レストラン・メニューの読み方を予習 その1

 海外のレストランで、目の前を美味しそうな料理の皿が次々に通り過ぎていくのに、メニューにそれらしき料理を見つけることができないといった悔しさを経験されたことはないだろうか。そんなとき、つい仕方なく世界共通語のローストビーフやフィレステーキなど無難なものを注文してしまうと私は悔しさで夜も眠れなくなる。
今回は、メニューの“消化不良”のせいで旅先で悔しい思いをしなくて済むよう、その事前予習の方法についてふれていきたい。

気の利いた旅行ガイドブックは、メニューの解読方法や対訳などを掲載しているが、もっと詳しくという人は、いくつか出ている海外旅行者向けのメニュー・ガイドブックを入手するとよいだろう。書籍のオンライン販売サイトAmzon http://www.amazon.co.jp/で検索したところ、5カ国のメニューが分冊となった「海外でメニューがわかる本」(集英社)など3種類ほどが見つかった。
イタリア、フランスの美味探求の旅を目指す人は、食品・料理関係者を対象にした、料理・メニュー用語の解読の格好の手引き「イタリア料理用語辞典」「フランス料理用語辞典」(白水社)を旅に持参してもよいだろう。「イタリア料理用語辞典」は、メニューの参考例のほか地方ごとの牛・豚などの部位の呼び方の違いを図解を添えて解説している。

Amazonなどの書籍検索サイトでで「イギリス料理」といった検索をして、自分の行きたいところの料理に関する本を探してみるのも面白い。旅と料理という2つのテーマを1冊にまとめた本が意外に多いことに驚かされる。
また、レシピや料理写真の出ている本に目を通しておくと、その素材や味付け、食べ方のTPO、ときには、料理の背景にあるその国の歴史まで知ることができて、異国での食の楽しみが倍加する。  
 料理好きの方なら、旅立つ前にいくつか代表的な料理を作ってみては。現地での“本場の味”との出会いがより楽しめるだろう。

インターネットを使えば、各国料理の写真入りレシピやレストランの値段入りメニューを見て予習することも簡単だ。最近は、日本語のメニューをウェブ上で公開しているレストランも増えてきた。
 ぐるなびご当地グルメ海外版http://www.gnavi.co.jp/world/ は、29か国50都市、約5,000店舗のレストランを紹介しており、地図から店舗のページを開くことができたり、値段入りの日本語メニューを閲覧できるレストランも多い。

 Google検索エンジンhttp://www.google.co.jp/で「○○料理+レシピ」といった検索を行ってみるのもよい。1月号で紹介したようにGoogleのイメージ検索機能を使えば、特定の料理の写真やレストランのメニュー画像を探し出すことも難しくはない。
実は、筆者のホームページの中に「食とワインが語る欧州各国史」というリンク集http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/5894/shoku.htmを設けている。そこには各国のレシピやシェフ、レストランなどのサイトがリンクしてある。ヨーロッパの食に関するサイトをざっと一望してみたいという方はご活用いただきたい。ただし、リンク切れ多し。

 予習の時間もないという方は、自分の嫌いな食べ物の単語だけでも覚えておくとよいだろう。できれば、前菜、スープ、メインディッシュといった各国のコース分けを覚えておくとよい。そうすれば、1人で前菜だけ3皿も頼んでしまうといったミスをしなくて済む。
 信頼できるレストランなら経済的で比較的軽めなコースメニューを取ってみるというのもよい。
おすすめは、デグスタシオン・メニューというシェフのおまかせ、あるいは、その店の真骨頂のお試しコースである。これは、すべての店が用意しているメニューではないが、有り難いことに日本の懐石料理などから影響を受け、旬の素材を生かし、軽めのソースとヴォリュームで出すヌーヴェル・キュジーヌの流れを汲むレストランに多く、比較的われわれの舌に合う料理が出されるようだ。メイン3種類を3枚の皿に分け、少な目に美しく盛り付けて出すといった工夫もされており、全部で10数皿も出す店もある。1回の食事で、シェフの腕前のほどを食べ残すことなく堪能できるに違いない。旅立つ前に「menu degustation+地名」と検索してデグスタシオン・メニューを用意しているレストランをあらかじめ探し出しておくのもよいだろう。

■今日のブックマーク&記事■
□Arizona Daily Star“Budget Travel by Arthur Frommer : 'Holiday' publicity boosts home-exchange services”
 http://www.azstarnet.com/allheadlines/160572
 宿代高騰の折、旅にHome Exchange を利用して節約しようという趣旨の記事。Home Exchangeに関するサイトもリンク。
□「お悩み解消.net 海外旅行」 http://onayami-kaishou.net/modules/wiki/671.html 
「お悩み解消」ブログの「海外旅行」ページ。関連サイトへのリンクが多い。
□nikkeiBPnet環境「中国の大気汚染を敏感にキャッチする樹氷
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco06q4/520885/
☆右上の写真は 今は廃止となったヨーロッパ横断特急(TEE)「ラインゴールド号」食堂車のメニュー・ディスプレイ

海外でメニューがわかる本

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仏伊英 メニューの読み方・書き方

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イタリア料理用語辞典

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山本直文 フランス料理用語辞典

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