ポルトガル、アンダルシアを訪ねる24日間の旅 その5

コインブラからナザレへ日帰り−

コインブラの南南西116キロにある漁村ナザレにバスRede Expressos http://www.rede-expressos.pt/default.aspxで日帰り。所要2時間、料金は往復で21.2ユーロだ。

 ナザレは、1976年に訪れた思い出の地でもある。そのころは、そのとき撮った右上の写真のように手漕ぎの漁船が大西洋に乗り出す姿が見られ、その漁船も数頭の牛によって砂浜に引き上げられるという19世紀的風景だった。シティオ地区の北側の無人の浜で、赤ワインとパンを持って半日海を眺めていたことを思い出す。そのとき、地球の丸さが分かる水平線を見ながら、この海に乗り出したコロンブスもマゼランも常人の神経ではなかったと思ったものだ。その無人の浜にもリゾート・マンションや別荘が建てられ始めていた。シティオ地区に登るケーブルカーは、運行休止期間だったが、代わりに町営バス(0.9ユーロ)が運行していた。

 ナザレの漁村の機能は、町の南に新設された堤防に囲まれた漁港に移され、船もエンジン付きの大きなものに変わっていた。しかし、町の浜では規模は縮小されたが、日本のみりん干しにそっくりな魚の干物づくりが行われていた。手漕ぎの漁船も一艘だけ、観光展示用に浜に残されている。

76年に撮った写真を持って、撮影場所を確認しようと思い観光案内所に行ってみたら、ナザレ育ちというおばさんが、その写真に写っている(民族衣装の)おばさんも、鰯をくわえているおじさんも、だいぶ前に亡くなったと言われた。

 ナザレのバス発着所が移転していて到着時に戸惑ったが、近くに図書館があったので、帰りには、昔の手漕ぎ漁船の模型や写真を見ながら、バスの出発まで時間を過ごすことができた。

ナザレは、ジョゼフ・ケッセルの小説を原作とする「過去を持つ愛情」(原題 : Les Amants du Tage 1954年 フランソワーズ・アルヌール、ダニエル・ジェラン主演)というフランス映画で、世界に知られることになった。とくに、アマリア・ロドリゲスが歌った主題歌「暗いはしけ BARCO NEGRO」が有名だ。この映画の中の当時のナザレの浜の風景や「暗いはしけ」はYoutube http://www.youtube.com/でLes Amants Du Tageと検索すると見ることができる。



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