台風シーズンの合間にショートヴァカンス

*[長崎日記]台風シーズンの合間にショートヴァカンス

 

害虫と台風の被害に遭い上部を切り取ったオリーヴ本体の幹とひこばえ

 8月、9月は長崎も台風シーズンで、毎年、その間は、家を長く留守にするわけにはいかない。8月29日現在も“過去最強クラスの「台風10号」”が最接近している。
   いつものように小学校の同級生二人に手伝ってもらって、雨が降り出す直前の28日昼過ぎに台風対策を始め、雨戸のない大窓3面にプラスチック段ボールを耐水性の強力粘着テープで貼る作業を行い、8面ほどある小窓には飛散防止の為に外側から養生テープを貼った。
   テラスを囲む繊維強化プラスチック(FRP樹脂)製の素通しのフェンスは風圧で飛ばないように結束バンドで固定してもらった。同級生のうち一人は、元木材加工の専門家、もう一人は元建築家なので、要領が良く心強い限りだ。
   その日の夕方には、内開きとなっている玄関のガラス扉の下の隙間から雨が流れ込まないように、扉の外側に土嚢用の袋に賞味期限過ぎのミネラルウォーターのボトルを詰めたものや培養土の入った袋を積み上げたりして浸水対策を行った。さらに、万一のために倉庫からブルーシートや強力粘着テープ、工事用のロープ、ヘルメット、レインコートなどを持ち出し、室内に置いた。

   公道に面している花壇の雑草やフェンス沿いの枯れ始めていたロシアヒマワリなどは8月26日にシルバーさんに引き抜いてもらい、緑肥とするために裏庭に積み上げてもらっていた。シルバーさんには、裏庭の雑草処理を29日に予定してもらっていたのだが、台風のため順延となった。

   この台風は、28日21時の予報では、翌29日の18時には940hPaの強さで長崎市付近に達するという直撃の予報だったが、29日の朝8時には鹿児島県薩摩川内市付近に上陸し、11時に965hPa熊本県天草市に達し、30日00時には970hPaで熊本県山鹿市付近に向かうというコース予想に変わった。海上を進まず、いったん上陸したために勢力を弱めながら北上し、スピードも遅くなったようだ。
    29日夜の時点で台風の軌跡を見ると、13時に970hPaで長崎県南島原市付近、14時から18時までは970hPaで雲仙市付近をウロウロ、 21時には990hPaで島原市付近と、島原半島https://www.shimakanren.com/を8時間もかけて周遊していた。30日の朝9時から10時頃までは994hPaで大分県国東市付近に停滞していた。

 台風は進行方向の東側が風が強まるようだが、今回は、台風が長崎市中心部の東側30キロほどを通過したので、それほど強い風は吹かなかった。29日の16時頃には、雨や風が止み、日もさしてきたので、庭と公道を点検したが、コスモスなどが一部吹き倒されていたが、ほとんど被害はなかった。

  

台風と火災除けに置いた石垣島で購入したシーサー  対となっている

   昨年は、8月9日の20時頃に五島市の南約70kmを975hPaで台風6号が通過したが、そのときは長崎市が東側に当たったため、薔薇の大枝が1本折れたり、窓に貼ったプラスチック段ボールが10センチほどの屋根のスレートの破片と思われるものを跳ね返した跡があったりという被害があった。

   一昨年の2022年9月の台風11号五島列島の西200kmほどを950hPa.で通過し、それに続く14号は、福岡県柳川市付近に上陸し、長崎市に最接近時は11号と同程度の950hPa.ほどで通過した。このときの庭の被害は甚大で、3メートルほどの高さのオリーヴの樹4本が吹き飛ばされ、2本が大きく傾き、1本の太い枝が吹き飛んでしまい、無傷なのは若木1本だけだった。元々根が浅い3メートルの高さのミモザもなぎ倒され、再起不能の状態となった。

   台風が東にそれてひと安心と思ったら、フィリピンの東に台風の卵ができつつあるようだ。どうやらこれは中国本土に向かいそうだ。まだまだ、台風は発生しそうなので、窓に貼ったプラスチック段ボールを張ったままにしたいところだが、張ったままでは、せっかくの港の眺望が楽しめないばかりではなく、閉塞感で憂鬱になりそうだ。透明なプラスチック段ボールや外から張る厚手の透明保護シートなどを探してみようか。

 

大窓にはプラスチック段ボールを張った


さて、遡って7月末からの「長崎日記」を書き進めよう

   コロナ禍以前は、2019年まで12年続けて、台風シーズン前の6月末に石垣島で早めの夏休みhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2019/07/26/112641を過ごすことにしていたが、コロナ禍以降は、石垣への乗り継ぎで利用していた長崎から沖縄行きの便も運航休止のままとなったり、お気に入りのホテルがフランス資本からアジアの大国の企業の資本に変わり、サービス内容が徐々に変わってきたこともあって、すっかり足が遠のいてしまった。
 実は、今年こそと思い、別のホテルhttps://www.fusaki.com/を、福岡発石垣行きピーチ航空直行便利用で仮予約していたのだが、希望の部屋が取れなかったこともあり断念した。
   行こうと思えば行けたのだが、フライトの問題や自身の体力から、無意識に遠出を敬遠するようになってしまっていたようだ。
 
   そこで、今年の夏も、2度に分けてショートヴァカンスを楽しむことになった。1回目は前回書いたように、7月8日から3泊4日で、長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/シュノーケリングなどを楽しんだ。

 2回目は、7月30日から4泊5日で、長崎市中心部から南西24キロに位置する野母半島先端近くにある温泉付きリゾート・ホテルOcean Resort Nomon長崎https://nomon-nagasaki.jp/ で過ごした。
 ここは、今年の2月12日からも3泊4日の日程で訪れhttps://europedia.hatenablog.com/entry/2024/03/30/144141、その時はついでに2021年10月に開館した「恐竜博物館」https://nd-museum.jp/も初めて見学してきた。今回も、恐竜博物館を訪れてみるつもりだったが、ホテルと博物館の間の遊歩道が7月中旬の大雨で崖崩れが発生し、通れなくなっていたので諦めた。

 このホテルは、以前、公共の宿として運営されていたものを大改築して温泉リゾート・ホテルにしたものだ。専用というわけではないが、ホテルの前には100mほどの長さの美しいビーチがあり、正面に軍艦島を望むことが出来る。ビーチの目の前に岩礁があるためもあって、波が立つこともなかった。
   今回も、毎日午後にシュノーケリングをしたが、他の海水浴客はまったく見かけず、ひとりで独占状態だった。大変もったいないと思った。もっとも、1日だけ、午前中に地元の子供たちが大勢シーカヤックの練習に訪れていたが、地元の人たちもここでは泳がないようだ。

         

部屋から見た“専用ビーチ”



    

亜熱帯魚も数多く見かけた

   今回の宿泊フランは、前回とほぼ同じ“上級グレード部屋タイプおまかせ、バルコニー付、シニア割(60歳以上)エクストラプラン”で、空き状況でいずれかの上級クラスの部屋にアップグレードしてもらえるというものだ。ラッキーなことに、前回同様、天然炭酸温泉を引いた「展望風呂」から野母崎の海と軍艦島を望むことができる82平米の「ラグジュアリーオーシャンスイート」にアップグレードしてもらうことができた。

   Nomonのメインダイニング「レストランMare」は、最初は地元の新鮮な魚を活かした本格的なイタリアンだったが、最近は、来るたびに和の度合いが強まり和風イタリアンといった趣となってきている。    
          

スズキとオマール海老のソテー

   レストランから眺める東シナ海に沈む夕日も、感動的だ。今回は、軍艦島の背後を通過するクルーズ船を二日連続で見ることができた。“軍艦”と17万トン級のクルーズ船が同じ大きさに見えた。後で調べると、いずれも、長崎港から上海へ向かう船だった。

 そう言えば、ヒストリーチャンネルかナショナルジェオグラフィックかどちらかのドキュメンタリー番組で第二次世界大戦の驚きの実写フィルムを見たことを思いだした。
 “軍艦島”の名前の由来は大正時代に、三菱重工業長崎造船所で建造中だった日本海軍の戦艦「土佐」に似ているところから名付けられたとされているが、まことしやかに長崎市民の間で言い伝えられていたのは、第二次世界大戦中、アメリカの潜水艦が軍艦と見間違えて魚雷を放ったという話しだ。ところが、その実写フィルムにはアメリカの潜水艦が本当に軍艦島目指して魚雷を放つ瞬間が映っていたのだ。ただし、狙いは軍艦そのものではなく、軍艦島から石炭の積み出し作業をしていた貨物船を狙ったものだった。このフィルムの話を長崎の友人にしてもなかなか信じてもらえない。この番組は、わが家のハードディスクのどこかに永久保存されているはずなので、いつか探し出したい。

 

Spectrum of the Seas(169,379トン)が軍艦島の背後を横切る

 ショートヴァカンスから戻ってみると、雨が10日ほど降ってなかったので、地下タンクや補助タンクの1.5トンの水が枯渇し、3つの水桶に貯まっていた雨水や風呂水などの生活排水を地下タンクに流して何とかしのいでいたら、8月5日、13日、19日に降雨があり、なんとか1回も真水を使わずにハーブや果樹、ヒマワリなどの水撒きをすることができた。8月29日からの台風に伴う大雨もあったので、今年は1回も真水を使わずに済みそうだ。

 数年前まで一番、水を使ったのは30坪ほどの広さの芝生だったが、年々雑草の方が目立ってきたので、水はほとんど撒かなくなった。芝生自体も暑さのせいもあって以前ほど成長しなくなったので、月に1回ほどの電動芝刈り機での草刈りで済んでいる。この夏は、7月19日に芝刈りをした後は、8月16日の芝刈りで何とかしのいでいる。

 さて、我が家の家庭菜園では、現在、胡瓜、イチジク、バジル、ローズマリー、ミント、ホースラディッシュなどが収獲できている。新顔では、春にハーブガーデンに種まきした6種類のパプリカの収穫が始まった。小ぶりなパプリカだが、ピリッとした辛みと香ばしい風味が有り、朝のサラダのよい彩りとなっている。

        

小ぶりだが美味しいパプリカ

    胡瓜は、2つの畝から収獲が続いており、今までの累計で200本ほどの収穫量に達した。現在は、1日2~3本の収獲にペースダウンしており、9月上旬には収獲を終えることになりそうだ。

    何度かの台風被害で、消滅寸前だったイチジクの木も樹勢を取り戻し、収穫期を迎えている。すでに20個ほど収獲した。

         

熟したイチジク

   港側のオリーヴは一昨年の台風や天敵のオリーヴアナアキゾウムシによる被害で、16本あったうちの1本だけが健在で、5本は完全に吹き飛んだか回復不能な倒壊状態で諦めた。残り10本が根元から伸びてきた、ひこばえ(樹木の切り株や根元から生える若い芽)が順調に成長しており、枯れたために上部を切り取った本体の幹より高くなるものものも出てきた。
          
      

1本だけ生き残ったオリーヴ

   前回も書いたが、6月新たに土を耕して整備した畝や大型のプランターに、ベビーリ-フや二十日大根、サニーレタス、京水菜の種まきをしたが高温障害のせいかほとんど発芽しなかった。今は、耕作放棄地になっているが涼しくなってきたら再チャレンジしてみるつもりだ。
 地元新聞の投書欄などを見ると、家庭菜園を開いている人たちの多くが、温暖化による高温障害のため、発芽したとしても、途中で枯れたり腐ったりという事象を経験しているようだ。

   これから豊作が見込めそうなのは、シークァーサー、柚子などの果樹類で、いずれも青々とした実を数多く結んでいる。晩秋の収獲となる2本のレモンも昨年の倍以上の収獲が期待できそうだ。年末からの収獲となる甘夏の方は、どうやら不作年となりそうで、今年の収穫量620個から半減してしまいそうだ。

 長崎の8月の風物詩は、15日の旧盆に催される「精霊流しhttps://www.at-nagasaki.jp/event/51798だ。精霊流しと言うと、しめやかに行われる盆送りの行事と思う人が多いようだが、長崎の精霊流しは中国の影響を受け、流し場までの道行では「魔除け」と精霊船が通る道を清めるために派手に爆竹が鳴らされ、打ち上げ花火を上げる者までいる。昨年、市内で精霊流しの花火が原因とみられる火災が3件発生したため、今年からは、爆竹は21連発まで。打ち上げ花火は原則禁止とされたが、爆竹は21連発を、今まで以上に連発するので、相変わらずのお清め騒ぎだ。
  以前、「日本の爆竹の8割は長崎のお盆で消費される」と書いたが、旧盆期間中は深夜まで墓や自宅の庭で爆竹や打ち上げ花火が鳴り響く。長崎っ子は、これがないと寂しくて寝られないようだ。
    精霊船自体も、2メートル前後の長さの小型のものから10メートルの長さのものを2連結、3連結したものまである。長崎新聞によれば、県内で2メートル以上の精霊船は684隻で、前年をやや下回る見通しだそうだ。

         

2連結の精霊船


■今日のブックマーク&記事■

□トラベルボイス8月5日記事“日本人の「一人旅」を好む傾向が顕著、5年間で倍増、世界39か国調査で鮮明に”
  https://www.travelvoice.jp/20240719-155842

□Time Out  14 August 記事“The world's 13 best cities for nightlife right now”
   https://www.timeout.com/travel/worlds-best-cities-for-nightlife

□「ツーリズムEXPOジャパン2024」
  https://www.t-expo.jp/biz

ANA 運航開始・再開・休止路線のご案内(国際線)
       https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/airinfo/int-routeinfo/?tabitem=asw-tab__item-box-2