秋のウィーン・プラハ18日間の旅 その4

今回は、ウィーンからプラハへの4泊5日の小旅行についてレポートしたい。ウィーンからプラハの往復は、日本からインターネットでオーストリア連邦鉄道(ÖBB)のサイトhttp://www.oebb.at/en/で8月上旬に予約した。早期予約割引料金で2等と余り変わりがなかったので行きはRJ 特急Franz Schubert号のBusiness Klasse (€49)で予約。ウィーン中央駅を10月17日の11:10に出発して、プラハ中央駅に15:10到着。所要4時間だ。
 帰りも同じFranz Schubert号で、こちらはBusiness Klasse がなかったため1. Klasse (€37)で予約を取っておいた。10月21日の10:53プラハ中央駅発で、ウィーン中央駅14:54着の所要4時間1分。

プラハ中央駅到着後、駅のホールにあるČeská spořitelna(チェコ貯蓄銀行https://www.csas.cz/en/のATMでクレジット・カードを使って2000チェコ・コルナ(Kč)をキャッシング。帰国後まわってきた精算レートは1Kč=5.135円。この日使ったクレジット・カードの精算レートは1Kčは5.252円だったので、キャッシングの方が若干有利だった。

プラハ中央駅の目の前にあり、ヴァツラフ広場へも歩いて10分ほどの定宿987 Design Prague Hotel http://www.987praguehotel.com/en/にチェックイン。ホテルでひと休みした後、駅とその周辺を散歩。駅では、72時間有効の市内公共交通パスhttp://www.dpp.cz/en/fares-in-prague/(310 Kč)をクレジット・カードで購入。

夜は、チェコの友人 http://d.hatena.ne.jp/Picmoch/と待ち合わせて、ホテル近くのワイン・レストランVinograf https://vinograf.cz/?lng=enで夕食。mouflon種羊肉テンダーロインのブルゴーニュオオムギ・リゾット添え(425 Kč)やLeaf salad with grilled cheese "Halloumi", marinated peppers, green olives(235 Kč)に、 トラミネールとミュラー・トゥルガウの混合種Pálava 葡萄を使ったセミ・ドライの白ワインSonberk Pálavaやチェコ南部ズノイモ地方のピノ・ノワール種の赤ワインを味わった。フルーティーで香り豊かなPálava種のワインは気に入ったので、お店で飲んだ1本(655 Kč)の他にもう1本を割安なお持ち帰り価格459 Kčで購入。プラハ滞在中、ほかの店でもこの葡萄を使ったワインを飲みまくることになった。

当初の計画ではプラハ滞在中に、プラハの東70kmほどにある世界遺産都市Kutná Hora(クトナー・ホラhttp://www.myczechrepublic.com/kutna-hora/ を訪ねる計画だったが、思い直してプラハの名所旧跡でしばらく行っていない辺りをジックリ歩いてみることにした。

 10月18日の朝に、地下鉄で真っ先に訪ねてみたのは、30年ほど前にグループ旅行で訪れたプラハ発祥の地のひとつであるヴィシェフラド(プラハ旧城趾)の丘だhttp://www.prague.eu/ja/object/places/137/vysehrad?back=1スメタナ交響詩「我が祖国」の第1楽章「ヴィシェフラド(高い丘)」に描かれた場所でもある。霧の立ちこめる要塞跡からヴルタヴァ河(モルダウ)を見下ろし、ふもとにあるキュービズム建築を眺める。
 ヴィシェフラド墓地では、スメタナドボルザーク、ムハ(ミュシャ)、指揮者のラファエル・クーベリックカレル・アンチェル、ヴァイオリニストのヨゼフ・スークなどの墓参りができた。

指揮者ヴァツラフ・ノイマンの墓がここにないようなので、チェコの友人と一緒に探してみたら、「プラハ音楽紀行」http://www.geocities.jp/czechphilhamonic/praha060503.htmプラハの南南東25kmほどのところにあるVelke Popovice (フェルケー・ポポヴィツェ)の墓地に埋葬されていることが書かれており、墓碑の写真も掲載されていた。その記事によれば、グスタフ・マーラーが少年時代の夏休みを過ごしたという家も同地にあるとのこと。機会があれば訪れてみたい。

午後は、旧市街でMoser社http://www.moser-glass.com/en/のワイングラスを探した。お目当ては以前数脚買っていたアール・デコ風のワイングラスhttp://d.hatena.ne.jp/Europedia/20100225の追加購入だが、Moser本店で聞くと、もうそのワイングラスを作れる技術(とくにステムの部分)の継承がなく、博物館にしか置いていないとのことだった。そこで、一昨年、同じワイングラスを特設コーナーに飾ってあったボヘミアン・グラスの専門店Erpet http://www.erpet.cz/crystal/index_en.htmにも行ってみたが、すでに売れてしまっていた。

Erpetからティーン教会裏にあるナチュラル・コスメのショップBotanicus http://www.botanicus.cz/en/に向かい、アルガン・オイルや低刺激の石鹸、蜜蝋などを購入。 

夕食は、このところプラハに来る度に訪れているレストランLuka Lu http://www.lukalu.cz/en/で。ここは、クロアチア料理が名物のレストラン。いつもここで注文するクロアチア風ハンバーグ“Pljeskavice”(minced beef, bacon, Eidam cheese, chili peppers 275 Kč)とBalkan salad (peppers, tomatoes, cucumber, Balkan cheese 95 Kč) をマケドニアシャルドネ(0.5リットル 295 Kč)とともにいただく。この店は、大衆的な佇まいの割にワインが高く、Pálava種も置いてなかったので控えめにカラフェのハウスワインにした。
 先祖が神戸でワインの輸入をしていたためか、わが家には「ハーフボトルを頼んで後悔するよりも、フルボトルを頼んで後悔しろ」という有り難い家訓があるのだが。

翌10月19日は、路面電車を乗り継いでプラハ城の裏手にあるMalovanka停留所まで行き、ロレッタ教会を下ったところにあるNový Svět通りなどの路地裏散歩を楽しむ。その後、プラハ城、ベルヴェデーレ離宮などを見て、カレル橋に向かった。プラハに限らず旧市街の散策に役立つのが1990年代にガリマール社の「Guides Gallimard」の日本語訳として同朋舎より出された「望遠郷」シリーズだ。今回、「プラハ」を持ち歩いたが1995年の出版にもかかわらず大いに役立った。

この日の夜は、友人に誘われて街外れにある評判のレストランNa Kopci http://www.nakopci.com/に足を伸ばした。店は、地下鉄B線のAnděla 駅から231番のバスで30分ほど行ったところの住宅街にあった。いただいたのはDegustationのコース(750 Kč)で、突き出しのタコのレンズ豆ソース・プラム添え、続いて、MARINATED SWORDFISH(太刀魚のカルパッチョ)IN BEETROOT VINAIGRAITTE WITH GREEN LENTILS PURÉE、DUCK CROQUETTE WITH FOIE GRAS AND PISTACHIOS、GLAZED APPLES WITH CALVADOS、GRILLED PIKEPERCH(カマス) WITH SAGE AND PARMA HAM、PUMPKIN RISOTTO AND RUCOLA、NOUGAT & GINGERBREAD DUMPLINGS WITH PLUM SWEET SAUCE。プラハでは89年前後からヌーヴェル・キュジーヌ系の料理が流行ったが、ここもその系統の創意溢れる料理。軽い味付けの料理になれている私にとっては好ましい料理の連続だった。ワインは、もちろんPálava種のセミ・ドライ(550 Kč)。

交通不便な名物レストランということでは、ハンガリーブダペスト郊外にあるNancsi Neni http://nancsineni.hu/en/frontpage/を思い出してしまった。ここへは、1970年代と80年代に2度ほど行ったことがあるが、最近は世界的に有名なレストランとなってしまっているようだ。この店は、Na Kopci と違って、家庭的な伝統料理を最高の素材で出すことで評判だった。今も変わっていなければぜひもう一度訪れたいレストランだ。

10月20日は、朝から以前友人に連れて行ってもらったことがある、昔、葡萄畑が広がっていたというVinohrady地区に足を伸ばした。ここには、レストランや展望台も併設された216mの高さのジシュコフテレビ塔https://towerpark.cz/があり、世紀末様式の面影のある“聖なる御心教会” (Kostel Nejsvětějšího Srdce Páně) http://www.prague.eu/ja/object/places/459/kostel-nejsvetejsiho-srdce-pane?back=1など見どころも多い。
オープンマーケットも開かれており、手作り風の黒パンやジャム、チーズを購入。早々とクリスマスツリーやリースなども売られていた。

夜は、前述したチェコ・フィルの秋の音楽シーズンのオープニング・コンサートへ出かける。ショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲1番とマーラー交響曲第4番という演目だが、チェコ・フィルのマーラー交響曲第4番は、2年前の11月18日にも同じプラハのRudolfinum Dvorak Hallでイタリア系イギリス人Robin Ticciatiの指揮する演奏を聴いていた。

コンサートが終わったのは22:00時近く。プラハは、夜遅くまで開いているレストランが意外と少なくコンサート帰りの食事はいつも困るのだが、ホテル近くの夜遅くまで空いているレストランをいくつかコンシェルジュに聞いておいたので、その中から大衆的な店Hybernia https://www.hybernia.cz/を選んで入った。値段の割に味は悪くなかったが、ワインの品揃えが少なかったのが難点。“Entrecote salad”(grilled beef steak with a variation of green salads and red tomatoes with orange dressing 235 Kč)、Spaghetti “Hybernia”(fresh pasta with beef sirloin, dried tomatoes, herb pesto and parmesan cheese 240 Kč)をトラミーナー種の白ワインをカラフェ(0.5リットル 158 Kč)でいただいた。

10月21日の朝は、10:53プラハ中央駅発のFranz Schubert号で、へ向かい、ウィーン中央駅14:54到着。
同じホテルRoyalに再チェックインしてひと休みしてから、楽友協会に向かいクリーヴランド交響楽団のコンサートを鑑賞した。疲れていたが演目が少々喧しいストラヴィンスキーの“春の祭典”だったので居眠りをしなくて済んだ。


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□Dayuse.com https://www.dayuse.com/
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