観光局サイトをフルに活用しよう その3

一定地域の観光局が協力して“地域興し”の共同ポータル・サイトを開くケースが増えてきている。
 例をいくつか挙げると。「ASEAN(東南アジア諸国連合) Japan Centre」http://www.asean.or.jp/は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ 、ブルネイベトナムラオスカンボジアのアセアン9カ国と日本の間の貿易、投資、観光の促進のために設立されたサイトだが、「観光情報」ページが充実している。ヴァーチャルツアーで各国のスライド・ショーが展開されるほか、ショッピングやグルメ、アジアの周遊に便利なASEANエアパス、アセアン国間の国境を越えるルートなどの情報も掲載している。「アセアンの世界遺産」では26の遺産を地図から巡ることができる。
 歴史的ルーツ、伝統を共有するチェコハンガリーポーランド及びスロヴァキアの中欧4カ国が、1991年ハンガリーのヴィシェグラードにおいて、相互に経済援助を行い、EU加盟に向けて協調して取り組むことで合意した。そして、2004年5月1日にEU加盟は実現した。「ヨーロピアン・カルテット」http://www.european-quartet.com/index.php?lang=01 は、この4カ国が観光促進のために開いた日本語ホームページ。歴史の町、ユネスコ文化遺産、温泉、ユダヤ遺産、主な中欧横断ルート、会議等イベント・ツアーなどの項目が設けられており、ドナウ河との関わりも深い。内容は英語だが「主な中欧横断ルート」のページは旅行計画作りの参考になるだろう。4カ国の政府観光局へリンクを張った「メンバーズ・サイト」もある。
 Danube Tourist Commission(ドナウ流域観光促進トラベルマート)はドナウ河沿岸8カ国が参加する観光促進機関だが、そのホームページ"The Danube-A River's Lure" http://www.danube-river.org/en_home.htmlには、ドナウの歴史や地理のほか、沿岸の世界遺産やサイクリングコースを紹介するコンテンツを展開している。Linksから沿岸各国の観光局などのサイトを開くことができる。
 国際機関「太平洋諸島センター」のサイトhttp://www.pic.or.jp/index.htmはフィジーサモアクック諸島など太平洋島嶼国12カ国2地域の「観光情報」ページを設けており、各国の旅行基本情報や各観光局へのリンクがある。
全米旅行産業協会(Travel Industry Association of America)が運営する「SeeAmerica.org」には日本語ページhttp://www.seeamerica.org/ja_index.jspが設けられており、「アメリカ旅行地図」で訪れたい州をクリックすると各州政府観光局のホームページに飛ぶことができる。また2地点間の距離を簡単に割り出せる距離計算機能や英語ページとなるが「トラベルパッケージ」「トラベル・プランニング」という優れた機能も備えている。
英語のポータルでは米国連邦政府運営の「Recreation.gov」http://www.recreation.gov/が、各州政府観光局サイトへのリンクや国立公園を中心とした景勝地の紹介、観光ルート案内などのページがあり、アクティヴィティー別で詳細な観光情報を検索することも可能だ。
アメリカ西部5州政府観光局」http://www.uswest.tv/ のように一定地域の州政府観光局が共同で開いた日本語ホームページも生まれている。キャンペーン情報や個性的なツアーを紹介するPick Upコーナー、モデル・コースなどは大いに企画の参考になるだろう。 
 同様のものとしては、カナダの大西洋に面した4州の日本語共同サイト「アトランティックカナダ4州観光局」http://www.atlanticcanada-japan.com/ といったものもある。
☆写真はデンマークのフレデリクスボー城http://www.frederiksborgmuseet.dk/にて