夏休み旅行レポート ⑨ 7月8日 カウナス滞在

 この日の朝で8日間の現地ツアーは終了。ホテルに荷物を預け、ヴィリニュス駅近くのバスターミナルから西に100キロの位置にある古都カウナスへ1泊の小旅行に出る。ミニバスで所要1時間半、料金は片道13Lt(1Lt=39.5円)。
 カウナスのバスターミナル到着後、訪問目的のひとつである杉原記念館http://www.geocities.jp/lithuaniasugiharahouse/indexj.htmを訪れる。杉原千畝は1940年当時の駐リトアニア領事代理で、日本の外務省の指示に反してユダヤ人に日本通過ビザを発行し結果的に6,000人ものユダヤ人の命を救ったという人物だ。記念館は、バスターミナルから徒歩10分。しかし、日本人と見て声をかけてきた親切な人の案内を聞かなければ急な階段を上がって複雑に折れ曲がる道は分からなかっただろう。館内で30分ほどのビデオを鑑賞。豊富な展示物のおかげで、杉原氏の日本では知り得なかった人物像が分かった。
 見学後、ターミナルに隣接する緑豊かな公園でサンドイッチの昼食をとる。せっかくなので、杉原氏が領事館を退去した後、仮住まいとしてそこでもビザの発給を続けたというHotel Metropolis http://www.takiojineris.com/metropolis/about.php?id=1に泊まりたいと思いバスで向かう。幸い、空室があり料金も朝食付きシングルで70Ltと手頃だったのでここに泊まることに決めた。客室は、旧社会主義圏のエコノミー・ホテルの面影がありインテリアは質素だが部屋は広々としていた。
 ホテルからメイン・ストリートを歩いて、カウナス城近くの近距離バスターミナルに向かう。ここから、ミニバスでナチス強制収容所として使われユダヤ人を中心とする約5万人が虐殺されたという第九要塞博物館http://muziejai.mch.mii.lt/Kaunas/forto_muziejus.en.htmに向かう。停留所があるわけではないのでドライバーに要塞博物館で降りたい旨をあらかじめ言っておかなければならない。所要約25分。降ろされたのは高速道路のインターチェンジのようなところで、巨大な慰霊碑を目指して道路を横切る。新博物館、地下要塞英語ガイド付き見学、旧博物館を巡るコンビネーション・チケットを10Ltで買う。ここは、少なくとも3時間は必要だ。地下要塞の見学では、日露戦争の激戦地 旅順要塞がここを手本に築城されたことを知る。このような堅固な要塞相手の白兵戦では夥しい犠牲者が出たのも当然だ。
 旧博物館には20ほどの展示室があり、大戦中のリトアニアユダヤ人の苦難の歴史を克明にたどることができた。
  旧市街に戻りホテル近くの田舎屋風の作りのリトアニア料理レストランŽalias ratas http://www.meniu.lt/cat_item.php?strid=1079&id=3088のテラス席にて夕食。まず、煮豆やピクルス、黒パンなどをつまみに半リットルン1杯2Ltの黒ビールを2杯飲む。メインはサーモン・グリル17.5Lt。店内では民族音楽の生演奏も行われていた。
☆右上の写真は第九要塞博物内のユダヤ人ゲットーを再現した展示室