旅行に必要な最低限の単語と会話を覚えよう

 テレビやラジオの語学番組は、「駅にて」「空港にて」「ホテルのチェックイン」「旅行エージェントにて」「レストランでの注文の仕方」など個人旅行者が異国で直面するシチュエーションに合わせた講座をよく放送している。私は、少しでも訪れる可能性のある国のこのような実用会話番組はせっせとビデオに録り溜めることにしている。画質は問わないので3倍速で充分だ。
地上放送の録画機能のあるパソコンなら録り溜めておいて、デジタル・オーディオ・プレイヤーやモバイルパソコンで旅先に持って行くようにしてもよいだろう。
 「NHK外国語会話」http://www.nhk.or.jp/gogaku/top.html は、外国語会話の放送予定や講座内容をチェックするのに便利だ。
最近は、公共図書館にも「旅行会話」のCDやカセット、ビデオを所蔵しているところも増えているので、これらも大いに活用したいものだ。
検索エンジンで「イタリア 旅行会話」「イタリア語 辞書」などという検索を行って、市販されている電子辞書や会話集などを探すこともできる。
 なかには、「イタリア語会話http://www003.upp.so-net.ne.jp/italiagokaiwa/index.htmlやミラノにあるジャパンイタリア・ドットコム社が発信するイタリア旅行情報サイトhttp://www.japanitalytravel.com/の「イタリア旅会話レッスン」のページのようにウェブ上で会話集や簡単な辞書を無料公開しているものもある。
その国の言葉を知らなくても、文字の読み方を覚えておけば異国で助かることがよくある。 たとえば、ロシア語に使われるキリル文字の読み方だけでも覚えていると、ロシアばかりかセルビアマケドニアギリシャなどの旅先で地名や外来語を判読したり、レストランのメニューを読むのに大変役立つ。ちょうど、日本を訪れた外国人がカタカナだけでも覚えるとトイレやレストランなどの言葉の判読ができるようなものだ。
私も、学生時代にキリル文字を少し囓っていたのでギリシアの田舎ではずいぶん助かった記憶がある。とくに、田舎では通りの名前の表記がギリシア文字に限られていたので、地図を読むためにも必要不可欠だった。
 これから、ギリシア旅行を計画している人には、アテネ在住のギリシャ日本人近現代史研究者が運営するギリシャの旅行・娯楽情報に関心のある人やギリシャ語を学習している人、ギリシャ研究者を主な読者対象とするギリシャ専門の WEB サイトLambda Page (ラムダ・ページ)http://lambdapage.dhs.org/index.n.htmlを一読することを強く勧める。ギリシャ語の「綴り字と発音」のページは旅行前に勉強しておくと旅が楽しくなるだろう。
すでに紹介した“世界の文字で遊ぼう”http://www.geocities.jp/p451640/moji/index.html というサイトは、まったく馴染みのない言葉の文字を知るのに大変便利だ。このサイトではキリル、ギリシャ文字のほか、ハングル、ビルマ文字、タイ文字、モンゴル文字ヘブライ文字アラビア文字などの基礎知識を得ることができる。ひらがなを入力するとその国の文字へ変化してくれるという「世界の文字に変換しよう」という機能まである。さらに、「もっと世界の文字で遊ぼう」という世界の文字のリンク集まで設けてある。
基本会話にしても、挨拶など10〜20ぐらいのフレーズを覚えておくだけでもずいぶんと旅が楽しくなるものだ。これぐらいであれば、泥縄の感は否めないが、目的地までのフライトや列車の中でも充分マスターできるだろう。
 拙著「ウィーン旅の雑学ノート」(ダイヤモンド社)では「30分で覚えるウィーン流ドイツ語会話」というコラムを書き、「旅を楽しくする6つの言葉」を覚えるだけでも、こんなに旅行のシチュエーションで応用できると言うことを紹介させてもらった。
ちなみに、その6つとは、オーストリア方言で「こんにちは」を意味するグリュース・ゴット、「どういたしまして」にも「どうぞ」にも「お願いします」にも使えるビッテ、「それ」という意味だが、「これ」という意味に使ってもおかしくないダス、「ありがとうございます」の意味でも「結構です」という意味にも応用できるでダンケ・シェーン、「〜はどこにありますか」という意味のヴォー・イスト〜、「すみません」にも人を呼ぶときの「ちょっと」にも使えるエントシュルディグングだ。
こういった簡単な会話帳を自分流にカスタマイズしてワープロなどで作っておくのもよい。ワインの好きな人、音楽鑑賞がしたい人、美術鑑賞をしたい人、サッカー観戦がしたい人など、その趣味・嗜好に合わせた会話帳を作っていく過程でもずいぶんと勉強になるはずだ。
 厚生労働省の「海外渡航者のための感染症情報」http://www.forth.go.jp/の「お役立ち情報」には、英語、仏語、ドイツ語、スペイン語、中国語(北京語&広東語)、韓国語の「医療会話集」があり便利だ。
 「海外ホテル予約 アップルワールド」http://www.appleworld.comには、「ホテル用語辞典」、「ホテルで使う英会話」、「世界のホテル会話集」といった充実した記事があり、海外での滞在時間の半分以上を過ごすホテルでの対応に十分な基礎知識が得られる。
最後に、語学や旅行会話のポータルとも言える内外のサイトを取り上げておこう。
 SPACE ALC http://www.alc.co.jp/は、「地球人ネットワークを創る」をモットーとする出版社アルクの膨大な語学関連ポータルサイトだ。先ずは「初めての方へ」を見てみよう。留学、国際派就職、世界のことば、ブロードバンドなどのジャンル別にコンテンツが紹介されている。とくに、「旅が楽しくなる! 海外で使えるフレーズ集」が役立つだろう。
Travlang http://www.travlang.com/は、アメリカで設けられている旅行会話の膨大なサイトだ。とくに、Travlang's Foreign Language for Travelers の機能が秀逸。たとえば、SELECT A LANGUAGE YOU SPEAKのメニューでNihongoを選び、国旗の絵柄と共に言語名が並ぶSELECT THE LANGUAGE YOU WANT TO LEARNでArabicを選ぶと、基本語、買い物・食事、旅行などに分かれた日本語版アラビア語基礎会話集が現れ、Real Playerで正確な発音を聴くこともできる。日本人のためのオランダ旅行会話など多様な会話集が収められている。簡単な電子辞書も無料で利用できる。旅行一般のリンク集も充実しており、とくに、世界の祝祭日、イベントなどのカレンダー検索が役立つ。
☆写真はフィレンツェの語学学校の授業風景
下記は、ミニサイズの辞書シリーズで旅行に持って行くのに便利だ。

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