状に焼いたポテトでくるみ、ガーリッククリームを添えた料理(Silber's Erdäpfeldatschi Faschiertes Knoblauchrahm €15.80)を選んだ。ワインはWachau地区の白Grüner Veltliner „Federspiel Rossatz" €32。デザートはウィーンの森のベリー類を盛ったアイスWild Eis €5.9をオーダー。料理もワインも店の雰囲気やサービスも大満足の一夜だった。ほろ酔い加減で散歩しながら21:30にはホテルへご帰還。
    

夏のグリーンサラダ



挽肉や野菜を炒めたものを網状に焼いたポテトでくるんだ料理 



         


10月15日(日)旅行開始から11日目  ウィーン

 この日は、午前中は、ホテルでノンビリと過ごし、正午前から外出。地下鉄を乗り継いでウィーン大学まで行き、そこから市電に乗り継ぎ2駅目のLangegasseで下車。すぐ近くのAlserkirche http://www.pfarre-alservorstadt.at/という教会を訪ねた。
   この教会は、鐘の献納式典曲はシューベルトにより作曲され、ベートーヴェンの葬儀も執り行われたという由緒ある教会だ。実は、この教会に隣接する僧院が昔、学生寮になっていて私も2年近く住んだことがある。
   僧院だっただけに、各部屋は厚い石の壁で囲まれていて、2つ隣の部屋のチェリストの友人が練習する音がまったく漏れてこなかったことを覚えている。
   また、教会の回廊には第二次大戦のロシア戦線などで亡くなった人のプレートや無事に帰還できた人の神に感謝するプレートがずらりと並んでおり、それを読み解いて回るだけでも歴史の勉強になった。

 この教会に関する日本語の案内が、「ウィーンの街を公認ガイドと歩いてみませんか」https://www.wien-kanko.com/というホームページの「ウィーンこぼれ話のコーナー」の2016年3月の項に「ベートーヴェンの葬儀が行われたAlserkirche (アルサー教会、三位一体教会)」という記事があるので、興味のある方はご覧いただきたい。https://www.wien-kanko.com/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%93%E3%81%BC%E3%82%8C%E8%A9%B1/2016%E5%B9%B43%E6%9C%88/

   

Alserkirche 教会    

   教会見学の後で、市電地・下鉄を乗り継いでドナウ運河に面したSchwedenplatz駅に向かった。ウィーン最古のRuprechtskirche教会やその周辺の旧ユダヤ人居住地区で現在はバーミューダ・トライアングルと呼ばれる一帯を散策。バーミューダ・トライアングルの名の起こりは、1980年代の初めに、伝統的なカフェが並ぶウィーン旧市街には珍しく、3軒の若者向けのカフェ・バーが誕生し、その三店舗がなす三角形の周辺に、序々に、新規開店や伝統的な店が若者向けの店に改装したりして店が増え始めた。ドイツ語でも酔い潰れることを「沈没」と表現することもあって、いつとはなしに若者が遭難するバーミューダ・トライアングルと呼ばれるようになったというわけだ。

    

Zwölf-Apostelkeller 外観

   15:00頃に、ホテルに戻り、いつものようにグリーンサラダとグルテンフリーのパンなどで遅い昼食をとり、その後、入浴と昼寝。
   16時過ぎに、ホテルを出て再び地下鉄でSchwedenplatz駅へ向かう。今宵は17時から、ウィーンでの友人たちとのもうひとつの恒例行事である、旧市街の16世紀のバロック建築の地下深くにあるワインケラーStadtheuriger Zwölf-Apostelkeller(街中のホイリゲ 十二使徒ケラー)http://www.zwoelf-apostelkeller.at/での飲み会だ。
 最初にこのケラーに来たのは1974年のことだから50年近く前になる。メニューは暗記しているので、牛タンのスライスに西洋わさびを添えたもの(Zunge mit Kren )や卵入りのお団子をスライスして炒めサラダを添えたもの(Eiernockerln mit grünem Salat €12.9)、野菜のパイ生地包み焼きハーブソース添えGemüsestrudel mit Kräutersauce 14.9)、仔牛のウィナー・シュニッツエル(24.9)などをメニューを見ないで頼もうとしたが、残念なことに一番のお目当ての牛タンがないと断られた。メニューを見ると、確かになくなっていた。良質の牛タンが手に入らなくなったからだそうだ。

   10年ほど前から、この店のグラスワインが美味しくなくなってきているので、最近は、値段に大幅な違いがないボトルワインを中心に楽しんでいた。
   値段と言えば、ツマミもワインも2019年の秋に比べ大幅に値上がりしていた。2019年には、上記の野菜のパイ生地包み焼きは8.9、ウィナー・シュニッツエルは19.9だった。1/4㍑のグラスワインは3.9だったものが5.9に。“値段に大幅な違いはなかった”はずのボトルワインは20.9前後だったものが32.9に値上がりしていた。
   この日店を出たのは21時頃だったので、4時間も長居をしていたことになる。ノンアルコールの友人の運転でホテルまで送ってもらった。

Gemüsestrudel mit Kräutersauce    

   続きの、「10月16日(月)旅行開始から12日目」以降は、5月末に書く予定。「長崎日記」は、なんとか5月中旬には更新したいと考えている。


   最後に、最近の円安の進行についてふれておきたい。上記のウィーンの店では、2019年からの4年間で3~5割の値上がりだったが、1ユーロは2019年11月当時約123円。今回の2023年10月の旅では、約169円だった。円は30%ほど安くなった計算だ。現地のインフレ分と合わせれば、支出項目にもよるが、現地での出費は円換算では50%以上増えたことになる。

   当ブログの2022年6月30日の記事 https://europedia.hatenablog.com/entry/2022/06/30/164554の末尾に、「米ドルは、2022年年初115円だったが、6月30日16:00現在では約136.4円。半年で、16%ほど円安が進んだことになる」「多くの国民は、日本円建てでしか現・預金を持っていないだろうから、米ドル換算で(つまり、ほぼ国際基準で?)自分の資産が16%も価値を損じていることに気がついていないのではないだろうか」と書いた。

   その記事から1年も経たない、2024年4月29日の朝には対ドルで、円安は、160円まで進んだ。2022年年初の115円に比べ30%ほど円安となった計算になる。上記のたとえで言えば「自分の資産が30%も価値を損じている」ことになる。
   為替介入があったようで、4月30日の午後には、156円台後半まで戻しているようだが、欧米各国と違い、金融緩和が継続されるようなので(日本円の刷りすぎで?)、中長期的にはさらに円安が進むのではないだろうか。

 

今回の旅程

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎


■今日のブックマーク&記事■

□丸の内に「ホイリゲ」がやってくる!~~オーストリアワインイベント~
  https://www.marunouchi.com/pickup/event/2826/

□Eurail.com 「直前でも間に合う旅 - 予約は不要!」
  “How to travel in Europe without a plan ”
  https://www.eurail.com/ja/plan-your-trip/trip-ideas/last-minute-trips-no-reservations 

□TRVLWIRE 4月8日記事
 「もう来なくて結構!」オーバーツーリズム対策が世界中で課題に
  https://trvlwire.jp/?p=35799
 
ASIN:B09HTN5DLY:DETAIL


 

ジャガイモなどの植え付けとアンズ、枝垂れ桃や桜の開花

*[長崎日記]ジャガイモなどの植え付けとアンズ、枝垂れ桃や桜の開花


       

3月30日現在、7分咲きの枝垂れ桃


   当ブログでは、ここのところ「長崎日記」と昨秋の「海外旅行」のレポートを交互に書いてきているが、これからも毎月「長崎日記」と「海外旅行」を交互に合わせて月に2回ほど掲載する予定で進めたい。「ウィーン・ブダペスト22日間の旅」は未だ8日目までしか書いていないので、終了は夏頃になりそうだが、自分自身の備忘録としても必要なのでレポートを完成させたい。夏頃には、「24年秋の旅行」の予告編も書き始めていることだろう。すでに、ウィーンの楽友協会やコンツェルトハウスの秋以降のプログラムも発表になっていることだし。

 

甘夏ミカン620個の収穫

   さて、前回の「長崎日記」掲載の1月26日以降の、家庭菜園のレポートから書き始めたい。
   12月末から始めた甘夏ミカンの収穫は、友人たちに協力してもらい2月11日に収獲を終えた。累計収獲数は620個で、目標の800個には及ばなかった。
   昨年は、453個。2022年は2本の甘夏が石垣工事のため伐採されたにもかかわらず377個の収獲。不作年の2021年は262個、2020年が495個、2019年は過去最高の823個の収獲があった。来年は、2022年秋の石垣工事の後に植えた3本の甘夏からの収獲も本格化しそうなので、計7本の甘夏の樹で、収獲記録823個の更新を目指したい。
   収獲した甘夏は半分ほどを友人たちに提供し、残りは、マーマレードに加工したり、昼食代わりに毎日食べている“フルーツ3種山盛りのヨーグルト・蜂蜜がけ”というおやつに使用している。生食用の甘夏は暖かくなる4月以降は冷蔵庫の野菜室に保存し、6月末頃まではおやつに使う予定だ。

 現在、家庭菜園で収獲が続いているのは、葉ものでは、ブロックで囲んだハーブガーデンのベビーリーフ、レタス・サラダミックス、サニーレタス。ハーブ類では、コリアンダーイタリアンパセリ、ディルだ。
 2月下旬に苗をプランターに植付けたサンチュとサニーレタスも順調に成長し収獲が始まっている。


      

裏庭から見た雨上がりの虹 (2月5日)

   暖冬のせいもあって、雑草の伸びが例年より早く始まり、“休耕地”が雑草に覆われており、その対策を急いで、ジャガイモや葉もの、ハーブ類の植え付けと種まきをしなければならないのだが、作業が遅れ気味だ。
   今年の2~3月にかけては、例年になく雨降りの日が続き、雨量も多かった。そこで、天気予報を見ながら、雨の降る前日に草刈り機で一斉に雑草を刈り込んだ。刈った草は、そのまま捨て置いて緑肥として土に還るのを待つのだが、降雨の前に刈っておくと、しおれるのが早いので、目立たなくなる。必ず刈り残しが出るので、これを2~3度繰り返し、さらに、機械で傷つけないよう果樹や花々の根元は、手で雑草を引き抜くという面倒な作業が加わる。


       

草刈り機と刈り取った雑草

2種類のジャガイモの植え付け

 とりあえず、2月中旬には、裏庭にジャガイモ植え付けのための2~4メートルの長さの畝を4本作るために、雑草を手で抜き、土を耕してから、有機石灰、油粕を散布し、倉庫に残っていた牛ふん堆肥、腐葉土、培養土で盛り土をおこなった。急いだのは、植え付けてから約90日後の収穫時期を、虫の害などが始まる梅雨以前に終えるためだ。
 1~2週間の畝の養生期間を置いて、種芋の植え付けを行った。今回は、メイクイーンを2、男爵いもを1の割合で植え付けた。毎年、植え付けていたデジマ種は種芋が手に入らなかったので諦めた。
   植え付けは30センチ間隔で7センチほどの深さに種芋を埋め込み、間に化成肥料を置いて行くという作業だ。
   以前は、保湿・保温や小動物の掘り返し対策で、黒マルチというビニールシートで畝を覆っていたのだが、暖冬もあったので今回はシートを被せなかった。
   すると、てきめんに、猫やアナグマと思われる小動物に掘り返される被害に遭った。露出する種芋を埋め戻したり、掘り返された土を補充するというメンテナンス作業に追われることになった。いつものことだが、植え付けて2週間ほどして芽が出始めると、小動物たちにも成長する命に対する敬意があるのかイタズラはピタリと止む。
   これからは、ジャガイモ畝の周辺の雑草取り作業や新芽の間引き、成長するジャガイモが露出しないための土寄せ、肥料の追加などの作業が待ち構えている。

   4月に入れば、ベビーリーフ、レタス・サラダミックス、サニーレタス、ルッコラ、バジル、コリアンダー、パプリカ、二十日大根、ズッキーニなどの種まき作業が待ち構えている。そのための、雑草処理や畝作りなどの準備作業は3月中に終えたいのだが、これも遅れ気味だ。

      

ジャガイモの植え付け


 ジャガイモの植え付けやプランターへの葉もの植え付けなどで、倉庫に置いておいた培養土や腐葉土、牛ふん堆肥、油粕などの在庫が尽きてしまい、上記の春蒔きの作業の用土類を調達しなければならない。
 そこで、毎年、2~3回園芸資材の購入に出かけている郊外のホームセンターNafco http://www.nafco.tv/stores/info/detail/193へ3月3日にバスで出かけて、春の大量購入を済ませてきた。購入したのは、培養土や堆肥、腐葉土、牛ふん堆肥、骨粉入り油粕、ガーデン用玉砂利、芝生目土、有機ぼかし肥料、猫・蛇よけタール、樹木の防虫剤、お酢の除草液など、30リットル袋換算で60袋ほどだ。ついでに、各種洗剤やトイレットペーパー、物干し、園芸用品の整理棚、除湿剤、防虫スプレー、キッチンタオル、ポリバケツ、タライ、電池などかさばる日用品類も届けてもらった。すべて合わせると500kgぐらいの総重量となったが、配送料わずか550円で、3月14日に、接道していないわが家の100メートルほど手前の車が入れる場所から、手押しカートで何回かに分けて運び込んでもらった。この配送サービスがなければ、わが家のホームガーデンは立ちゆかない。

 

アーモンド、アンズ、枝垂れ桃、枝垂れ桜の開花

 2月に入って果樹で元気に開花したのは、枝垂れ梅、花白梅、南高梅の3種の梅だ。いずれも2年前の12月と1月に苗木を植えたものだ。3月に入ってからはアーモンド、アンズも開花し、下旬にはカラフルな枝垂れ桃も開花した。
   長崎の吉野桜の開花は3月26日だった。長崎の標準木はわが家から直線距離200メートルほどの長崎地方気象台の中にある。2年前に植えた枝垂れ桜も開花宣言に2日遅れで開花し、来週末には満開となりそうだ。4月になればモクレンレンギョウ、小手毬も開花するだろう。

         

アンズの開花    (3月10日)

   果樹の手入れとしては、枇杷の摘果(間引き)も、この時期に欠かせない作業だ。1月のブログにも書いたが、わが家の枇杷が小粒なのはなぜだろうと調べてみたら、主因は11月上旬の開花前に行うべき花芽を摘み取る摘房(粗摘果作業-摘蕾とも言う)作業を行っていなかったからだ。今回は、少し遅れて11月末に摘房を行った上に、今までも行っていた3月下旬の摘果の作業を徹底することにした。摘果は、1カ所の房から緑色に色づき始めた元気な果実が3、4個になるよう間引く作業だ。4本ある枇杷の樹のうち2本は高さが4メートル以上に育っているので、脚立を使っての作業となる。
 本来は、摘果の後で、房に袋掛けをして、害虫や鳥などからの被害を守り、房どうしや葉が風でこすれて実を傷つけるのを防ぐ必要があるのだが、わが家では4年ほど前から袋掛けを止めている。鳥の被害がそれほどひどくなかったせいもあるのだが、陽の光をたっぷりと浴びさせた方が味が良くなるのではと言う素人考えからだ。今回は、大粒に実りそうだから、かえって被害に遭うのではと心配だ。

   庭に自生する野生の花では、南アフリカ原産のキイロハナカタバミがオリーヴの周辺に黄色い花を咲かせている。ほかに、ホトケノザカラスノエンドウタンポポ、ヤナギタンポポシロバナタンポポムラサキカタバミハナニラキツネノボタンニチニチソウなどが花を開き始めている。
   やっかいなのは芝生に生え始めて黄色い花を咲かせているキク科のオニタビラコの一群だ。芝生には、4月に入ったら専用の肥料を撒かなければならないので、その前に根から手で引き抜いておく必要がある。この手間のかかる作業で活躍するのが、東京の友人が来崎時に、腰を曲げる作業を見かねて後日送ってくれたグリーンカートだ。これは座って移動しながら雑草抜きの作業ができる優れものだ。

     

オリーヴの周辺に咲くキイロハナカタバミ



     

アーモンドの開花 (3月29日)


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   もうひとつ手こずっているのが、芝生上に限らず、庭中にはびこっている紫の花を咲かせるカラスノエンドウだ。これは放っておくと、豆の実が付いて、そこから更に、庭中に増殖していく。もともと、わが家のカラスノエンドウも近くの家の庭から飛んできたという話しなので、放っておくわが家のカラスノエンドウがご近所に迷惑をかけかねない。

 引き抜いたオニタビラコカラスノエンドウなどの雑草は、ポリバケツに貯めてから、裏庭に設けた集積所に運んで積み重ね、時間をかけて緑肥に変えていくことになる。

  例年5月から6月にかけて見事な紅い花を咲かせる裏庭のタチアオイも40カ所ほどで元気に立ち上がり始めている。
    一昨年、港側のオリーヴの樹が並ぶ庭に移植したタチアオイひと株から種が飛び散ったようで、今年は10カ所ほどで育ち上がっており、道行く人の目を楽しませてくれることになるだろう。


旧正月の賑わい ランタン祭り

 中国文化の影響が色濃い長崎では、旧正月のイベトが盛りだくさんで、今年は「長崎ランタンフェスティバルhttps://www.at-nagasaki.jp/lantern-festivalが、2月9日から2月25日まで、例年より会期を2日間延長して開催された。

    市内数カ所の会場で、1万5000個の極彩色のランタン(中国提灯)や大小さまざまなオブジェが飾られ、龍踊りや中国雑技、二胡演奏の公演、中国変面ショー、媽祖行列、皇帝パレード、露天市といった催し物が繰り広げられている。
 今年の皇帝パレードは「特別版」と称して、いずれも長崎出身の皇帝に役福山雅治、皇后役に仲里依紗さんが出演した。

   毎年、中国に発注して作られたメイン・オブジェが加えられるが、今年は干支の 辰 にちなんだ「九鯉化龍(ジュウリイファーロン)」。 鯉が波を飛び越えてシャチとなり、龍に進化する様子を表現したもので、出世や努力による進歩を表しているそうだ。

   コロナ前の「ランタンフェスティバル」は2019年2月の当ブログ https://europedia.hatenablog.com/entry/2019/02/15/105926でも紹介した。


 旧正月の時期からクルーズ船の来航も増えてきた。長崎港の3月の寄港予定表http://www.nagasaki-port.jp/cruise_calendar/March.htmlを見ると、来航数はほぼコロナ前と変わらない。一日に2隻が来航することもある。長崎で人気の「クィーン・エリザベス号」( 90,901トン)も3月25日に久しぶりに来航し、4月にも2度寄港する予定だ。

               

長崎女子高等学校龍踊部の蛇踊り

              

 ウェステルダム号(82,000トン)の出航(3月9日)

 

長崎市内の温泉リゾート

   あまり知られていないが長崎市は数少ない温泉が湧く県庁所在地のひとつでもある。長崎市街とその周辺は太古の昔(500万年以上前?)多数の火山が噴火し、火山の中には千数百メートルの高さのものもあったようだ。温泉源が市内に数多くあるのもうなずける。夜景の名所として知られる稲佐山(標高333メートル)も火山活動でできたもので、その中腹には温泉の湧くホテルが3軒ほどある。

   当ブログでたびたび紹介した、長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/も、町村合併のおかげで今は長崎市内に位置する。
 市内ではないがバスで2~3時間の小浜や雲仙、島原といった温泉保養地も控えており、1泊2食無料送迎付きで約1万円といった公共の温泉宿泊施設も点在している。

 また、8千万年ほど前の白亜紀後期には恐竜も跋扈していたようで、野母半島長崎半島)の先端近くにある「長崎市恐竜博物館」https://nd-museum.jp/で詳細を知ることができる。同館のホームページによれば、「恐竜」という訳語は、長崎出身の日本の古生物学の父とされる横山又次郎東京帝国大学教授が作られたようだ。
 野母半島に、8100万年前の恐竜時代の地層があることがわかり、「三ツ瀬層」と名付けられ、国内でも有数の化石産地として研究者の注目を集めているとのこと。県内最初の恐竜化石は、2010年に発表されたハドロサウルスの大腿骨の化石だった。その後も、翼竜や、獣脚類、鎧竜が見つかっており、2015年にはティラノサウルス科の大型種としては国内初となる歯の化石が見つかり、白亜紀後期の長崎市周辺にティラノサウルス科を含む様々な肉食恐竜たちが生息していたことをさらに再確認するものとなったという。

   現在の長崎の地形に重ね合わせて恐竜が跋扈し、火山が次々に噴火している光景を想像してみるのも楽しい。もっとも恐竜の絶滅は6000万年ほど前のことなので長崎で噴火活動が盛んだった500万年まえとは時代が重ならないのだが。

        

恐竜博物館にあるティラノサウルスの動くロボット

   実は、この「恐竜博物館」の近くにも、温泉付きリゾート・ホテルOcean Resort Nomon長崎https://nomon-nagasaki.jp/ があり、何度か夏休みを過ごしたことがある。当ブログ「夏休みを、雲仙、伊王島野母半島で」https://europedia.hatenablog.com/entry/2021/07/31/163743で他の2つの温泉付きリゾート・ホテルと一緒に紹介したこともある。
   コロナ禍もあって、足が遠のいていたのだが、2年半ぶりに、2月12日から3泊4日の日程で訪れ、ついでに2021年10月に開館した「恐竜博物館」も初めて見学してきた。

   Nomonは、元々、公共の宿で「野母崎海の健康村」という名称だったが、民間委託でリゾートホテルに大改築されたものだ。
   専用というわけではないが、ホテルの前には100mほどの長さのビーチがあり、正面に軍艦島を望むことが出来る。
   Nomonのメインダイニング「レストランMare」は、最初は地元の食材を活かした本格的なイタリアンだったが、最近は、和風イタリアンといった趣だ。    

   予約した宿泊プランは、“上級グレード部屋タイプおまかせ、バルコニー付、【シニア・特選】60歳以上で、料理にこだわり『シニア割プレミアムプラン』”という面白いプランで、空き状況でいずれかの上級クラスの部屋にアップグレードしてもらえるというものだ。ラッキーなことに、天然炭酸温泉を引いた「展望風呂」から野母崎の海と軍艦島を望むことができる82平米の「ラグジュアリーオーシャンスイート」にアップグレードしてもらうことができた。

          

展望風呂から軍艦島を遠望

          

蟹のトマトクリーム生パスタ



 
             

    


海外旅行の後日談を二題

   連載中の当ブログ「晩秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226で、少々得意げに「6~7年前に購入したユーロ建ての外貨預金が残っていたので、今回は日本円から両替することなくユーロ預金から直接デビットカードの引き落としができた。当時の購入レートは1ユーロは120円ほどだったので、旅行直前に日本の銀行でユーロの現金を購入した場合の為替レート170円弱と比べ、30%ほど安くユーロが使えたことになる」と書いたが、帰国してから世の中そんなに甘くないと思い知らされた。
 帰国後、ネット・バンキングの口座を見てみると、為替差益が計上されていて、注として、「外貨の売買の際に為替差益が生じた場合は、総合課税の対象となり、雑所得としてご自身で確定申告が必要です。確定申告の詳細につきましては、税理士や最寄りの税務署等にご相談ください」と書かれていたのだ。別に「外貨の売買」をしたつもりはないのだが、実は、ユーロ預金を現地で使った分の為替差益以外に、ユーロ預金分では不足すると思って、ドルが108円の頃に買っておいたドル預金を、ユーロ預金に替えておくという操作をしておいた。ユーロ預金を現地で使った分の為替差益よりも、この部分の為替差益がが多く計上されていた。
 税理士さんに相談すると、「確定申告の必要があります。税務署もしっかり把握しています」とのことだった。おかげで、10年ぶりに確定申告をすることになった。結果的には、各種税控除と相殺になり、所得税等は課税されなかったのだが。税理士さんの話では「結果的に課税されなくても、税控除と相殺するためには確定申告の必要はあった」そうだ。ごもっとも。

   また、驚いたことにネット・バンキングの口座に計上されていた為替差益の額は、私が捕らぬ狸の皮算用で試算して、得したと思い込んでいた金額とほぼ同じだった。日本国の徴税システムは侮れないと痛感した。一部の政治家にもこの優れた徴税の網がかかり“天網恢恢疎にして漏らさず”と願いたいものだ。気になったので、“天網恢恢”の語源を調べてみたら「老子」にたどり着いた。


   もうひとつの後日談は、23年10月24日にウィーンからの帰国時に空港で免税手続きをしていたときのことだ。パスポートコントロールを通過してから、税関で手荷物に入れた品物を見せてスタンプをもらい、隣の銀行窓口で払い戻しを受けようとしたところ、書類に不備があると撥ねられた。しかし、係の人は「うちでは払い戻せないけど、購入時に書類と一緒にもらった封筒に入れて、そこのポストに投函すれば、保証の限りではないがクレジット・カード口座に戻ってくるかも知れないよ」と助言してくれた。
   免税手続きをしようとしたのはオークションハウスDOROTHEUM http://www.dorotheum.com/の即売コーナーで買った、アール・ヌーヴォーのアクセサリーや鮮やかなエマイユ七宝焼き)の聖母像メダルなどの小物で総額€402ほどだった。以前にもDOROTHEUM の免税書類不備で免税手続きがうまく行かなかったことがあったので、ほぼ諦めていたが、なんと4ヶ月後の2月18日になってデビットカードの口座に手数料を引いた免税分6,434円が振り込まれてきた。

   ウィーンの空港では、この免税手続きが済んだ後で、HeinemannというDuty Free Shopで、オーデコロンやチーズ、チョコレートなどを€260ほど購入した。残念ながら、目当てのワインは欲しいものがなかった。この店を利用したのは、ウィーン到着時に割引クーポンをもらっていたからだ。デビットカードで支払いを済ませると、親切なレジのお兄さんが「Tax Freeの手続きもした方が良いよ」と書類を整えてくれた。コロナ禍で4年ぶりなのでうっかり忘れていたが、ワインやタバコ、香水などはDuty Freeすなわち関税が免税になるので(うろ覚えだが、これらの品の税金は関税が大部分のはず)、Tax Freeの手続きをしなかったが、今回買ったような一般の品は関税が引かれた上に、追加手続きで付加価値税(消費税)も戻ってくるのだった。
 先ほどの、免税窓口に書類を持って行くと、「今度は何の用だ」と言った顔をされたが、今回はその場ですぐに手数料を引いた付加価値税免税分€26を現金で戻してくれた。
   すっかり、Duty FreeとTax Freeが違うことを忘れてしまっていた。興味のある方は「デューティーフリーとタックスフリー」と検索してみると良いだろう。なお、デューティーフリーとタックスフリーを一括して行ってくれる空港免税店もあるのでご注意を。

 


■今日のブックマーク&記事■

□「トラベルコ」3月25日記事
  “サマータイムって何?いつからいつまで?旅行時の注意点も解説”
         https://www.tour.ne.jp/matome/articles/908/

□「時差計算」   https://www.jisakeisan.com/

 

秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その4 「5年ぶりのブダペスト」

*[海外旅行] 秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 

  その4 「5年ぶりのブダペスト

 

10月9日(月)旅行開始から5日目  ブダペスト

   ウィーンのHotel Indigoに不要な荷物を持参したソフトバック入れてクロークルームに預け、軽くなった大型スーツケースで10:15にホテルをチェックアウト。13番のバスでウィーン中央駅へ。駅構内で、寿司などの弁当を売っている店でサーモン巻き寿司の小€4.9を買って、出発ホームへ。予約していた、Railjet Xpress 61号は11:40出発の予定だが14分遅れで11:54に出発。
   実は、9月19日に予約をしていたオーストリア連邦鉄道からこの列車がハンガリー国内の区間の軌道改良工事のため30分程度の遅れがあると予告のメールが来ていた。出発の段階から遅れがあったので、30分以上の遅れを覚悟した。
 ハンガリーに限らず、ヨーロッパでは鉄道インフラの老朽化による工事での運行休止やバスなどでの振り替え輸送が発生しがちなので旅行開始前の情報収集が欠かせない。
   鉄道とブダペストのホテルの予約や料金については、「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226に詳しく書いておいたので興味のある方はご参照を。

     

Railjet Xpress 61号のビジネスクラス・シングル座席

   列車は工事区間を徐行しながら、結局、定刻より45分遅れの15:04にブダペストのメイン・ステーションであるBudapest-Keleti 駅に着いた。所要3時間10分。
   駅では、地下にある交通局の窓口で番号札を取って順番待ちし、72時間の市内交通フリーパスを5,500Ft.で購入。クレジット・カード払いで、後に、2,262円の精算が回ってきたので。ハンガリー通貨1フォリント(Ft.)は約0.41円ということになる。2018年の秋の旅行でも0.41~0.42円だったので、ほとんど変わりはない。と言うことは、ハンガリー通貨も日本円同様、対ユーロ・ドルで下落しているということだろう。

 ブダペストの駅からドナウ河沿いのホテルまでの移動は信頼できるタクシー会社に電話するのが一番スムーズだが、配車に時間がかかることと、通い慣れたルートでもあるので地下鉄と市電を乗り継いでホテルに向かった。駅には客待ちの個人タクシーが並んでいるが、相変わらず料金トラブルが絶えないとTripadvisorなどに書き込まれていたので敬遠した。なお、ハンガリーでは配車アプリUberは使えない。

 

   ブダペストのホテルは、2011年にも泊まったInter Continental Budapest   https://www.ihg.com/intercontinental/hotels/jp/ja/budapest/budhb/hoteldetail のドナウ河ビューの部屋。前回も同じランクの部屋だったが、料金は2倍になっていた。
 チェックイン時に、コンシェルジュに以前通ったジプシー音楽の演奏が聴けるレストランの予約を相談したが、一番行きたかった修道院を改造したクラシックなRestaurant Karpatiaは、コロナの余波で閉店していた。代わりに教えてもらった3軒のレストランはいずれも知っている店だったが、滞在中の食事はそれらの店でとることにした。
  以前は、ジプシー音楽やハンガリーフォークロア・ショーが盛んに催されていたのだが、事前にネットで調べたところ、滞在中には開催がなかった。念のために、現地のインフォメーションBudapestinfo tourist information centre                https://www.budapestinfo.hu/en/budapestinfo-pointsでも聞いてみたが、やはりコロナの影響もあって皆無だった。

   インターネットの存在しない30年以上前から利用していたプレイガイドJegymester  https://jegymester.hu/のサイトや各音楽会場のサイトでもチェックしたが、コンサートやオペラ、オペレッタ民族音楽や舞踏の公演も聞きたいものは見つからなかった。
 実は、ハンガリー国立オペラで10月1日に行われたマーラーの「第8交響曲」(千人の交響曲)のチケットを12,700 Ft(5,298円)で5月中旬の段階で購入していたのだが、諸般の事情で日本出発を10月5日にずらさざるを得なくなり、キャンセルもできず残念な思いをしていた。国立オペラからは公演の数日前に、わざわざメールで、デジタル・プログラムも送られてきていたのだが。

 

   さて、ブダペストのホテルで荷物の整理を済ませ、17時過ぎには、外出し、上記のTourist informationで情報収集をした後、繁華街Vaci通りにある40年近くの友人のアンティーク店Vali Folklór(Vaci utca 23 http://valifolkart.hu/lang/en)に顔を出した。いつも、ここでは、カロチャ刺繍(kalocsa embroidery)などアンティークのテーブルクロスや壁掛けを買っているが、2004年5月にハンガリーEUに加盟した後、オリジナリティーのある品が少なくなってきているようだ。友人によれば、EU加盟後、刺繍などの民芸品の生産地であった山間部の農村から、都市や他のEU加盟国への移住が増え、過疎化が進んでいるそうだ。とくに、若い男性の移住が目立ち、それに伴い、娘さんが嫁入り道具でもあったリネンやテーブルクロスなどを手でせっせと編んだり刺繍を加えるという習慣もほぼなくなったそうだ。
 以前は、ウクライナルーマニアなど近隣国のハンガリー人居住地にまで仕入れに出かけていた友人は、10年ほど前からは、ブダペストなどの都市で老人たちの遺産として残された民芸品を買い取るようになったそうだが、それも今は絶えつつあって、仕入れに窮してきているという。
   友人は、「1980年代から90年代にかけては、店の前の繁華街を通る外国人旅行者の8割は日本人だったのに、今は、まったく見かけない」と嘆いてもいた。8割は大げさだと思うが、繁華街のみやげ物店で買い物をする外国人旅行者の5割近くは日本人という時代があったことは記憶している。   

 今まで40年近くにわたってこの店で買った数十点のアンティーク刺繍や格言や家訓を個性的な絵柄を交えて刺繍したクロス類は希少なものとなりつつあるようで、わが家の箪笥ひと棹は、そのストックであふれている。貴重な品ではあるが、これからは、仕舞い込まないでどんどんふだん使いして、友人等の目に触れるようにしよう。

   今回、友人の店ではカロチャ刺繍やマチョー刺繍のテーブルクロスなど4点ほどを購入。いつもと比べれば少ない買い物だ。
 留守中の長崎の庭の面倒見てくれた友人夫妻にカロチャ刺繍をレースで囲んだテーブルクロスをプレゼントしたら、敷物として使うのはもったいないと、額に入れて飾ってくれた。カロチャ刺繍(ハンガリー語でKalocsai hímzés)に興味のある方は、検索してみると、日本語だけでも多くの関連サイトが見つかるだろう。
   私自身は、カロチャ刺繍では、カラフルなものより、グレーやブラウン、ブルーなどの単色のグラデーションのものが好みだが、そういうものは少なくなる一方だ。 
 そう言えば、2016年には、わが家の長テーブル用に、戦前のものだという3メートル×180センチの手刺繍入りで房で縁取りされたテーブルクロスを購入したが、友人の話では、「あのような品は、もう博物館に行かなければ見られないよ」とのことだった。

   

マチョー刺繍のショール  

     


     

   夕食は、ホテルで予約してもらった、友人の店のすぐ近くにあるSzázéves étterem http://www.szazevesetterem.hu/eng/というレストランでとった。店名は、「創業100年の老舗レストラン」といった意味だが、実際には1831のオープンでバロック建築の館の中にある。私も、40年ほど前に取材で訪れたことがあった。当時は、格式の高い公営レストランだったが、現在は、民営化され、ジプシー音楽目当ての観光客で賑わっている。
   フレッシュサラダ(2,790Ft.)、グラーシュ・スープ(2,990Ft.)、ポーク・ピカタ(4,990Ft.)、バラトン湖のRieslingワイン(11,990Ft.)などをオーダー。サラダやスープを食べ終わらないうちにメインが運ばれてきたので、早すぎるのでと戻してもらったら、後でレンジで温めたものが出てきた。昔なら、あり得ないチグハグなサービス振りだ。と少し、嘆いていたら、デザートのグンデル・パラチンタ(2,690Ft.)があまりにも美味しかったので、すぐに機嫌を直した。これは、発祥のレストランGundel https://gundel.hu/en/の名が付いた名物デザートで、クルミパウダーとラム酒を混ぜたものをクレープで巻き、チョコレートソースをかけたものだ。ラム酒に火を点けた状態でテーブルに運ばれてきた。

        

青い炎が残るグンデル・パラチンタ

   お勘定を頼むと、当然ではあるのだがハンガリー語で書かれた計30,940Ft.の計算書が出てきた。昔から、ハンガリーでは、5~10%のチップをクレジット・カードでの勘定書き分の支払いとは別に現金で置くことにしていたので、2,000Ft.を置くと、「重ね重ねご丁寧に有り難うございます」と言われた。ホテルに戻ってから勘定書きを解読してみると、felszolgálási díjという項目がサービス料のことだと分かった。コロナ以前からのことらしいが、課税逃れを避けるためにチップに相当するサービス料(店によって異なるが10〜15%程度)を料金に上乗せして勘定書きに計上するよう当局からの指導が徹底してきたようだ。サービス料はszervizdíj と表示されることもある。
   ハンガリー語ウラル語族に属するので西欧の言語からの類推ができないので旅行者には困ることが多々あるようだ。料理やワインに関するハンガリー語は分かったつもりでいたがサービス料やチップに関しては事前勉強しておくべきだったと反省している。

  

Százéves étterem の楽団

   なお、このレストランは2014年の10月にも利用していた。当時のメモを見るとメインに好物のキャベツの肉詰めソーセージ添えなどを頼んだフルコースとワイン1本、食前酒と食後酒で13,100Ft.(当時の1フォリントは0.45円)だった。今回は2.5倍ほどに値上がりしていた。その頃はウィーンの半額ほどでフルコースとワインが楽しめた。
   念のために、Tripadvisor https://www.tripadvisor.com/ブダペストのレストランの相場を見てみると、Chesp Eatsというエコノミーなレストランでメイン・ディッシュが3990~5,990Ft.、Mid range(中級)で4,990~7,990Ft.、Fine Dining(高級店)で7,990~15,990Ft.といったところのようだ。ウィーンの同クラスのレストラン値段の7~8割ほどという実感だ。

   レストランからは15分ほど歩いてドナウ河と王宮、チェーン・ブリッジなどの夜景を楽しみながらホテルに帰還。


          

ドナウ河とチェーン・ブリッジの眺め


10月10日(火)旅行開始から6日目  ブダペスト滞在

 Inter Continental Budapestホテルの朝食は、グルテンフリーのパンや生野菜のサラダ、フルーツ、チーズなども充実していて、充分満足。

 10:30にホテルを出て、先ず歩いて10分ほどにあるOTP銀行(ゆうちょ銀行のようなもの)で、日本円3万円をハンガリーフォリント71,750Ft.に両替、1円が0.418Ft.で、クレジット・カード利用の際の換算レートとほぼ同じだった。
   両替をする際に、母親の旧姓と名前を書くように言われて、今でもそうなのかとドキッとした。実は、社会主義の時代から両替率の良いOTP銀行で両替をしていたが、その頃も母親の名を聞かれた。当時、ハンガリーの友人に聞くと、社会主義の時代になって亡命者が増え、その追跡調査のために母親の旧姓を聞くことになっていると言われて驚いた記憶がある。EUに加盟した現在もその制度が残っていたのだ。


 ここから、西駅近くの地下鉄3号線Lehel tér駅に隣接するレヘル生鮮食品市場https://lehelcsarnok.hu/ に向かう。レヘル市場は、中央市https://piaconline.hu/en/central-market-hall/と違い、観光客は少なく地元の人たちが日常の買い物に訪れる市場で、おおむね中央市場より安い。私の目的は量産品ではない超辛口のパプリカ粉の購入。実は、コロナ禍もあって、5年間ブダペストを訪れることができなかったので、パプリカ粉が手に入らず、得意料理のグラーシュを友人たちに振る舞うことができず困っていたのだ。日本で手に入るパプリカ粉は辛みがなくハンガリーの味は出せない。日本でも通販でハンガリーのパプリカ粉は買えないことはないが、お土産用の小袋がほとんどで、高価な上に、フレッシュなものは少ないようだ。
 レヘル市場のパプリカは辛口が250gで1,900Ft.、中辛が1,700Ft.。2016年の秋には、辛口が750Ft.だったので、7年の間に2.5倍に値上がりしていたことになる。友人たちに頼まれていた分も含め計1kgほど購入。

                 

レヘル市場      

   市場からは、地下鉄で西駅まで出て市電に乗り換え、マルギット橋の東側Szent István大通り3番地にあるBÁV  http://www.bav.hu/というオークションハウス兼質屋の支店に行ったが、ここは閉店していた。昔は、ここでヘレンドのアンティーク陶磁器をよく買っていたのだが。
 もう一軒、マルギット橋の西側Frankel Leó 通り14番地にも支店があったのを思い出し行ってみたが、ここも閉店していた。いずれもホームページ上では生きていたのだが。
  後で、繁華街Vaci通り近くのBécsi utca通り1番にあるBÁVの大型店にも行ってみたが、営業していたものヘレンドやフォークロアのアンティークは、極端に数が減っていた。

   2軒の閉店していたBÁVをまわった後は、291番のバスと216番のバスを乗り継いで、ブダ側の王宮の丘を訪れた。ここでも、2軒ほどアンティーク・ショップを覗いたがめぼしい収獲はなかった。ドナウ河を見下ろすネオロマネスク様式の漁夫の砦やマーチャーシュ教会などを見物した後、丘の西側にある静かな公園のベンチで休憩。

          

王宮の丘から国会議事堂を臨む

   バスでホテル近くのIstvan広場に戻り、ミニスーパーで昼食代わりのサンドイッチを買って、ホテルに戻る。途中、昔3度ほど泊まったことのあるSofitel Budapest Chain Bridgeが、今回は閉鎖中のようで予約が取れなかったので、どうなっているかと見に行ったら、なんとカジノに建てかえ中だった。
   部屋に戻ると、出かける前にテーブルランプが切れているとメイドさんに言っておいたら、取り替えられていた上に、修理係からのお詫びのカードと、お詫びの印に修理工の象徴であろうハンマーの形をしたチョコレートが添えられていた。そのしゃれっ気に心が温まった。
              

ハンマーの形をしたチョコレート

 夜は、ホテルのコンシェルジュに予約してもらった歩いて12分ほどのイシュトヴァーン大聖堂の近くにあるRézkakas Bistro Easy Terasz  https://www.rezkakasbistro.hu/というレストランへ出かけた。この店は、以前2回ほど来たことがあった。観光客がほとんどというレストランだが、テーブルの配置の仕方のせいか、客同士で、旅してきた経験を語り合ったりと、和やかな雰囲気が気に入っていた。今回も、隣のテーブルのアメリカ人の母娘と知り合い、楽しく過ごせた。試しにYoutubeでRézkakas Bistro で検索すると、その雰囲気を伝える動画がたくさんヒットした。
 前菜はガーデン・サラダ3,900Ft.、メインにハンガリー固有の希少種のブタで国宝にも指定されているマンガリッツァ・ポークのコードンブルー7,900Ft.。英語メニューにはなぜか豚カツ(Mangalitza pork Tonkatsu,washabi-potato puree,cucumber salad,ginger)と書かれていた。デザートはショムローイ・ガルシュカ3,500Ft.(Somlói galuska-ラム酒に漬け込んだスポンジに、チョコソースとクルミ入り生クリームが乗っているスイーツ)。ワインは、トカイ地方のSárgamuskotályというマスカットの香りのする中辛口ワイン10,900Ft.を頼んだ。楽士さんには、オペレッタの曲をリクエストしたので2,000Ft.のチップを置いた。

             

ツィンバロンとバイオリンのデュオ



             

ホテルの部屋からのドナウ河と王宮の丘の眺め

   

10月11日(水)旅行開始から7日目  ブダペスト滞在

   この日は、昔、よく歩き回った通りを再訪して回ることにした。10:30にホテルを出て、まず、高級ブティックや劇場などが並ぶAndrassy大通りを散策。Oktgon広場に出て、市電に乗りKalvin広場で下車。Vámház大通りを歩いてアール・ヌーヴォー建築の中央市場を訪れた。
   市場では、1kgの大袋に入った辛口パプリカの粉(6,500Ft.)を買い足し、さらに地下のスーパーでおみやげ用に100gの小袋に入った中辛口のパプリカ粉(599Ft.)を5つほど購入。市場の2階には、食堂やみやげ物店が並んでいる。みやげ物店には、カロチャ刺繍風のテーブルクロスなどが所狭しと並べられている。

       

Andrassy大通りにある国立オペラ    

       

アール・ヌーヴォー様式の中央市

      

市場内のパプリカを売る店

   市場からは、繁華街Vaci通りを延々と2km近く歩いてホテルに戻る。途中、Burger Kingを覗いてみると、グルテンフリーのバンズを使ったハンバーガーがあったので、購入。2,170Ft. 、日本円で904円と随分割高だ。   
  ホテルの部屋でハンバーガーとコーヒーでドナウ川の景色を楽しみながら昼食。ひと休みした後、昨日に続いて、バスで王宮の丘に登り、再度、散策を楽しんだ。

     

聖イシュトヴァーンの騎馬像と漁夫の砦

   15:30にホテルに戻り、昼寝の後、入浴。夜は、昨夜のレストランの近くにあるAszú Étterem http://www.aszurestaurant.com/ へ。ここも、 ホテルのコンシェルジュに予約してもらっていた。ここは、ハンガリーの民族楽器ツィンバロン(金属製の弦を叩いたり弾いたりする楽器で楽器の分類としては「共鳴箱付き板ツィター」とされる)単独の演奏だ。
   前菜は、ルッコラとブルーチーズ、ナッツ、西洋なしのスライスというコンビネーションのサラダ3,600Ft.にしたが、これがなかなか美味。昨夜で味をしめたトカイ地方のSárgamuskotályのワイン8,900Ft.ともよくマッチした。この店はトカイワインの品揃えで評判。昔は、よく貴腐葡萄を混ぜて作られた甘口のTokaj Aszú ワインやTokajワインとアプリコット・ブランデーなどで作るプスタ・カクテルを食後のデザート時に飲んでいたが、甘口ワインが苦手になったのと、そもそも酒に弱くなったので、最近は食後酒を控えている。
  メインは、牛スネ肉の煮込みトリュッフ風味のグレイビーソース・ポテト添え7,900Ft.。デザートは、昨夜と同じショムローイ・ガルシュカ2,900Ft.。お勘定は、計27,590Ft.(11,504円)。勘定書きには15%のサービス料(felszolgálási díj)が含まれていたのでチップは置かなかったが、ウェイターさんに不満の表情は全くなかった。
 ツィンバロンの楽士さんは、こちらの映画「第三の男」のハリー・ライムのテーマのリクエストに見事にこたえてくれた上、ウィーンでよくツィターで奏でられる馴染みの曲を聴かせてもらえたので2,000Ft.+€5のチップを置かせてもらった。

           

前菜のコンビネーション・サラダ

           

ツィンバロン奏者

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10月12日(木)旅行開始から8日目  ウィーンへ

   11:00にホテルをチェックアウト。ブダペストに来るときと違い、荷物が増えていたので、ホテルが契約している個人タクシーでBudapest-Keleti 駅に向かう。タクシー料金は、駅まで6,000Ft.と聞いていたが、チップとして500Ft.を追加した。

  ウィーンからブダペストへ行くときは、線路工事で30分の遅れを予告されていたが、帰りの列車も10分程度の遅れの予告メールがオーストリア連邦鉄道から日本出発の前に届いていた。
  Railjet Xpress 64号の列車は11:40の定刻で出発。ウィーン中央駅へは、定刻より23分遅れの14:44に到着。

   この日は、夜にコンサートを鑑賞予定だったので、大幅な遅れを心配していたのだが、余裕を持って到着できた。行き同様、駅から路線バス13Aでホテルのすぐそばの停留所に到着。15:15には、再びHotel Indigoにチェックイン。

 ホテルの前に立つたびに思うのだが、ウルトラ・モダンで狭いファサードと、内部の広々として緑あふれるホテルの空間との格差があまりにも大きく、外観では随分損をしているように思えてならない
 部屋はブダペストへ向かう前に滞在していたのと同じ部屋だった。公園側から覗ける洗面台横のガラスの小窓が気になっていたのだが、帰って良く見ると磨りガラスに変えられていた。 
 預けていた大型ソフトバックをクロークルームで受け取り、部屋で荷ほどきし、入浴後、少しベッドで横になってから18:15には部屋を出て地下鉄で2駅の楽友協会へ向かった。

   

Hotel Indigoのファサード

   この日のコンサートは、ウィーンの青少年を中心にした音楽鑑賞組織Jeunesse https://www.jeunesse.at/の主催。Wiener Symphonikerの演奏で指揮はリトアニア出身の若手Giedrė Šlekytė、チェリストはこれも1992年生まれの若手Kian Soltani。演目は、BÉLA BARTÓKのTanzsuite Sz 77、ROBERT SCHUMANNのKonzert für Violoncello und Orchester a-moll op. 129、ANTONÍN DVOŘÁKのSymphonie Nr. 7 d-moll op. 70。
 席は、2階のBalkon-Mitte Links, Reihe 7, Platz 7という良い席で料金は€ 57。プログラムは、以前と比べ値上がりしていて€ 4.9だったが、チップ€ 0.6を加えた€ 5.5を渡した。

   コンサートが終わったのは、21:40。まだ、周辺のレストランは開いていたが、疲れていたので、最寄り地下鉄駅KarlsplatzコンコースにあるマクドナルドでグルテンフリーのMcF1rst Beef € 4.9とBacon Hamburger Royal mit Käse € 5.2とギリシャサラダ € 5.6をテイクアウト。

   誤解されないように書いておくが、私はマックのファンでもなければ、ハンバーガーが格別好きなわけでもない。実際、日本でハンバーガーを食べた記憶はない。ただ、オーストリアの肉などの食材は安心できるので、外食に困ったときは緊急避難させてもらっているのだ。まぁ、もともと挽肉料理は嫌いではないのだが。
   ワインの買い置きがなかったので、ホテル近くのケバブのテイクアウト店でグリューナー・フェルトリーナー種のワインを1本購入。価格は€9と表示されていたが、種類が違うのか€7で良いという。店主に「安いね」と言うと、にやりと笑って「うちはいつでも正直値段」だよという答えが返ってきた。

         

楽友協会ホール

 


当欄関連過去記事:    

□2016-11-28 「初秋のウィーン・ブダペスト16日間の旅」 その3
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20161128/p1

□2014-12-29 「10月 ブダペスト・ウィーン16日間の旅」 その1
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20141229/p1

□2013-11-03 「ウィーン・ブダペスト15日間の旅」 その3
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20131103/p1

 

■今日のブックマーク&記事■

□“The Vienna Philharmonic mourns the loss of Seiji Ozawa”
https://www.wienerphilharmoniker.at/en/magazin/die-wiener-philharmoniker-trauern-um-seiji-ozawa/6210

ウィーン交響楽団日本公演
2024年3月13日(水)~14日(木)  サントリーホール(東京)
  https://www.japanarts.co.jp/concert/p2061/

東洋経済ONLINE 3月1日記事

「豪雪で露呈、オーストリア『看板特急』の落とし穴」
  https://toyokeizai.net/articles/-/737656

今回の旅程

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎

  ラテン語

 

秋の剪定作業と柚子、甘夏の収穫、そして小旅行

*[長崎日記]秋の剪定作業と柚子・甘夏の収穫、そして小旅行

  「晩秋のウィーン22日間の旅」は、2月上旬から 「その4 ブダペストへ」以降を続ける予定。なんとか、3月中には終えたいが........。


   3週間ほどのヨーロッパ旅行から10月25日に長崎の家に戻ると、庭には未だコスモスなどのの花が咲き、雑草も伸びていた。取り敢えず、草刈り機で雑草を処理し、咲き終わった薔薇などの剪定をした。本来なら、10月には秋の剪定作業や枯れ枝などの処理を植木屋さんにお願いするのだが、旅行のため1ヶ月遅れの11月下旬にお願いすることになった。それまで、自力で庭の整理を続けることになる。
 

手入れを怠っていた庭でもコスモスは咲き続けていた



    留守中にも、胡瓜やシークァーサー、柚子などの収穫は続き、庭の様子見をお願いしておいた友人に収穫も頼んでおいた。胡瓜は、11月中旬まで、一日数本だが収穫が続いた。2本の柚子は植えて数年が経つが、今年初めて本格的な収穫が可能となり、実もふつうの柚子より大きく実った。聞けば、長崎固有の大粒に育つ柚子の種類だそうだ。12月末までに150個ほどが収穫できたが、50個ほどはもったいないことに取り残してしまい、来期の収穫の妨げにならないように摘果して廃棄した。

        

大豊作の大粒の柚子

   レタスなどの葉ものは、収穫を終えていたが、落とし種から育ったコリアンダーイタリアンパセリ、ディルなどは収穫期を迎えていた。果樹では、イチジクも豊作だった。甘夏も順調に色づきたわわに実っていたが、収穫は12月末からになる。しかし、間引きを怠っていたせいか、落果が目についたので、回収してはジュースや料理に活かした。


    葉ものの収穫が途絶えていたので、10月下旬に2メートル四方のハーブガーデンの雑草を取り除き、有機石灰や油粕、培養土で3筋の畝を造成。まず、サンチュの苗を5個植え付け、その後、ベビーリーフ、レタス・サラダミックス、サニーレタスを種まきした。
   12月初めからいずれも収穫できるようになり、1月下旬の現在も収穫が続いている。新たな畑や畝作りの準備として、ジャガイモの連作弊害などのため休耕していた畝の雑草取り作業も行ったが、2月以降に植え付けや種まきを始めるまでには、再度、雑草取りと土壌改良の作業を行う必要がある。

    

収穫が続くハーブガーデンの葉もの

   遅れていた、剪定作業は11月24日に4名の植木屋さんに行ってもらった。いつものようにわが家のシンボルツリーでもある門前の槇の古木、12メートルほどの長さの生け垣、笹や甘夏、イチジク、柚子、レモンなどの果樹を中心の剪定作業が中心だ。春の剪定に引き続き、虫害で再生が見込めないオリーヴの樹も根やひこばえの部分を除いて切り取ってもらった。春に切り取ってもらった部分は友人がストーブの薪にするというので、乾燥させておいたが、この冬火力が長持ちすると好評だ。
   植木屋さんには、種が落ちた後のコスモスの枯れ枝も引き抜いて、庭の目立たないところに集積してもらった。時期を見て、バジルなど他の枯れ枝と一緒に裁断機にかけて粉砕し肥料として庭に撒く予定だ。

   剪定作業の後、自分で、4本の枇杷の樹の花芽を摘み取る摘房(粗摘果作業-摘蕾とも言う)作業を行った。本来は、11月上旬の開花前に行う作業だが、少し遅れてしまった。わが家の枇杷は昨年6月の収穫期には大豊作だったのだが、粒が市販の物より小さかった。調べたところ、毎年3月頃に1カ所の房から果実が3、4個になるよう摘果(間引き)の作業を行うだけでは不十分で、この摘房の作業をすると残った花芽に栄養をしっかりと届けることができるようになり実を大きくすることに繋がるとのことだった。


伊王島の温泉でショートヴァカンス

   庭の整備が一段落したので、12月11日から3泊4日で、今やわが家の海の別荘の観がある長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/で、ショートヴァカンスを楽しんだ。
   宿泊プランは“【Back To i+Land】厳選された季節の食材を味わう旬味プラン【和食:2食付】”というもの。7月に宿泊した際のチェックアウト時に、「前回宿泊より3ヶ月以内のご宿泊」は50%引き、6ヶ月以内は35%引きという「Back To i+Land」というクーポンを利用したため、今回は通常料金の35%引きで済んだ。
   部屋は、5つほどの建物からなるホテルの中で最も高層のKAZE HOTEL(5階建て)の低層階の宿泊プランだったが、前日に電話をすると最上階が空いているとのことだったので、海の眺めの良い部屋に滞在することができた。滞在中は、2カ所ある露天風呂と滞在者は無料で利用できる、電動自転車でのサイクリングなどを楽しんだ。

 このリゾートホテルは、伊王島漁港を始め近海の魚の料理が美味しいのが気に入っている。1日目は、ずわい蟹尽くしのコース、2日目はトラフグ尽くしのコース、3日目はこちらのリクエストに応じてもらって、握り鮨や伊勢エビのグリルなどを含んだコースにしてもらった。今回もチェックアウト時に、「Back To i+Land」クーポンをもらったので、6ヶ月以内に再訪することになりそうだ。

           

伊王島灯台からの眺め

    


大掃除と給湯器の故障

   伊王島から戻った後は、3日ほどかけて家の大掃除作業にかかる。と言っても、一人では体力的に無理なので、一番大変な風呂場とキッチンの掃除は、友人に紹介された地元の便利屋さんに頼んだ。

   大掃除をしてみてあらためて分かったのは、2012年7月に家が完成して、11年半にもなると、建具や設備器機、家自体にも、手を加えなければならない部分があちこちに出てきていることだ。2024年後半には、まとまった修理改修が必要となりそうだ。
 と言ったことを考えている矢先、大掃除を終わった直後、清掃でお湯を大量に使ったせいかシャワーやキッチンの蛇口などからぬるま湯しか出なくなってしまった。風呂は通常の温度で沸かせたので1週間ほど様子を見ていたが、回復の見込みがなかったので修理を依頼した。わが家の給湯設備は、ヒートポンプ技術を活用して夜間電力で、大気熱エネルギーをくみ上げるエコキュートを利用している。今まで、風呂やキッチンで多めの湯を利用しても問題が起きたことはなかった。年末ということで、修理に来てもらうまでさらに1週間ほどかかったが、12月28日には、ベテランの技術者が修理に来てくれて、症状を言うとすぐに、タンクから供給されるお湯と水の量を調節するミキシング弁の故障と分かり、即座に部品の交換をしてもらい、あっけなく解決。ついでに同じメーカーのヒートポンプ式床暖房機の方も点検してもらい、自然減少していた循環液も補充してもらった。いずれの器機も10年の交換推奨時期を過ぎている割りには好調で機械音も静かとのことで、機械の不調が発生してからの交換でも良いだろうとのことだった。真冬に突然故障しても困るのと最近の器機が高能率に改良されていることもあるので、2年後ぐらいには買い換える積もりだ。


年末年始に録り貯めた音楽番組の鑑賞

   大晦日から三が日にかけては、その期間中に放送されるクラシック音楽の回顧番組やスカパーの音楽番組、録り貯めてあった1970年代から90年代にかけてのヨーロッパのクリスマスから元日にかけて放送された音楽番組などを視聴しながらノンビリと過ごすのが習慣となっている。
 この期間の地上波6つのチャンネルの番組は10年前に買った「フルHDの4倍緻密な映像を目指す65インチ4Kテレビ」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20130805東芝Regza 65Z8X http://www.toshiba.co.jp/regza/lineup/z8x/index_j.html に附属している“タイムシフトマシン”という容量4.5TBのハードディスクに85時間分録画できるので、いつでも振り返って視聴することができる。

   今回も、大晦日の21:30からNHK Eテレで放送された、今年の注目公演を抜粋で振り返る「クラシック名演・名舞台2023」(2時間15分)や恒例の日本人歌手を中心とする「第66回NHKニューイヤーオペラコンサート」(2時間)などを、録画再生で楽しんだ。
  「名演・名舞台2023」では9月2日に松本市で行われたジョン・ウィリアムズ指揮、サイトウ・キネン・オーケストラの「スター・ウォーズ」などの曲を聴いた。最後に、病気療養中の小澤征爾氏が車椅子で舞台に姿を表すシーンが印象深かった。

 このほか11月24日のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演でキリル・ペトレンコ指揮のブラームス交響曲第4番」、12月16日のNHK交響楽団ファビオ・ルイージ指揮のマーラー交響曲 第8番(一千人の交響曲)」、パリ・オペラ座バレエ団の「ボレロ」、ウィーン少年合唱団の「美しく青きドナウ」などの抜粋を鑑賞した。
                           
  「オペラコンサート」では、「アイーダ」、「トスカ」、「サロメ」、「トリスタンとイゾルデ」、「ドン・ジョヴァンニ」などからの名場面を鑑賞。40年以上前だったと思うが、このオペラコンサートでコント55号の故坂上二郎氏がシーツィンスキーの「ウィーン わが夢の街」を朗々と歌い上げていたのを思い出した。坂上二郎氏は1979年11月の二期会公演でオペレッタ「こうもり」に看守のフロッシュ役で出演し、本来は台詞だけの役だが、オペラとは関係のない「ウィーン わが夢の街」を見事に歌ったそうだ。

   元日の楽しみはウィーンからの「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」の生中継だ。この日も、前日夜更かししたので生中継に備えて昼寝をしていたら、寝室に置いている「地震津波警報器」が16:10に警報音を鳴らしたので、飛び起きてテレビをつけた。能登地方での最大震度7マグニチュードM7.6の大地震の発生だった。

 「ニューイヤーコンサート」の生中継も中止となり、民放も含めほとんどすべての正月番組が地震報道に切り替わった。「ニューイヤーコンサート」はORF(オーストリア公営放送)https://oe1.orf.at/player/liveのインターネット中継で聴くことができるのは分かっていたが、能登地方の被災の状況を見ていると聴く気になれず。1月6日午後に行われるというNHK Eテレでの放送を待つことにした。1月28日の午前1:35 〜 午前4:25(27日深夜)にもEテレでの再放送があるようだ。


18年使ったCDプレイヤーが故障

   毎年、年末年始には、放送される音楽番組に刺激を受けてオーディオ装置でCDを聴く時間が多くなるが、2005年に買い換えたスーパーオーディオCDSACD)も聴けるDENONのCDプレイヤーDCD-1650AEが昨年後半から音飛びをするようになった。レンズクリーナーでピックアップレンズをクリーニングすると音飛びがいったん消えるので、だましだまし使っていたが、ついに年末には堪えられないほどの音飛びが発生するようになった。

 当ブログの2005年9月記事「21年ぶりにオーディオ装置を買い換えてみると」https://europedia.hatenablog.com/entry/20050914/p1で紹介した現用装置は21年ぶりに買い換えたものだったが、いつの間にか購入から18年以上経っていた。その間にオーディオ装置も技術進歩が加速していて、インターネット経由によるストリーミングでの音源入手やそれをハードディスクに保存するネット・オーディオが主流となりつつあるようだ。
 そのため、普及機の新製品は極端に発売数が少なくなっていた。それでも「すがた形のないものは聴かない」という“皿派(ディスク派)”のオーディオ評論家や、サブスクリプションでの音楽配信を「恐らく死ぬまでやらない」という山下達郎氏のような音楽家がいらっしゃるので、アナログレコードプレイヤーやCDプレイヤーは絶滅危惧種扱いされることなく、細々とながら新製品は出続けるだろう。

   買い換えを考え始めてから、オーディオ雑誌の2023年ベストバイなどの記事を読みあさってみたが、創刊号から読んでいたステレオサウンドhttps://online.stereosound.co.jp/_ct/17672176の2024年冬号(通巻229号)「ベストバイコンポーネント2023-2024」を見るとノミネートされている製品は皆、100万円以上するものばかり。とても手が出ない。そこで、他のオーディオ雑誌や口コミ評価で比較的高評価だったDENON SACDプレーヤー DCD-1700NEを購入することにした。ちなみにステレオサウンド誌の創刊号から80号ほどまでは、今でも大切に保存していて、時々読み返している。創刊当時の執筆者には、文芸評論家の小林秀雄氏や中島健蔵氏、音楽評論家の大木正興氏、小説家の五味康祐氏が名を連ねていた。

 DCD-1700NEは、今まで使っていたDENONのプレーヤーの4世代ほど後の、上位後継機種と言うべきもので、amazonでの購入価格は付加されるポイントを引いて131,000円だった。18年前に買ったDCD-1650AEが119,000円だったので、昨今の物価高、とくに半導体などの電子部品の値上がりを考慮するとむしろ安くなっていると考えるべきなのだろう。
 操作ボタンの配置も旧機種とまったく同じなので使ってみて戸惑うことはない。音は以前より、すっきり明瞭になった気がするが、もう少し潤いが欲しいなと言う印象だ。欠点とは言えないが、明瞭なためにCD原盤の持つ雑音や振動音のようなものがかえって気になるということもある。もっとも、CDプレーヤーだけを変えても、アンプやスピーカーがそのままでは、本来の良さが発揮できていないのかも知れない。
 アンプやスピーカーもそろそろ寿命を迎えそうなので、今度こそは、ストリーミング音源などが活用できるネット・オーディオとNetflixAmazonプライム・ビデオなどの動画配信サービスが活用できる8Kテレビなどと一括導入を考えなければならないが、長崎では専門知識のある業者が見当たらず悩んでいるところだ。

関連過去記事:
「“絶滅危惧種”を入手しておこう」  https://europedia.hatenablog.com/entry/20170228/p1
「デジタル化で入手困難になるもの」  https://europedia.hatenablog.com/entries/2016/08/10

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新年会と初雪、甘夏の収穫

 わが家では、恒例となっている小学校の同級生たち6名との持ち寄り新年会を3日に行った。五島沖で穫れた本鮪などの刺身や伊勢エビなどを中心にオーストリア産ほかの白ワインを7本ほど空けてで新年を祝った。 

 毎年、新年会では、ウィーン・フィルの「ニューイヤー・コンサート」を録画しておいたものを流すのだが、今年は、6日の放送に延期されていたので、昔、スカパーから録画しておいた1974年のウィーン・フィルの「ニューイヤー・コンサート」を皆に見てもらった。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの基礎を作ったといわれるウィリー・ボスコフスキーが、時にはヴァイオリンを弾きながら指揮したコンサートだ。

 私もウィーン滞在中の77年と78年https://europedia.hatenablog.com/entries/2004/02/01ボスコフスキーの指揮するニューイヤー・コンサートを立ち見で聴いたことがあり、手元に当時のプログラムも残っているので、懐かしかった。

                      

新年会の伊勢エビと刺身

   年末から年始にかけては、比較的暖かい日々が続き、おかげで、電気によるヒートポンプ床暖房に頼るわが家は電力消費が前年の20%ほど低く済んでいた。

   長崎市の初雪は12月17日ということになっているが、わが家では雪はちらついたものの積もることはなかった。
 しかし、1月22日の夜からは急激に気温が下がり、23日朝から24日昼までは本格的な雪模様になった。と言っても昨年の1月下旬のようにマイナス3.6度まで下がることはなく零度程度で、積雪も昨年は、芝生の上で10センチほどあったが、今回は2センチほど。花壇やハーブガーデンの葉ものも被害に遭うことなくすんだ。
 
                     

庭から見た長崎港の雪景色

  1月に入って、甘夏ミカンの収穫が本格的に始まった。今年は例年になく大粒揃いで、直径12センチを超えるものもある。12月27日に試しに20個ほど収獲しておいた。わが家の甘夏は旧来の酸味の強い品種で、改良を加えて甘味の増した市販されている品種とは異なり、少なくとも収穫後1ヶ月は寝かせて追熟させ酸味を弱めてからでないと食べられたものではない。
   1月に入ってから本格的な収獲を開始し、1月26日現在、250個ほどを収獲した。この週末には友人たちが家族連れで収獲に来てくれる予定だ。
   ちなみに、過去の収獲実績は、2019年が今まで最高の823個、2020年が495個、不作年の2021年が262個、2022年は、6本あった甘夏のうち、2本が石垣工事のため伐採されたにもかかわらず377個の収獲があった。2023年は453個の収獲だった。今年は、2022年の11月に新たに植えた3本の甘夏の若木からも若干の収獲が見込めるので、目標を800個としていたが、目標達成は微妙なところだ。
                

収穫途中の甘夏みかん

   花では、3本の薔薇が少しずつ咲き始めている。2年前に植えた白梅、南高梅、枝垂れ梅も開花を始めている。昨年は2月に入っての開花だったので、これも暖冬のせいだろう。
   2年前に植えたときは60センチのただの棒だった枝垂れ桜は、枝が大きく広がり、高さも1メートルを超え、花芽も徐々に膨らみ始めている。
   毎年、庭の10カ所ほどで自生している水仙も開花している。今年は菜の花に似た花も数カ所で咲きかけている。
             

 庭に自生する水仙

 白梅

              

佐世保の温泉リゾートへ小旅行

 1月7日からは、3泊4日で佐世保への小旅行に出かけた。主目的は、以前泊まったことのある山の頂上近くにある“弓張の丘ホテル”https://www.yumihari.com/という市街と港を見下ろす山の上(標高340m)の温泉ホテル(ナトリウム-炭酸水素塩泉標高)でノンビリと過ごすこと。ちょうど、「一人旅応援!2食付きプラン」割安なプランが見つかったことも後押しした。
   予約は「眺望指定なし」の部屋のプランだったが、到着時に、空きが有ったので佐世保市街と景勝地九十九島の両方が見える部屋にアップグレードしてもらった。展望風呂からも市街と九十九島が展望でき、とくに夕暮れのパノラマが素晴らしかった。
 夕食は、「イルマーレ」というイタリアン風バイキングレストランが指定だが、1回は会席料理の「汐彩」に代えてもらった。「イルマーレ」のバイキング料理は、味はそこそこだったが、予約時に私のアレルギーを伝えておいたら、バイキングの皿で私のアレルギーを含む料理をわざわざリストアップしプリントアウトしてくれていて感激。バイキングの客の半数ほどは中国からの個人旅行者のようで、インバウンドも徐々に復活しているようだ。「汐彩」の会席料理も地元の食材を活かしたもので大満足。

   佐世保行きには、ほかに2つの目的もあった。ひとつは、母方の祖母の足跡をたどってみることだ。祖母の実家は、戦前まで佐世保の中心地で海軍相手の料亭を営んでいた。佐世保市立図書館で祖母が住んでいた明治末期と大正初期の古地図を持参した戸籍抄本などと照らし合わせてその料亭のあった場所が判明した。その場所に行ってみると複合商業施設の大きなビルが建っていて面影はなかった。
   もうひとつの目的は、以前、海軍の佐世保鎮守府にあったというタイムボールhttps://europedia.hatenablog.com/entry/20160715/p1の資料を探すことだ。
 ちょうど、佐世保史料館 https://www.mod.go.jp/msdf/sasebo/5_sail_tower/5_sail_tower.htmlで「佐世保地方隊創設70周年特別企画展」も開かれているので、なにか分かるかと思って行ってみたが、企画展に展示されていた佐世保鎮守府の写真にタイムボールの塔とおぼしき鉄骨の骨組みの下部が写っていたのが確認できたぐらいで、史料館の海上自衛隊OBと思われる案内人の方々に聞いてもどなたもタイムボールのことはご存じなかった。

 実は、2019年10月下旬にも、佐世保を訪れ、旧海軍関係の「佐世保鎮守府開庁130周年記念」のイヴェントや特別ツアーなどに参加し、「日本遺産WEEK限定バスツアー」というものにも加わった。そのとき、海上自衛隊通信隊OBのガイドさんが、「第一次大戦中に地中海に派遣されていた日本の艦隊9隻が佐世保鎮守府所属だったことやその中の駆逐艦「榊」がオーストリア・ハンガリー帝国の潜水艦U27号の魚雷攻撃で大破し59名が戦死した」こと、「終戦後戦利品として6隻のUボートを獲得し、自力航行で日本まで回航し他国の海軍関係者を驚かせたこと」、「その戦利品潜水艦の分解調査等により後のイ号潜水艦の開発に役立った」という興味深い話を聞くことができた。このときもOBの方も含め、何人かの人に鎮守府にあった「タイムボール」のことを尋ねたが、残念ながらどなたもご存じなかった。
   なお、オーストリア・ハンガリー帝国海軍と長崎の関係については、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐と日本の関わりも含めて当ブログの「オーストリア海軍の歴史 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/20060718/p1などの連載でふれている。
            

「弓張りの丘」客室からの佐世保市街の眺め

   
■今日のブックマーク&記事■

□CNN TRAVEL January 4記事“The most exciting new trains coming in 2024”
  https://edition.cnn.com/travel/the-most-exciting-new-trains-coming-in-2024/index.html

□トラベルボイス1月15日記事
“旅行先選びとオーバーツーリズムの相関関係を読み解く、欧米6カ国を比較してみえてきたサステナブル旅行の意識”https://www.travelvoice.jp/20240115-154925

日経新聞 1月22日記事
“世界のリアル 7枚の地図が語る 「サウスの時代」映す ポーラーシフト”
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00007910Q3A121C2000000/

□1月23日ANAプレスリリース“2024年度 ANAグループ航空輸送事業計画を策定”
  https://www.anahd.co.jp/group/pr/202401/20240123.html
ANAは2024年8月からウィーン線直行便を再開。
羽田→ウィーン NH205 月、木、土 2024年8月1日~10月25日
ウィーン→羽田 NH206 火、金、日 2024年8月2日~10月26日

 


     
    
    
                   

          

庭から眺めた女神大橋に落ちる夕日 シルエットの島は伊王島

 

秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その3 「4年ぶりのウィーンは?」

*[海外旅行] 秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その3 

  「4年ぶりのウィーンは?」

 

  「その3」からは、日にちを追って、ウィーンでの街歩きや音楽鑑賞、食事、ショッピングなどを細かく書いていきたいと思う。そのような内容に興味を持たれる方は少ないとは思うが、自分の「旅日記」としても忘れないうちに書き留めておきたいと思う次第だ。
    なお、音楽鑑賞については、別途、まとめて出演者や曲目、座った席と料金などの詳細をリストアップする予定だ。

 

10月6日(金) 旅行開始から3日目

 

   空港の目の前にあるホテルNH Vienna Airport Conference Centerでは9時間近く熟睡していたが、5時半に、私が旅行中であることを知っているはずの日本の知人からスマートフォンに国際電話がかかってきた。まあ、旅行中はありがちなことだし、よいウェイクアップ・コールになったので許してあげよう。

   このホテルの朝食は、4つ星にしては生野菜や果物も豊富でグルテンフリーのパンも美味だった。
   朝食後は散歩がてら空港に向かい、帰りの便の空港到着からチェックインまでの流れを予習しておいた。帰りは荷物が増えているはずなので、空港タクシーで到着後からチェックインまでの動線の予習がおろそかにできない。
 空港からの帰りには、ホテルとの間の地下にある鉄道駅のホームに降りて、自動券売機で月間フリーパス(Monatskarte €51)をSony Bank WALLET(VISA Debit付きキャッシュカード) https://moneykit.net/visitor/sbw/で購入。第1回目に詳しく書いたが、Sony Bankのユーロ預金から引き出せるので、6~7年前に1ユーロ120円ほど購入した外貨預金が使えた。以降、ハンガリー滞在時を除きほぼすべての支払いはこのカードで行った。

 10月も6日目となっているが、€17.1の週間パスを3回買うよりもわずかに安いし、一々買うのも面倒だ。地下鉄や市電、バス、市内の鉄道などに乗り放題のパス類の詳細についてはウィーン市交通局のTravel cards  https://www.wienerlinien.at/web/wl-en/travel-cardsに詳しく書かれている。

   9時にホテルへ戻ってから12時のホテルのチェックアウト時間までは、再度入浴し、前回書いたdocomoの「日本で契約しているプランのデータ量を海外でも使えるデータ定額サービス」で「世界そのままギガ」https://www.docomo.ne.jp/service/world/roaming/sonomama-giga/を有効にするためにローミングを「オン」に利用開始作業をするなどをしてノンビリと過ごした。

 ホテルを11時50分にチェックアウト。当初は€40前後でホテルまで運んでくれる、エアポート・タクシーを利用しようと考えていたが、体調が良好なのと、今日以降泊まる予定のHotel Indigoまでの公共交通機関での移動に自信があったので、ホテルの目の前にある地下駅からWien Mitte 駅までを16分で結ぶCity Airport Train https://www.cityairporttrain.com/en/home(€14.9)を利用し、Mitte 駅から地下鉄でホテルの最寄り駅Pilgramgasseまで向かうことにした。Mitte 駅で地下鉄のホームまで降りるエレヴェーターは以前に何度か利用したことがあった。
  12時24分にMitte 駅へ到着し、無事地下鉄に乗り換えたのだが、Pilgramgasse駅に着く前に車内アナウンスが有り、「次の駅にはエレヴェーターがありません」と告げられた。4年前にこの駅の周辺区間は改良工事をしていたので、てっきりバリアフリー工事が完了していたものと思い込んでいたが甘かった。幸いホテルの反対側の駅の出口はゆるやかなスロープとなっていたので、そちらに進んだが、地上に出ると辺り一面道路工事中で、迂回をし、荷物を引き摺りながら仮設のデコボコの歩道を歩いて15分ほどでホテルにたどり着いた。それでも、13時にはホテルのフロントでスムーズにチェックイン手続きをすることができたので良しとすべきだろう。
 チェックイン時には、ユーロ預金から払いができるSony Bank WALLET(Visaデビット付きキャッシュカード)https://moneykit.net/visitor/sbw/が支払いに利用できることを再度確認。これで、現行レートの170円弱(当時)より30%ほど安い料金で支払いを済ませることができる。

    

地下鉄で見かけたワンチャン


   なお、2019年11月の旅行で「晩秋のウィーン22日間の旅 その4-自炊と新酒を楽しむ居酒屋、レストランなど」https://europedia.hatenablog.com/entry/2020/01/27/125534に書いたように、前回は、120軒あまりの店舗が並ぶ生鮮食品市場“ナッシュマルクト”に近い自炊のできる部屋があるホテルMercure Secession Wien(現在はHOTEL SECESSION AN DER OPER https://www.hotelsecession.com/en/)に宿泊したが、今回自炊のできるホテルにしなかったのは、前回の経験で、自炊の準備や皿洗いなどで疲れたこともあるが、そのときアレルギーやグルテンフリーに対応するレストランやテイクアウトの店、食料品店、スーパーなどが増えていることを知り、次回からは敢えて自炊のできるホテルを選ぶ必要もないなと思っていたからだ。


 部屋は、2階の角部屋で中層住宅に4方が囲まれた静かな公園に面していた。料金は「会員専用朝食付ベストフレックス料金 クイーンスイート バスタブ付 42 平方メートル」の料金が1泊平均€286であった。このホテルには10月6日から3泊とブダペストへの3泊旅行からウィーンに戻った後の、10月12日からの12泊を予約していた。
   部屋には、ベッドの足元の位置に55インチほどのテレビが据えられ、ベッドから2メートルほど離れてバスタブが有り、別にシャワールームもあるというユニークな造りの部屋だ。
           

        

ベッドの足元に55インチほどのテレビが据えられ、奥にはバスタブが


   Hotel Indigoについては、1回目https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226に詳しく書いたが、その時にはふれなかったが5月31日のブログ    https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/05/31/154750の後半で書いたように、長崎のわが家の近くにある1898年にフランスの修道会が建てた赤煉瓦造り3階建ての「マリア園」と呼ばれる建物が来年「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」として開業の予定だhttps://www.mori-trust.co.jp/news/2023/20230523/。ここは昔、私が通った幼稚園が1階に設けられていたという縁のある建物でもあった。  

   日本では昼食はとらない習慣で、その代わりに15時前後に、3種類ほどの果物にヨーグルトと蜂蜜をトッピングして済ませるのが常だった。ウィーンでもそのようにしたいのだが、この日は買い物に出る時間がなかったので、朝食時に空港のホテルで失敬したグルテンフリーのパン一切れと、Indigoからの無料提供でミネラルウォーターと一緒に冷蔵庫に置かれていたオレンジジュース、非常食用に日本から持参していたチョコバーで済ませた。

   15時から、ホテル周辺を1時間ほど散歩。1回目に書いたように、このホテルの周辺は取材で歩いたことがあり、街の様子もあまり変わっていなかったので迷うことはなかった。スーパーで買い物をと思ったがホテルの近くにあるチェーン・スーパーBilla https://www.billa.at/は品揃えが少なく、ミルクとミネラルウォーター、みかんなどの購入にとどめた。EU圏でもオーストリアは物価の値上がり率が高かったと聞いていたが、4年前と比べ、それほど上がっているとは感じられなかった。興味のある方は上記サイトの Flugblatt(チラシ)のページをご覧いただきたい。

   16時頃に部屋へ戻り、入浴と昼寝。いざ、バスタブに浸かってみるとシャワールームと離れていることが結構不便だと分かった。この手のデザイン優先の部屋は何度か使ったことがあるが、なるべくなら敬遠したい。ウェブ上で客室をアッピールするには、この方がセールス効果はあるのだろうが。

   夜は、ホテルから歩いて5分ほどにある、緑あふれる広い中庭を持つ老舗レストランWaldviertlerhof  https://www.waldviertlerhof.at/speisenkarteで18時からウィーンに住む友人夫妻と会食。このレストランは25年ほど前に取材で訪れ、伝統的ウィーン料理が美味しかった記憶がある。
 ノヂシャ(野萵苣)とベーコン・ゆで卵のサラダ(Vogerlsalat € 9.8)を前菜に、日本出発前から必ず食べようと思っていた子牛肉のピカタ(Kalbspariserschnitzel € 22.8 )をメイン、デザートには老舗アイスサロンTichy https://www.tichy-eissalon.at/ 謹製のあんずジャム入りバニラアイスのお団子(Eismarillenknödel € 5.8)をいただいた。
  ワインは、友人夫妻の1人がまったくアルコールがだめなので、2人でオーストリア南部シュタイヤーマルク州のGelber Muskateller „Steirische Klassik“ 2020(€ 32)とウィーンのNussbergのGrüner Veltliner(€ 34)の2本の白ワインとBlaufränkischのグラスワイン1/8リットル(€ 5.4)を飲み干した。
   この店では、料理の値段が値上がりしているとは感じられなかったが、友人の話ではコロナ前の2019年頃に比べ2割ほど高くなっているようだ。円安の日本円で計算すると7割ほどの値上がりだろうか。
       

 22時にはホテルに帰還。就寝前に、ドアノブに“Green-Day”のカードを下げておいた。こうすると翌日の室内清掃やシーツ、タオルの交換は省略され、その代わりにホテルチェーンのメンバーは500円相当のポイントが付くシステムだ。無料のミネラルウォーターなどの補充はおこなわれていたようだ。

           

ノヂシャとベーコン・ゆで卵のサラダ


                 

10月7日(土) 旅行開始から4日目

 

   6時半に起床し、8時より半地下の広々としたレストランで中庭を眺めながら朝食。テーブルの間には植栽も置かれているので、プライベート感のある空間でゆっくりと食事が取れた。ベーコンやソーセージ、スクランブルエッグなどの温かい料理やサーモン、ハム、チーズなどのコールドミールも種類が豊富。グルテンフリーや全粒粉も含めパンの種類もバラエティーに富んでいた。唯一残念なのは生野菜がパプリカや人参、胡瓜などに限られ、サラダ菜の類がほとんどなかった点だ。

  朝食後、入浴・休息の後、お昼前に、地下鉄で2駅のKarlsplatzに出て、旧市街の散策を始めた。今日は、拙著「ウィーン旅の雑学ノート」で取り上げた旧市街の散歩道の中でもケルントナー通りとその西側のグラーベン、コールマルクト、ナーグラー小路、アム・ホフ、クレント小路などを散策。
 最後に、ホーアーマルクト広場にある前述のチェーン・スーパーBillaの高級ヴァージョン大型店舗BILLA Corso https://www.billa.at/unsere-maerkte/corsoで、ミックスサラダやGelber Muskateller種のワイン、寿司パック(小)€ 2.99などの買い物をして、14時半にはホテルに帰着。Corsoで買ってきた、寿司やサラダで昼食を済ませた。

               

   この日の午後遅くからハマスイスラエルの戦闘の模様がテレビなどで報道されるようになったが、BBCなどヨーロッパの放送局は初めはイスラエル側から取材したものが多く、公平さに欠ける印象を持った。そのため、もっぱら、両方の側から取材をしているカタールのドーハにある衛星テレビ局アルジャジーラhttps://www.aljazeera.com/ の英語放送で情報を得ていた。後日、アルジャジーラのカメラマンがイスラエル軍の攻撃によって死亡したことを知った。

   夜は、今回の旅で初めてのコンサートへ。会場のWiener Konzerthausはホテルから地下鉄で3駅目と交通至便。演目はGustav Mahler の“Das Lied von der Erde「大地の歌」”。指揮は、Robin Ticciati、演奏はWiener Symphoniker、メゾソプラノ Karen Cargill、テノール Michael Spyres。席は、2階のBalkon Rechts, Reihe 6, Platz 1という好みの席で料金は€ 57。プログラムはかなり値上がりしていて€ 4.1だったが、こちらの習慣でチップ0.4を加えた4.5を渡そうとしたが細かいコインがなく€ 5の大盤振る舞い(私としては)。
 音響も悪くはない中央部の席だが。なぜか、オーケストラの音に奥行きが感じられず、テノールの声もオケに埋もれているように聞こえたが、メゾソプラノが登場するあたりから立体感が戻ってきた。多分、本格的なオーケストラ演奏を4年ぶりに聴いたため、聴覚が立ち上がるのに時間を要したせいだろう。今回聴いた8つの音楽会については、私のような素人が感想を書くよりも、当欄でも何度か紹介したウィーン在住で大学で音楽学を勉強しておられる はっぱさんが発信している「たまにはオーストリアちっく パート3」http://happawien.jugem.jp/を見ていただく方が適格でエスプリの効いた味わい深い音楽評が書かれているのでおすすめしたい。ときどき、オンラインで試聴できる動画や音声サイトへのリンクも張ってある。今回、私が聴いた音楽会の8回のうち7回は、演奏会の日にちの違いこそあれ、はっぱさんが「印象記」を書いておられる。
 ちなみにこの翌日の同演目の「印象記」はこちらhttp://happawien.jugem.jp/?day=20231008

   演奏会の後は、ワインと軽めの食事で、演奏会を振り返りながら1杯やるのが楽しみなのだが、4年間のコロナ禍で、行きつけの店が何軒か潰れたり、人手不足で営業時間を短縮していて戸惑った。この日は中華などのテイクアウトのできる店を当たろうかとも思ったが、時間も遅く疲れてもいたので、Karlsplatz駅の地下コンコースにあるマクドナルド https://www.mcdonalds.at/eatグルテンフリーのMcF1rst Beef € 4.9とBacon Hamburger Royal mit Käse € 5.2をタッチパネルで注文した。2019年11月に比べ値段は2割強高くなっていた。円換算するとユーロが120円から165円の円安になっていたこともあって8割ほどの値上がりだ!
   レストランのメニュー価格の比較は、当連載でもう一度取り上げようと思う。実は、行きつけのワインレストランのメニューを1970年代から、行く度にお断りした上でいただいてきている。


 2019年当時この店で、店内表示メニューにはあったグルテンフリーのハンバーガーをタッチパネルで注文しようとすると、その画面が見当たらず、しかたなく口頭で注文した。すると、奥から店長らしき人が出てきて、数人がかりでタッチパネルにグルテンフリー画面がないかと調べ始め、結局ないことが分かると店長らしき人が「少数者の注文にこそこたえるべきデジタルテクノロジーが対応できていないなんて、我が社の技術者たちはなにを考えているんだ」と憤っていたのを見て少し感動したことがあった。さすがに、この4年で立派に改善されていたので、クレイムをした甲斐があった。
   21時半にホテル帰着。昼間に買っておいたワインとグリーンサラダを加えてマックとの懐かしい思い出に乾杯しながらしみじみと味わった。グルテンフリーのマフィンも悪くない。
  ちなみに、ホテルIndigoにもレストランと軽食を出すバーがあるのだが、いずれも早仕舞いなので演奏会後の食事には間に合わない。
  そのせいもあってか、ホテルはテイクアウトの持ち込みに鷹揚なようで、昼夜を問わず見るからにテイクアウトという包みを下げて戻る客が目立って多い。


10月8日(日) 旅行開始から5日目  

 

   朝は10時半にホテルを出て、ホテルの最寄り駅Pilgramgasseから5駅目のSchwedenplatz駅まで地下鉄に乗り、そこから、「ウィーン旅の雑学ノート」で取り上げた旧市街の散歩道のケルントナー通りの東側のシェーンラテルン小路、ブルート小路、とその周辺を散策。ベートーヴェンも住んでいたことがあるとされる美しいバル小路に、中華のファストフードの店やタイ屋台料理の店のケバケバしい看板が出されていたのには驚かされた。

             

バル小路の中華のファストフード店

 14時にはホテルへ戻り、旧市街で買った野菜と玉子の炒飯のボックスランチ€4.9と買い置きのグリーンサラダで昼食。食後は、翌日からの3泊4日ブダペスト旅行に備えてホテルに預けていく荷物と旅行用の荷物を仕分ける作業を済ませてから、入浴と昼寝。

   18時半頃には、Pilgramgasseから1駅目の、Kettenbrückengasse駅まで地下鉄に乗って、ナッシュマルクト市場を散策。夜は、昼間の生鮮市場から一変して、アジアや中近東、海鮮の料理店などが集まった食堂街の色彩が濃くなる。

   結局、市場から歩いて5分ほどの何度か訪れたことのあるヴェトナム料理店Saigon https://www.saigon.at/で食事をすることにした。店は混んでいたが、先に待っていた人には申し訳ないが、幸い1人席が空き、すぐに案内してもらえた。入店してすぐに気づいたのだが、店の雰囲気は以前と比べ大きく変わっていた。照明が暗くなり、インテリアもシックなアジアンテイストに模様替えされ、ウェイターの人数も増え、メニューも品数が豊富になり、ヴェジタリアンやヴィーガン向けのものも多くなっていた。食器やワイングラスも上質なものに変えられていた。
   席数の多い大型レストランがコロナ禍で閉店を余儀なくされていたのが目についたが、大型店舗で有りながらこの店のように、マーケットニーズの変化に素早く対応した店は生き残れたようだ。
   この日は、パパイヤと海老のサラダ€8.5、海鮮玉子炒飯€18.9を日本でも飲んでいたGrüner Veltliner Kamptal Saxのボトル白ワイン€ 24.5でいただく。昼もテイクアウトの炒飯だったがこれは炒飯というより焼き飯、こちらは海鮮が美味でまったくテイストが異なったので問題なし。サービス料が含まれない勘定書きだったので、Sony Bank WALLETで支払ってから、チップをキャッシュで€ 5置いた。
 なお、2018年10月のウィーン旅行のメモを見ると同じ店の海鮮玉子炒飯は€ 13.8だった。5年で37%の値上がり。円建てでは67%の値上がりとなる。

   

パパイヤと海老のサラダ

   21時にホテルに戻ってから、フロントで、Sony Bank WALLETによるユーロ預金口座からの支払いを確認するためと(すなわち€1が165円でなく、120円であることの確認)、翌朝のチェックアウトをスムーズにするための荷物預けなどの確認のついでに、領収書を受け取っておいた。このホテルは、請求しないと正式な領収書は出ないシステムだった。
      

今回の旅程

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎


Youtubeアルハンブラアメリカン・ホテル~ある潜伏キリシタンの実話~」

 10月25日に長崎帰着後からの「長崎日記」は、来年に持ち越しとさせていただく。ひとつ、当ブログ5月の記事 https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/05/31/154750の後半で紹介させていただいた、わが家の長崎側(母方の)のルーツのファミリー・ヒストリーに関するお知らせを。ルーツに関して「ルイザとアルハンブラアメリカン・ホテル」という本にまとめていただいたバークガフニ名誉教授が、長崎浦上のキリシタン資料館https://www.facebook.com/urakamicm/で12月2日に、NPO法人アジェンダNOVAながさきhttps://www.facebook.com/AgendaNovaNagasaki/主催で市民セミナリヨアルハンブラアメリカン・ホテル~ある潜伏キリシタンの実話~」という講演をしてくださった。その模様がYoutube https://www.youtube.com/watch?v=7QZEM1fLnBsにアップされたのであらためて紹介させていただきたい。なお、山口サクは私の曾祖母で、ルイザは私の祖父の妹に当たり、大叔母という関係だ。以下は、アジェンダNOVAながさきによる講演の概要だ。

  “山口サクという勇敢な元潜伏キリシタンとその混血の娘ルイザは、大正期から昭和初期にかけてアルハンブラアメリカン・ホテルを経営していました。ルイザは、無国籍という特殊な家庭環境で育ちながらも、長崎居留地の開放的で多文化的な社会の中でのびのびと成長しました。その美貌と明るい性格で、ホテルを訪れる船員や旅行者の間で人気を博し、その後、妻として、母として太平洋戦争の時代を生き抜きました。
 一方、戦後の開発の中で忘れ去られ、取り壊しの危機に瀕していた旧アルハンブラアメリカン・ホテルは、姿を消した後もその残像を長崎の歴史の中に刻みました”



■今日のブックマーク&記事■

□CNN Travel  November 30記事“The world's most expensive cities in which to live in 2023”
https://edition.cnn.com/2023/11/30/travel/the-worlds-most-expensive-cities-to-live-in-for-2023/index.html

□CNBC Make It  Dec 9 2023記事
“These are the most exciting travel destinations for 2024, according to National Geographic”
https://www.cnbc.com/2023/12/09/national-geographics-most-exciting-travel-destinations-for-2024.html

□National Geographic Travel   https://www.nationalgeographic.com/travel/

□スジ鉄marucchiの備忘録  https://ameblo.jp/marucchi0/
    ○ヨーロッパ鉄道 最新情報の記事
     https://ameblo.jp/marucchi0/entry-12825557423.html?frm=theme
  ○オーストリア連邦鉄道 2024年ダイヤ改正概要(プレスリリースより)
      https://ameblo.jp/marucchi0/entry-12825557423.html
  ○ヨーロッパの鉄道(TEE)の記事(62件)
        https://ameblo.jp/marucchi0/theme-10116091144.html
 (Trans Europ Express(TEE)を、当時のトーマス・クック鉄道時刻表のから振り返る)

タイムアウト東京7月27日記事“旅行の裏技「スキップラギング」には要注意”
   https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/think-again-about-skiplagging-072723

□Trvlwire 12月11日記事“米人気旅行誌が編集者のおすすめ旅行アプリ8選、割り勘やファッション提案も”   https://trvlwire.jp/?p=35475

□Trvlwire 12月15日記事“欧州の鉄道充実、ベネツィアリュブリャナ間で路線検討-オーストリアの新型夜行列車も”https://trvlwire.jp/?p=35489

□トラベルボイス12月26日記事“2024年の世界の旅行トレンド予測発表、一部のみラグジュアリー旅行や、偶然旅行など”https://www.travelvoice.jp/20231226-154759

□“2024年1月1日ウィーン楽友協会Wiener Philharmoniker New Year's Concert 曲目”
   指揮:Christian Thielemann
  https://www.wienerphilharmoniker.at/ja/konzerte/new-years-concert/10466/

 

秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その2 「長崎から成田経由でウィーンへ」

*[海外旅行] 秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その2 

 「長崎から成田経由でウィーンへ」


○長崎から成田空港へ

 

 出発当日の10月4日は、荷物はキャスター付きバッグが10キロ弱、機内持ち込みのパソコンや書類などを入れたリュックが7キロ弱と身軽だったが、友人が車で送ってくれるという言葉に甘えて楽をさせてもらった。11:30グラバー園裏手の自宅発、12:20長崎空港着。

   長崎空港では、ジェットスター成田行き646便が出発する14:30までの時間をオーストリアの友人への長崎みやげなどの買い物をして過ごした。

   成田第3ターミナルには定刻より20分ほど早い16:00到着。着後、無料循環バスで第1ターミナルへ。出発ロビーのある4階のABCカウンターで長崎から送っておいたスーツケースを受領後、ホテルの送迎バスで前泊の宿である成田エアポートレストハウスhttps://www.apo-resthouse.com/へ向かい、17:30にチェックイン。
   夕食は、ホテルのレストランでエアポート御膳という軽めのコースで済ませ、22:00には床についた。

docomoのデータ定額サービス「世界そのままギガ」

   を予約

    翌10月5日は成田のホテルで早く目が覚めたので、旅行中のスマートフォン海外利用の予約設定を、インストール済みの「ドコモ海外利用」アプリから行った。
 2019年までのヨーロッパ旅行ではホテルの無料Wifiだけの接続で間に合っていたが、この4年の間にスマートフォンも進化し、旅行中に街中で活用できるアプリも増えたので、docomoの「日本で契約しているプランのデータ量を海外でも使えるデータ定額サービス」で「世界そのままギガ」https://www.docomo.ne.jp/service/world/roaming/sonomama-giga/という有料オプションに加入することにした。私の場合「ギガホ プレミア」という無制限利用可能のプランに入っていたので、海外でも30GBまでは通信速度制限なく利用できる。
   10月06日00:00(現地時間)から10月25日00:00までオーストリアハンガリーの2カ国利用の予約申し込みをしたところ、料金は19日間¥14,380だった。利用開始の1時間前まではキャンセルも可能とのことだった。
   現地で利用時には最初、ホテル滞在時はWifi、外出時には「世界そのままギガ」といちいち切り替えていたが、「そのままギガ」の接続が快適で、30GBの速度制限まで使うこともないと思ったので、利用開始3日目からはWifiへの切り替えを止めた。持参のモバイルPCの方はホテルのWifiで快適な通信ができた。

   なお、今までも海外旅行の際には、近所のドコモショップで「スマホの海外利用ガイドブック」という小冊子を入手して予習していた。現在は、紙のパンフレットはなくなっているのではと思って聞いたら健在だった。アナログ人間にはこの方が有り難い。もちろんドコモのサイトからダウンロードすることもできる。

  

docomoスマホの海外利用ガイドブック」(全30ページ)

   ついでに、主にスマートフォンで行った旅行中の日本の情報収集についてふれよう。コロナ禍以前は、モバイルPCでNHKのストリーミング・ニュースを聞いていたが、現在はポッドキャストhttps://www.nhk.or.jp/podcasts/で聞く方式に変わったようだ。そこで、遅ればせながらポッドキャストのアプリを出発間際にインストールしておいた。現地では1時間前後遅れてからニュースを聞くことができた。

   日本の新聞の海外での閲覧もいろいろ方法があるようだが、私は日経新聞を購読していたので、クレジットカード払いで購読中の読者が無料で受けられるビューアーサービスhttps://www.nikkei.com/promotion/service/viewerapp/howto/を使ってヨーロッパ滞在中に読んでいた。PCやタブレットでも閲覧できるが、スマートフォンでも充分読むことができた。

   そう言えば、ヨーロッパ在住の日本人の間で親しまれていた日本語テレビ放送「JSTV」が10月末でそのサービスを中止するという記事を当ブログでも紹介したが、この最後の放送をブダペスト滞在中にIntercontinental Hotelで視聴することができた。
  JSTVではNHK大相撲中継やニュース、民放のドラマやバラエティーが視聴できたので、日本からの出張者の中にはJSTVが視聴できるホテルを選んで出張手配をする人も多かったと聞いている。
   現在は、さまざまな視聴方法があるようで、私も、Wowowやスカパーのアプリをインストールしてあったので一部の番組を視聴できたはずだが、結局利用せずに終わった。興味のある方は「海外で日本のテレビを見る」を検索してみると良いだろう。

 


○成田空港から直行便でウィーンへ

 

   翌朝、ホテルで朝食を済ませた後、大型スーツケースにドイツ・ストラティック社製のキャスター付きバッグをキャリーオン(二段重ね)し、背中にリュックという大荷物を持って08:30ホテル発の送迎バスで空港第一ターミナル南ウィングに向かい、08:55にはオーストリア航空カウンターで大型スーツケースを預けてチェックインを済ませ、キャスター付きバッグとリュックを機内持ち込みにして、スターアライアンス加盟航空会社の上級クラスが利用できる保安検査のゴールドトラック(優先レーン)を通って、出国審査に向かった。
 なお、今回の旅に備えて買い換えたスマートフォンと大型スーツケース等については、当ブログ6月30日の記事https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/06/30/124428の最後の方に詳しく書いておいた。


 

スーツケースにキャスター付きバッグをキャリーオン


   

  出国審査は、前回の旅と比べて自動化が進んでいた。保安検査の次にある、無人の(サポート・スタッフはいるが)顔認証ゲートでIC旅券のICチップ内の顔の画像と、顔認証ゲートのカメラで撮影した顔の画像を照合して本人確認を行なうという方式になっており、顔認証の処理が完了し、問題がなければゲートが開き、通過することができるという手順だ。審査官から旅券にスタンプを受ける必要がなくなっているのが少し寂しい。出入国在留管理庁のサイトには「スタンプを希望される方は最寄りの職員にお問い合わせください」と書いてはあるのだが。顔認証ゲートについては、出入国在留管理庁の「顔認証ゲートの更なる活用について」https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00168.htmlに写真入りで詳しく解説されている。

   出国審査を通過して、雑誌などの買い物をしてからラウンジでひと休み。オーストリア航空は独自のラウンジがないので、代わりにスターアライアンス加盟航空会社のANAユナイテッド航空のラウンジが利用できた。ユナイテッドの方が出発ゲートに近かったので、そこで40分ほど休んで、10:00には出発ゲートに到着。

   10:28に搭乗し、OS 052便(ボーイング 777-200ER)は定刻より2分ほど早い11:08(以後、予定時刻ではなく実際の発着時刻)にゲートを離れ(すなわち出発)、11:23に離陸した。
   席は、2席分のスペースに1席が設けられた1人席でゆったりと過ごすことができた。オーストリア航空ビジネスクラス・シートはフルフラットとのことだが、クチコミサイトの情報では完全にフラットにはならないと書かれていた。実際にフルフラットポジションにすると少し傾斜が残る。また、そのポジションで横になろうとすると身長173センチの私でさえ足がつかえ、寝ることができない。結局、寝るときはフルフラットポジションより少し上げたポジションで休むことになった。
  機材や内装、キッチンの更新が遅れているせいか、シートに限らず、トイレなどの設備や食事の選択などの対応は、コロナ禍以前に利用したJALカタール航空に比べても後れをとっている印象だった。


   

オーストリア航空 05Aの座席


  

   離陸から1時間後に昼食のサービスが始まった。オーストリア航空の往路は事前のメインディッシュの選択やアレルギーの要望が出せなかったので、配られていたメニューからその場で選ぶことになった。メインは3種あったが、小麦や鶏肉・トマトなどのアレルギーなので、「チキン・レッグ」や「トマトソースのラヴィオリ」は選べず、「赤魚(メバルの1種)の治部煮」を選ぶことになった。
   あまり食欲がなかったせいもあってか、今回は、まったく食事の写真を撮っていない。昔は、本や雑誌の取材で旅行することが多かったので、食事に限らず、片っ端からカメラに収めていた。そのおかげでリタイア後も撮影癖が抜けずにいたが、ようやくその職業病から抜け出せたようだ。

 食前酒、スープ、デザートはパスしたが、ワゴンで運ばれてきて、目の前で選べる前菜は食欲をそそったので、「リーフサラダ」と和食の「金柑と大根の甘酢仕立て」を少々もらった。ワインは、お目当てのグリューナー・フェルトリーナー種の白ワインがメニューになかったので、Langenlois産のリースリングをウィーン流の1杯である1/4㍑もらったが、アテンダントのすすめがあったので、Gelber Muskateller種の白ワインも少々試してみた。これがマスカット葡萄のようなフルーティーな中辛口でことのほか美味しかった。ウィーンに着いてから気づいたのだがGelber Muskateller種の白ワインはブームになっており、たいていのレストランでは置いていた。栽培面積も増えているそうだ。

   パンは小麦アレルギーがあることからギャレーで水をもらったときに、食事の準備をしていたアテンダントに「グルテンフリーのパンはありますか」と聞いたら、「事前に要望を出さなかったのですか」と聞かれ、「グルテンフリー食の事前注文はできなかった」と伝えたら首を傾げていた。

   そのアテンダントが、ほかのスタッフにも私のリクエストを伝えてくれたようで、メインディッシュのサービスの時は、どこかからグルテンフリーのパン(日本製)を探してきてくれた。残念ながら美味しくなかったので、以後は、お断りしたが。
   このときばかりでなく、アテンダントの対応は実に細やかで行き届いていて、設備の古さをおぎなっていた。

   なお、アレルギーをお持ちの方は当ブログの2018年の記事「ヨーロッパでのアレルギー、グルテンフリー対処方法」https://europedia.hatenablog.com/entry/20180530/p1も参考にしていただきたい。
 この記事を書いた頃は、自分のアレルギー対処ノウハウが不十分で、せっかくの食の楽しみを逃した側面もある。最近は、小麦でも「外皮」や「胚芽」の部分も合わせた「全粒粉」のパンやライ麦パンなどの場合、アレルギーが出ないことが分かった。また、小麦の麺類やアレルギーのある果物、野菜、肉でも夕食の際には少量とっても大丈夫なことも分かった。私の場合、アレルギーは食後に運動をする場合に発症しやすいようだ。

   オーストリア航空の食後の楽しみは、10数種類のコーヒーのサービスだ。ウィーンに住んでいた頃から好んで飲んでいたブラックコーヒーにオレンジ・リキュールを加えたMaria Theresiaを迷わず注文。久しぶりに飲んだら気圧のせいもあるのかリキュールがまわった。

   無理して、ビジネスクラスを選ぶ理由のひとつは、トイレの数が座席数の割りに余裕が有り、食後のトイレの行列が比較的避けられるためでもあったのだが、今回は当てが外れた。3つあるトイレは実際はエコノミーとの共用になっていたので、食後と着陸前には長い列ができていた。

   さて、食欲もあまりなかった機内での時間は、もっぱら充実していた機内エンターテイメントhttps://www.austrian-inflightentertainment.com/en/で過ごした。
   座席の前には、15インチのタッチスクリーンが設置されていて、メニューには、Movies, TV, Audio, Game, Your flight(飛行状況案内)などの項目がある。
   最初はAudioで、クラシックやオペラを視聴していたが、意外と選択肢が少なく、すぐに飽きてしまった。
 Moviesの新作紹介に映画“Alma & Oskar”という2023年公開の映画があったので見てみた。作曲家グスタフ・マーラーの未亡人アルマ・マーラーの生涯を恋人であった画家オスカー・ココシュカとの関係を中心に描いた映画で、かねてから公開されたら見たいと思っていたものだ。マーラー役の俳優があまりに貧相で、マーラーの信奉者としてはひどいミス・キャストと思えたので途中で見るのを止めようかと思ったが、すぐマーラーの没後のできごとに切り替わったので、終わりまで88分間、興味深く鑑賞させてもらった。アルマとココシュカのエキセントリックな側面と時代背景がよく描かれていた。

   映画の後も、眠れなかったので、TVをチェックするとConcerts & Showbizのジャンルに昨年のザルツブルク音楽祭で上演されたプッチーニの三部作(Il trittico )があった。これは、彼の作曲した3つの一幕物オペラ、「外套」、「修道女アンジェリカ」、「ジャンニ・スキッキ」を一夜で連続して上演するという演目だ。ウィーンの国立オペラで10月13日にこのIl trittico を鑑賞する予定だったので、良い予習になると思い、3時間にわたる上演を途中で何回か止めながらも最後まで鑑賞した。
  指揮は、今回、10月18日にウィーンでマーラーの「第七交響曲」(クリーヴランド交響楽団)を聴く予定のFranz Welser-Möst、演奏はウィーン・フィルだ。

       

黒海上空を通過中のフライトマップ

   黒海上空を通過後、飛行機はブルガリアルーマニアハンガリーの上空を通過、定刻より3分だけ遅れた18:28にウィーン到着。所要時間は14時間20分だった。
   スムーズに入国審査を終え、荷物の受け取りターンテーブルで、優先扱いで出てくるはずのスーツケースを待つが、他の人のものは途切れずに出てくるが、私のは一向に出てこない。すべての荷物が出終えて、5分ほど待つと、またターンテーブルが動き出して続々と荷物が流れてくるが、私のスーツケースはまったく見当たらない。それもそのはず、表示を見ると、現在、流れているのはアンカラからの後で着いた便だった。
    せっかく「ロストバゲージの危険性を避けてノンストップ便を選んだのに」と悔やんでもしょうがないので、バゲージクレームのカウンターで順番を待つ。3組ほど前に並んでいたので自分の番まで20分ほどかかった。その間に、「機内持ち込みに着替えや洗面用具、スーツケースの写真など入れておいて良かったが、保険の手続きや明日購入しなければならないものもある面倒だな」などと思い悩んでいたら順番が来て、事情を説明した。すると係員が持参のクレイム・タグを手に取って、「これなら今ターンテーブルに乗っています」と確信に満ちた口調でのたまわった。「次の便が終わっても出てこなかったと言っているのに」とぼやきながらも、あまりの強い口調にダメモトでターンテーブルに向かってみると。なんと、私のスーツケースだけがひとり寂しそうに私を待って回り続けていた。   

 クレイムタグとターンテーブルにスマートトラッカー(小型GPS)のスキャンシステムでも組み込まれていたのではと一瞬思ったが、そんな形跡もない。
    後日、1ヶ月ほど前の同じ便で成田から戻ってきたウィーン在住の友人に話すと、彼らもまったく同じ経験をして、アンカラからの便の後に出てきたという。

 

 何はともあれ、無事に感謝して到着出口から150メートルほどの距離にあるにあるNH Vienna Airport Conference Center https://www.nh-hotels.com/hotel/nh-vienna-airport-conference-centerにチェックイン。時計を見ると19:32分。長時間ロストバゲージ騒動で煩わされたと思っていたら、到着からたった1時間ほどの間の出来事だった。
    チェックイン時に、「メンバーの方ですね。何度もご利用いただき有り難うございます」と言われて、いつもより広い上層階の部屋にアップグレードしてもらえた。

 

   チェックイン・カウンターを背にして、離れようとしたらその女性がくしゃみをした。反射的にドイツ語圏の人が行う習慣で、振り返って“Gesundheit!”(お大事に)と声をかけた。彼女は日本人からそのような反応があるとは意外だったようで、戸惑いながらもにっこりと笑って“Danke”と返してくれた。このとき、4年のブランクがあるが自分のドイツ語もこれからの旅でまだまだイケそうだと変に自信がついた。
   部屋に向かうエレヴェーターの中で、伊丹十三さんの「ヨーロッパ退屈日記」に引用されていた彼の友人が詠んだ「旅慣れてニタリと笑う俺の心のドン・ジョバンニ」という歌をなぜか思い出した。

  

    部屋に落ち着いたのは19:50頃、日本時間にすると午前02:50だ。機内で着陸前の軽食事に配られたおにぎりを夕食代わりに食べてから、熱いお湯につかり、現地時間21:00には就寝。熟睡することができた。


   今回は「海外旅行(旅日記)」の「その2」としながら、長崎からウィーン空港まで止まりで、未だウィーン市内にも入っていない。まあ、だいぶ寄り道があったのでよしとしよう。
    10月末の当ブログで、「旅のレポートは、来週あたりから書き始め、12月中に終了する予定で6回ほどに分けて報告したい」と書いたが、どうも年を越してしまいそうだ。

   振り返ってみると、2019年の11月12日(火)から12月3(金)までの「晩秋のウィーン22日間の旅」の最終回「その7」https://europedia.hatenablog.com/entry/2020/03/12/172753 を書いたのは、2020年の3月12日だった。

 

今回の旅程

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎

 

 

■今日のブックマーク&記事■

□TRVLWIRE 11月13日記事
「生成AIで旅行計画、北米では旅行者の3分の1以上が経験済み」
  https://trvlwire.jp/?p=35418

□TRVLWIRE 11月27日記事
「日本人の長距離海外旅行、ついにリベンジ需要表出か、他国には劣るも19年超」
  https://trvlwire.jp/?p=35445

□トラベルボイス11月30日記事
「日本人の海外旅行の意向は2300万人、一人旅の増加傾向も、今後の打ち手をツーリズムEXPOで聞いてきた」
  https://www.travelvoice.jp/20231130-154586     

 

秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1             「音楽会・フライト・ホテル等の予約」

秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅  その1 

 「音楽会・フライト・ホテル等の予約」

 

  

オーストリア航空ボーイング777-200ER

 

キャンセル料と円安に留意して事前手配を開始


    連載レポート第1回目の今回は、標題の通り、円安による諸物価の値上がりぶりと、その影響を低減するための日本からの予約方法を中心に書かせてもらった。「旅日記」そのものをお読みになりたい方は、2回目からをご覧いただきたい。

   4年ぶりの海外旅行の手配は、コロナ禍前の旅行手配と異なり、2つの点に留意しながらすすめていった。

 まず、第1は、コロナ禍が下火になったとは言え内外で感染が続いていることと、自分自身の体調にも若干の不安があったので、極力キャンセル料が出発間際までかからない形で手配をすすめていったことだ。
   と言っても、インターネットを通じての音楽会のチケット手配はほとんどが、キャンセル不可だった。航空券代やホテル代に比べれば個々のチケット代はそれほど高額ではないので、売り切れになるリスクよりもキャンセル料のリスクをとることにした。

   航空券やホテル代は、旅行会社やExpedia、ホテリスタなどのホテル予約代行会社のサイトを通じて手配すると、航空会社・ホテルの直販サイトよりおおむねキャンセル条件が厳しいので、今回は、直販サイトからの手配を優先した。
 実際に航空会社の直販サイトの中には、「キャンセル料の有利さ」や「座席指定・乗り継ぎ便選択のしやすさ」をうたっているものが多かった。
   また、ホテルの直販サイトもキャンセル料が早めにかかるものが安く料金設定されているが、ホテル・チェーンの会員登録をするとキャンセル料が有利になったり、朝食料金が安く設定されていたりといったメリットがあった。

   第2の留意点は、いささか個人的な事情でもあるのだが、この4年間で進行した円安のデメリットを避けるために極力、円建てではなく、ユーロ建ての支払いにすることだ。
   というのは、6~7年前に購入したユーロ建ての外貨預金が残っていたので、日本円を通じずユーロ預金から直接引き落としが出来るSony Bank WALLET(Visaデビット付きキャッシュカード)https://moneykit.net/visitor/sbw/をフル活用しようとの考えだ。当時の購入レートでは1ユーロは120円ほどだった。今日現在、日本の銀行でユーロの現金を購入した場合、170円ほど。現地でクレジット・カードを利用した場合は168.5円ほどなのでこの30%強の違いは大きい。
 たとえば、手持ちのユーロのレートでは20ユーロが2,400円だが、もし、日本で円から両替してきたユーロ現金で支払うと約3,400円だ。

   なぜ、ユーロ預金が残っていたかというと、2019年11月の旅行の際、SONYデビットカードを旅行に持参するのを忘れてしまい、使う予定のユーロ預金が使えなかったという少々間抜けな出来事があったからだ。


    忘れないうちに、現地でのデビットやカードクレジット・カード利用の注意点を書いておこう。まず、コロナ禍で久しぶりに海外でのカード利用をする人は、クレジット・カード会社のチェック機能が働いて、本人かどうかの再確認の連絡が来たり、ときには利用出来なくなるケースもある。あるカード会社に聞いたところ、「海外での利用が見込まれるときは事前に通知があればダブルチェックが緩和される」とのことだった。また、海外での利用限度額も必要があれば引き上げておくと良いとアドバイスされた。
   Sony Bank WALLET の場合、アプリhttps://moneykit.net/lp/app/sbw/をダウンロードしておくと、Visaデビット利用時にプッシュ通知で「お知らせ」が来る。アプリの「利用状況」機能で今月の利用状況とアラート通知の設定、「月別推移」で過去1年間の利用金額推移や都度利用と継続利用の内訳、継続利用の利用明細が確認できるのも便利だ。

 また、日本で発行されたクレジット・カードを海外加盟店(店舗、ATM、ネットショッピング)で利用する際は、「現地通貨」または「日本円」のいずれかの支払い通貨の選択を迫られることが多い。「日本円」での支払いを選択した場合、換算レートは加盟店側で指定するレートとなり、一般的な為替レートよりも割高になっていることが多い。
 ウィーンでは①「日本円」、②「ユーロ」という順で、選択する表示となっていたので、なにも知らなければ不利な「日本円」を選択する人が多いのではないだろうか。私の場合、後日チェックしたら100回以上②「ユーロ」の選択ボタンを押していた。私のケースでは、そうしなければ、1ユーロ120円で済むところが、168.5円になってしまうことになるので、慎重に選択ボタンを押すよう心がけていた。

   なお、4年前の当ブログ「晩秋のウィーン22日間の旅 その6」  https://europedia.hatenablog.com/entry/2020/02/29/144245でもふれたが、ヨーロッパの商店などでは、クレジット・カードやスマートフォンをレジのリーダーにかざして支払うコンタクトレス決済が主流になってきている。レジでカードを渡すと当然のように、先ず、かざしてみて、だめと分かると通常のカード決済端末に挿入し直すという2度手間がかかった。このかざす決済はNear Field Communication(近距離無線通信 略称NFC)と言うようで、日本でもVISA(三井住友カード)が“Visaタッチ決済”として導入している。JALカードにもこのVISA NFCに対応しているものがあるようだ。私の持っているデビットカードもコロナ禍の間に更新カードが送られてきたが、よく見てみると“タッチ決済”可能のマークが付いていた。ウィーンでは、0.5ユーロ程度の有料公衆トイレなどもタッチ決済で扉が開くので便利だった。


 さて、日本での旅行手配の進行を順を追って記していこう。


音楽会のチケットの購入もオンラインでユーロ決済

   10月の旅行期間中のオペラやコンサートのチケットの一般販売は、5月頃から開始された。席そのものの売り切れや良い席が取れなくなる可能性があるので、発売開始日をウェブ・カレンダーに書き込んでおいて買い逃しがないように心がけた。
   現地で聴いた音楽会の詳細は、後日あらためて書くことにするが、概要を書いておくと。

 ウィーン交響楽団の演奏会が3回(マーラー大地の歌」、ドヴォルザーク「7番」、ベートーヴェン「運命」など)。客演のクリーヴランド交響楽団(ウェルザー・メスト指揮 マーラー「7番」など)、トーンキュンストラー管弦楽団佐渡裕指揮 マーラー「6番」)、楽友協会主催 ウィーン・フィルベートーヴェン「4番」、ブラームス「1番」)、国立オペラ(プッチーニ“IL TRITTICO”三部作)。

   以上、7回のコンサートは、日本から主催団体や会場のホームページから、座席表で席と価格帯を選びながら、クリーヴランド交響楽団のチケットを除いて、Sony Bank WALLET Visaデビットでユーロ建てで決済できた。
   クリーヴランド交響楽団のチケットは、いったん引き落とされたのだが、演奏会場からは“Your online purchase was not completed”という返事で、再度の予約・購入をうながされた。外貨預金の口座からは既に引き落とされているのに困ったなと思いデビットカードの会社に問い合わせると、「この引き落としは仮のもので演奏会場からの最終確認が来なければ1週間以内に払い戻される」と言われた。1週間待つうちに希望の席が売り切れたら困るので、再度、別のクレジット・カードでチケットを確保した上で、返金を待つことにし、2日後には無事返金が確認できた。結局、日本円払いとなったので、今回手配したチケットで最も高価な20,700円となってしまった(135ユーロ、6月8日時点のレート153.3円で決済)。


   日本から手配できた7回のコンサートのほかに、終身会員への事前販売が原則のウィーン・フィル定期演奏会(指揮Tugan Sokhiev、ピアノLang Lang“Saint-Saëns: Konzert für Klavier & Orchester Nr. 2 、 Prokofjew: Symphonie Nr. 5 ”のチケットを現地で入手した。ウィーン・フィルのホームページhttps://www.wienerphilharmoniker.at/ja/に「本公演のチケットが返却された場合に限り、2023年10月13日(金)の 9:30 より、電話、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチケットオフィスにて、およびオンラインで販売致します」と書かれていたので、当日の9:30 にウィーン・フィルのオフィスに行ったところ、私の前には1人しか並んでおらず、72ユーロでバルコン席前から2列目中央の良い席を買うことができた。

            

ウィーン 国立オペラ劇場

 

航空会社の選択と購入方法        

 

   コロナ禍前の2019年までは、ビジネスクラスの格安航空券や貯まっていたマイレージを活用してのビジネスクラス利用などで、割安に上級クラスのフライトが利用できた。

 たとえば、2019年の11月は、カタール航空QR)のビジネスクラスが“プロモーション価格”で売られていて、諸税・保険料込みで318,060円という、大韓航空中華航空などの乗り継ぎ便よりも安い価格だった。しかも、産油国であるせいか燃油サーチャージ(当時、往復26,000円前後)が取られないのも有り難かった。JALと同じワンワールド加盟航空会社であるため、獲得マイルをJALマイレージに加算できるのもメリットだった。帰国後、確認したらカタール航空からJALマイレージ・アカウントに20,368マイルが加算されていた。航空運賃もJALカードで決済したので、その分のショッピングマイル3,181マイルも加算済みだったので、QRの利用で合計23,549マイルが獲得できた。以前にも書いたが1マイルは3円で換算するのが妥当と思っているので、70,647円が貯まった計算で、航空運賃から差し引くとQRビジネスクラス往復が247,413円で済んだことになった。

   2018年秋と2016年秋の旅行では、当時飛んでいた福岡からヘルシンキ行きのフィンエアーを利用してウィーンに乗り継いだ。
 2018年のケースでは、JALマイレージが貯まっていたので、フィンエアーのビジネスで必要とするJALマイレージは80,000マイルだった。マイルのほかに、燃油サーチャージが21,000円、空港税や保安料などが18,580円、計39,580円がかかった。

    2017年秋はフィンエアーの夏期運航が10月9日(福岡発)が最終便となるため、この年の「10月13日から10月30日までの18日間の旅」には利用できず、日本航空の長崎−羽田/成田(1泊)−フランクフルト−ウィーン−フランクフルト−成田/羽田−長崎という便を利用し、行きはマイレージ利用ではビジネスクラスが利用できなかったのでエコノミークラス、帰りはマイレージ利用でビジネスクラスという便を利用したhttps://europedia.hatenablog.com/entries/2017/11/15


    今回は、コロナ禍のためフィンエアーの福岡-ヘルシンキは運航休止で利用できなかったので、ルート選びをゼロから再検討することになった。
   コロナに加えウクライナ戦争の影響で各航空会社の日本路線は減便となっており、しかも、ロシア上空迂回のため所要時間が1~3時間余計にかかり、ヨーロッパ各都市からウィーンへ向かう便も接続が悪くなっていた。さらに、供給座席の減少と運航経費の増加、円安がの進行、燃油サーチャージの値上げ等で航空運賃はエコノミー・ビジネスともに2019年に比べ2~3倍に値上がりしていた。
 
 当初は、マイレージを利用してヘルシンキ乗り換えのフィンエアー日本航空の利用を考えていたが、4年間の間に貯めていたマイレージの期限切れや、必要とされるマイレージ条件が厳しくなっていたので、マイレージ活用は早々に諦めた。
 5月時点で日本航空フィンエアーヘルシンキ乗り換えビジネスクラスの料金をチェックしたところいずれも往復72万円ほど、その後、フライトを最終的に決めなければならない8月段階でチェックすると日本航空は往復100万円以上になっていた。
    全日空ミュンヘン行きで、列車でオーストリアに入る経路も検討したが、こちらはさらに高く120万円前後だった。なお、全日空の羽田-ウィーン路線はコロナ禍の影響で運航休止となっている。

    ルフトハンザやエールフランスなども検討したが、こちらも8月時点では往復100万円前後になっていたので検討対象から外した。
    航空会社選びの過程では、FlightAware https://ja.flightaware.com/などの民間航空機の追跡サイトで、どの飛行ルートを飛び、所要時間が何時間で平均遅延時間が何時間かをチェックして、航空会社選びの参考にした。

    結局、所要時間や乗り継ぎによるロストバゲージの増加傾向などを考慮して、成田からウィーンまでノンストップで直行できるオーストリア航空(OS)のビジネスクラスを最終候補に絞った。オーストリア航空の飛行ルートは中国やカザフスタンなどの中央アジアカスピ海黒海の南岸などを通るルートで、行きは14時間、帰りは12時間ほどの所要時間だ。


 

オーストリア航空の飛行ルート   

  


 7、8月に、格安航空券販売サイトやオーストリア航空のサイトをチェックしていたところ出発日や予約時期で価格は671,110円から110万円前後まで激しく変動していた。需給状況によって航空会社が価格を変動させたり、まとまった団体予約が入ったりして席そのものがなくなることもあった。
 価格的にも座席の選択などの利便性、キャンセル条件などからも航空会社のサイトで購入するのが有利と分かり、オーストリア航空のサイトhttps://www.austrian.com/jp/ja/homepageで予約することにした。繋がりにくいものの日本語で電話問い合わせができる点も良かった。日本語で問い合わせてみて確認できたのだが、オーストリア航空の予約サイトでも日本語を選択すると不具合が発生することが多く、英語にするとそれが解消された。また、食事や席の詳細やウィーンからの乗り継ぎ便に関する情報なども聞くことができた。さらに、親切にも電話で予約をすると手数料がかかるので、英語サイトで予約する方がお得ともアドバイスしてもらえた。
 予約は8月中旬に行い、幸いなことに上記変動幅の下限と思われる671,110円(内、燃油サーチャージ分は50,800円)で予約することができた。それでも、生涯で購入した最も高い航空券だ。
   後日、同時期に旅行会社経由で同等の航空券を買った人の話を聞くことができたが、その方は110万円ほどしたそうだ。

   なお、オーストリア航空利用のマイレージANAマイレージに加算されるようネットでの予約の際に申し込んでおいた。後日、加算されたANAマイレージをチェックすると15,046マイルが加算されていた。1マイルは3円で換算するのが妥当と思っているので×3=45,138円が加算された計算になる。さらに、オーストリア航空への支払いをJALカードで行ったので、これに対するマイル加算が7,465マイルあり、×3=22,395円が加えられたことになる。合わせると67,533円になり、上記“下限料金”から差し引くと最終的に603,577円の航空券を買った計算になる。

 

   オーストリア航空は、成田出発なので長崎から出発するには国内線を別途手配する必要があった。オーストリア航空のチケットに国内線を付け足すと大変高額になるので、他の方法で繋げないかと調べていたら、ジェットスター・ジャパン(GK)https://www.jetstar.com/が長崎-成田間を運航していることが分かり、提携している日本航空マイレージ11,000マイルで往復航空券を入手できることも分かった。出発前の取り消し料も3,100円ですむということだった。特典航空券の場合、無料受託手荷物は20kgまで無料、機内持ち込み手荷物も7kgまで無料とのこと。スーツケースは事前にJAL ABC宅配サービスhttps://www.jalabc.com/delivery_service.htmlで送ることにしていたので、無料の範囲で充分だった。
 ただ、ジェットスター長崎空港14:30発の1便しかなかったので、成田で前泊する必要があった。オーストリア航空は成田11:30の出発なので、もともと前泊は覚悟していたので問題はなかった。帰りは、2時間50分の乗り継ぎ時間で、ジェットスターの長崎行きがあったので、これもまったく問題なし。


宿はホテル・チェーンの日本語電話センターで予約

 今までホテル予約は、アップルワールド(ホテリスタ)https://hotelista.jp/とエクスペディアhttps://www.expedia.co.jp/など内外のホテル予約サイトを利用することが多かった。
    今回も、旅行計画を始めた3月頃からウィーンやブダペストのホテル価格をチェックし始めたが、円安のせいもあって、これまで泊まったことのある中心部のホテルは倍近くに値上がりしており、しかも、10月の旅行期間はすでに予約で満室というケースも多かった。
 ユーロ建てで支払える「現地払い」の予約プランもエクスペディアなどのホテル予約サイトにはあったが、日本円での事前デポジットが必要、価格が高価、キャンセル条件が厳しいなど不利なものが目立った。

 ホテルのサイトへの直接予約を調べたが、いくつかの旧市街の馴染みのホテルは、高額な上、10月の旅行予定期間中、満室で取れない日があり、うまく行かなかった。

   そこで、Tripadvisor https://www.tripadvisor.jp/などのクチコミサイトをチェックしていて見つけたのが4つ星のHotel Indigo Vienna - Naschmarkt  https://www.ihg.com/hotelindigo/hotels/jp/ja/vienna/vienr/hoteldetailというホテルだ。このホテルは日本でも私がかつて住んでいた渋谷の家の近くや、箱根強羅、愛知県犬山、軽井沢などにも展開しており、泊まった知人の「毎回、快適な滞在が楽しめた」という話も聞いていた。

   Hotel IndigoはInterContinental Hotels やHoliday Innなど19のブランドで世界6,000カ所で抱えているIHGホテルズ&リゾーツhttps://www.ihg.com/hotels/jp/ja/reservationに属していて、日本語のフリーダイヤル電話デスクも構えており、対応もしっかりしていた。

  Indigo Vienna - Naschmarkt は、名前からNaschmarkt市場の近くかと思わせるが、市場の最寄り地下鉄駅はホテルの目の前にあるU4路線Pilgramgasse駅からはひと駅離れている。
   しかし、このPilgramgasse駅の北側周辺は地元の人が通う商店街や老舗レストランがいくつもあり、昔、ガイドブックの取材で訪れたこともあったので馴染みのある一角だった。
 しかも、ウィーン中央駅などにもバスで乗り換え無しで行けたり、オペラ座や楽友協会などの音楽会会場へも地下鉄で2駅の距離と便利な位置にあった。
 ホテル自体は、超モダンな正面入口だが、中に入ると3階建ての広々とした作りで中庭や隣接する静かな公園に面しており、緑豊かで静かな環境だ。開業は2022年で、最新の設備が整っている。部屋数は158。大型ホテルと言えるが、個人客が中心で、ホテル自身も「規模が小さいながらも、独創性が溢れる独特なデザインやサービス等を売りにしているテーマ性のあるホテル」を意味するBoutique Hotelと位置づけている。

 

隣接する公園側から見た3階建てのホテルの外観 


  

   IHGホテルズ&リゾーツの予約サイトで入会無料の会員組織IHG One Rewards https://www.ihg.com/onerewards/content/jp/ja/home に入れば、優待料金などの特典があることがわかり早速入会。ホテル利用に対しては次回の旅に使えるポイントが貯まる点も魅力だ。ついでに、IHGリワーズクラブのAndroidアプリもスマートフォンにインストールしておいた。

  予約サイトでウィーン到着の翌日である10月6日から3泊とブダペストへの3泊旅行からウィーンに戻った後の、10月12日からの12泊の料金を調べると、日にちによって価格は変動したが「会員専用朝食付ベストフレックス料金 クイーンスイート バスタブ付 42 平方メートル」の料金が1泊平均286ユーロであった。170円で換算すると48,620円と高額だが、こちらは全額ユーロ建て現地払いのプランなので34,320円で済んだ。それでも高額なのだが、以前泊まっていた旧市街の4つ星クラスはいずれも5万円前後だったのでよしとした。ちなみに、渋谷のINDIGOはStandard Room朝食なしで1泊6万円以上する。

   引き続き、ブダペストの3泊のホテルもIHGホテルズのチェーンで探すとInter Continental Hotelが出てきた。ここは、2011年に泊まったことがありhttps://europedia.hatenablog.com/entries/2011/11/23、ドナウ河ビューの部屋からの眺めが素晴らしかった印象がある。当時の記録を見ると、同じクラスの部屋が2万円だったが、今回は同等の部屋が「Classic River View 会員専用朝食付ベストフレックス料金」で41,000円もした。これは、ハンガリーがユーロ圏ではなく円建てになるので、もろに円安の影響を受けたためでもある。

ホテルの部屋からのドナウ河と王宮の丘の夜景


   

 ついでに、その2011年のウィーンの旅のメモを読み返してみると、ウィーンでの滞在ホテルは、旧市街からは外れるが、楽友協会から歩いて行ける距離にある4つ星のHotel Erzherzog Rainerで16泊朝食付きで794ユーロ、当時のレートで1泊5,560円だった!
   参考まで、今年の11月中旬の同ホテルの1泊朝食付き料金を調べてみると40,000円前後。7倍以上の値段だ。


   さて、今回の実際のホテル手配は、フライト予約の1週間後の8月21日に、IHGの予約サイトを見ながらフリーダイヤル・デスクに電話して行った。ネットで予約を済ませるよりも細かな確認をしながら予約手配を進めていくことができるからだ。バスタブの有無やユーロ決済の確認、キャンセル規則の確認などに丁寧に応じてもらえた。予約確認書はデスクの担当者からメールで送られてきた。ブダペストのホテルの確認書に朝食付きと明記されていなかったので、デスクに電話すると、こちらの懸念をくみ取ってくれて、わざわざ業務手配画面上の英文で朝食付きと明記された部分をスクリーンショットで送ってくれた。

    あと2件のホテル予約についても書いておこう。先ほどINDIGOは「ウィーン到着の翌日である10月6日から」予約と書いたが、到着当日の10月5日は、空港に隣接するHotel NH Vienna Airport Conference Center https://www.nh-hotels.com/hotel/nh-vienna-airport-conference-centerを予約しておいた。オーストリア航空のウィーン到着は18:25の予定だが、時差を考えると日本時間で深夜の01:25だ。時差に慣れるには早く現地時間での暮らしにに切り替えた方が良いということは重々承知しているのだが、今までもウィーンに夜着くときは、この空港ホテルで疲れを取ってから市内のホテルに移ったことは何度かあった。Hotel NHは到着ターミナルから150メートルほどの目の前にあるので疲れて着いたときには有り難い。
 このホテルが属するチェーンも会員となっていたので、直接サイトから予約。念のために「バスタブ付きの部屋を希望」と書き添えておいた。1泊朝食付きの料金は162.36ユーロで“You will pay directly at the hotel”と予約確認書に書かれていたので19,500円ほどの料金となった。他の予約サイトでは29,000円ほどとなっていたので、これもユーロ建ての御利益だ。会員になっていたため、キャンセル料も当日の16:00まで無料となっていた。

  残る1件のホテル予約は、10月4日の成田空港前泊の宿で、空港構内にある成田エアポートレストハウスhttps://www.apo-resthouse.com/楽天トラベル経由で、フライトが決まった8月14日に予約した。料金は、朝食付きで8,700 円。当日11:00までキャンセル料も無料だった。 

 

ウィーン-ブダペスト間の鉄道もネットで予約。

  日本で済ませるべき予約手配の最後はウィーンからブダペストへの小旅行の鉄道手配だ。
   当初、この移動はオーストリア航空でとも考えた。6月の時点では、追加料金なしで往復航空券に組み込めることが分かっていたが、250キロの距離を飛行機で飛ぶのも環境負荷の観点ではよろしくないなと躊躇していたら、8月の予約時点では、エコノミーは無料で追加できるものの、ビジネスクラスは組み込めなくなっていたので、さっさと諦めた。

   オーストリア鉄道https://personenverkehr.oebb.at/en/のネット予約はこれまでにも経験があるので、利用の1ヶ月前までに予約すれば割引チケットが利用できることが分かっていた。
   そこで、9月の7日に、10月9日ウィーン発、10月12日ブダペスト発の往復をBusiness Classで予約した。面白いことにオーストリア鉄道はBusiness Classの方がFirst Classよりも上級の席となっている。Sparschieneという割引乗車券が適用できたので、Railjet Xpressという特急列車の片道料金は、割引乗車券28.80ユーロ、1st Class追加料金25.70ユーロ、Business Class アップグレード料金15,00ユーロの合計69.50ユーロ。
    ユーロ建てでオンライン決済できたので8,340円ということになる。これなら、直前予約の2等料金とあまり変わらない。ただし、予約のタイミングや列車の時間帯でこの割引乗車券が適用できないこともあるので、保証の限りではない。アップグレード料金には座席指定料も含まれており、予約画面の座席表で窓側の単独席が空いていたので往復ともこれを確保。

 チケットは、インストール済みのオーストリア鉄道のアプリにもダウンロードできたが、アナログ人間なのでコンサートチケット同様、パソコンからプリントアウトして用意した。 なお鉄道チケットは、1区間5ユーロの保険料で払い戻しが可能になるという表示があり、前回までは加入していたのだが、クチコミサイトで、この保険は実際には利かないという説が散見されたので今回は加入を見合わせた。

         

Railjet   Business Class  窓側の単独席


  

今回の旅程
●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎


■今日のブックマーク&記事■

□トラベルボイス10/25記事
“欧州で導入検討中の新たな渡航承認プログラム、さらに開始が遅れる可能性、欧州観光委員会CEOが言及”(18歳から70歳までの旅行者が対象)https://www.travelvoice.jp/20231025-154485

 

4年ぶりの「秋のヨーロッパ旅行」

*[長崎日記]4年ぶりの「秋のヨーロッパ旅行」

      

コスモス越しの港の眺め

 2008年以降、東京から長崎への転居で忙しかった2012年を除き、コロナ禍に見舞われる2019年まで、毎年、秋にヨーロッパ旅行に出かけていたが、今年は4年ぶりに10月4日(水)から10月25日(水)までの22日間、ウィーンとブダペストを訪れる旅に出かけてきた。

 旅のレポートは、来週あたりから書き始め、12月中に終了する予定で6回ほどに分けて報告したい。

   外国に出て初めて分かる日本経済の低迷ぶりと円安の進行、温暖化に対する危機感の違い、食糧生産方式の進化、変化を迫られる海外旅行ノウハウなどなど。反面、日本も未だ捨てたものではないな、「ゆっくりと下り坂を降りていければ、それもまたよし(今後、急な転落に見舞われる可能性はあるが)」とも感じた。もっとも、日本の若者にしてみれば、そんな悠長なことに付き合ってはいられないとの反論があるだろうが。


 留守の間は、小学校の同級生に鍵を預け、週に2回ほど庭と家の外観のチェック、胡瓜や柚子、バジル、コリアンダー(香菜)、イチジクなど収穫が続くものの処理などをお願いした。

   幸い、留守中は心配していた台風の襲来や大雨などにも見舞われず、長崎は極めて平穏だったようだ。
   留守中の10月7日~9日の3日間行われた諏訪神社の秋の例大祭長崎くんちhttps://kunchi.nbc-nagasaki.co.jp/は、4年ぶりの開催とあって、大いに盛り上がったようだ。

          

   帰国後、ハーブガーデンにサンチュサラダの6つの苗を植え付け、ベビーリーフの種(1袋)、レタス・サラダミックスの種(2袋)、サニーレタスの種(1袋)を種播きした。

黄色く色づいた柚子

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎


当欄関連過去記事:
□「2008年以降の海外旅行履歴」https://europedia.hatenablog.com/entries/2012/12/09 

 

             

ウィーン  土曜恒例の「蚤の市」

 

台風の襲来もなく、甘夏や柚子などの果樹が大きく実る

*[長崎日記]台風の襲来もなく、甘夏などの果樹が大きく実る

         

長崎近海で穫れた伊勢エビ

 

   毎年9月は長崎では台風の襲来に備えなければならないのだが、今年は長崎どころか九州をうかがう台風もなかった。昨年は、9月5日夜に最接近の台風11号と、9月19日未明に最接近の台風14号によって、オリーヴやミモザなどの木々が大きな被害にあった。
   長崎では10月に台風が直撃することはほとんどないのだが、九州の南から本州へと向かった大型台風で大きな被害がでたことはあった。
   実は、8月9日の20時頃に五島市の南約70kmを975hPaで通過した台風6号が近づいてきた際に、裏庭側の中・小窓6面ほどにユニオンジャック型に貼った養生テープは、行動から見えないこともあって貼ったままにしてある。
   このまま、台風が来ないことを祈るが、低気圧の通過に伴う大雨は未だありそうだ。9月の16日の深夜から翌朝にかけても雷を伴う大雨があったが、このときは、内開きとなっている玄関のガラス扉の下の隙間から雨が流れ込まないように、扉の外側に土嚢や培養土の入った袋を積み上げて防水対策を行ってしのいだ。

   台風による被害はないが、今年はオリーヴや楠、菩提樹などの木の葉が公道に舞い落ちることが多く、それを掃く作業が大変だった。常緑樹であるオリーヴが枯れるのは、天敵のゾウムシで枯れたせいだ。箒で掃いても取りきれないので、マキタのコードレス掃除機を使って処理することもあった。

   ヒマワリやタチアオイも9月に入ると枯れてきている。毎年、ヒマワリは立ち枯れるままにして種が自然に庭に散るのを待っていたのだが、枯れた姿が公道側から目障りになるので、今年は、咲き終わったコスモスと一緒に早めに刈り取り、種だけ手作業で庭に撒いておいた。


 初夏に、種まきしたサラダミックスや京水菜、黒田五寸人参、早生枝豆などは、猛暑のせいか、結局発芽しなかったが、ジャガイモの収穫を終えた畝に10粒ほど撒いた早生節成胡瓜はひとつだけが9月に入って、急に成長を始め、今では3本のポールにツルを巻きつけて、実をつけ始めた。今日現在2本の収獲があった。来月に入れば30本ほど収獲出来るのではと期待している。

      

一粒の種から伸びた早生節成胡瓜

  このほか我が家の家庭菜園で収獲が続いているのは、バジル、ディル、ローズマリー、ミント、ホースラディッシュなどだ。

   これから豊作が見込めそうなのは、甘夏、シークァーサー、柚子などの柑橘類で、いずれも青々とした実を数多く結んでいる。不作年と思って諦めていたレモンもよく見ると2つだけ実を結んでいた。甘夏は年末からの収獲となるが、シークァーサー、柚子はすでに柚子ポン酢や焼酎の水割りなどになどにして使い始めている。

   ポンズの語源には諸説あるが、柑橘類の果汁やそれから作られたリキュールを意味するオランダ語のポンス(PONS)に由来する言葉らしい。おそらく、長崎の出島を通じて入ってきたのだろう。
   長崎県のブランド農産加工品認証制度を紹介するホームページ『長崎四季畑』の「長崎ポンス」https://www.pref.nagasaki.jp/tisan/shiki/goods/detail.php?id=85のページには以下のように書かれていた。「『ぽん酢』の起源は17世紀、海を渡り出島に伝来した食前酒『PONS』から語源となったものでオランダから出島に伝わり、日本全国へ広まった舶来の食文化に思いを馳せて作り上げたこだわりのポンスです。一本当たり醸造酢を使わず長崎県対馬産『ゆず』4玉分の果汁を使用しました。『ゆず』そのものの香りと酸味を存分にご堪能下さい」と。


 9月から10月にかけての庭仕事で時間と労力を取られるのは、芝生や雑草の処理だ。数年前までは9月に入ると雑草の伸びは収まってきたのだが、温暖化のせいか、以前の8月並に草が伸びてくる。以前は、シルバーさんたちに頼んでの雑草刈りは6~8月の夏季のみ月に2回お願いしていたのだが、昨年からは9月にも2回お願いしている。
   芝生は10月初旬に“刈り止め”となるが、以前書いたように、年々、芝生の間から生えてくる雑草が増えているので、刈草の量が半端ではない。刈り取った分は、半分は腐葉土作りに使い、半分はゴミとして回収してもらっている。
              

マキタの電動芝刈り機での作業


    花は、コスモスが盛りとなるはずだったが、今年はどういうわけか一斉開花とならず、五月雨式に開花しているのでなかなか絵にならない。
 例年、この季節に自生する彼岸花は、1カ所でしか見つからなかった。

               

  庭に自生する黄色い彼岸花


 

   長崎では、伊勢エビが、5月21日から8月20日までの禁漁期間を終え、県内各地で伊勢エビ祭りが繰り広げられている。例年なら、長崎港外の漁港を抱える伊王島のホテルで伊勢エビづくしの宿泊プランを楽しむのだが、今年は、小学校時代の同級生が営む思案橋近くの創作鉄板焼きの店「母味」https://tabelog.com/nagasaki/A4201/A420101/42009322/で無理を言って2人の同級生たちと“伊勢エビ祭り”を開いてもらった。長崎の海で穫れた大きな伊勢エビを手に入れてもらい、刺身で堪能した。

            

■今日のブックマーク&記事■

□Johnny Jet September 13記事
“The Unsurprising Way Travel Experts Save Money on Food When Traveling and Have a Local Experience”
https://johnnyjet.com/the-unsurprising-way-travel-experts-save-money-on-food-when-traveling-and-have-a-local-experience/

□Johnny Jet   September 14記事
  “A Former CIA Officer and FBI Agent’s Travel Safety Tips and the Item She Says Can Provide an Added Sense of Security When You're Sleeping”
   https://johnnyjet.com/former-cia-officer-and-fbi-agents-tips-to-travel-safely/

□Travel + Leisure過去記事 “The 17 Best Small Towns in Europe”
  https://www.travelandleisure.com/trip-ideas/best-small-towns-in-europe

Bloomberg 9月21日記事“円の実力レートが53年ぶり低水準、固定相場時代に戻った日本の購買力”
   https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-21/S0HYEJDWLU6801

□SchengenVisaInfo.com09/21記事“No, ETIAS Won't Become Operational in 2024, EU Sources Say ”  https://www.schengenvisainfo.com/news/no-etias-wont-become-operational-in-2024-eu-sources-say/
      (EU、オンライン渡航認証ETIAS、25年に再延期へ)

□現代ビジネス 9月30日記事
“すでに「円」の崩落が始まっている~実態価値は1ドル=360円時代に逆戻り”
  https://gendai.media/articles/-/117059

オーストリア情報ブログ村ランキング
https://overseas.blogmura.com/austria/ranking/out


  

 

精霊流しと台風の季節の到来

*[長崎日記]精霊流しと台風の季節の到来
           
   

爆竹を鳴らしながら進む精霊船

   先月末に、「1.5トンの雨水タンクの水は使い切ってしまったので真水の出番となりそうだ」と書いたが、幸いなことにその日の夜に雨が降って、水道水を使わずに済んだ。なにしろ長崎は、斜面地が多いせいもあって揚水などに費用がかかり、水道料金は東京よりも高いのだ。
   8月7日にも雨水タンクが枯渇したが、このときは風呂水などの生活排水を集めて9日の降雨までなんとか凌ぐことができた。
   昨日(8月30日)も少し降雨が有り、今日も雨が降ったので、このまま行けば、今年は、水道水を使わずに済むかもしれない。

   昨年までは、年数回は水道水を使っていたのだが、このところ使わずに済んだのは、やりくりがうまくできたからばかりではなく、水撒きの量が減っていたからでもある。
 使用量が大きいのは芝生の水やりだ。11年前に引っ越してからしばらくは芝生を定着させるために散水機を使って水撒きをしていたのだが、ここ数年は散水機も使っていなかった。

   前にも書いたが、水撒きを怠りがちなのは、30坪ほどの芝生の半分ほどは雑草が優勢になってきて、半ば諦めているからでもある。それでも2週間に1回の芝刈り作業で刈り込まれた雑草は、わが家を見下ろす鍋冠山への遊歩道から眺めれば、手入れされた芝生のように見えているようだ。
   芝生が優勢な半分には、2ヶ月に1回ほど有機肥料を撒き、しばらく降雨がなかったときはホースで水撒きをするなど最低限の手入れは行っている。


   ロシアヒマワリも、美しく並木を作ろうと水を充分に撒いていたのだが、一昨年あたりからは、それも怠りがちで、ホースが届きにくい奥の方への水撒きは怠っている。

   新聞記事によると、ヒマワリの生育不良は雨不足から全国的におこっているようで、背丈が半分ぐらいになったり、花が小ぶりになったりという現象が多く見られるそうだ。
 わが家の庭のヒマワリも、元気なものは2メートル近くに伸びているが、半分ぐらいまでしか伸びていないものも半数ほどあり、花も小ぶりだったり、ひとつの茎から複数の花が開いたりといった異常が見られる。

                  

ロシアヒマワリ


 さて、我が家の家庭菜園では、現在、胡瓜、白ウリ、イチジク、バジル、ローズマリー、ミント、ホースラディッシュなどが収獲できている。
   胡瓜は、今までの累計で170本ほどの収穫量に達した。新たな畝からも収獲できるようになれば、さらに上乗せ出来そうだ。

   これから豊作が見込めそうなのは、甘夏、シークァーサー、柚子などの果樹類で、いずれも青々とした実を数多く結んでいる。甘夏は年末からの収獲となるが、シークァーサー、柚子は実が熟す前の青切り状態で来月には収獲できるようで、料理の薬味や焼酎の水割りなどに使えそうだ。

            

青々と実った柚子

 7月21日に、大型プランター6つに、新たにサラダミックスと京水菜を種まきしたが、猛暑のせいか、結局発芽しなかった。
  ジャガイモの収穫を終えた3つの畝にも、早生節成胡瓜、黒田五寸人参、早生枝豆を種まきしたが、早生節成胡瓜が2カ所から発芽しただけで、ほかは発芽のきざしもない。ご近所の自家菜園でも同様の現象が見られるので、これもおそらく猛暑のせいだろう。
   もっとも、胡瓜や早生枝豆などは、本来ポットで苗を育ててから、畝に移植するのが常道なのだが、わが家では手抜きして直播きしているので、無理があるのかも知れない。

   何度かの台風被害で、消滅寸前だったイチジクの木も樹勢を取り戻し、収穫期を迎えている。すでに20個ほど収獲したが、それと同じ数を鳥に横取りされている。完熟する前に収獲するしかなさそうだ。

 北側のオリーヴは昨年の台風で、3メートルほどの高さのオリーヴの樹4本が吹き飛ばされ、2本が大きく傾き、1本の太い枝が吹き飛んでしまい、無傷なのは若木1本だけだった。花が咲き実が付いたのはその若木ともう1本だけだったが、若木には実が付いているものの、もう1本の方は、気がつかないうちに実が枯れ、葉も黄変して枯れ始めていた。また、天敵のオリーヴアナアキゾウムシにやられたかと思って、ゾウムシに効く薬剤を噴霧したが、通常噴霧後に幹の穴からぞろぞろと出てくるゾウムシが見られなかったので、別の原因で枯れたのかも知れない。


 8月、9月は長崎も台風シーズンで、その間は、家を長く留守にするわけにはいかない。そのため、夏休みは、6月下旬から7月中旬までにとるのが恒例となっている。今年は、7月中旬の4泊5日の、わが家からも遠望できる、長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/でのショートヴァカンスしか楽しめなかったが、代わりに秋には長めの休みを取る予定だ。もっとも、それも燻り続けるコロナや自分の体調次第なのだが。

   長崎に接近した今年の最初の台風は、8月9日の20時頃に五島市の南約70kmを975hPaで通過した台風6号だった。
  7日から台風対策を始め、まず公道に面している樹木やコスモスなどの花を剪定し、一部は針金などで倒れないように固定した。さらに、万一のために倉庫からブルーシートや工事用のロープなどを持ち出し、室内に置いた。
  8日には友人2人の協力を得て、雨戸のない大窓3面にプラスチック段ボールを耐水性の強力粘着テープで貼る作業を行い、8面ほどある小窓には飛散防止の為に外側から養生テープを貼った。
  テラスを囲む繊維強化プラスチック(FRP樹脂)製の素通しのフェンスは風圧で飛ばないように結束バンドやひもで固定してもらった。
   8日の夕方には、内開きとなっている玄関のガラス扉の下の隙間から雨が流れ込まないように、扉の外側に土嚢代わりに、培養土の入った袋を積み上げたりして防水対策を行った。

   台風通過後の10日の朝、庭を点検してみると、薔薇の大枝が1本折れていたり、プラスチック段ボールが10センチほどの屋根のスレートの破片と思われるものを跳ね返した跡があったりという程度で大きな被害はなかった。吹き戻しの風が治まった昼過ぎには、小枝や枯れ葉が飛び散った公道を掃除し、落ちていた小石やスレート片を拾い集めた。

   昨年9月の台風11号五島列島の西200kmほどを950hPa.で通過し、それに続く14号は、福岡県柳川市付近に上陸し、長崎市に最接近時は11号と同程度の950hPa.ほどで通過した。このときの庭の被害は甚大で、3メートルほどの高さのオリーヴの樹4本が吹き飛ばされ、2本が大きく傾き、1本の太い枝が吹き飛んでしまい、無傷なのは若木1本だけだった。元々根が浅い3メートルの高さのミモザもなぎ倒され、再起不能の状態となった。

   今日、8月31日現在、台風11号と12号が九州に近づいてきているが、進路次第では、もう一度、プラスチック段ボールを貼るなどの対策を行わなければならないだろう。

        

プラスチック段ボールを貼った大窓


 長崎の8月の風物詩は、15日の旧盆に催される「精霊流しhttps://www.at-nagasaki.jp/event/51798だ。精霊流しと言うと、しめやかに行われる盆送りの行事と思う人が多いようだが、長崎の精霊流しは中国の影響を受け、流し場までの道行では「魔除け」と精霊船が通る道を清めるために派手に爆竹が鳴らされ、禁止されているはずの打ち上げ花火を上げる者までいる。以前、「日本の爆竹の8割は長崎のお盆で消費される」と書いたが、旧盆期間中は深夜まで墓や自宅の庭で爆竹や打ち上げ花火が鳴り響く。長崎っ子は、これがないと寂しくて寝られないようだ。
   精霊船自体も、2メートル前後の長さの小型のものから10メートルの長さのものを2連結、3連結したものまである。長崎新聞によれば、今年の市内の精霊船の数は1,491隻だったそうだ。以前は、3千隻前後だったと記憶するので、人口減や産業衰退の影響だろうか。
                 

珍しい神輿型の精霊船

 


■今日のブックマーク&記事■

□Johnny Jet August 12記事“How to Pack a Bottle of Wine Safely When You Fly”
  https://johnnyjet.com/how-to-pack-a-bottle-of-wine-wineskin/

□トラベルボイス8月21日記事 “JAL燃油サーチャージを値上げ、ハワイ線は再び片道2万円台、北米・欧州線は3万円台に、2023年10~11月発券分”
     https://www.travelvoice.jp/20230821-154062

□Travel + Leisure(アメリカの旅行雑誌。紙版とWeb版がある)
https://www.travelandleisure.com/ 
  Web版のAIRLINES + AIRPORTSの項には、以下のような興味深い記事があった。
 11 Tips for How to Sleep on a Plane                              https://www.travelandleisure.com/airlines-airports/how-to-sleep-on-a-plane
 33 Tips for Making a Long-haul Flight More Comfortable
  https://www.travelandleisure.com/airlines-airports/33-ways-to-survive-a-long-flight

ASIN:B0CD22VR37:DETAIL

□トラベルボイス8月29日記事 “国交省が推進する「サイクルツーリズム」とは? インフラ整備からデータで読み解く新たな旅の形態まで”
    https://www.travelvoice.jp/20230829-154121

AFPBB News 8月27日記事“夜行列車、欧州で復活 温室効果ガス排出量の低さに脚光”        https://www.afpbb.com/articles/-/3475090

 

にほんブログ村(ブログポータルサイト
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 また、「海外生活」https://overseas.blogmura.com/categoriesでも旅に役立ちそうなブログが見つかる。
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ウィーンの楽友協会とカール教会 


       


       


       
       

 

夏の風物詩とヒマワリ・コスモスの開花状況

*[長崎日記]夏の風物詩とヒマワリ・コスモスの開花状況
       
 

庭から撮ったペーロンレース 

 

         
 7月29日と30日は“長崎の海と港に集い、経済・文化の振興発展を願う”「ながさきみなとまつり」が水辺の森公園で開催された。ステージイベントや飲食店などの出店が多数有り、終日賑わっていた。メインイベントは打ち上げ花火で、29日は7000発、30日は3000発が打ち上げられた。わが家では、友人たちを呼んでワイン片手に庭での花火鑑賞会が恒例となっている。

         

庭から見た「ながさきみなとまつり」の花火(7月29日)

   30日には、わが家の真下の長崎港を舞台に「長崎ペーロン選手権大会」https://www.at-nagasaki.jp/dmo/summary/peronが開催された。コロナ禍で3年連続中止だったため4年ぶりの開催だ。
 ペーロンとは、14mほどの長い舟に30名の漕ぎ手が乗り、往復1150mでドラや太鼓の囃子に合わせ、「ヨーヤーサー」という掛け声をかけて繰り広げられる競技。「ペーロン」は、中国の白龍(パイロン)が語源とされる。1655年に難破した唐船を弔うため、長崎在住の唐人たちが競漕したのがこの大会のルーツで、長崎の夏の風物詩となっている。

 そう言えば、1956年の日本・フランス合作の映画「忘れえぬ慕情」(原題はフランス語でTyphon sur Nagasakih=長崎タイフーン)https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/03028/の冒頭シーンもこのペーロンだった。この映画の監督はイヴ・シャンピ、出演は岸恵子山村聡野添ひとみダニエル・ダリュージャン・マレー、ゲアハルト・フレーベなど。
 ジャン・マレーをめぐる二人の女性の恋の駆け引きが描かれたラブロマンスだが、後半は長崎が巨大な台風に襲われ、造船所や市街が壊滅し、岸惠子演ずる主人公が亡くなるという筋書きの映画だ。長崎の映画館では今でも数年に一度上映されている。DVDは未発売のようだ。

 

 現代の“長崎タイフーン”は、“地球沸騰の時代”を迎え、今までと様相が変わってきたように思える。大型のまま速度が遅くなり、雨風の影響が以前に比べ長く続いているような気がする。

   雨戸のない大窓が4面ほどあるわが家の台風対策は、台風直撃が確実となった時点でプラスチック段ボールを窓の外に張ることだ。昨年は、段ボールに数カ所、飛来してきた屋根のスレートなどが直撃した跡があった。もうひとつの対策は、成長してきた“防風林”だ。鳥が運んだ種から育った楠は4メートルほどの高さになり、寝室の大窓を守っている。蘇鉄や台風で生き残ったオリーヴ、高いものは5メートル近い4本の枇杷の木も役立ってくれそうだ。

 

4メートルほどの高さに育った楠

   台風が来なければ来ないで困るのが、庭の果樹や野菜、花壇の水撒きだ。わが家には地下の1.5トンの雨水タンクのほか、大きな野菜洗い用の水桶やポリバケツにも雨水をためており、風呂水などの使用可能な家庭排水も雨水タンクに流れ込むようにしているが、夏の渇水期は、その水も5日ともたない。雨水タンクなどが枯渇すれば真水を撒くのだが、昨年は雨が多かったので真水を使うのは2回だけで済んだが、今年はどうだろう。天気予報によれば、今日の時点でこれから1週間ほどは雨が降らないようだが、台風6号が向きを変えて九州に近づきそうなので、その影響による降雨があるかも知れない。実は、今日の水撒きで雨水タンクの水は使い切ってしまったので真水の出番となりそうなのだ。


   さて、夏の庭を賑わすのは、ロシアヒマワリと混合種コスモスの花だ。しかし、以前書いたようにロシアヒマワリは良質な種の入手難や強風や天候不順により以前のように200本ほどの並木を出現させることはここ数年出来なくなっている。
  5月初旬に港側の60メートルほどのフェンス沿いに80カ所ほど播いておいたが、発芽率が例年よりも悪かったので、6月26日に追加で播いたのだが、こちらも思うようには発芽しなかった。
 したがって、例年のように7月“並木”の写真を掲載することが出来ずに残念だ。おそらく8月には並木とまでは行かなくても、ある程度の並び具合をカメラにに収めることができるのではと期待している。もっとも、これも台風次第ではあるのだが。

       

2013年7月のロシアヒマワリ


         

   混合種コスモスの方は、ヒマワリを補うためにも5月下旬に多めに追加で種まきをしておいた。現在、高さ80センチ近くに伸びてきており、落とし種から伸びた部分と新たに種まきした部分と合わせると、例年にない広さを庭で占めている。8月中旬には一斉に開花するだろう。落とし種から、先に開花した部分には蝶が蜜を吸いに来ている。

      

港側の庭のコスモス畑

 例年と異なったのは、7月初めから、庭にカラスが集まるようになったことだ。糞害も目立った。いつもなら、鳶(トンビ)が、庭の電柱の上から睥睨してカラスや鳩、猫の侵入をガードしてくれるのだが、その活躍がしばらく見られなくなったと思ったら、7月中旬になって何羽もの鳶が戻ってきて睨みを利かせるようになると、カラスはまったく姿を見せなくなったのでひと安心だ。
  もっとも、鳶がお休み中の夜には、相変わらず猫やアナグマらしきものが侵入し、とくに、アナグマがエサをほじくり返すためか枇杷や甘夏の根元周辺に大きな穴が空いている。

    家庭菜園の収穫は、一段落。イタリアン・パセリはそろそろ収穫期を終える。これからも収獲が続くのはバジルとホースラディッシュ、胡瓜、白瓜(シロウリ)だ。
 港側の庭の胡瓜は、種から育てた最初の畝からは6月末から収穫が始まり、現時点で120本ほど収穫済みだ。遅れて苗から植えた畝からも収穫が始まっている。

   

友人からいただいた苗から育った白瓜


   7月21日には、虫や猫の被害を受けにくい大型プランター6つに、新たにサラダミックスと京水菜を種まきした。いずれも種の袋には7月は種まき時期と書かれているのだが、猛暑のせいか昨年は発芽しなかった。今年も31日時点で、京水菜は発芽したものの、サラダミックスの方は発芽の兆候はない。

  初夏に、ジャガイモの収穫を終えた3つの畝には、油粕や有機石灰、堆肥などで整備・養生して、それぞれに早生節成胡瓜、黒田五寸人参、早生枝豆を種まきした。順調な発芽を期待したい。胡瓜は、港側の2つの畝が8月中には収穫を終えるので、その跡継ぎとして裏庭の畝に種まきをしたのだが、昨年のインゲン豆のように台風でネットが倒されなければ良いのだが。

   果実類では、新旧合わせて9本ある甘夏の実が順調に育って来ている。間引き作業を怠っていたせいか、実の付き方が多すぎた枝からは、甘夏の方で自主的に落果させてくれた。4月にも書いたが、年末から新年にかけての収獲は、わが家史上最高の800個の記録を塗り替えそうだ。

     

青く実り始めた甘夏みかん

 植えて5年目のシークァーサーも青い実を多数つけている。収獲は9月以降になるだろう。わが家のシークァーサーは小粒だが、料理や泡盛に添えるのには充分だ。
   何度かの台風被害で、消滅寸前だったイチジクの木も樹勢を取り戻して高さ2メートル以上に復活し、枝は3メートル以上に広がった。すでに大きな実がついており、来月には色づき収穫となりそうだ。
   レモンも新旧2本あるが、こちらは3年連続で不作となりそうだ。その代わりに、2本の柚の木が、例年にない大きな実を多数つけており、秋以降の収獲が楽しみだ。            
  港側の庭は階段で南北に分かれているのだが、南側の6本のオリーヴの樹は昨年、天敵のオリーヴアナアキゾウムシの被害に遭って再生中だが、5月に枯れた大枝を切ってもらった3本はやはり再生は無理なようで、根元のひこばえ(木の切り株や根元から生えてくる若芽)から復活するのを待つしかないようだ。

 北側のオリーヴは昨年の台風で、3メートルほどの高さのオリーヴの樹4本が吹き飛ばされ、2本が大きく傾き、1本の太い枝が吹き飛んでしまい、無傷なのは若木1本だけだった。完全に吹き飛んで根から反転していた2本は諦め、残った6本が樹勢を回復してきているが、花が咲き実が付いたのは2本だけだった。南側の1本も少し実が付いたので、秋には、合わせて3本からのオリーヴの実の寂しい収獲となりそうだ。


   コロナ禍のおかげで12年続けて恒例となっていた石垣島での夏休みhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2019/07/26/112641もここ4年間は断念していたが、今年こそはと計画を立てようと思ったら、今まで利用していたANAの福岡発石垣行き直行便はなく(ピーチ航空の便はあるようだがが)、乗り継ぎで利用していた長崎から沖縄(那覇)行きの便も運航休止のままだ。
 そこで、この夏もここ3年間同様、台風シーズンが訪れる前に近場での短い夏休みに何回かに分けて出かけることにした。

   1回目の夏休みは、わが家からも遠望できる、長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/での7月10日からの4泊5日のショートヴァカンス。ここでは、一昨年・昨年同様、シュノーケリングと温泉、島内のハイキングを楽しんだ。海水の温度は未だ低く、透明度もあまり良くなかったが、海中撮影にもチャレンジした。

   宿泊プランは“【Back To i+Land】厳選された季節の食材を味わう旬味プラン【和食:2食付】”というもの。4月に宿泊した際のチェックアウト時に、「前回宿泊より3ヶ月以内のご宿泊」は50%引き、6ヶ月以内は35%引きという「Back To i+Land」というクーポンを利用したため、通常料金の半額で済んだ。

 このリゾートホテルは、伊王島漁港を始め近海の魚の料理が美味しいのが気に入っている。今回も、ウニや車海老、アワビ、鱧(ハモ)、平目などが楽しめた。4連泊ということもあり、料理の中身もこちらの好みを反映してくれて、にぎり寿司や伊勢エビなど好物を用意してくれたのも嬉しかった。今回もチェックアウト時に、「Back To i+Land」クーポンをもらったので、6ヶ月以内に再訪することになりそうだ。

   2回目の夏休みは、8月初旬に、雲仙高原の温泉リゾートホテルhttps://kyushuhtl.co.jp/index.htmlでと予定を組んでいたが、台風接近の可能性が出てきたので、先延ばしにすることにした。

2階客室のベランダから見た海の眺め

 

平目のお造り

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続:国際クルーズ船来航の再開

 長崎港の国際クルーズ船の来航が今年3月、2020年2月以来3年ぶりに再開されたことは3月の当ブログで書いたが、その後も順調に来航数が増え、7月には日本船も含め9隻が来航した。

 興味深いのは、中国当局がまだ日本向けの団体旅行を解禁していないはずなのに、街で中国人のグループが目立ち始めたことだ。

 長崎港のホームページの「クルーズ客船の寄港状況」http://www.nagasaki-port.jp/cruiseschedule.htmlを見ると、中国船籍の招商伊敦号(Zhao Shang Yi Dun 47,842トン)や外国船籍で上海を拠点に運航しているクルーズ船が度々訪れている。

   また、日本各地の空港では、中国から個人客として入国し、日本の空港で落ち合って、団体旅行同様に宿泊や移動手段を手配して各地を巡り、日本の空港で解散という新形式のツアーも編み出されているようだ。

   中国は、「お上(国)に政策があれば、しもじもにはその対策あり」(中国語で、上有政策、下有対策)というお国柄なので、国も承知の上で、なし崩し的に事実上、団体旅行が解禁されているのだろう。

   下の写真は、主に日本人客が利用しているダイヤモンド・プリンセス(イギリス船籍 115,906トン)https://www.princesscruises.jp/ships/diamond-princess/の7月21日朝入港の模様を庭から撮ったもの。この船は、写真背後の三菱重工長崎造船所で2004年に造られた。

 



■今日のブックマーク&記事■

□日本語放送「JSTV」終了のお知らせ
https://www.jstv.co.uk/notice.php

□TRVLWIRE 7月14日記事“旅行中のサイバーセキュリティ対策5選、SNS投稿時の注意点など”
https://trvlwire.jp/?p=34579&utm_source=mailnews&utm_medium=article&utm_campaign=20230714

□Johnny Jet July 9記事 “12 Things I Learned From Traveling to Europe This Summer”
  https://johnnyjet.com/12-things-i-learned-from-traveling-to-europe-this-summer/

□Johnny Jet July 27記事 “8 Ways To Make Sure An Airline Doesn't Lose Your Bag … And That You Don't Get Robbed or Stalked” https://johnnyjet.com/8-ways-to-make-sure-an-airline-doesnt-lose-your-bag-and-that-you-dont-get-robbed-or-stalke/