短波ラジオで旅をエンジョイし、危機管理にも役立てる

 ラジオがあれば旅先でも日本にいても旅をより深く楽しむことができる。私はソニーの手のひらサイズでデジタルで周波数を入力できる短波とFMワイドバンドが聴けるラジオを必ず持って旅に出る。FMワイドバンドとは日本のテレビの1〜3チャンネルが受信できる周波数帯のことで、これがあれば海外の大抵の国のFM放送を聴くことができる。
私にとって短波ラジオが必需品なのは、NHKの海外向け短波放送「ラジオ日本」http://www.nhk.or.jp/rj/index_j.htmlが受信できるからだ。NHKは衛星中継で海外の8カ所の送信所から短波放送を行っており北シベリアやアラスカなど北極圏近くの地域を除いたほとんどの地域で1日に数回は受信が可能である。最近は、ホテルの部屋でも簡単に拡げられる高性能の室内アンテナが付属している短波ラジオも多く、意外によく受信できる。旅先でまで、大相撲や紅白歌合戦高校野球など放送を聴きたくないという人もいるだろうが・・・。
 「ラジオ日本」のサイトがNHKの海外TV放送サイトと統合されてできた「NHKワールドhttp://www.nhk.or.jp/nhkworld/index-j.htmlでは、NHKがラジオとテレビ、インターネット・ストリーミングによって行っている海外発信を案内している。国際短波放送「NHKワールド・ラジオ日本」の周波数・番組表や「NHKワールドテレビ」の番組表、NHKなどの日本語番組の放送を行っている海外テレビ放送局へのリンクもある。地域別の海外安全情報やニュースが音声のストリーミング放送で聴けるほか、アジア向けの英語によるストリーミング動画放送もある。

 海外で短波ラジオを聴くのに役立つ秀逸なホームページAtlanta DX Online JAPAN http://www.geocities.co.jp/atlantadxonlinejapan/も紹介しておこう。アトランタ滞在経験のある日本人ビジネスマンが運営するヴォランティア・サイトだ。とくに海外日本語放送最新スケジュール一覧表や最新受信情報、日本BCL連盟の情報やその機関誌の記事の一部がサイト上で読めるのは短波受信初心者には心強い。リンク集も充実している。

大変失礼ながらインターネット時代を迎えて“絶滅種”となっているかと思っていたアマチュア無線家“ハム”が健在なことを知らせてくれる「ji1cyx's world 」 http://www.hi-ho.ne.jp/ohta/index.htmというサイトを見つけた。「リンク集 DX Super Index 」http://www.hi-ho.ne.jp/ohta/DXsuperIndex.htmはハムに関する情報の宝庫だ。
また、「アマチュア無線とは」http://home10.highway.ne.jp/cwl/hobby.htmlというページには、「日本は世界一のハム大国です。日本のアマチュア無線局数はピーク時の1994年で約136万局。世界第二位はアメリカ合衆国で約65万局、第三位はドイツで約7万局となっています。しかし、最近はどんどん減り続け、2000年度には89万局と激減してしまいました。これは携帯電話やインターネットの著しい普及が最大の原因と思われます」とあった。(筆者注:2004年度末の日本におけるアマチュア無線局数は、総務省の統計では599,425局)「アマチュア無線とは」には、「ハムの語源」という興味深いコラムもある。

 そういえば、昔ドイツの日本語短波放送で、都はるみの「北の宿」をドイツ人に聴かせた感想という番組があった。笑ってしまったのは「メロディーは美しいが歌詞に論理的な誤りがある。別れた男のセーターを編めるわけがないじゃないか」という意見があったことだ。ゲルマン気質のなんと律儀なことか。
 ほかにもアジア地域を中心に日本語放送を行っているラジオ局は少なくない。また、英語であれば世界のほとんどの地域で放送が聴取できる。世界各地の英語放送の周波数を知るには、各地の英字新聞を見るとよい。インターネットでEnglish & Broadcast などの複合検索を行ってもかなりの英語放送局が発見できる。
 英語が実質上の国際語となりつつある現在、パリやウィーンなどの大都市では観光客向けの英語放送があるので、英語の分かる旅行者にとっては便利だ。
 同時多発テロの際にも起こったように、インターネットではニュース・サイトにアクセスが殺到し不通状態に陥るといった恐れもある。また、当時ニューヨークの一部で発生したようにテロの直接の影響でプロヴァイダーの機能が停止してしまうといった事態も起こりうる。万一の際の情報収集にもラジオは強い味方だ。
 海外のラジオ局などに興味のある人は、「インターネット・トラベルNEWS」の最上段にある検索ボックスに「ラジオ」とキーワードを入れて「日記」を押すと「NEWS」バックナンバーにある「海外のインターネット放送局を視聴して旅行情報の収集を」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20041105など9件ほどのラジオ関連記事を閲覧することができる。
下記のサイトも参考まで:
「世界の短波放送局情報」http://www.wavehandbook.com/jp/index-j.html
「用途に合わせて選べるソニー短波ラジオhttp://www.wavehandbook.com/jp/mbr-mbr-j.html
「KT's SWL WORLD」 http://www.asahi-net.or.jp/~NM9K-TNK/index.html 
「アジア放送研究会」 http://www.abiweb.jp/ 
☆右上の写真は ヴェネチアのゴンドラを背景に撮った愛用のFMラジオ SONY ICF-SW1

DXの歴史―日本から見たDX界の史実を検証

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