英語のウェブ・ガイドブックで昔の旅を“復元”その1

 1974年に初めて海外旅行に出たとき、個人旅行に役立つ日本のガイドブックは皆無であった。なにしろ、ガイドブックのほとんどは大手の旅行会社か航空会社がスポンサーとなって出版されており、パック旅行参加者への副読本的なものばかりであり、見知らぬ異国でのホテルの取り方や食費などの物価、公共交通機関の乗り方などにふれたものは全くなかった。そのような時代に頼りになったのはアメリカのアーサー・フロンマー氏が出していた「1日$○○の旅」シリーズのガイドブックだった。学生食堂の利用の仕方から学生寮の泊まり方、鉄道や観光バスの割引特典の活用法など「目から鱗」の情報に大感激したものだった。しかし、最初は1日$5だったシリーズも$10、$15、$20、$30と順調に予算アップし、最新の2004年版(第46版)ではFrommer's Europe from $85 a Dayと「$85以上の旅」という表現になってしまっていた。これは、インフレを反映しているばかりではなく、著者と読者が豊かになり扱うホテルやレストランも高級化していったせいでもある。同シリーズの高級化とともに、個人的にはよりバックパッカー向けのLet' Goシリーズやオーストラリアのロンリー・プラネット社のShoe Stringsシリーズなどのガイドブックの方を愛用するようになった。旅行予算に少し余裕のある人には世界最大の旅行書出版社Fodor'sのガイドブックもおすすめだ。
Frommer'sとFodor'sのガイドブック・シリーズはウェブ上でもガイドブックの中身を無料公開しており、Frommer'sなどはホテルやレストランのURLもリンクしている。また、Updatesの項目で、紙のガイドブックを出版した後の追加情報までフォローしている。
Frommer'sのサイトのDestinationsを使って30年前のヨーロッパ一周旅行をたどってみた。当時の手帳に書き留めてあった利用したホテルやレストラン、アトラクションなどをウェブ上で探してみたのだが、物件の入れ替わりも激しくさすがに生存率は30%以下だった。しかし、Googleで検索すれば50%近くの物件が生き残って営業を続けていることも分かった。
日本のガイドブック出版社で上記2社のように気前よくコンテンツを公開しているところがないのは残念だが、英語と違いローカル言語である日本語では、デジタル化して公開しても元が取れないのだろう。
Arthur Frommer's Budget Travel Online http://www.frommers.com/   
Let's Go http://www.letsgo.com/ 
Lonely Planet http://www.lonelyplanet.com/
Fodor's http://www.fodors.com/ 

Frommer's Europe from 85 a Day (Frommer's A Day)

Frommer's Europe from 85 a Day (Frommer's A Day)

  • 作者: Reid Bramblett,Richard Jones,Suzanne Rowan Kelleher,Joseph S. Lieber,Herbert Bailey Livesey,Sherry Marker,Hana Mastrini,George McDonald,Haas Mroue,Cheryl A. Pientka,Darwin Porter,Danforth Prince,Beth Reiber,Sascha Segan,Christina Shea
  • 出版社/メーカー: *Frommers
  • 発売日: 2004/08/27
  • メディア: ペーパーバック
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