海外の旅行ガイドブックを振り返る その2

1977年の夏、ウィーンからトルコ経由アテネへのヒッチハイクを交えた節約旅行の途中数年前まで軍事要塞地帯として外国人旅行者が立ち入れなかったギリシアのスポラデス諸島の中にあるスコペロス島に立ち寄ったことがある。ヴォロスという港から島へ向かう船の甲板でサイクリング旅行中のドイツの若者たちがMartin Velbingerという面白そうなドイツ語のガイドブックを持っているのに気がついた。頼んで見せてもらうと、これが実によくできており、スコペロス島のことも「山奥に点在するギリシャ正教修道院や庵を訪ね歩くとよい」などと詳しく紹介されていた。ユーモラスなイラストやわざわざメモ風に手書き文字で書き込んだ追加情報などにもいっぺんに魅せられてしまった。なによりも、ゲルマン的正確さと手抜きをしない網羅性が気に入った。不謹慎かもしれないが、ナチスギリシャやパリに侵攻するときもこのような綿密な事前調査をしたいたに違いないと思ってしまった。
当時住んでいたウィーンに戻ってから旅行書専門店http://www.freytagberndt.at/shop/で、ギリシャはもちろんウィーンやパリ、トスカーナポルトガルハンガリーなどの各編を買い揃えた。
 Martin Velbingerシリーズの現状がどうなっているかと調べてみたら、Reiseführer für Globetrotter travelbooks.de http://www.travelbooks.de/index.htmlというドイツのガイドブック評価サイトにMartin Velbingerのページhttp://martin-velbinger-verlag.travelbooks.de/が設けられていた。最近は新刊も改訂版も出なくなっているようで心配だ。
このときに気づいたのが、異国を第三国の人間の視点で書いたガイドブックを持って歩くと二重に非日常が味わえて面白いと言うことだ。昨日紹介した、アーサー・フロンマーやLet' Goのヨーロッパ・ガイドブックを読むと、アメリカ移民の子孫が父祖の地を訪ねる視点がそこかしこに感じられるし、アメリカの出版界にユダヤ系の人が多いせいかコッシャー料理のレストランが必ず紹介されている。また、アメリカのガイドブックの多くはは旅先での美食体験に興味薄であることも分かった。
実は、ハワイには未だに行ったことはないが、ハワイ旅行を7年ほど前に計画したことがある。そのときにも、「異国を第三国の人間の視点でして」という発想からカリフォルニアの若者が旅するようにハワイを旅するというコンセプトで計画作りを行なった。
そのときに見つけたのがThe best Hawaii travel guide on the net! http://www.discoveringhawaii.com/という、ハワイに関するガイドブックで定評のあるSullivan社のサイトだ。代表のRichard Sullivan http://www.discoveringhawaii.com/SF_PhotoGallery/AboutAuthor.htmlは写真家として有名であり、ハワイの孤島、知られざるビーチ、隠れた滝、容赦ないホテル・レストラン評価など、ハワイ通を自称する人が目から鱗の思いをするフレッシュな情報を写真を添えて紹介している。各島ごとのリンク集も充実。
 そう言えばGoogle NEWS Alert http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20040824で数日前に流れてきたメールに、ArriveNetの10 Best Things To Do in Hawaii http://press.arrivenet.com/tra/article.php/547455.htmlという記事があった。よく読むと記事はBest Places Hawaii http://www.bestplaceshawaii.com/tips/10_best/things_to_do.htmlというハワイで最大級の旅行情報ポータルからの引用だった。
 これからお正月をハワイで過ごそうという人は、上記2つのサイトで日本では紹介されていないハワイを味わってみてはいかがだろうか。